デス13ゲーム ~死神に命を懸けた者たち~

鷹司

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第三部 自答

第51話  その後

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 あのゲームがあった日から、一ヶ月が過ぎた――。

 スオウはゲーム終了日から一週間、ずっと意識不明の寝たきりの状態にあった。意識が戻ったとき、ゲーム勝者の特典である、妹の移植手術はすでに終わっていた。手術は無事に済み、妹は元気な体を取り戻した。今では昔のお返しとばかりに、スオウの面倒をいろいろとみてくれている。

 スオウが入院しているのは個室であった。誰が用意してくれたのか定かではないが、入院費用は前払いで済んでいるとのことだった。こんなことが出来るのは、あの二人しかいない。

 スオウの怪我はまだ完治していないが、あの絶望的な状態からすれば、奇跡の回復といってもよかった。もっとも、そこにあの二人の力が及んでいると想像するのは難くない。


 意識が回復してからというもの、ゲームのその後のことが気になり、新聞やネットの記事を残さず読み漁った。

 地震による病棟の崩壊と、そこで発見された何体かの遺体、そして生き残った数人の重体者。

  これだけの材料が揃っていれば、騒ぎにならない方がおかしいだろう。どのマスコミもこぞってこの話題を特集した。

 発見された中に、数年前世間を騒がせた少年犯罪者が含まれていたことがネット上で暴露されて以降は、さらに大きな騒ぎとなった。

 ネット上では新興宗教団体がおこした儀式説、宇宙人の人間狩り説、はたまた人工地震発生装置の誤作動説など、様々な奇説・珍説がおもしろおかしく披露されていた。 

 もっとも、すべてを知っているスオウが見た限り、正しい解答にたどりついたマスコミはひとつもなかった。

 それも当然であろう。なにせあの病院で行われていたのは、自らの命を懸けた死のゲームなのだから。


 そう、あの日、あの場所で、常人の想像すら遠く及ばない狂気に満ちたゲームが開催されたのだ。


 スオウがどうしても知りたかったのは、自分以外に生き残りがいるかどうかということだった。ゲーム終了時には、重体の人間が四人いるとメールに書かれていた。その四人が助かったのかどうか知りたかった。

 しかし、その後のマスコミによる続報はなく、あれほど加熱していた報道もうそのように沈静化し、現在マスコミを賑わせているのは、清純派タレントの不倫騒動一色になっていた。

 今ではネット上のごく一部で、ほそぼそと都市伝説ネタとして語られるだけになっていた。
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