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ガチャ屋開業編

059 カナタ、転移に気付く

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お知らせ
 54話において、ニクが表情を手に入れたという記述がありますが、その前にも満面の笑顔とか表情を見せている下りが多々ありました。
これは機械的な表情と人間的な表情という違いがあるものだったのですが、作者に文才がないために上手く表現出来ていませんでした。
というか説明を端折りすぎて伝わるわけのない文章になっていました。
そこで、少し54話の該当部分に捕捉を入れて表情の違いを明確にしました。
わけがわからない文ですみませんでした。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 カナタは、グリーンバレーに出張するにあたり、店の運営をどうするか悩むことになった。
ルルにハズレオーブを買い取ってもらい、そのハズレオーブをカナタが携帯ガチャ機で1UPすることで、店の品物を揃えるというのが店の在庫を得る流れだった。
そのカナタが抜けることで、在庫の供給が止まることになる。
グリーンバレーへの移動には片道4日かかる。
向こうでのハズレオーブの仕入れには最低4日は欲しい。
つまりグリーンバレー出張は合計12日必要になるということだ。
その間にお店の在庫は間違いなく枯渇する。
そうなると、あの店は品物が無いという印象がつき、折角の常連客を逃すことになりかねない。
ただでさえ、ユキノの調査でハイポーションを値上げしたのだ。(4000DGが相場だった。なので3900DGに値上げした)
これ以上の悪印象で客離れを起こしたくなかった。

「移動時間の短縮には足の速い騎獣を雇うという手がある。
トカゲ系か鳥系なら単騎駆けで2日で移動できるそうだ。
しかし僕には騎乗スキルがないんだよな。
とりあえずスキルガチャでもやれば騎乗スキルが出るかな?」

 カナタは悩みのドツボに嵌ってブツブツと独り言を言うと、課金ガチャに頼ろうとしていた。
そこでカナタは何気なく自分のステータスを確認した。
単純に現在の所持金を見ようと思ったのだが、なぜか【お財布】スキルに頼らずにステータスで見ようと思ったのだ。
これは、最近ステータスを見ていなかったという思いと、所持金を見たいという思いで偶然行ったことだった。


名前 :カナタ=ミル=ファーランド

種族 :人間 年齢:11才 性別:男

職業 :魔術師 (勇者)女神の加護により隠蔽中

レベル:10↑

体力 :300↑/300↑(100,000)呪いにより低下中

魔力 :51,000↑/51,000↑(1,000,000)呪いにより低下中

幸運 :65↑(+80↑+100(ガチャバカ一代補正分))呪いにより低下中

状態 :成長不良 (呪いの余波)

Nスキル:お財布 生活魔法 図鑑Lv.3 MAPLv.4 ロッカーLv.4↑

HNスキル:魔力操作Lv.4↑ 火魔法Lv.3↑ 遠見Lv.1 風魔法Lv.1 剣技Lv.1new

Rスキル:身体強化Lv.3↑ 俊足Lv.2↑

SRスキル:時空魔法Lv.5↑(7)呪いにより低下

URスキル:魔力探知Lv.3

LRスキル:

GRスキル:携帯ガチャ機

称号:ガチャバカ一代 (勇者)女神の加護により隠蔽中

加護:女神ソフィアの加護(小)

取得魔法:転移Lv.2↑ ファイアボールLv.3↑ ファイアウォールLv.3↑ 回復(微小)
     麻痺Lv.1 ウォーターボールLv.1(使用不能)

装備: 皮の鎧(小)
    鋼の剣+2

所持品:→次ページ

所持金:1億764万1325DG(レベル10になったため1億DG解禁)


「あ、そうか。
庭のグラス系魔物を大量に倒したんだった。
あ、剣技スキルが生えてる!」

 カナタは自分のレベルが10になっていることに驚いたが、よくよく考えればグラス系魔物を500体以上討伐したので、当たり前のことだと納得した。
そしてスキルの中に剣技Lv.1が生えていることに喜んだ。

「ん? 所持金が1億増えてる。
なになに、レベル10になったため1億DG解禁?
あっ!」

 カナタは気付いた。そしてガックリと膝をついて項垂れた。
グラス系魔物を倒したのはオークション前の当日だった。
その時にレベルアップしていたのだろうから、この1億DGはオークションで使えたということだ。
あれだけ金策に苦労したのに、それが無駄だったのだと今気付いたのだ。
あの時、焦らずステータスさえ見ていれば、何の苦労もなかったはずなのだ。
これも幸運の為せる業だったのだろうが、その幸運に気付かなければ無駄になるということだった。

「もしや、これも……」

 カナタはレベルアップしたスキルに注目した。
【ロッカー】がレベル4になったことで、容量が4m×4m×4mに増えている。
家具屋でベッドなどを購入した時に1コマに入る量が多いと思ったのはこれが原因だった。
その他、魔物討伐で駆使したスキルがレベルアップしていた。
ドロップしたオーブを片っ端から【ロッカー】に仕舞ったおかげで時空系スキルも上がっていた。
そう時空系スキル。まさかの転移がレベル2に上がっていた。

時空魔法【転移】
 魔法執行者が行ったことのある任意の場所に転移することが出来る。
 同行人数は本人+レベル人
 転移距離は使用魔力量に依存する

「転移魔法……。レベル2だから本人+2人で転移出来るのか。
魔力は余りあるからグリーンバレーまで一瞬で行って帰って来れるな……」

 カナタは転移によってグリーンバレーまでの移動時間を短縮する目途がたった。
転移実験は必要だろうが、失敗しない自信があった。

「となると4日の滞在期間分の在庫があればガチャ屋は回せるな」

 いいえ、毎日【転移】で帰ってくれば宿代も要らず毎日在庫を補充出来ます。
実家にも一瞬で帰れるかもしれません。(ただし、実家に近づくと呪いが強くなるのでどうなるか不明)
そこにカナタが気付かないのはもうお約束だった。

 カナタは4日分の在庫を揃えるために、携帯ガチャ機にハズレオーブをせっせと投入するのだった。
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