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家出編
024 カナタ、冒険者になる
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ガチャを引くためと一晩の宿泊のために泊まった宿屋を引き払うと、カナタは冒険者ギルドに向かった。
一晩銀貨10枚、2人で銀貨20枚、つまり2万DG支払うことになった。
この世界の一晩の宿泊料としては高額な方だったが、美少女のニクを連れて簡易宿泊所や安宿に泊まるのは危険なため、高級宿に泊まらざるを得なかったのだ。
ガチャ商売の利益が1万9千1百DGだったので、昨日1日の収支はマイナスだった。
(3日前までに手に入れたアイテムの販売益は別日に得た収入としてこれに含まれていません)
カナタが冒険者ギルドに向かった理由は、この街の情報を得るためと冒険者になるためだった。
これまでカナタは、冒険者になるメリットは無いと思っていた。
冒険者にならなくても素材は買ってもらえるし、面倒な柵もない。
それでいいと思っていたのだが、カナタは街の住人ではなく、旅行者という立場だった。
この旅行者の立場では街を出入りする都度銀貨1枚の入街税を徴収されてしまう。
ニクと2人だと銀貨2枚が毎回消える。
ところが、冒険者になると街の住人でなくとも、ギルドカードを見せるだけで街を出入り出来るようになるのだった。
実家に戻るためにお金を貯めなければならないカナタにとっては、その入街税もバカにならなかった。
街の中では呪いによって携帯ガチャ機の1UPの恩恵が受けられないと判明した。
つまり、このままこの街でガチャ屋をしても収支はマイナス続きでジリ貧となり、帰還どころではなくなる未来が目に見えていた。
そこでカナタが思いついたのは、3日分の移動距離を実家から離れれば、呪いが薄くなるのではないかという仮説だった。
3日前はたしかに1UPの恩恵があった。
しかし、この街に来たことで恩恵が受けられなくなった。
これは父アラタがこの街に近づいたことと、カナタ自身も父に近づいたせいではないのか。
カナタは、この街とファーランド領との位置関係を把握し、そこから離れることで呪いが弱まるのではないかと推測し、それを実験したかったのだ。
そして、呪いの弱まるポイントがあるなら、そこでガチャを引けば良い。
1UPの恩恵を得られるし幸運値もあがりガチャ屋が成立するはずという算段だった。
それが3日ではなく1日いや半日の距離かもしれない。
街を出てすぐに呪いが弱くなるかもしれないという安易な思惑だった。
その実験をするにしても、冒険者となって街への出入りが自由になるのは都合が良い。
ガチャ屋をするためには、ハズレオーブを仕入れる拠点も必要だったからだ。
「ニク。君も冒険者登録しとこうか?」
「はい。マスター」
冒険者ギルドに到着すると、カナタは空いているカウンターに向かうと、ニクと冒険者登録を申請する。
「冒険者ギルドへようこそ。坊や、買取カウンターは向こうよ?」
美少女を連れた少年が高級アイテムを売りさばいた昨日のことを受付嬢は覚えていた。
なので冒険者ではない少年がこちらの受付に来たことを疑問に思い、親切心からお節介を焼いたのだ。
「いえ、実は冒険者登録をしようと思いまして」
カナタの言葉に受付嬢は残念そうな顔をし答える。
「あら、冒険者登録は10歳以上からなのよ?」
受付嬢は、カナタの外観から7歳ぐらいだと思ったのだ。
「僕、これでも11歳だよ?」
「皆、そう言うのよね……」
カナタが恥ずかしそうにそう告白するが、受付嬢はそれを信じなかった。
冒険者になりたいと年齢詐称をする子供が後を絶たないからだ。
そんな子供が無理をして死んでいくのを見て来た受付嬢は、カナタに良かれと登録を断ることにした。
「何か年齢を証明する身分証はある?」
受付嬢は、そんなものは持っていないだろうと思いながらカナタに問う。
それによって登録を断れると思っていた。
「これで大丈夫?」
そこには『カナタ=ミル=ファーランド ファーランド伯爵家三男 11歳』という伯爵家が発行した身分証明書があった。
これは本人の魔力が登録されていて、他人が勝手に使うことが出来ない本物の証明書だった。
「え?」
受付嬢は、二重の意味で驚いた。
カナタが本当に11歳であったこと、しかも正真正銘の貴族の子弟だったことがこれで証明されたからだ。
「申し訳ございません。冒険者登録手続きを開始します。(どうしてこんな所に伯爵家の御子息が?)」
そう思いながらも受付嬢は、冒険者登録手続きを開始するのだった。
「では、この魔導具に手をあててください」
登録で魔導具を使うと言われ、カナタは焦った。
ニクが肉ゴーレムと判断されたならば物扱いで登録できないと思ったのと、愛砢人形となっていたので、変な反応が出ないかと気が気ではなかったのだ。
幸い、冒険者ギルドの魔導具はニクをヒューマンとして認識した。
身構えていたカナタは、ニクも普通に登録できて安堵した。
「これで登録終了です。
それでは冒険者登録料がお2人で銀貨20枚になります」
「え? お金とるんだ……」
「あ、申し訳ありません。先に伝えるべきでした」
受付嬢がうっかり伝え忘れていたのは、カナタが貴族の子弟ということに驚いたことと、貴族なら簡単に払える額だと思っていたせいだった。
昨日大金を手に入れていたことも記憶の隅にあった。
何か事情があって今はお金が無いのかと、受付嬢が後払い処理の書類を用意しようとする。
「大丈夫。払えるから」
カナタは慌てて受付嬢を制し【お財布】から代金を引き降ろした。
単純にお金がかかると思っていなかったのだ。
もちろん今のカナタには2万DGは痛かったのだが……。
「ところで、この街の名前は何? 誰の領地?
ファーランド伯爵領との位置関係は?」
カナタが矢継ぎ早に質問する。
「ここはグリーンバレーよ。
グリューン子爵の領地になるわ。
あ、くれぐれもグリューンバレーって言わないでね。
この街の名はグリーンで合ってるの。
間違いじゃないかって散々言われて子爵様が気にしてらっしゃるのよ。
ファーランド領からは南に4つ目の領地かしら?」
受付嬢が苦笑いしながら教えてくれた。
街の名前間違いは禁句らしい。
それに思ったより遠くに来ていた。
直線距離でだいたい400kmぐらい離れている感覚だろうか。
(一応、ギルド本部経由でファーランド伯爵家に情報提供した方が良さそうね)
受付嬢はカナタの様子が気にかかり、ギルド本部に報告を上げることにした。
これにより、カナタの無事が確認され、カナタの家出は伯爵家に把握されることとなった。
一晩銀貨10枚、2人で銀貨20枚、つまり2万DG支払うことになった。
この世界の一晩の宿泊料としては高額な方だったが、美少女のニクを連れて簡易宿泊所や安宿に泊まるのは危険なため、高級宿に泊まらざるを得なかったのだ。
ガチャ商売の利益が1万9千1百DGだったので、昨日1日の収支はマイナスだった。
(3日前までに手に入れたアイテムの販売益は別日に得た収入としてこれに含まれていません)
カナタが冒険者ギルドに向かった理由は、この街の情報を得るためと冒険者になるためだった。
これまでカナタは、冒険者になるメリットは無いと思っていた。
冒険者にならなくても素材は買ってもらえるし、面倒な柵もない。
それでいいと思っていたのだが、カナタは街の住人ではなく、旅行者という立場だった。
この旅行者の立場では街を出入りする都度銀貨1枚の入街税を徴収されてしまう。
ニクと2人だと銀貨2枚が毎回消える。
ところが、冒険者になると街の住人でなくとも、ギルドカードを見せるだけで街を出入り出来るようになるのだった。
実家に戻るためにお金を貯めなければならないカナタにとっては、その入街税もバカにならなかった。
街の中では呪いによって携帯ガチャ機の1UPの恩恵が受けられないと判明した。
つまり、このままこの街でガチャ屋をしても収支はマイナス続きでジリ貧となり、帰還どころではなくなる未来が目に見えていた。
そこでカナタが思いついたのは、3日分の移動距離を実家から離れれば、呪いが薄くなるのではないかという仮説だった。
3日前はたしかに1UPの恩恵があった。
しかし、この街に来たことで恩恵が受けられなくなった。
これは父アラタがこの街に近づいたことと、カナタ自身も父に近づいたせいではないのか。
カナタは、この街とファーランド領との位置関係を把握し、そこから離れることで呪いが弱まるのではないかと推測し、それを実験したかったのだ。
そして、呪いの弱まるポイントがあるなら、そこでガチャを引けば良い。
1UPの恩恵を得られるし幸運値もあがりガチャ屋が成立するはずという算段だった。
それが3日ではなく1日いや半日の距離かもしれない。
街を出てすぐに呪いが弱くなるかもしれないという安易な思惑だった。
その実験をするにしても、冒険者となって街への出入りが自由になるのは都合が良い。
ガチャ屋をするためには、ハズレオーブを仕入れる拠点も必要だったからだ。
「ニク。君も冒険者登録しとこうか?」
「はい。マスター」
冒険者ギルドに到着すると、カナタは空いているカウンターに向かうと、ニクと冒険者登録を申請する。
「冒険者ギルドへようこそ。坊や、買取カウンターは向こうよ?」
美少女を連れた少年が高級アイテムを売りさばいた昨日のことを受付嬢は覚えていた。
なので冒険者ではない少年がこちらの受付に来たことを疑問に思い、親切心からお節介を焼いたのだ。
「いえ、実は冒険者登録をしようと思いまして」
カナタの言葉に受付嬢は残念そうな顔をし答える。
「あら、冒険者登録は10歳以上からなのよ?」
受付嬢は、カナタの外観から7歳ぐらいだと思ったのだ。
「僕、これでも11歳だよ?」
「皆、そう言うのよね……」
カナタが恥ずかしそうにそう告白するが、受付嬢はそれを信じなかった。
冒険者になりたいと年齢詐称をする子供が後を絶たないからだ。
そんな子供が無理をして死んでいくのを見て来た受付嬢は、カナタに良かれと登録を断ることにした。
「何か年齢を証明する身分証はある?」
受付嬢は、そんなものは持っていないだろうと思いながらカナタに問う。
それによって登録を断れると思っていた。
「これで大丈夫?」
そこには『カナタ=ミル=ファーランド ファーランド伯爵家三男 11歳』という伯爵家が発行した身分証明書があった。
これは本人の魔力が登録されていて、他人が勝手に使うことが出来ない本物の証明書だった。
「え?」
受付嬢は、二重の意味で驚いた。
カナタが本当に11歳であったこと、しかも正真正銘の貴族の子弟だったことがこれで証明されたからだ。
「申し訳ございません。冒険者登録手続きを開始します。(どうしてこんな所に伯爵家の御子息が?)」
そう思いながらも受付嬢は、冒険者登録手続きを開始するのだった。
「では、この魔導具に手をあててください」
登録で魔導具を使うと言われ、カナタは焦った。
ニクが肉ゴーレムと判断されたならば物扱いで登録できないと思ったのと、愛砢人形となっていたので、変な反応が出ないかと気が気ではなかったのだ。
幸い、冒険者ギルドの魔導具はニクをヒューマンとして認識した。
身構えていたカナタは、ニクも普通に登録できて安堵した。
「これで登録終了です。
それでは冒険者登録料がお2人で銀貨20枚になります」
「え? お金とるんだ……」
「あ、申し訳ありません。先に伝えるべきでした」
受付嬢がうっかり伝え忘れていたのは、カナタが貴族の子弟ということに驚いたことと、貴族なら簡単に払える額だと思っていたせいだった。
昨日大金を手に入れていたことも記憶の隅にあった。
何か事情があって今はお金が無いのかと、受付嬢が後払い処理の書類を用意しようとする。
「大丈夫。払えるから」
カナタは慌てて受付嬢を制し【お財布】から代金を引き降ろした。
単純にお金がかかると思っていなかったのだ。
もちろん今のカナタには2万DGは痛かったのだが……。
「ところで、この街の名前は何? 誰の領地?
ファーランド伯爵領との位置関係は?」
カナタが矢継ぎ早に質問する。
「ここはグリーンバレーよ。
グリューン子爵の領地になるわ。
あ、くれぐれもグリューンバレーって言わないでね。
この街の名はグリーンで合ってるの。
間違いじゃないかって散々言われて子爵様が気にしてらっしゃるのよ。
ファーランド領からは南に4つ目の領地かしら?」
受付嬢が苦笑いしながら教えてくれた。
街の名前間違いは禁句らしい。
それに思ったより遠くに来ていた。
直線距離でだいたい400kmぐらい離れている感覚だろうか。
(一応、ギルド本部経由でファーランド伯爵家に情報提供した方が良さそうね)
受付嬢はカナタの様子が気にかかり、ギルド本部に報告を上げることにした。
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