【完結】帝都一の色男と純朴シンデレラ ~悲しき公爵様は愛しき花を探して~

朝永ゆうり

文字の大きさ
上 下
16 / 21

16 出生の真実

しおりを挟む
 2つの山を越え、林を抜けた先にハナの育った小さな集落がある。ハナがそこへ着く頃には、もう日が柔らかくなってきていた。

(戻って、きた……)

 変わらない田畑、変わらない茅葺きの屋根、変わらない匂い、音。ハナは懐かしい空気を胸いっぱいに吸い込んだ。

(しっかりしなくちゃ。隼助様と、ここで共に暮らせるように)

 ハナは胸に手を当てて、ふう、と息を吐き出した。

(今の時間なら、皆畑の方かしら? それとも、タケノコ採りに出ているのかしら?)

 ハナは人のいない集落をキョロキョロと歩きながら、自分の育った家の方に向かって歩いた。

 ハナが幼い頃寝泊まりしていたのは、優しいおばあさんの家だった。おばあさんはハナの面倒をよく見ており、食事の世話もしてくれた。

 おばあさんは、ハナが生まれた時もその場にいたらしい。ハナの母親のことを「優しい綺麗な女性だった」と教えてくれたのも、おばあさんだった。
 そのおばあさんは、ハナが帝都に出る2ヶ月前に老衰で亡くなった。それからは、田畑の手伝いをしながら、おばあさんの家に一人で寝泊まりしていたのだ。

「ここ……」

 おばあさんの家の前に立った。瞬間に、違和感を感じた。かまど口のある方から、もくもくと煙がのぼっている。

(誰かが住んでいるのかしら……?)

 ハナはドンドンと、その戸を叩いた。

「ごめんくださーい」

 家の中に向かって声を張ると、ガラリと戸が開いた。

「お姉ちゃん……誰?」

 ハナも知らない、小さな女の子がそこにいた。ハナが驚き目を見張っていると、女の子の背後から声がする。

両一りょういちさんじゃないけ? そろそろ畑仕事さ終えて、休憩に返ってくる頃じゃい」

 声の主は、女の子の背後からぬるりと姿を表す。そして、ハナを見て固まった。

「……ハナ?」

 ハナも彼女を見て固まった。彼女は、村を出ていったはずのハナの幼馴染だった。

「こんにちは、久しぶりね!」

 ハナは笑顔で話しかけた。けれど、幼馴染の彼女は途端に眉をつり上げる。

「よそ者は出ていけ! はよ出ていけ! この村に立ち入るな!」

 一歩戸内に踏み入れようとしていた足を、思わず引っ込めた。

「異人なんて人じゃねえ!」

 彼女はそう言い捨てると、ハナを追い出しぴしゃりと戸を閉めた。

 あっという間の出来事に、ハナは呆然と立ち尽くした。

(……どういうこと? よそ者? 異人……?)

 ハナは自分の目が青いことを思い出した。
 それでも、自分が育ったこの村では、一度も言及されたことはなかったし、ましてや『異人』などと呼ばれたことも無かった。

(もしかしたら、彼女には『異人』さんに対して何か嫌な想い出があるのかもしれないわね)

 一瞬脳裏に隼助の母親が映ったが、ハナは心を入れ替え他の家を当たることにした。


 キョロキョロと周りを見回した。すると、路地の角から怪訝な目でこちらを覗くまだ5つくらいの少女と目が合った。

「ねえ、あなた……」

 言いかけると、彼女は走ってどこかへ行ってしまう。

「あ、待って……!」

 ハナは少女を追いかけた。


 追いかけ着いた先は畑だった。村の皆が休憩している。見知った顔があって、ハナは安堵の息をもらした。

「こんにちは。あ、あの……」

 ハナが何て言おうか口ごもっている間に、中年の女性たちがハナに向かって言った。彼女たちは、ハナが村にいた頃はよく野菜や米を分けてくれた人たちだ。

「何で戻ってきちまったんだい」

「え……?」

 まるで死んだ虫を見るような目を向けられて、ハナは呆然とした。

「まさか奉公先から逃げてきたんでねーだろうな?」

「おめえみたいな『異人』は役立たずだと、帝都でも捨てられちまったんじゃねえの?」

 誰かがそう言って、皆はケラケラと笑った。

「あ、あの……」

 ハナが会話に入ろうと口を開くと、彼らはハナのことを心底嫌そうに睨んだ。何人かは、ハナに軽蔑の笑みを向けた。

「分かってんだろう? お前はこの村から捨てられたんだよ」

「捨てられた……?」

「まさか。あの言葉を馬鹿正直に信じてたんでねえの?」

「ああ、『帝都での仕事を探してやった』ってやつかい? あれは傑作だったねえ、売り飛ばされただけだってのに」

「あっはっは! 信じていたとしてもよお、流石に就いた仕事で気付くだろうよ」

 ハナは信じられない思いで、彼らの口から飛び出す真実を聞いていた。

(嘘……。私、騙されていたの……?)

「あ、あの! ……それでも、皆さんは良くしてくれていましたよね? どうして、そんなこと……」

 疑いたくない、信じたい。
 そんな気持ちで聞いたのに、その想いはあっけなく消されていった。

「あのばあさんのせいだよ。お前を育てた、あのばあさん」

「え……?」

「あのばあさんの息子さ、異人を孕ませた~って村に手紙寄越して、自分は病気で戻れないから彼女を頼むとか言ってさ。それでばあさんは、言葉も通じない異人をかくまったのさ」

「それで生まれたのがお前だよ。お前の母親はね、産後の動けないときに誰かに殺されたって噂だ」

 それで、畑にいた全員がケラケラ笑った。

「だ、誰が! 私の、母を……」

「そんなことはどうだっていい。異人なんて、見ているだけでおっかないんだから」

「そん、な……」

 胸の中に、今まで感じたことのない真っ黒な感情が渦巻いた。悲しくて、悔しくて、怖くて、苦しくて、許せない。
 色々な思いがないまぜになって、鼻の奥がつんとした。涙をこぼすまいと、唇をぐっと噛んだ。

「あっこのばあさんが死んだんで、お前を売り飛ばしたのさ。こんな青い目でも、買ってくれるなんて帝都は心が広いと思ったさ」

「だが、結局は帝都でも役立たずだったってわけか」

 悔しくなって、拳を握った。

「……違う」

 震える唇で、かすかにそう発音した。何人かが、ケラケラ笑った。

「違います! 私は、役立たずで追い出されたわけでは――」

 大きな声が出た。けれど、言いかけた言葉は村人たちの大きな笑い声に消えていく。

「無様だねえ、あっはっは!」

 怒りと悔しさで身体が震えた。唇をきゅっと結んだけれど涙が溢れて、顔を上げることもできなくなった。

「でも、追い出されたわけでねーなら、もう一回くらい売れるんでねーか?」

 誰かがそう言った。皆が「そうじゃね」「そりゃいい」と、笑いながら同意した。
 すると、急にふわりと身体が浮いた。誰かがハナを抱き上げたらしい。

「嘘、嫌……っ!」

 ジタバタと手足を動かし抵抗するも虚しく、ハナは体格の良い青年に担がれそのまま何処かへ連れ去られた。


 しばらく担がれやってきたのは、村の一番奥の神社だった。境内の奥の、昔は神へ捧げる生贄を奉納する場所だったという小屋の中に、ハナはドスンと大きな音を立てて放りこまれた。

「痛……」

 古い木目の床のささくれが、腕に刺さったらしい。血が流れて、思わずそこを押さえた。

「おっと、『売り物』なんだから丁寧に扱えよ」

 誰かがそう言って、皆がケラケラ笑った。
 ハナがその場に力なくへたり込んでいると、突然戸がピシャリと閉められた。
 急に真っ暗になって、ハナは自分で自分を抱きしめた。

(小さい時に聞いたことがある。ここは中からは開けることができない。閉じ込められたのね、私……)


 ハナは小屋の隅で、膝を抱えて丸くなった。かなり古い小屋だ。奥の方は塵や埃を被っている。木の床は所々がささくれ立っていて、あるき回れば先程のようにうっかり怪我をしかねない。
 ハナは、安全な隅の方で丸くなっているのが得策だと考えたのだ。

 村に着いたときから薄暗かった空から、雨が降り出したらしい。ぽつ、ぽつと天井に雨だれの音がして、ハナは光の方を見つめた。
 薄暗い小屋の中で、少しだけ壁に穴が空いている場所がある。そこから漏れ入る光だけが、小屋の中の唯一の光源だ。

(まだ日は沈まないのね。ああ、私はこれから――)

 自分の未来を案じ、隼助に胸の内で謝罪した。
 せっかく村に帰してくれたのに、共に住む準備は疎か小さな小屋に閉じ込められてしまった。
 村人たちは、自分をまたどこかへ売り飛ばすつもりらしい。

 奉公先によっては、隼助とは二度と会えないかもしれない――。

 虚しくなって、涙が溢れた。じわりじわりと、目頭が熱くなる。けれど、身体は冷えていった。


 どのくらい泣いていたのだろう。ハナは小屋内にこぼれてくる光が無くなり、夜になったのだと悟った。
 外は相変わらず雨が降り続いている。突然、小屋の戸が開いた。皿に乗った握り飯だけが、戸から差し出される。
 腹は減らないが、そっと握り飯を手に取った。

「食べな。死んじまったら、困るからね」

 幼馴染の女の声だった。ハナは彼女の方を見ようとする。けれど、あっという間に皿を持った腕は戸から引き抜かれ、ピシャリと戸を閉められてしまった。

 握り飯は暖かかった。もう枯れ果てたはずの涙が、またハラハラとこぼれ落ちた。

(私ったら……)

 優しさじゃないかもしれない。けれど、その温かさが嬉しかった。同時に、気づいたことがある。

(孤独の中で差し出された温かさは、こんなにも嬉しいのね)

 隼助もきっと同じだったはずだ。
 だとしたら、兄の身代わりとして孤独に生きてきた彼を温めたのは一体何だったのだろう。それが自分だったのなら嬉しいと思い、同時に切なさで胸がいっぱいになる。

 外の雨はどんどん大きくなる。差し入れられた握り飯を無理やり咀嚼そしゃくし飲み込みながら、ハナは隼助とのことを思い出していた。
 彼との思い出は、胸にたくさんある。

 大金を空に放り、『譲れ』と助けてくれたのが全ての始まりだった。怖い笑みを貼り付けた、胸の内の分からない恐ろしい主。彼の手紙を拾い、怖くなって逃げ出したこともある。
 ガゼボの下で彼の秘密を知ってしまってから、距離が近づいた気がする。
 彼の優しさを、寂しさを、強かさを知る度に、どんどん好きになっていった。

 そこで、ふと思い出した。隼助は、探しものをしていた。
 ならば、隼助にとっての光は、きっとその探しものに違いない。隼助はきっと、探しものに温めてもらいたかったに違いない。

「隼助様の探しもの。……生き別れた、妹さん」

 無理に食べていた握り飯。ごくりと大きな塊を飲み込んでしまい、咀嚼そしゃくが止まっていたことに気づいた。
 しかし、ハナはすぐに今まで考えていたことに気を戻した。

『旦那様は、妹を探してらっしゃるの。腹違いの妹がいらっしゃるらしいわ。でね、どうやらその妹が異国人の風貌をしているんですって』

 ハナにとって初めだった、鷹保邸での夜会。それが始まる前に、同室の女中リサから聞いた話だ。夜会の後に会った隼助も妹探しは否定しなかったから、きっと本当のことなのだろう。

 腹違いの妹。彼女は、異国人の風貌をしているらしい。
 鷹保邸を出る前に聞いた話では、隼助本人が腹違いの妾の子であった。しかも、相手は異人。
 自分が田舎に戻り、掛けられた声も「異人」。

 ――ハナの母親は異人だった。隼助の母親も異人だった。隼助から本当の母親がどうなったのかは聞いていないが、妹を探しているところからすると、どこかに姿をくらましたのだろう。

 嫌な想像が、ハナの背中を冷たくする。

「隼助様と、私が、兄妹かもしれない――」

 握り飯はそれ以上喉を通らなくなった。
 
(もしかして、隼助様は知っていた――?)

 思い返せば『好きだ』も『愛してる』も、その声をかけてくれる隼助は優しくふわりと微笑んでいた。あれは、妹への敬愛の笑みだったのかもしれない。
 優しく頭を撫でる手のぬくもりも、隠れて交わした口づけも、妹への愛情かもしれない。
 妹と知ったから、自分を観劇に誘ってくれたのかもしれない。
 村に自分を帰したのだって、妹を思う愛情ゆえの行為だとしたら――。

 思えば思うほど、ハナは隼助の妹であるような気がしてくる。
 虚しさが胸を襲って、どんどん苦しくなる。けれど同時に安堵している自分もいた。

(このまま売り飛ばされてしまえば、隼助様と交わることもないわ。この恋心も、きっといつか忘れられる――)

 そう思いながら、残りの握り飯を頬張った。無理やり咀嚼して、無理やり飲み込んだ。すっかり冷めてしまった握り飯は、なんの味もしなかった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました

21時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。 華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。 そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!? 「……なぜ私なんですか?」 「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」 ーーそんなこと言われても困ります! 目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。 しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!? 「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」 逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

雪井しい
恋愛
「こはる、俺の妻になれ」その日、大女優を母に持つ2世女優の花宮こはるは自分の所属していた劇団の解散に絶望していた。そんなこはるに救いの手を差し伸べたのは年上の幼馴染で大企業の御曹司、月ノ島玲二だった。けれど代わりに妻になることを強要してきて──。花嫁となったこはるに対し、俺様な玲二は独占欲を露わにし始める。 【幼馴染の俺様御曹司×大物女優を母に持つ2世女優】 ☆☆☆ベリーズカフェで日間4位いただきました☆☆☆ ※ベリーズカフェでも掲載中 ※推敲、校正前のものです。ご注意下さい

【完結】氷の王太子に嫁いだら、毎晩甘やかされすぎて困っています

21時完結
恋愛
王国一の冷血漢と噂される王太子レオナード殿下。 誰に対しても冷たく、感情を見せることがないことから、「氷の王太子」と恐れられている。 そんな彼との政略結婚が決まったのは、公爵家の地味な令嬢リリア。 (殿下は私に興味なんてないはず……) 結婚前はそう思っていたのに―― 「リリア、寒くないか?」 「……え?」 「もっとこっちに寄れ。俺の腕の中なら、温かいだろう?」 冷酷なはずの殿下が、新婚初夜から優しすぎる!? それどころか、毎晩のように甘やかされ、気づけば離してもらえなくなっていた。 「お前の笑顔は俺だけのものだ。他の男に見せるな」 「こんなに可愛いお前を、冷たく扱うわけがないだろう?」 (ちょ、待ってください! 殿下、本当に氷のように冷たい人なんですよね!?) 結婚してみたら、噂とは真逆で、私にだけ甘すぎる旦那様だったようです――!?

美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛

らがまふぃん
恋愛
 こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。※R6.5/18お気に入り登録300超に感謝!一話書いてみましたので是非是非! *らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。 ※R7.2/22お気に入り登録500を超えておりましたことに感謝を込めて、一話お届けいたします。本当にありがとうございます。

脅迫して意中の相手と一夜を共にしたところ、逆にとっ捕まった挙げ句に逃げられなくなりました。

石河 翠
恋愛
失恋した女騎士のミリセントは、不眠症に陥っていた。 ある日彼女は、お気に入りの毛布によく似た大型犬を見かけ、偶然隠れ家的酒場を発見する。お目当てのわんこには出会えないものの、話の合う店長との時間は、彼女の心を少しずつ癒していく。 そんなある日、ミリセントは酒場からの帰り道、元カレから復縁を求められる。きっぱりと断るものの、引き下がらない元カレ。大好きな店長さんを巻き込むわけにはいかないと、ミリセントは覚悟を決める。実は店長さんにはとある秘密があって……。 真っ直ぐでちょっと思い込みの激しいヒロインと、わんこ系と見せかけて実は用意周到で腹黒なヒーローの恋物語。 ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 表紙絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真のID:4274932)をお借りしております。

転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした

ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!? 容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。 「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」 ところが。 ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。 無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!? でも、よく考えたら―― 私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに) お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。 これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。 じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――! 本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。 アイデア提供者:ゆう(YuFidi) URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464

【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない

ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。 既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。 未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。 後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。 欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。 * 作り話です * そんなに長くしない予定です

処理中です...