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遠征編
143 遠征編8 デブリーフィング
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僕は独断専行に不敬行為を重ねて絶対に怒られると思ってビクビクしながら作戦会議室のドアを開けた。
そこには楕円形の机が置かれ、左右にずらっと帝国正規軍の将軍――貴族でもある――が座っている。
将軍たちの目が一斉に僕を睨みつけて来たので増々ビビる。
手前側には2席あり、右の席にはカイルが既に座って僕を呼んでいた。
どうやら召喚されたのは8B星系守護に回された僕とカイルだったらしい。
随分早いなと思ったけど、よくよく考えたら僕は8B星系守備のための分遣艦隊の到着を待っていたので遅くなったのだ。
僕はカイルに挨拶し将軍たちに会釈すると空いている隣の席に座った。
査問委員会じゃないよね?
一番奥の皇帝の席はまだ空いている。
空いていた席にも全員が揃い、しばらく待つと奥の扉から皇帝が出て来て一番奥の席についた。
皇帝の後ろ両脇にはタブレットを手にした作戦参謀が立っている。
その作戦参謀の1人が口を開く。
「作戦後状況報告を行います。
敵ニアヒューム侵攻軍は帝国軍主力100万との戦闘により殲滅を完了しました。
敵は母艦級13艦、搭載艦合計65万艦の戦力での侵攻でした。
銀河腕を次元跳躍で渡って8H星系に侵攻、星系を制圧すると母艦級10艦が短距離次元跳躍によって8G星系に攻撃をしかけました。
残りの母艦級3艦と先行した母艦級10艦から発進した搭載艦の1割にあたる5万艦が次元跳躍門を制圧し8B星系に侵攻しました。
よって8G星系に進行した母艦級10艦の搭載艦は9割の45万艦だったもようです。
これは8G星系に向かった本隊を囮とした母艦級3艦による帝都侵攻の電撃作戦だったと思われます。
8G星系に次元跳躍アウトした敵は45万の搭載艦を出撃させ我軍100万艦と交戦、敵の殲滅に至りましたが我軍も1.4割14万の艦を失いました。
一方8B星系に向かった母艦級3艦と搭載艦15万、単独侵攻の5万の艦隊は8B星系防衛艦隊により殲滅されました。
帝国軍主力は、8B星系守備に分遣隊1万艦を派遣、8G星系に5万艦を残し、そのまま8H星系に進出し敵残存艦隊と上陸部隊を掃討いたしました。
以上、ここに敵ニアヒューム侵攻軍の完全殲滅を宣言します」
「みな良くやってくれた」
「「「「「「ははっ!」」」」」」
皇帝の労いに将軍達が頭を垂れる。
そして皇帝は僕とカイルの方に目を向けると、厳しい口調で問い詰める。
「さて、8B星系は4万艦の防衛戦力のはずだったが、どうやって母艦級3艦と20万の艦隊を殲滅したのだ?」
僕がカイルの方を見ると、カイルは握りしめた拳が震えていた。
カイルが8B星系を離れたことは次元通信で帝国軍本隊報告済みだし、合流した8A星系の予備戦力10万艦の将兵が良く解っている。
まさか僕単艦で20万の艦隊を殲滅するとは思わなかったからこその常識的な戦力集中のはずだった。
僕だって殲滅出来るとは思わなかったのだから、カイルの行動を支持したわけで、カイル1人を責めることは出来ない。
でも、それを皇帝にどうやって説明すればいいっていうんだ。
僕が困っているとカイルが徐ろに口を開いた。
「私は母艦級3、敵艦5万が8B星系へ侵攻中との報告を受け、4万艦での星系防衛は不可能との判断をしました。
それにより、8A星系の予備戦力10万との合流とハブ次元跳躍門防衛の遅滞戦闘により帝都侵攻を防ぐのが最善と判断し4万艦と共に8B星系を離れました。
アキラは最後まで抵抗すると1万艦と共に残りました。
てっきりアキラも直ぐに避難してくるだろうと思っていましたが、8A星系にはアキラも敵ニアニュームも現れず、私は戦うこと無く作戦終了を迎えました。
以上です」
カイルが正直に話す。そして後は知らぬ事と僕に説明を投げた。
やれやれ。手柄をカイルにも押し付けて知らんぷりしようと思っていたのに。
二人で打ち合わせをする暇もないとは思わなかった。
僕が戦果を話すことで、カイルが何もしなかったという悪いイメージにならなければいいけど。
それによって彼の不興を買ってしまい敵に回すようなことがなければいいが……。
これは僕も正直に話すしかこの場を切り抜けるのは無理そうだと観念する。
どうせ信じて貰えない話になるだろうけどね。
「8B星系で僕は専用艦をステルス化して敵を待ち伏せしていたんだ。
敵ニアヒュームが次元跳躍門から侵入して来たけど、星系の防衛戦力は逃げたと判断したのか、母艦級は搭載艦を出撃させなかった。
たぶん出撃収納の時間を惜しんで、さっさと8A星系に次元跳躍で侵攻しようと思ったんだろう。
これはチャンスだと思ったので必殺兵器で母艦級3艦を搭載艦ごと葬った。
そうしたら母艦級の周囲に展開していた護衛艦隊5万も爆発に巻き込まれてほとんど破壊された。
残敵は僕の専用艦の搭載艦で殲滅した。
以上だ」
僕の不躾な口調に将軍達が僕を胡散臭そうに見ている。
僕はカイルの印象を良くするため、敢えて失礼な口調をしてみた。
将軍たちの目が益々厳しくなっていく。
「単艦で母艦級3艦、護衛艦5万艦を葬ったなど信じられん!」
「ニアヒュームを逃がしてしまったから口から出まかせでも言っているのだろう」
「となると消えた20万艦の捜索と殲滅を急がなければならないぞ!」
「まさか、自然発生皇子が敵の協力者ということはあるまいな?」
ほらね。案の定、僕単艦での敵20万艦の殲滅なんて信用されてない。
僕が敵を逃したか、僕が敵の協力者で敵を隠匿していると思われてる。
別に手柄を認めて欲しいわけじゃないから、信用されないなら別にいいんだ。
しかし作戦参謀がタブレットを操作して資料を読み始めると状況が一変した。
「8B星系に派遣された分遣艦隊、第348艦隊司令のハワード伯爵の報告です。
8B星系に夥しい数の敵艦残骸を確認。母艦級3艦の残骸と思われる装甲材の数々が確認されています。
星系住人への聞き取り調査でも、天空に広がる大爆発の閃光が3つ目撃されています」
ハワード伯爵GJ!
僕が8B星系から移動して、専用艦を入港させ、格納庫を出て会議室へ向かい、皇帝が着席するまでの短い時間でまさかそこまで調べているとは。
「バカな! 本当に敵母艦級3艦と20万の艦隊を殲滅したのか! たった1艦で!?」
将軍の1人が叫ぶ。
「いやー、隙だらけの敵母艦級が搭載艦満載で目の前に来るとは運が良かっただけです。
もし搭載艦を出撃させられていたら、時間稼ぎで少し引っ掻き回すだけで、僕も次元跳躍で逃げるつもりでしたからね」
将軍達がジト目で見てくる。
え? 何か変なこと言ったかな?
あ、口調変えるの忘れてたか!
「どうやら気づいていないのは本人だけのようだな。
アキラ、お前が一番手柄だ。褒賞として俺の娘をやる」
「はいぃ?」
皇帝が訳の分からないことを言っている。
娘さんは犬の子じゃないんだからそポンポンあげる物じゃないでしょ。
「嫁だ、嫁。お前は自然発生皇子で俺の血筋じゃない。
これで俺の縁戚だろうが。つまり血筋に連なったということだ。
皇位継承順も変動しかねないのだぞ?」
拙い。なんとかしないと。この人やっぱり信長みたいな行動原理だよ!
もし僕の皇位継承順が上がって上位皇子が下がることになれば彼らと険悪になってしまう。
それに現皇帝と縁戚って真・帝国のみんなに何と言えばいいんだ?
「僕には嫁が、正妻――地球人の偽装嫁ね――がもういます! 姫君を迎えるわけには……」
「別に側室でもいい。お前の血を帝国に入れろ。そして必殺兵器を帝国によこせ」
それが目的だったのか! 確かに反物質粒子砲は今のところ僕にしか扱えない。
実は、せっかく神澤社長の専用艦にも搭載したのに、発射システムが作動しなかったんだ。
DNAによるロックじゃないかと推測されていたけど、僕の子なら使えるだろうということだよな。
さすが皇帝、武装に関する制約など、言わなくてもわかっていたか。
逆らえない。そこまで譲歩されて断ったら身の破滅だ。
おそらく側室にするという選択肢も無い。
「謹んでお受けします。正妻として迎え入れ幸せにします」
僕は皇帝に屈服した。まあ正妻は貴族からの嫁圧力緩和のための偽装嫁だったから大丈夫だろう。
こんな褒賞を貰ってしまってカイルに申し訳ないと、僕がチラチラとカイルを見ていると、皇帝が徐にカイルに声をかけた。
「カイル、おまえの行動は正しい。
地方星系防衛より帝都防衛の方が重視されて当然だ。
よくやった」
「過分な評価、感謝いたします」
処罰を覚悟していたのだろう、褒められてカイルがほっとしている。
これで彼との仲は壊れなくて済むかな?
あれ? もしかして……。どうやら僕は皇帝に助けられたようだ。
一連の発言は僕らの関係を見越してのものに思える。
だが、主戦場に参戦した第2皇子、第3皇子、第4皇子の活躍は全く聞こえて来ない。
ルーカスを僕が継承順位で追い抜きでもしたら、嫉妬で面倒くさそうだな。
そこには楕円形の机が置かれ、左右にずらっと帝国正規軍の将軍――貴族でもある――が座っている。
将軍たちの目が一斉に僕を睨みつけて来たので増々ビビる。
手前側には2席あり、右の席にはカイルが既に座って僕を呼んでいた。
どうやら召喚されたのは8B星系守護に回された僕とカイルだったらしい。
随分早いなと思ったけど、よくよく考えたら僕は8B星系守備のための分遣艦隊の到着を待っていたので遅くなったのだ。
僕はカイルに挨拶し将軍たちに会釈すると空いている隣の席に座った。
査問委員会じゃないよね?
一番奥の皇帝の席はまだ空いている。
空いていた席にも全員が揃い、しばらく待つと奥の扉から皇帝が出て来て一番奥の席についた。
皇帝の後ろ両脇にはタブレットを手にした作戦参謀が立っている。
その作戦参謀の1人が口を開く。
「作戦後状況報告を行います。
敵ニアヒューム侵攻軍は帝国軍主力100万との戦闘により殲滅を完了しました。
敵は母艦級13艦、搭載艦合計65万艦の戦力での侵攻でした。
銀河腕を次元跳躍で渡って8H星系に侵攻、星系を制圧すると母艦級10艦が短距離次元跳躍によって8G星系に攻撃をしかけました。
残りの母艦級3艦と先行した母艦級10艦から発進した搭載艦の1割にあたる5万艦が次元跳躍門を制圧し8B星系に侵攻しました。
よって8G星系に進行した母艦級10艦の搭載艦は9割の45万艦だったもようです。
これは8G星系に向かった本隊を囮とした母艦級3艦による帝都侵攻の電撃作戦だったと思われます。
8G星系に次元跳躍アウトした敵は45万の搭載艦を出撃させ我軍100万艦と交戦、敵の殲滅に至りましたが我軍も1.4割14万の艦を失いました。
一方8B星系に向かった母艦級3艦と搭載艦15万、単独侵攻の5万の艦隊は8B星系防衛艦隊により殲滅されました。
帝国軍主力は、8B星系守備に分遣隊1万艦を派遣、8G星系に5万艦を残し、そのまま8H星系に進出し敵残存艦隊と上陸部隊を掃討いたしました。
以上、ここに敵ニアヒューム侵攻軍の完全殲滅を宣言します」
「みな良くやってくれた」
「「「「「「ははっ!」」」」」」
皇帝の労いに将軍達が頭を垂れる。
そして皇帝は僕とカイルの方に目を向けると、厳しい口調で問い詰める。
「さて、8B星系は4万艦の防衛戦力のはずだったが、どうやって母艦級3艦と20万の艦隊を殲滅したのだ?」
僕がカイルの方を見ると、カイルは握りしめた拳が震えていた。
カイルが8B星系を離れたことは次元通信で帝国軍本隊報告済みだし、合流した8A星系の予備戦力10万艦の将兵が良く解っている。
まさか僕単艦で20万の艦隊を殲滅するとは思わなかったからこその常識的な戦力集中のはずだった。
僕だって殲滅出来るとは思わなかったのだから、カイルの行動を支持したわけで、カイル1人を責めることは出来ない。
でも、それを皇帝にどうやって説明すればいいっていうんだ。
僕が困っているとカイルが徐ろに口を開いた。
「私は母艦級3、敵艦5万が8B星系へ侵攻中との報告を受け、4万艦での星系防衛は不可能との判断をしました。
それにより、8A星系の予備戦力10万との合流とハブ次元跳躍門防衛の遅滞戦闘により帝都侵攻を防ぐのが最善と判断し4万艦と共に8B星系を離れました。
アキラは最後まで抵抗すると1万艦と共に残りました。
てっきりアキラも直ぐに避難してくるだろうと思っていましたが、8A星系にはアキラも敵ニアニュームも現れず、私は戦うこと無く作戦終了を迎えました。
以上です」
カイルが正直に話す。そして後は知らぬ事と僕に説明を投げた。
やれやれ。手柄をカイルにも押し付けて知らんぷりしようと思っていたのに。
二人で打ち合わせをする暇もないとは思わなかった。
僕が戦果を話すことで、カイルが何もしなかったという悪いイメージにならなければいいけど。
それによって彼の不興を買ってしまい敵に回すようなことがなければいいが……。
これは僕も正直に話すしかこの場を切り抜けるのは無理そうだと観念する。
どうせ信じて貰えない話になるだろうけどね。
「8B星系で僕は専用艦をステルス化して敵を待ち伏せしていたんだ。
敵ニアヒュームが次元跳躍門から侵入して来たけど、星系の防衛戦力は逃げたと判断したのか、母艦級は搭載艦を出撃させなかった。
たぶん出撃収納の時間を惜しんで、さっさと8A星系に次元跳躍で侵攻しようと思ったんだろう。
これはチャンスだと思ったので必殺兵器で母艦級3艦を搭載艦ごと葬った。
そうしたら母艦級の周囲に展開していた護衛艦隊5万も爆発に巻き込まれてほとんど破壊された。
残敵は僕の専用艦の搭載艦で殲滅した。
以上だ」
僕の不躾な口調に将軍達が僕を胡散臭そうに見ている。
僕はカイルの印象を良くするため、敢えて失礼な口調をしてみた。
将軍たちの目が益々厳しくなっていく。
「単艦で母艦級3艦、護衛艦5万艦を葬ったなど信じられん!」
「ニアヒュームを逃がしてしまったから口から出まかせでも言っているのだろう」
「となると消えた20万艦の捜索と殲滅を急がなければならないぞ!」
「まさか、自然発生皇子が敵の協力者ということはあるまいな?」
ほらね。案の定、僕単艦での敵20万艦の殲滅なんて信用されてない。
僕が敵を逃したか、僕が敵の協力者で敵を隠匿していると思われてる。
別に手柄を認めて欲しいわけじゃないから、信用されないなら別にいいんだ。
しかし作戦参謀がタブレットを操作して資料を読み始めると状況が一変した。
「8B星系に派遣された分遣艦隊、第348艦隊司令のハワード伯爵の報告です。
8B星系に夥しい数の敵艦残骸を確認。母艦級3艦の残骸と思われる装甲材の数々が確認されています。
星系住人への聞き取り調査でも、天空に広がる大爆発の閃光が3つ目撃されています」
ハワード伯爵GJ!
僕が8B星系から移動して、専用艦を入港させ、格納庫を出て会議室へ向かい、皇帝が着席するまでの短い時間でまさかそこまで調べているとは。
「バカな! 本当に敵母艦級3艦と20万の艦隊を殲滅したのか! たった1艦で!?」
将軍の1人が叫ぶ。
「いやー、隙だらけの敵母艦級が搭載艦満載で目の前に来るとは運が良かっただけです。
もし搭載艦を出撃させられていたら、時間稼ぎで少し引っ掻き回すだけで、僕も次元跳躍で逃げるつもりでしたからね」
将軍達がジト目で見てくる。
え? 何か変なこと言ったかな?
あ、口調変えるの忘れてたか!
「どうやら気づいていないのは本人だけのようだな。
アキラ、お前が一番手柄だ。褒賞として俺の娘をやる」
「はいぃ?」
皇帝が訳の分からないことを言っている。
娘さんは犬の子じゃないんだからそポンポンあげる物じゃないでしょ。
「嫁だ、嫁。お前は自然発生皇子で俺の血筋じゃない。
これで俺の縁戚だろうが。つまり血筋に連なったということだ。
皇位継承順も変動しかねないのだぞ?」
拙い。なんとかしないと。この人やっぱり信長みたいな行動原理だよ!
もし僕の皇位継承順が上がって上位皇子が下がることになれば彼らと険悪になってしまう。
それに現皇帝と縁戚って真・帝国のみんなに何と言えばいいんだ?
「僕には嫁が、正妻――地球人の偽装嫁ね――がもういます! 姫君を迎えるわけには……」
「別に側室でもいい。お前の血を帝国に入れろ。そして必殺兵器を帝国によこせ」
それが目的だったのか! 確かに反物質粒子砲は今のところ僕にしか扱えない。
実は、せっかく神澤社長の専用艦にも搭載したのに、発射システムが作動しなかったんだ。
DNAによるロックじゃないかと推測されていたけど、僕の子なら使えるだろうということだよな。
さすが皇帝、武装に関する制約など、言わなくてもわかっていたか。
逆らえない。そこまで譲歩されて断ったら身の破滅だ。
おそらく側室にするという選択肢も無い。
「謹んでお受けします。正妻として迎え入れ幸せにします」
僕は皇帝に屈服した。まあ正妻は貴族からの嫁圧力緩和のための偽装嫁だったから大丈夫だろう。
こんな褒賞を貰ってしまってカイルに申し訳ないと、僕がチラチラとカイルを見ていると、皇帝が徐にカイルに声をかけた。
「カイル、おまえの行動は正しい。
地方星系防衛より帝都防衛の方が重視されて当然だ。
よくやった」
「過分な評価、感謝いたします」
処罰を覚悟していたのだろう、褒められてカイルがほっとしている。
これで彼との仲は壊れなくて済むかな?
あれ? もしかして……。どうやら僕は皇帝に助けられたようだ。
一連の発言は僕らの関係を見越してのものに思える。
だが、主戦場に参戦した第2皇子、第3皇子、第4皇子の活躍は全く聞こえて来ない。
ルーカスを僕が継承順位で追い抜きでもしたら、嫉妬で面倒くさそうだな。
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