19 / 60
第一部 始動
第17話 死体確認作業
しおりを挟む
――――――――――――――――
残り時間――10時間07分
残りデストラップ――9個
残り生存者――10名
死亡者――2名
重体によるゲーム参加不能者――1名
――――――――――――――――
スオウは瓜生とイツカとともにホールを出て、南側の階段に向かった。四階の階段近くまで来たところで、先頭を歩く瓜生がスオウとイツカの方に振り返ってきた。
「ここが現場周辺になるが、何かおかしな点はあるかい?」
問われたスオウは改めてあたりをぐるっと見回してみた。廊下には特に異常は見られない。唯一気になったのが、壁に立て掛けられているモップだった。スオウも学校の掃除のときなどに使うことがある。
「モップがあるぐらいです。まさか掃除の途中だったわけじゃないし……」
スオウの何気ないつぶやきに対して、瓜生が反応した。
「いや、そのモップだ! 円城さんは九鬼のオッサンが足を滑らせたようだと言ってた。俺の予想が正しければ――」
瓜生がモップに近寄っていく。モップを手に取って、柄の先に付いている黄色の布に鼻を近づける。
「やっぱりな。たっぷりとワックスが染み込んでいる。このモップで廊下を拭いたら、廊下はツルツルになっちまうだろうな」
スオウも近くでモップを眺めた。すぐに鼻にワックス特有の臭いを感じた。
「つまり九鬼さんはこのワックスのせいで……」
イツカが声を詰まらせた。
「ああ、それで間違いないとは思うが……いや、決め付けちまう前に、遺体もしっかり確認しておこう」
瓜生はモップを壁に立て掛けると、滑らないように一歩一歩踏みしめるような慎重な足取りで廊下を歩いていく。後ろから同じような歩き方でスオウとイツカも続いた。
階段の前までたどり着くと瓜生が足を止めた。階段の一番上から踊り場を見おろす。スオウも瓜生にならって踊り場に目をやった。
そこに人が倒れているのが見えた。うつ伏せになっているので顔は確認出来ないが、その服装から見て九鬼であることは間違いなかった。
「こうして見る限り、円城さんの言った通りの状況だな。二人ともどうする? 間近で遺体を確認するのは俺ひとりでいいが――」
瓜生が確認をとる。高校生が遺体に近付くのを気にしたのだろう。
「わたしは大丈夫です」
先にイツカが決めた。
「あの、おれも、大丈夫です……」
スオウの本音を言えば、遺体にこれ以上近付きたくはなかったが、ここにひとりだけ取り残されるのもいやだったので、遺体のそばまで付いていくことにした。
三人で九鬼の遺体に近寄っていく。踊り場に横たわる九鬼。出血の類は見当たらない。ただ、首が有り得ない角度で曲がっていた。脈拍を確認するまでもなく、生気は一切感じられなかった。純然たる死そのものが、そこにあった。
瓜生が傍らにしゃがみこんで九鬼の遺体を調べ始める。イツカとスオウは少し離れた場所から、その様子を見つめる。
「どうやら首をやっちまったみたいだな。これじゃ、手のほどこしようもなかったと思う」
瓜生はさらに九鬼の体を調べていく。まるで事件現場を調べる刑事みたいであった。九鬼の服の上からポンポンと手を当てて持ち物の確認をする。それが終わると、今度は九鬼の手を調べる。九鬼の右手を見た瓜生の表情が変わった。
「何か見付かったんですか?」
スオウは瓜生に声を掛けた。
「ああ。薬の箱を握っていた」
「薬……?」
「自己注射薬ってやつだよ」
「ひょっとして、それってミネさんの為の薬なんですか?」
イツカが瓜生の方に体を乗り出した。
「そうだ。アナフィラキシーショック症状を改善させる作用がある薬さ。中に注射が入っていて、それを患者に打つようになっている。どうやら九鬼のおっさんは改心したのか、バアさんの為に薬を探してくれていたみたいだな」
「そうだったんだ。わたし、てっきり自分勝手な人だと思ってた……」
「医療ミスの話をしただろう。もしかしたら、このおっさんなりの償いだったのかもしれないな。ま、本人が死んだ今となっては本当のところは分からないけどな」
「なんかおれも九鬼さんに悪いこと言ったかも……」
「あのときの状況じゃしょうがないさ。俺だってこのおっさんのことを信じていなかったんだからな。とにかく早くホールに戻って、この薬をミネさんに使おう」
「そうですよね。せっかく九鬼さんが見付けてくれた薬ですからね。絶対に無駄にするわけにはいかないですよね」
イツカの言葉に、スオウも迷いを捨てた。ここで落ち込んでいたって、九鬼はもう助からない。今はミネのことが最優先事項である。
「二人ともちょっと待ってくれ。最後に確認したいことがあるんでね」
瓜生は九鬼の足元に回りこむと、九鬼の履いている靴に顔を近付けた。瓜生の鼻が動く。
「くそっ! どうやら悪い方の勘が当たっちまったみたいだ」
「えっ、悪い方の勘ってなんのことですか?」
スオウは瓜生の渋い顔を見つめた。
「靴だよ。いや、正確には靴の裏って言った方がいいか。靴の裏からニオイがまったくしないんだよ」
「ニオイ……それってワックスのニオイのことですか?」
「ああ。靴の裏からワックスのニオイがまったくしないんだ。二人ともオレの言っている意味が分かるよな?」
スオウは即座に瓜生の言った言葉の真意を理解した。靴の裏にワックスが付いていないということは、九鬼はワックスの掛かった四階の廊下を歩いていないということであり、それはすなわち、ワックスで足を滑らせて階段から落ちたわけではないということを意味しているのだ。
「じゃあ、九鬼さんはここから誰かに突き落とされたっていうことなの……?」
イツカは自分で言いながら複雑な表情を浮かべている。
「俺だってこんな命を懸けたゲームをやっている最中に人を殺す人間がいるなんて考えたくもないが、こうして動かぬ証拠が出揃っちまってるからな――」
そこでいったん瓜生は言葉を切って、さらに重い声で続けた。
「ワックスは特有のニオイがする。普通、このニオイを嗅いだらすぐにワックスだと気が付くはずだ。特に俺たちは命を懸けた危険なゲームをしている最中なんだからな。もしもこのニオイを嗅いだら、九鬼のおっさんだってデストラップの前兆かもしれないと考えたはずだ」
「もしかしたらワックスのニオイに気が付いた九鬼さんは、危険だと思ってその場で歩くのをやめたんじゃないですか? それで靴の裏にワックスが付いていなかったというのは――」
「イツカちゃん、たしかにその可能性もなくはない。だとしたら、その場でとどまっていた九鬼のおっさんは、なんで階段から落ちたんだ?」
「あのとき停電があったじゃないですか。その停電に驚いて足を滑らせて――」
「ワックスのニオイに気が付いて、廊下を歩くのをやめたくらい慎重に行動していた人間が、たかが停電くらいでそんなに驚くかな?」
「そういわれたらそうですけど……」
イツカはそれ以上反論しなかった。
「二人とも、これを見てみろよ。踊り場に不自然にこの空き缶が落ちていたぜ。誰かがこの空き缶を投げて、その音に気を取られた隙に九鬼のおっさんはやられたんだろうな」
瓜生が手にした空き缶をスオウとイツカの方に向ける。
「もちろん、今俺が言ったことが正解だとは限らないぜ。イツカちゃんの言う通りかもしないからな」
「瓜生さんはなんでそんなに疑っているんですか?」
スオウは気になったので訊いてみた。
「これは俺の性分なだけだから気にするなって」
瓜生はわざとスオウの質問をはぐらかしたように見えた。
「――よし、とにかく一度ホールに戻ろう。あのバアさんに早く薬を打ってやらないといけないしな。その後でみんなで作戦会議だ。一回体制を立て直さないと、このままじゃ、ずるずるデストラップの餌食になっていくだけだぞ」
瓜生はそこで言葉を切ると階段を上り始めた。 スオウは若干の不安を胸に抱えたまま、イツカといっしょに瓜生の後から付いていった。
残り時間――10時間07分
残りデストラップ――9個
残り生存者――10名
死亡者――2名
重体によるゲーム参加不能者――1名
――――――――――――――――
スオウは瓜生とイツカとともにホールを出て、南側の階段に向かった。四階の階段近くまで来たところで、先頭を歩く瓜生がスオウとイツカの方に振り返ってきた。
「ここが現場周辺になるが、何かおかしな点はあるかい?」
問われたスオウは改めてあたりをぐるっと見回してみた。廊下には特に異常は見られない。唯一気になったのが、壁に立て掛けられているモップだった。スオウも学校の掃除のときなどに使うことがある。
「モップがあるぐらいです。まさか掃除の途中だったわけじゃないし……」
スオウの何気ないつぶやきに対して、瓜生が反応した。
「いや、そのモップだ! 円城さんは九鬼のオッサンが足を滑らせたようだと言ってた。俺の予想が正しければ――」
瓜生がモップに近寄っていく。モップを手に取って、柄の先に付いている黄色の布に鼻を近づける。
「やっぱりな。たっぷりとワックスが染み込んでいる。このモップで廊下を拭いたら、廊下はツルツルになっちまうだろうな」
スオウも近くでモップを眺めた。すぐに鼻にワックス特有の臭いを感じた。
「つまり九鬼さんはこのワックスのせいで……」
イツカが声を詰まらせた。
「ああ、それで間違いないとは思うが……いや、決め付けちまう前に、遺体もしっかり確認しておこう」
瓜生はモップを壁に立て掛けると、滑らないように一歩一歩踏みしめるような慎重な足取りで廊下を歩いていく。後ろから同じような歩き方でスオウとイツカも続いた。
階段の前までたどり着くと瓜生が足を止めた。階段の一番上から踊り場を見おろす。スオウも瓜生にならって踊り場に目をやった。
そこに人が倒れているのが見えた。うつ伏せになっているので顔は確認出来ないが、その服装から見て九鬼であることは間違いなかった。
「こうして見る限り、円城さんの言った通りの状況だな。二人ともどうする? 間近で遺体を確認するのは俺ひとりでいいが――」
瓜生が確認をとる。高校生が遺体に近付くのを気にしたのだろう。
「わたしは大丈夫です」
先にイツカが決めた。
「あの、おれも、大丈夫です……」
スオウの本音を言えば、遺体にこれ以上近付きたくはなかったが、ここにひとりだけ取り残されるのもいやだったので、遺体のそばまで付いていくことにした。
三人で九鬼の遺体に近寄っていく。踊り場に横たわる九鬼。出血の類は見当たらない。ただ、首が有り得ない角度で曲がっていた。脈拍を確認するまでもなく、生気は一切感じられなかった。純然たる死そのものが、そこにあった。
瓜生が傍らにしゃがみこんで九鬼の遺体を調べ始める。イツカとスオウは少し離れた場所から、その様子を見つめる。
「どうやら首をやっちまったみたいだな。これじゃ、手のほどこしようもなかったと思う」
瓜生はさらに九鬼の体を調べていく。まるで事件現場を調べる刑事みたいであった。九鬼の服の上からポンポンと手を当てて持ち物の確認をする。それが終わると、今度は九鬼の手を調べる。九鬼の右手を見た瓜生の表情が変わった。
「何か見付かったんですか?」
スオウは瓜生に声を掛けた。
「ああ。薬の箱を握っていた」
「薬……?」
「自己注射薬ってやつだよ」
「ひょっとして、それってミネさんの為の薬なんですか?」
イツカが瓜生の方に体を乗り出した。
「そうだ。アナフィラキシーショック症状を改善させる作用がある薬さ。中に注射が入っていて、それを患者に打つようになっている。どうやら九鬼のおっさんは改心したのか、バアさんの為に薬を探してくれていたみたいだな」
「そうだったんだ。わたし、てっきり自分勝手な人だと思ってた……」
「医療ミスの話をしただろう。もしかしたら、このおっさんなりの償いだったのかもしれないな。ま、本人が死んだ今となっては本当のところは分からないけどな」
「なんかおれも九鬼さんに悪いこと言ったかも……」
「あのときの状況じゃしょうがないさ。俺だってこのおっさんのことを信じていなかったんだからな。とにかく早くホールに戻って、この薬をミネさんに使おう」
「そうですよね。せっかく九鬼さんが見付けてくれた薬ですからね。絶対に無駄にするわけにはいかないですよね」
イツカの言葉に、スオウも迷いを捨てた。ここで落ち込んでいたって、九鬼はもう助からない。今はミネのことが最優先事項である。
「二人ともちょっと待ってくれ。最後に確認したいことがあるんでね」
瓜生は九鬼の足元に回りこむと、九鬼の履いている靴に顔を近付けた。瓜生の鼻が動く。
「くそっ! どうやら悪い方の勘が当たっちまったみたいだ」
「えっ、悪い方の勘ってなんのことですか?」
スオウは瓜生の渋い顔を見つめた。
「靴だよ。いや、正確には靴の裏って言った方がいいか。靴の裏からニオイがまったくしないんだよ」
「ニオイ……それってワックスのニオイのことですか?」
「ああ。靴の裏からワックスのニオイがまったくしないんだ。二人ともオレの言っている意味が分かるよな?」
スオウは即座に瓜生の言った言葉の真意を理解した。靴の裏にワックスが付いていないということは、九鬼はワックスの掛かった四階の廊下を歩いていないということであり、それはすなわち、ワックスで足を滑らせて階段から落ちたわけではないということを意味しているのだ。
「じゃあ、九鬼さんはここから誰かに突き落とされたっていうことなの……?」
イツカは自分で言いながら複雑な表情を浮かべている。
「俺だってこんな命を懸けたゲームをやっている最中に人を殺す人間がいるなんて考えたくもないが、こうして動かぬ証拠が出揃っちまってるからな――」
そこでいったん瓜生は言葉を切って、さらに重い声で続けた。
「ワックスは特有のニオイがする。普通、このニオイを嗅いだらすぐにワックスだと気が付くはずだ。特に俺たちは命を懸けた危険なゲームをしている最中なんだからな。もしもこのニオイを嗅いだら、九鬼のおっさんだってデストラップの前兆かもしれないと考えたはずだ」
「もしかしたらワックスのニオイに気が付いた九鬼さんは、危険だと思ってその場で歩くのをやめたんじゃないですか? それで靴の裏にワックスが付いていなかったというのは――」
「イツカちゃん、たしかにその可能性もなくはない。だとしたら、その場でとどまっていた九鬼のおっさんは、なんで階段から落ちたんだ?」
「あのとき停電があったじゃないですか。その停電に驚いて足を滑らせて――」
「ワックスのニオイに気が付いて、廊下を歩くのをやめたくらい慎重に行動していた人間が、たかが停電くらいでそんなに驚くかな?」
「そういわれたらそうですけど……」
イツカはそれ以上反論しなかった。
「二人とも、これを見てみろよ。踊り場に不自然にこの空き缶が落ちていたぜ。誰かがこの空き缶を投げて、その音に気を取られた隙に九鬼のおっさんはやられたんだろうな」
瓜生が手にした空き缶をスオウとイツカの方に向ける。
「もちろん、今俺が言ったことが正解だとは限らないぜ。イツカちゃんの言う通りかもしないからな」
「瓜生さんはなんでそんなに疑っているんですか?」
スオウは気になったので訊いてみた。
「これは俺の性分なだけだから気にするなって」
瓜生はわざとスオウの質問をはぐらかしたように見えた。
「――よし、とにかく一度ホールに戻ろう。あのバアさんに早く薬を打ってやらないといけないしな。その後でみんなで作戦会議だ。一回体制を立て直さないと、このままじゃ、ずるずるデストラップの餌食になっていくだけだぞ」
瓜生はそこで言葉を切ると階段を上り始めた。 スオウは若干の不安を胸に抱えたまま、イツカといっしょに瓜生の後から付いていった。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
終焉の教室
シロタカズキ
ホラー
30人の高校生が突如として閉じ込められた教室。
そこに響く無機質なアナウンス――「生き残りをかけたデスゲームを開始します」。
提示された“課題”をクリアしなければ、容赦なく“退場”となる。
最初の課題は「クラスメイトの中から裏切り者を見つけ出せ」。
しかし、誰もが疑心暗鬼に陥る中、タイムリミットが突如として加速。
そして、一人目の犠牲者が決まった――。
果たして、このデスゲームの真の目的は?
誰が裏切り者で、誰が生き残るのか?
友情と疑念、策略と裏切りが交錯する極限の心理戦が今、幕を開ける。
赤い部屋
山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。
真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。
東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。
そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。
が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。
だが、「呪い」は実在した。
「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。
凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。
そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。
「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか?
誰がこの「呪い」を生み出したのか?
そして彼らはなぜ、呪われたのか?
徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。
その先にふたりが見たものは——。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】『霧原村』~少女達の遊戯が幽の地に潜む怪異を招く~
潮ノ海月
ホラー
五月の中旬、昼休中に清水莉子と幸村葵が『こっくりさん』で遊び始めた。俺、月森和也、野風雄二、転校生の神代渉の三人が雑談していると、女子達のキャーという悲鳴が。その翌日から莉子は休み続け、学校中に『こっくりさん』の呪いや祟りの噂が広まる。そのことで和也、斉藤凪紗、雄二、葵、渉の五人が莉子の家を訪れると、彼女の母親は憔悴し、私室いた莉子は憑依された姿になっていた。莉子の家から葵を送り届け、暗い路地を歩く渉は不気味な怪異に遭遇する。それから恐怖の怪奇現象が頻発し、ついに女子達が犠牲に。そして怪異に翻弄されながらも、和也と渉の二人は一つの仮説を立て、思ってもみない結末へ導かれていく。【2025/3/11 完結】

182年の人生
山碕田鶴
ホラー
1913年。軍の諜報活動を支援する貿易商シキは暗殺されたはずだった。他人の肉体を乗っ取り魂を存続させる能力に目覚めたシキは、死神に追われながら永遠を生き始める。
人間としてこの世に生まれ来る死神カイと、アンドロイド・イオンを「魂の器」とすべく開発するシキ。
二人の幾度もの人生が交差する、シキ182年の記録。
(表紙絵/山碕田鶴)
※2024年11月〜 加筆修正の改稿工事中です。本日「71」まで済。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる