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第二章 逃亡生活
056 鉱山
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宝石が手に入ったのは良いのだが、リング部分の地金にする金属が手に入っていない。
出来ればプラチナかミスリル銀が欲しいところ。
あとゴーレム用に鉄も若干欲しい。
そのためには鉱山開発をする必要がある。
昨日、天然資源ならば【鑑定】スキルがチートで探してくれることが発覚した。
これを使わない手はない。
属性石は単純な石や魔石からならば使用魔力の差こそあれ簡単に創造出来る。
手元に材料が無かったとしても、魔力をそれなりに込めれば創ることが出来た。
ならば、他の金属も魔力を込めれば出来るのではないかと思ったのだが、試しに金を創造してみたところ、思った以上の膨大なMPを消費してしまった。
属性石と金の違いは何かと思い悩んだところ、どうやら素材が身近に有るか無いかということが基準になっているようだ。
属性石はそこらへんに転がっている石と大して違いが無いので材料を選ばずに作ることが出来る。
しかし金は希少金属なので、どこかから材料を集めて来るにしても魔力がいる。
そういったことが原因らしい。
なので、プラチナもミスリル銀も創造出来るのだが、MPの消費量的にはやりたくないというのが実情だ。
ついでに昨日手に入れた宝石のうち、状態の悪いもの、所謂クズ石を材料に【宝石創造】をしてみたら、クオリティの高い宝石に化けた。
ただの宝石も魔宝石になった。
つまり材料が採取できる場所に行けば希少金属を創造することは簡単に出来そうなのだ。
なのでやって来ましたズイオウ山。
ワイバーンに乗り上空から鉱脈の出ている場所を【鑑定】で探すと、目の前に『鉄』『銅』『金』『ミスリル』というポップがAR表示された。
鉱脈の近くの空き地にワイバーンを降ろし、プチと一緒に降りる。
そこからは徒歩で鉱脈を散策する。
目的地に着くとプチが軽くここ掘れわんわんをする。
これはスキルの乗っていないやつかもしれない。
鉱脈に手を当てて【金属抽出】のオリジナル魔法を唱える。
この【金属抽出】こそ、【探知】と【金属創造】の魔法の良い所取りをした採掘専用魔法なのだ。
【金属抽出】により鉱脈から金属のインゴットが抽出されていく。
だいたい10kg基準で一つの塊になっていく。
大きさはバラバラ。これは比重の違う金属がまとめて1つのインゴットになっているからだ。
重い金属が多ければ小さく、軽い金属が多ければ大きくなるのは当然だろう。
これらを片っ端からインベントリ内に入れていく。
掘りつくしたら次へ掘りつくした次へと移動して掘る。
こうして手に入った金属をインベントリの解体機能により各金属を種類ごとに分離する。
魔物のピーから鉄を分離した解体機能なのだ、金属の塊から特定の金属を分離するなど容易いことなのだ。
これらもまとめてインゴットにしていく。
鉄、銅、錫、銀、金、プラチナ、ミスリル銀とインゴットがグラム表記でインベントリに収められる。
これを使おうと思うと、任意の大きさや重さで金属塊を取り出すことが出来る。
ほとんどが鉄と銅だったけれど、希少金属も一定量手に入ったので、ここで鉱物採取は終了とした。
必要になったらまた転移で来ればいいだろう。
余った銅なんかは貨幣にして使ってしまえばいい。
元々が貨幣としての価値ではなくて、銅としての価値みたいなものだったからね。
貨幣を潰して使ってしまった分もあるし、流通量に影響がありそうだから使った分は戻しておこうと思う。
だから通貨偽造じゃないからね?
空き地に出てワイバーンのブルーを呼ぶ。
ワイバーンを降りた後、地上にワイバーンを降ろしたままだと、他の魔物に襲われたりして危険なため、ワイバーンは空中待機しているのだ。
ニルが調教したおかげで、犬笛のような人には聞こえない笛で空にいるワイバーンが呼べるのだ。
この笛は固有の周波数があるので、俺のこの笛にはブルーしか反応しないようになっている。
これも魔道具だ。聞こえない音の周波数を変えるなんて、この世界では魔法以外ではどうすれば良いというんだ。
ワイバーンの数分サクっと作ったのは言うまでもない。
ちなみにニルはうちのワイバーンなら全てを呼ぶことが出来る。
これが編隊飛行の出来るカラクリの正体だ。
ニルがピン子から笛を吹くことで、うちの全ワイバーンがピン子の後を付いて飛んでいく。
ブルーに乗り、ブルーごと農園に転移する。
ブルーを厩舎に戻し、鞍を外して水と魔物肉を少し与える。
これをやっておかないとワイバーンが主人を忘れてしまうからだ。
餌やりは強烈な印象をワイバーンの小さな脳に残すのだ。
調教の基本となっている。
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
指輪の地金が手に入ったので全員分の指輪を作る。
宝石を錬金術の【宝石創造】でグレードアップしクオリティの高い魔宝石にする。
宝石の価値は色と不純物や傷の有無によりほぼ決まる。
錬金術は宝石の輝きや色に悪影響を与える不純物を抜き去ることが出来る。
傷も再結晶化させることで消せる。
これにより、宝石のグレードが一気に上がる。
色は結晶に含まれる微小な元素により変わり、その量によって濃さが変わる。
これもその元素をコントロールすることで良質の宝石となる。
地球では既に人口宝石として完璧な宝石が製造出来るのだが、あくまでも価値があるのは天然ものの宝石となっている。
だが、この世界では錬金術で製造されたものも下に見られるようなことはない。
錬金術自体がレアなスキルであり、ましてや【宝石創造】が使えるものなどほとんどいないのだ。
そこにある物の価値を判断するので、錬金術の結果か自然の結果かは考慮されない。
宝石の結晶を操作してまるでカットされたかのように整える。
これも錬金術の【形状操作】や【再結晶】の賜物だ。
それを金やプラチナ、ミスリル銀の台座に嵌めて指輪にしていく。
こっそり【鑑定】して全員の指のサイズは把握済みだ。
その過程で別の数字も把握出来てしまったのは皆には秘密だ。
尤も、彼女たちにぴったりの下着を作った時にバレてしまったんだが……。
各々のイメージで石を選びリングの地金を選び、指輪にしていく。
やっと全員分が完成したのは夕飯前の時間だった。
夕食が終わりその場で皆に指輪を渡していく。
皆、自分のイメージで作られた指輪に感動し大層喜んでいる。
当然、サラーナとシャーロにも新しい指輪を作りましたとも。
彼女たちの喜ぶ顔は至宝だからね。
続けてミーナに渡そうとした時、ミーナが自分で宝石を持ってやって来た。
「ミーニャは、この宝石で指輪を作って欲しいにゃ」
それはお世辞にも綺麗とは言えない水晶だった。
水晶は宝石とは言うが成分的にはガラスと同じで、正直他の者たちにあげた宝石よ価値が低い。
ガラスが規則正しく結晶化すると水晶になるというだけなのだ。
ミーナを見る。自分が拾った水晶を大事そうに持っている。
ああ、ミーナにとっては自分が初めて拾ったこれが最高の宝物なのだ。
「よしわかった。
だが、指輪よりネックレスの方が良くないか?
指輪はこれを持って行け」
「任せるにゃ」
俺は、ミーナ用に作った指輪を強引に渡すと、水晶はネックレスにすることにした。
水晶を多少不純物を取り除くなど綺麗にして、その形のままの水晶にSTRとAGI増加の付与魔法を付けてネックレスにしてあげた。
水晶は結晶が発達して長かったので、そのままならネックレスでぶら下げた方が映えると思ったのだ。
ミーナのミーナだけのネックレスが完成した。
それを見て騒ぎ出す嫁達。
各々の手には魔法ポシェットから取り出した宝石が乗っている。
「ええい。皆にも作ってやる。
ネックレス、ペンダント、イヤリングでもいいぞ。希望を言え!」
この夜、俺は幸せそうな彼女たちの笑顔に囲まれて眠りについた。
後から知ったのだが、この世界で女性に指輪を送るのは結婚の証だったらしい。
一応、嫁だと公認しているのはサラーナとアイリーンだけなんだからね?
出来ればプラチナかミスリル銀が欲しいところ。
あとゴーレム用に鉄も若干欲しい。
そのためには鉱山開発をする必要がある。
昨日、天然資源ならば【鑑定】スキルがチートで探してくれることが発覚した。
これを使わない手はない。
属性石は単純な石や魔石からならば使用魔力の差こそあれ簡単に創造出来る。
手元に材料が無かったとしても、魔力をそれなりに込めれば創ることが出来た。
ならば、他の金属も魔力を込めれば出来るのではないかと思ったのだが、試しに金を創造してみたところ、思った以上の膨大なMPを消費してしまった。
属性石と金の違いは何かと思い悩んだところ、どうやら素材が身近に有るか無いかということが基準になっているようだ。
属性石はそこらへんに転がっている石と大して違いが無いので材料を選ばずに作ることが出来る。
しかし金は希少金属なので、どこかから材料を集めて来るにしても魔力がいる。
そういったことが原因らしい。
なので、プラチナもミスリル銀も創造出来るのだが、MPの消費量的にはやりたくないというのが実情だ。
ついでに昨日手に入れた宝石のうち、状態の悪いもの、所謂クズ石を材料に【宝石創造】をしてみたら、クオリティの高い宝石に化けた。
ただの宝石も魔宝石になった。
つまり材料が採取できる場所に行けば希少金属を創造することは簡単に出来そうなのだ。
なのでやって来ましたズイオウ山。
ワイバーンに乗り上空から鉱脈の出ている場所を【鑑定】で探すと、目の前に『鉄』『銅』『金』『ミスリル』というポップがAR表示された。
鉱脈の近くの空き地にワイバーンを降ろし、プチと一緒に降りる。
そこからは徒歩で鉱脈を散策する。
目的地に着くとプチが軽くここ掘れわんわんをする。
これはスキルの乗っていないやつかもしれない。
鉱脈に手を当てて【金属抽出】のオリジナル魔法を唱える。
この【金属抽出】こそ、【探知】と【金属創造】の魔法の良い所取りをした採掘専用魔法なのだ。
【金属抽出】により鉱脈から金属のインゴットが抽出されていく。
だいたい10kg基準で一つの塊になっていく。
大きさはバラバラ。これは比重の違う金属がまとめて1つのインゴットになっているからだ。
重い金属が多ければ小さく、軽い金属が多ければ大きくなるのは当然だろう。
これらを片っ端からインベントリ内に入れていく。
掘りつくしたら次へ掘りつくした次へと移動して掘る。
こうして手に入った金属をインベントリの解体機能により各金属を種類ごとに分離する。
魔物のピーから鉄を分離した解体機能なのだ、金属の塊から特定の金属を分離するなど容易いことなのだ。
これらもまとめてインゴットにしていく。
鉄、銅、錫、銀、金、プラチナ、ミスリル銀とインゴットがグラム表記でインベントリに収められる。
これを使おうと思うと、任意の大きさや重さで金属塊を取り出すことが出来る。
ほとんどが鉄と銅だったけれど、希少金属も一定量手に入ったので、ここで鉱物採取は終了とした。
必要になったらまた転移で来ればいいだろう。
余った銅なんかは貨幣にして使ってしまえばいい。
元々が貨幣としての価値ではなくて、銅としての価値みたいなものだったからね。
貨幣を潰して使ってしまった分もあるし、流通量に影響がありそうだから使った分は戻しておこうと思う。
だから通貨偽造じゃないからね?
空き地に出てワイバーンのブルーを呼ぶ。
ワイバーンを降りた後、地上にワイバーンを降ろしたままだと、他の魔物に襲われたりして危険なため、ワイバーンは空中待機しているのだ。
ニルが調教したおかげで、犬笛のような人には聞こえない笛で空にいるワイバーンが呼べるのだ。
この笛は固有の周波数があるので、俺のこの笛にはブルーしか反応しないようになっている。
これも魔道具だ。聞こえない音の周波数を変えるなんて、この世界では魔法以外ではどうすれば良いというんだ。
ワイバーンの数分サクっと作ったのは言うまでもない。
ちなみにニルはうちのワイバーンなら全てを呼ぶことが出来る。
これが編隊飛行の出来るカラクリの正体だ。
ニルがピン子から笛を吹くことで、うちの全ワイバーンがピン子の後を付いて飛んでいく。
ブルーに乗り、ブルーごと農園に転移する。
ブルーを厩舎に戻し、鞍を外して水と魔物肉を少し与える。
これをやっておかないとワイバーンが主人を忘れてしまうからだ。
餌やりは強烈な印象をワイバーンの小さな脳に残すのだ。
調教の基本となっている。
◇ ◇ ◇ ◇ ◆
指輪の地金が手に入ったので全員分の指輪を作る。
宝石を錬金術の【宝石創造】でグレードアップしクオリティの高い魔宝石にする。
宝石の価値は色と不純物や傷の有無によりほぼ決まる。
錬金術は宝石の輝きや色に悪影響を与える不純物を抜き去ることが出来る。
傷も再結晶化させることで消せる。
これにより、宝石のグレードが一気に上がる。
色は結晶に含まれる微小な元素により変わり、その量によって濃さが変わる。
これもその元素をコントロールすることで良質の宝石となる。
地球では既に人口宝石として完璧な宝石が製造出来るのだが、あくまでも価値があるのは天然ものの宝石となっている。
だが、この世界では錬金術で製造されたものも下に見られるようなことはない。
錬金術自体がレアなスキルであり、ましてや【宝石創造】が使えるものなどほとんどいないのだ。
そこにある物の価値を判断するので、錬金術の結果か自然の結果かは考慮されない。
宝石の結晶を操作してまるでカットされたかのように整える。
これも錬金術の【形状操作】や【再結晶】の賜物だ。
それを金やプラチナ、ミスリル銀の台座に嵌めて指輪にしていく。
こっそり【鑑定】して全員の指のサイズは把握済みだ。
その過程で別の数字も把握出来てしまったのは皆には秘密だ。
尤も、彼女たちにぴったりの下着を作った時にバレてしまったんだが……。
各々のイメージで石を選びリングの地金を選び、指輪にしていく。
やっと全員分が完成したのは夕飯前の時間だった。
夕食が終わりその場で皆に指輪を渡していく。
皆、自分のイメージで作られた指輪に感動し大層喜んでいる。
当然、サラーナとシャーロにも新しい指輪を作りましたとも。
彼女たちの喜ぶ顔は至宝だからね。
続けてミーナに渡そうとした時、ミーナが自分で宝石を持ってやって来た。
「ミーニャは、この宝石で指輪を作って欲しいにゃ」
それはお世辞にも綺麗とは言えない水晶だった。
水晶は宝石とは言うが成分的にはガラスと同じで、正直他の者たちにあげた宝石よ価値が低い。
ガラスが規則正しく結晶化すると水晶になるというだけなのだ。
ミーナを見る。自分が拾った水晶を大事そうに持っている。
ああ、ミーナにとっては自分が初めて拾ったこれが最高の宝物なのだ。
「よしわかった。
だが、指輪よりネックレスの方が良くないか?
指輪はこれを持って行け」
「任せるにゃ」
俺は、ミーナ用に作った指輪を強引に渡すと、水晶はネックレスにすることにした。
水晶を多少不純物を取り除くなど綺麗にして、その形のままの水晶にSTRとAGI増加の付与魔法を付けてネックレスにしてあげた。
水晶は結晶が発達して長かったので、そのままならネックレスでぶら下げた方が映えると思ったのだ。
ミーナのミーナだけのネックレスが完成した。
それを見て騒ぎ出す嫁達。
各々の手には魔法ポシェットから取り出した宝石が乗っている。
「ええい。皆にも作ってやる。
ネックレス、ペンダント、イヤリングでもいいぞ。希望を言え!」
この夜、俺は幸せそうな彼女たちの笑顔に囲まれて眠りについた。
後から知ったのだが、この世界で女性に指輪を送るのは結婚の証だったらしい。
一応、嫁だと公認しているのはサラーナとアイリーンだけなんだからね?
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