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第一部 始動
第6話 そして、ゲームが始まる
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――――――――――――――――
残り時間――13時間。
残りデストラップ――13個。
残り生存者――13名。
――――――――――――――――
「――いよいよゲームの開始か」
五十嵐がさっそく口を開いた。先ほどと比べて、若干声が硬くなっている。
「でも、こうして突っ立ていてもしょうがないので、さっきの自己紹介の続きをしたいんだけど、どうかな?」
「さっきから、すっかりリーダー気取りだな」
金髪男が五十嵐をにらみつける。
「君も聞いただろう。このゲームは13人全員が勝者になれる可能性があるんだ。だったら、みんなで協力してデストラップをクリアしていくのが、勝利の一番の近道だと思うけどね」
「ふんっ。死って聞いた途端にブルッていた奴に言われてもな」
「なんだとっ!」
金髪男のあからさまな挑発に簡単に乗っかってしまう五十嵐だった。『死神の代理人』が登場するまでは、あれほど冷静沈着でまとめ役のように振る舞っていたのがウソのような変わりようである。普段しっかりしている人間の方が、ちょっとしたことですぐにキレてしまうこと多いが、五十嵐はまさにその典型らしい。
「そんなに怒るなよ。お詫びに自己紹介してやるからよ。――オレはヒロキだ」
明らかに偽名と分かる名前を笑いながら言う金髪男である。
「だったら、オレもついでに言っておくぜ。――オレはヒロトだ。偶然にもその男と一文字違いの似た名前だけどな」
ボウズ男はあさっての方に視線を向けたままぶっきら棒に続けた。こちらも明らかに偽名だと分かる。
「二人ともそういう態度なら、勝手にしたらいいさ。後から仲間にしてくれと言っても丁重にお断りするからな」
「そんなのこっちからお断りだぜ」
「オレも興味なし」
「まったく、君らみたいな非常識な人間がこの社会に蔓延しているかと思うと、頭が痛くなるよ」
五十嵐は侮蔑のこもった目で二人の若者を見つめた。
「それじゃ、まだ自己紹介が終わっていないメンバーは――」
「あの……あたしは久里浜薫子と言います。OLをやっていますが……近々結婚する予定です……」
花柄のワンピースを着た女性の声は消え入るそうなほどか細かった。さっき紫人に向かっていったときの勢いが、今は微塵も感じられない。そして、あいかわらず両手でお腹の辺りを撫でている。
「久里浜さんですね。自己紹介ありがとうございます」
「アタシもした方がいいみたいな状況ね」
久里浜とは正反対に見えるセクシーさを前面に出した膝上のミニスカ姿の女性が、かったるそうに口を開いた。年齢は二十代前半くらい。栗色の髪と派手なメイクから、夜の仕事を生業としているような雰囲気だった。イツカとはまた違うタイプのアダルトな美人である。
「愛莉よ。先に言っておくと本名じゃないからね。ま、源氏名っていったところよ」
どうやら愛莉の正体はキャバ嬢みたいである。
「やれやれ。こんなときに自己紹介なんて、まるで新学期の教室だな」
ホールの一番奥にいた男が皆の前に進み出てきた。三十代後半で、神経質そうな顔付きをしている。
「九鬼だ。私は集団行動は苦手だと最初に言っておく」
九鬼は話しながら何度も眼鏡のフレームに手をやり、角度を直す仕草を見せた。ひどくイラついているように見えて、それだけ言うと、またホールの奥に戻っていく。
「さあ、これでやっと残り二人になったかな」
五十嵐が自己紹介の済んでいない二人の男に交互に目を向けた。
壁際に背を預けて立っていた白髪の喪服男が、その場から少し前に進み出た。
「円城だ。よろし……ゴッ、ゴホッ、ゴボ……」
そこで円城は苦しそうに一度咳き込むと、何度か大きく深呼吸をしてから、さらに言葉を続けた。
「……悪いね。ガキの頃からの喘息持ちで、しばらく前から喉の調子が良くなくて……。私は仕事はしていない無職の身だ。今は自分探しの旅の途中といったところかな。このゲームが旅の終焉の地にならないことを祈っているよ」
「かなりつらそうに見えますが、体調は大丈夫なんですか?」
「ああ。13時間ぐらいならばもつと思うよ。喘息をおさえる薬も用意してあるしね」
「そうですか。それと、これは個人的な興味になるんですが――」
五十嵐が聞かんとしていることが、スオウにも分かった。円城のその特異な服装についてだろう。
「分かっているよ。この服のことだろう。命を懸けたゲームと聞いたからね。それに合う服装はなんだろうと考えて、この喪服にたどりついただけのことさ」
「分かりました。では、最後に君も自己紹介をしてくれるかな? もちろん、あの二人みたいに拒否してもらっても構わないけどね」
「――瑛斗……です……」
『人形の目』をした青年が自己紹介をした。
「あ、あの……ボ、ボ、ボクは……その、人と話すのは……苦手……なんです……」
まるで子供のような口ぶりである。オドオドした態度とあわせて、年齢に対して、中身の成長が伴っていないようないびつな印象がある。視線も下に向けたままで、みなの方に顔をさらすことはなかった。
「ありがとう、瑛斗くん。これで全員の自己紹介が終わったかな。年齢比でいうと、十代が二人、二十代が五人、三十代が四人、四十代はいなくて、五十代と七十代がそれぞれ一人ずつ。男女比で言うと、男9に対して女性が4か」
五十嵐がメンバーの顔を何かを確認するように順番に見ていく。
「あんた、分析好きな人間なのか?」
瓜生が口を挟んだ。
「いや、ただグループの現況を把握しておきたかっただけだよ。この現況とゲーム内容になにか深い意味づけがあるかと考えてみたんだけどね。どうやらそういうことはないみたいだな」
「おいおい、おまえたちはなんでそんなに緊張感のかけらも無い会話ができるんだ!」
突然、奥月が怒鳴り声を張り上げた。怒りの為か、全身をプルプルと震わせている。
「いえ、緊張感がないわけではないですよ。あの男に死のゲームだと教えられたばかりですしね。ただ、まだなにかが起こったわけではないし、いったいどうしたらよいかと思って」
「だから、そういう考えが緊張感がないと私は言ってるんだ!」
「そんなに大きな声を出さなくとも、みんなに聞こえますから。なんだか、だいぶ疲れていらっしゃるようですが、それで気持ちのほうが落ち着かないのでは――」
「お前になにが分かるんだ! 知った風な物言いは真っ平だ!」
「奥月さん、いったい……」
「いいか、私は一日中、高齢の両親の介護をしてるんだ! 24時間ずっとだぞ! それがどういうことか分かるか!」
「それじゃあ、奥月さんはご両親の体調を治してもらうために、このゲームに参加したんですか?」
「だったらなんだと言うんだ!」
「まあ、なんて立派なのかしら!」
ミネがあげた驚きの声に、しかし、奥月は顔をしかめて見せた。
「ふんっ。どうやら、君たちとは話が合いそうに無いな。分かった。私には無理だ。こんなゲームに参加するべきではなかったんだ。私はここで帰らせてもらう」
「奥月さん、ちょっと待ってください。ゲームはもう始まっているんですよ」
五十嵐が慌てた様子で止めた。
「だからなんだと言うんだ。おい、代理人。聞いてるんだろ! 私はおりる。このゲームの参加を取りやめる。分かったか? おい、私の声は聞こえているんだろう? なんとか言ったらどうだ?」
「ご両親の介護で疲れているのは分かりますが――」
「とにかく私は帰らせてもらう!」
五十嵐の言葉を最後まで聞かずに、奥月はホールから出て行こうとした。
そのとき、突然、ホールの壁に掛けられていた絵の額縁が、なんの前触れも無く唐突に床に落ちた。はめられていたガラスが割れる音がホール中に響き渡っていく。
「きゃああああっ!」
悲鳴をあげたのは薫子だった。まるでなにかを守るように両手でお腹を覆う。
「な、な、なんなんだ……。お、お、おど、脅かそうと思っても遅いぞ。私はこのゲームをおりると決めたんだからな!」
奥月は見えないなにかから逃げるようにして、ホールから走り出ていった。
残された参加者たちは、ただ奥月の後ろ姿を黙然と見つめるしかなかった。
残り時間――13時間。
残りデストラップ――13個。
残り生存者――13名。
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「――いよいよゲームの開始か」
五十嵐がさっそく口を開いた。先ほどと比べて、若干声が硬くなっている。
「でも、こうして突っ立ていてもしょうがないので、さっきの自己紹介の続きをしたいんだけど、どうかな?」
「さっきから、すっかりリーダー気取りだな」
金髪男が五十嵐をにらみつける。
「君も聞いただろう。このゲームは13人全員が勝者になれる可能性があるんだ。だったら、みんなで協力してデストラップをクリアしていくのが、勝利の一番の近道だと思うけどね」
「ふんっ。死って聞いた途端にブルッていた奴に言われてもな」
「なんだとっ!」
金髪男のあからさまな挑発に簡単に乗っかってしまう五十嵐だった。『死神の代理人』が登場するまでは、あれほど冷静沈着でまとめ役のように振る舞っていたのがウソのような変わりようである。普段しっかりしている人間の方が、ちょっとしたことですぐにキレてしまうこと多いが、五十嵐はまさにその典型らしい。
「そんなに怒るなよ。お詫びに自己紹介してやるからよ。――オレはヒロキだ」
明らかに偽名と分かる名前を笑いながら言う金髪男である。
「だったら、オレもついでに言っておくぜ。――オレはヒロトだ。偶然にもその男と一文字違いの似た名前だけどな」
ボウズ男はあさっての方に視線を向けたままぶっきら棒に続けた。こちらも明らかに偽名だと分かる。
「二人ともそういう態度なら、勝手にしたらいいさ。後から仲間にしてくれと言っても丁重にお断りするからな」
「そんなのこっちからお断りだぜ」
「オレも興味なし」
「まったく、君らみたいな非常識な人間がこの社会に蔓延しているかと思うと、頭が痛くなるよ」
五十嵐は侮蔑のこもった目で二人の若者を見つめた。
「それじゃ、まだ自己紹介が終わっていないメンバーは――」
「あの……あたしは久里浜薫子と言います。OLをやっていますが……近々結婚する予定です……」
花柄のワンピースを着た女性の声は消え入るそうなほどか細かった。さっき紫人に向かっていったときの勢いが、今は微塵も感じられない。そして、あいかわらず両手でお腹の辺りを撫でている。
「久里浜さんですね。自己紹介ありがとうございます」
「アタシもした方がいいみたいな状況ね」
久里浜とは正反対に見えるセクシーさを前面に出した膝上のミニスカ姿の女性が、かったるそうに口を開いた。年齢は二十代前半くらい。栗色の髪と派手なメイクから、夜の仕事を生業としているような雰囲気だった。イツカとはまた違うタイプのアダルトな美人である。
「愛莉よ。先に言っておくと本名じゃないからね。ま、源氏名っていったところよ」
どうやら愛莉の正体はキャバ嬢みたいである。
「やれやれ。こんなときに自己紹介なんて、まるで新学期の教室だな」
ホールの一番奥にいた男が皆の前に進み出てきた。三十代後半で、神経質そうな顔付きをしている。
「九鬼だ。私は集団行動は苦手だと最初に言っておく」
九鬼は話しながら何度も眼鏡のフレームに手をやり、角度を直す仕草を見せた。ひどくイラついているように見えて、それだけ言うと、またホールの奥に戻っていく。
「さあ、これでやっと残り二人になったかな」
五十嵐が自己紹介の済んでいない二人の男に交互に目を向けた。
壁際に背を預けて立っていた白髪の喪服男が、その場から少し前に進み出た。
「円城だ。よろし……ゴッ、ゴホッ、ゴボ……」
そこで円城は苦しそうに一度咳き込むと、何度か大きく深呼吸をしてから、さらに言葉を続けた。
「……悪いね。ガキの頃からの喘息持ちで、しばらく前から喉の調子が良くなくて……。私は仕事はしていない無職の身だ。今は自分探しの旅の途中といったところかな。このゲームが旅の終焉の地にならないことを祈っているよ」
「かなりつらそうに見えますが、体調は大丈夫なんですか?」
「ああ。13時間ぐらいならばもつと思うよ。喘息をおさえる薬も用意してあるしね」
「そうですか。それと、これは個人的な興味になるんですが――」
五十嵐が聞かんとしていることが、スオウにも分かった。円城のその特異な服装についてだろう。
「分かっているよ。この服のことだろう。命を懸けたゲームと聞いたからね。それに合う服装はなんだろうと考えて、この喪服にたどりついただけのことさ」
「分かりました。では、最後に君も自己紹介をしてくれるかな? もちろん、あの二人みたいに拒否してもらっても構わないけどね」
「――瑛斗……です……」
『人形の目』をした青年が自己紹介をした。
「あ、あの……ボ、ボ、ボクは……その、人と話すのは……苦手……なんです……」
まるで子供のような口ぶりである。オドオドした態度とあわせて、年齢に対して、中身の成長が伴っていないようないびつな印象がある。視線も下に向けたままで、みなの方に顔をさらすことはなかった。
「ありがとう、瑛斗くん。これで全員の自己紹介が終わったかな。年齢比でいうと、十代が二人、二十代が五人、三十代が四人、四十代はいなくて、五十代と七十代がそれぞれ一人ずつ。男女比で言うと、男9に対して女性が4か」
五十嵐がメンバーの顔を何かを確認するように順番に見ていく。
「あんた、分析好きな人間なのか?」
瓜生が口を挟んだ。
「いや、ただグループの現況を把握しておきたかっただけだよ。この現況とゲーム内容になにか深い意味づけがあるかと考えてみたんだけどね。どうやらそういうことはないみたいだな」
「おいおい、おまえたちはなんでそんなに緊張感のかけらも無い会話ができるんだ!」
突然、奥月が怒鳴り声を張り上げた。怒りの為か、全身をプルプルと震わせている。
「いえ、緊張感がないわけではないですよ。あの男に死のゲームだと教えられたばかりですしね。ただ、まだなにかが起こったわけではないし、いったいどうしたらよいかと思って」
「だから、そういう考えが緊張感がないと私は言ってるんだ!」
「そんなに大きな声を出さなくとも、みんなに聞こえますから。なんだか、だいぶ疲れていらっしゃるようですが、それで気持ちのほうが落ち着かないのでは――」
「お前になにが分かるんだ! 知った風な物言いは真っ平だ!」
「奥月さん、いったい……」
「いいか、私は一日中、高齢の両親の介護をしてるんだ! 24時間ずっとだぞ! それがどういうことか分かるか!」
「それじゃあ、奥月さんはご両親の体調を治してもらうために、このゲームに参加したんですか?」
「だったらなんだと言うんだ!」
「まあ、なんて立派なのかしら!」
ミネがあげた驚きの声に、しかし、奥月は顔をしかめて見せた。
「ふんっ。どうやら、君たちとは話が合いそうに無いな。分かった。私には無理だ。こんなゲームに参加するべきではなかったんだ。私はここで帰らせてもらう」
「奥月さん、ちょっと待ってください。ゲームはもう始まっているんですよ」
五十嵐が慌てた様子で止めた。
「だからなんだと言うんだ。おい、代理人。聞いてるんだろ! 私はおりる。このゲームの参加を取りやめる。分かったか? おい、私の声は聞こえているんだろう? なんとか言ったらどうだ?」
「ご両親の介護で疲れているのは分かりますが――」
「とにかく私は帰らせてもらう!」
五十嵐の言葉を最後まで聞かずに、奥月はホールから出て行こうとした。
そのとき、突然、ホールの壁に掛けられていた絵の額縁が、なんの前触れも無く唐突に床に落ちた。はめられていたガラスが割れる音がホール中に響き渡っていく。
「きゃああああっ!」
悲鳴をあげたのは薫子だった。まるでなにかを守るように両手でお腹を覆う。
「な、な、なんなんだ……。お、お、おど、脅かそうと思っても遅いぞ。私はこのゲームをおりると決めたんだからな!」
奥月は見えないなにかから逃げるようにして、ホールから走り出ていった。
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