上 下
97 / 169
第三章 北の帝国戦役編

097 リーンワース王国

しおりを挟む
 たまたま設定した時速40kmの巡行速度だが、後から考えるとこんなに都合の良い速度はなかった。
リーンワース王国における国内通行許可がこの陸上戦艦ルナワルドに出ているという情報は、ワイバーン便によって王都から各都市へと届けられている。
こちらが、それより速い速度で航行していたら、通達を追い越してしまうところだったのだ。
ワイバーン便が王都を立ったのが2日前だとしても、ワイバーンは1日中飛んでいられるわけではない。
要所要所で休憩をとったり中継都市で他のワイバーンに通達を分配したりしていれば、いくら時速100kmも出せるワイバーンでも、ルナワルドが後ろから追い抜いてしまった可能性があった。
味方から攻撃を受けずに安全に航行するためには、時速40kmはまさに最適な速度だった。

 リーンワース王国の都市は、主要街道により繋がっている。
その各都市は地方領主である貴族の治める領都であり、その間を街道で繋げ、物流が活発に行われるようにと考えられている。
都市の間の街道には街が点在し、その間隔は馬車が1日で走破できる距離だと言われている50kmとだいたい決まっている。
まあ地形によって所要時間が変わるので距離が前後するのは当然の事だ。
街と街の間隔がきっちり50の倍数ということもないだろうしね。

 陸上戦艦は空中に浮上して航行するので、障害物を避けたうえ、道なき道を悪路だろうが森林の上だろうが移動することが出来る。
街道から外れて航行できるので、そういった街に寄ることも無く直線経路で目的地に向かうことが出来るのだ。
無害通航の通達が行っているとはいえ、地方領主の領都に寄ってしまったら、挨拶ぐらいはしないとならないだろう。
王家に良い顔をしたいとか、貴族のメンツで俺達を接待したいなんてなったら面倒なことになる。
一応俺はリーンワース国王の娘婿だしね。
なのでなるべく人里離れた土地を航行するようにしていた。
王都に寄るなんて選択肢は最初から用意していない。
だから王都のある南を避けて初めから進路を南西にとったのだ。

 しかし、この世界の地図というものが、こんなに適当なものだとは思っていなかった。
地図ではズイオウ山から真南に行った先に王都があるはずだった。
俺達は南西に向けて進路をとっていた。
なんで目の前に王都が見えて来る?
いや、西の大河とズイオウ川に挟まれた広大な平野に王都があることは知っていた。
西の大河が南西へと向かっていることも知っていた。
南に向かっていた街道がいつのまにか西南西に向かっているなどとは思いもよらなかった。
徐々に街道が寄ってきて、広大な草原と森を抜けた先に王都が見えて来た時は、どこの領都に出てしまったのかと思ったものだ。

「王都はズイオウ山の南だって聞いていたけど、アバウトすぎないか?
たしかに南側・・だけどさ」

 軍のワイバーンがルナワルドをみつけて寄ってくる。
舷側に描かれたキルト=ルナトーク=ザールの国旗を見て友軍と確認し、エスコートを始めた。
リーンクロス公爵が識別のための国旗をしっかり報告してくれていたらしい。

「ここで逃げるわけにはいかないよね?」

 ティアがジト目で見つめて来る。

「無理に決まってます」

「だよね」

「もう……」

 ティアがため息をつく。

「王都で国王陛下に謁見するなら、貢物が必要です」

「そんなもの……。ああ、インベントリにあったわ。レッドドラゴンの鱗でいいかな?」

「レッドドラゴンなら30枚ほどが妥当でしょう。
それと……」

 ちょっとティアが考え込む。

「最初から訪問するつもりだったていで行きましょう。
主君はクラリス様を転移で迎えに行ってください。
ついでの里帰りで寄ったと思わせます。
主君の正装一式と私の正装も用意してください」

「なるほど。その手があったか。
衣装も騎士としてなら鎧でいいけど、ティアは副官として謁見しないとならないからな」

「はい。それと謁見のマナー、知ってますか?」

「いや、ぜんぜん」

「主君は他国の王であり娘婿でもあります。
へりくだる必要はありません。
臣下ではないので国王陛下の前でひざまずくようなことがあってはなりません」

「ああ、そうなるのね」

「クラリス様とわたしを一歩後ろに従えるように心がけてください。
騎士たちは帯刀のまま従いますが、玉座の前では跪きます。
主君はそのまま国王陛下に歩み寄ってください」

 めんどくさいけど、下の立場で作法がどうのとならなくていいなら楽だな。

「なんとなくわかった。
普通でいいんだな?」

「威厳は忘れないで下さいよ?」


 急ぎ転移魔法でキルトタル艦首の魔法陣に転移する。
ズイオウ領ならばどこでも好きな場所に転移できるのだけれど、その場に人がいると面倒だし、この魔法陣に転移すれば魔力も少なく済み、楽に安定した転移ができる。
使わない手はなかった。

「クラリスはいるか?」

 俺は農園屋敷に入るとクラリスを探した。

「アリマ、正装を一式用意してくれ。俺とクラリスとティアの分だ」

「旦那様、急にどうされたのですか?」

「ああ、クラリス、そこにいたか。
南西に向かったらなぜか王都に辿りついたんだ。
義父上に挨拶するのでお前を迎えに来たんだ。
転移で直ぐだから良いだろ?」 

「まあ、嬉しい。久しぶりに里帰り出来ますわ」

「クラリスはそのまま王都に残って、帰りに拾って帰るがどうだ?」

「久しぶりにお姉さまにも会いたいですし、嬉しい限りですわ」

「よし、決まった。旅の準備をしてくれ」

「かしこまりました」

 うわっ! びっくりさせるなよ。
返事と共に突然クラリスの後ろから現れたのは、リーンワース王家から派遣されて来たクラリス付きの侍女で、たしか名前はタバサ。
もちろん偽名で本名はグレイスだったかな。侍女とは仮の姿、本職は諜報員スパイだ。
当然、付いてくる気だろうな。

「旦那様、話は横から聞かせていただきました。
謁見のための正装一式ですね?」

 アリマが既に衣装を持って立っていた。
さすが筆頭メイド。仕事が早い。

「ありがとう。何か俺が対応しなければならない事案は発生しているか?」

「いいえ」

「そうか。ならクラリスの準備が整い次第、直ぐにルナワルドに戻る。
後は頼むぞ」

「承知しました」

 準備が整い、俺とクラリス、タバサでルナワルドまで転移した。
この魔法陣を使った転移は人数が増えるほど魔力効率が良い。
しかも移動中の陸上戦艦にも転移できるという大きなメリットがあった。


◇  ◇  ◇  ◇  ◆


「良く来たな婿殿!」

 謁見の間にリーンワース王の声が響いた。

「クラリスも久しいな。
そちらの方も良くまいられた」

 リーンワース王は、ティアをルナトークの重鎮と見做して礼を尽くした。

「こちらこそ、先触れも出さずに突然の訪問をお詫びします」

「何を言う。親子・・が会うのに何の遠慮があろうか!」

 がっちりと肩を組まれた。
リーンワース王、間を詰めるのが早い。まあ親子だもんしょうがないか。
あれ? やばい。国王の名前を知らないぞ。
後でこそっとティアに聞いておこう。
公的には陛下と呼べばどうとでもなるしね。

「陛下、こちら、ご挨拶の品です。
そしてクラリスも寂しかろうと里帰りで連れて来ました」

「おお、クラリス会いたかったぞ!」

 リーンワース王が泣きながらクラリスに抱き着いている。
そしてちらりと貢物に目をやり、視線が止まった。

赤龍せきりゅうの鱗か!
緑龍りょくりゅうの鱗は手に入れたが、これは貴重な!」

 国王が鱗を手に取り叫ぶ。
その移動速度、瞬間移動かと思った。
そして俺の手をがっちり握ってぶんぶん振る。
親子涙の再会の良いシーンはどこにいった?
現金なものである。

「さすがじゃな、婿殿!」

「ははは」

 もう愛想笑いするしかなかった。
この後、歓迎の晩餐会が開かれ、俺達は王宮に部屋を与えられ泊まることになった。
クラリスは姉妹の所へと積もる話をしにいった。
騎士たちは俺の部屋の前に歩哨として立ったり与えられた部屋で寛いだりしていた。


 翌日。
早速旅立つという俺を国王とリーンクロス公爵が執務室に呼んだ。
内密の話があるそうだ。

「実はの。ルドヴェガースで撃墜した陸上戦艦リグルドの件なのだが。
広場の陸上戦艦ルナワルドのように修理出来ないものだろうか?」

 ああ、あそこにはリグルドの残骸があるんだよな。
あれは俺が造った蒸気砲で撃墜したけど、それを成したのはリーンワース王国に売った後なわけで、鹵獲品の所有権はリーンワース王国にあるんだよな。
リーンワース王国の技術ではあれを直したりは出来ないのだろう。
陸上輸送艦を運用しているとはいえ、ブラックボックスとして使用している部分が大半を占めていて、直すことは出来ないということだろう。
それに動かないなら、あの場から運ぶことも出来ないよな。

あれリグルドがあそこにあると、奪還のために北の帝国が軍を進める可能性を高めることにもなる。
動かなければあの質量だ。運ぶことも出来ぬ。その点でも何とかしたいのだ」

 まあ、対北の帝国との戦争のための戦力的なことが先にあるんだろうな。
それに王城の前の広場にはニムルドを直したルナワルドが完動品――武器は後付けだが――として鎮座している。
直る前例を見せられたら黙っていられないよね。

あれリグルドですか。あれが落ちた時は高度があったからなぁ」

 リグルドは蒸気砲が撃ち上げに弱いと気付かれたせいで高度を上げて上空から攻撃していた。
それが墜落したのだから、ニムルドの比ではない被害を負っている。
という言い訳で何とかならないだろうか?
リーンワース王国に陸上戦艦を渡して、その戦闘力がこちらに向けられたら困るからね。
あの前例を二度と繰り返すわけにはいかない。
俺だけじゃなく、嫁も国民もその攻撃力を向けられかねないのだから。
対北の帝国のことを考えるとリグルドが稼働した方が有利に戦えるんだけど……。
王家が信用出来ても王軍にいる小物貴族が信用出来ないんだよな。
尤も蒸気砲を積んだ陸上艦といったレベルでは陸上輸送艦の改造で実現されてしまっている。
艦体が戦闘艦であっても武器の質は変わらないか。

「直るかどうかは破損状況と部品しだいですね。
ない部品はどうにもならないですからね」

 部品を錬成出来ることはリーンワース王国には秘密だ。
これが出来ることは外部に漏れないように細心の注意を払った。
内部にスパイがいるからね。

「そうか。ならば早急に調査してもらいたいところだ」

「そこは公爵と調整しましょう」

 リーンクロス公爵が黙って頷く。

「頼んだぞ」

 これで問題の先送りが出来た。
陸上戦艦に反乱されたら、王家に対するクーデターも可能だからな。
なんとか反乱を阻止する手段を考えないと。
まあ、こちらも対北の帝国の戦力としては欲しいところなんだけどね。
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー

紫電のチュウニー
ファンタジー
 第四部第一章 新大陸開始中。 開始中(初投稿作品)  転生前も、転生後も 俺は不幸だった。  生まれる前は弱視。  生まれ変わり後は盲目。  そんな人生をメルザは救ってくれた。  あいつのためならば 俺はどんなことでもしよう。  あいつの傍にずっといて、この生涯を捧げたい。  苦楽を共にする多くの仲間たち。自分たちだけの領域。  オリジナルの世界観で描く 感動ストーリーをお届けします。

シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。 だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。 全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。 勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。 そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。 エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。 これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。 …その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。 妹とは血の繋がりであろうか? 妹とは魂の繋がりである。 兄とは何か? 妹を護る存在である。 かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!

スマートシステムで異世界革命

小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 /// ★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★ 新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。 それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。 異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。 スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします! 序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです 第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練 第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い 第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚 第4章(全17話)ダンジョン探索 第5章(執筆中)公的ギルド? ※第3章以降は少し内容が過激になってきます。 上記はあくまで予定です。 カクヨムでも投稿しています。

見よう見まねで生産チート

立風人(りふと)
ファンタジー
(※サムネの武器が登場します) ある日、死神のミスにより死んでしまった青年。 神からのお詫びと救済を兼ねて剣と魔法の世界へ行けることに。 もの作りが好きな彼は生産チートをもらい異世界へ 楽しくも忙しく過ごす冒険者 兼 職人 兼 〇〇な主人公とその愉快な仲間たちのお話。 ※基本的に主人公視点で進んでいきます。 ※趣味作品ですので不定期投稿となります。 コメント、評価、誤字報告の方をよろしくお願いします。

異世界災派 ~1514億4000万円を失った自衛隊、海外に災害派遣す~

ス々月帶爲
ファンタジー
元号が令和となり一年。自衛隊に数々の災難が、襲い掛かっていた。 対戦闘機訓練の為、東北沖を飛行していた航空自衛隊のF-35A戦闘機が何の前触れもなく消失。そのF-35Aを捜索していた海上自衛隊護衛艦のありあけも、同じく捜索活動を行っていた、いずも型護衛艦2番艦かがの目の前で消えた。約一週間後、厄災は東北沖だけにとどまらなかった事を知らされた。陸上自衛隊の車両を積載しアメリカ合衆国に向かっていたC-2が津軽海峡上空で消失したのだ。 これまでの損失を計ると、1514億4000万円。過去に類をみない、恐ろしい損害を負った防衛省・自衛隊。 防衛省は、対策本部を設置し陸上自衛隊の東部方面隊、陸上総隊より選抜された部隊で混成団を編成。 損失を取り返すため、何より一緒に消えてしまった自衛官を見つけ出す為、混成団を災害派遣する決定を下したのだった。 派遣を任されたのは、陸上自衛隊のプロフェッショナル集団、陸上総隊の隷下に入る中央即応連隊。彼等は、国際平和協力活動等に尽力する為、先遣部隊等として主力部隊到着迄活動基盤を準備する事等を主任務とし、日々訓練に励んでいる。 其の第一中隊長を任されているのは、暗い過去を持つ新渡戸愛桜。彼女は、この派遣に於て、指揮官としての特殊な苦悩を味い、高みを目指す。 海上自衛隊版、出しました →https://ncode.syosetu.com/n3744fn/ ※作中で、F-35A ライトニングⅡが墜落したことを示唆する表現がございます。ですが、実際に墜落した時より前に書かれた表現ということをご理解いただければ幸いです。捜索が打ち切りとなったことにつきまして、本心から残念に思います。搭乗員の方、戦闘機にご冥福をお祈り申し上げます。 「小説家になろう」に於ても投稿させて頂いております。 →https://ncode.syosetu.com/n3570fj/ 「カクヨム」に於ても投稿させて頂いております。 →https://kakuyomu.jp/works/1177354054889229369

D○ZNとY○UTUBEとウ○イレでしかサッカーを知らない俺が女子エルフ代表の監督に就任した訳だが

米俵猫太朗
ファンタジー
ただのサッカーマニアである青年ショーキチはひょんな事から異世界へ転移してしまう。 その世界では女性だけが行うサッカーに似た球技「サッカードウ」が普及しており、折りしもエルフ女子がミノタウロス女子に蹂躙されようとしているところであった。 更衣室に乱入してしまった縁からエルフ女子代表を率いる事になった青年は、秘策「Tバック」と「トップレス」戦術を授け戦いに挑む。 果たしてエルフチームはミノタウロスチームに打ち勝ち、敗者に課される謎の儀式「センシャ」を回避できるのか!? この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。

処理中です...