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第一部 始動
第1話 ゲーム参加まで
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妹の病室を後にして、1階のロビーまで戻ってきた生田スオウは、空いていたソファに深く座ると、さきほど聞かされた担当医師の言葉を思い返した。
『このまま心臓の移植が行われない状態が続きますと、妹さんの体はもって一ヶ月半、いや、病状の進行が予想を早まった場合、一ヶ月ももたない可能性があります。一刻でも早く心臓移植を行わないとならない状況です。それ以外の有効な手立てはありません』
心臓移植以外の治療手段がないということは、以前から聞かされてはいたが、妹の命が一ヶ月ももたないと聞かされたのは今日が初めてだった。心臓移植の希望はすでに病院に伝えてある。しかし、日本国内の心臓移植待ちの患者の数からいって、妹が一ヶ月以内に心臓移植を受けられる可能性は限りなくゼロに近かった。
残す手段は海外での移植手術しかないが、それには億単位の費用が必要となる。高額な妹の治療費を稼ぐ為に、両親は休みも取らずに仕事をしているが、目標額にはまだ遠く及ばない。
この国では、金のない人間は死ねということなのかよ?
怒りにも似た思いが、スオウの心中に生まれてくる。かといって、ごく普通の高校生でしかないスオウが、妹の為に出来ることは限られている。忙しい両親の代わりに、毎日学校帰りに欠かさずに妹の病室に見舞いに来ることしか出来ないのが現状だった。
もっと他におれに出来ることはないのか?
自問自答してみるが、結局いつも答えが見つからないまま、時間だけがむなしく過ぎ去っていく。妹の病気完治の願掛けの為に、有名な神社にもお寺にも行った。お守りだって十個近く購入した。しかし、その効果はまだ現われていない。
妹は神様にも仏様にも見放されたということなのかよ? 妹はまだ中学生になったばかりなのに……。
スオウは重い足取りのまま家路に着いた。仕事に忙しい両親が家に帰ってくるのは、一ヶ月に数度だった。妹はもちろん病室からは出られない。
今日もまた、誰も待つ者がいない家にひとり帰っていく。
――――――――――――――――
翌日、スオウはいつもと同様に、終業時間と同時に学校を出ると、妹の待つ病院に向かった。病床の妹を気づかいながら当たり障りのない世間話をしていると、不意に妹のアカネが泣きそうな表情を浮かべてスオウを見つめてきた。
「お兄ちゃん……わたし……いつまで生きられるの……?」
「ア、アカネ……」
突然のことに、一瞬言葉が詰まったスオウだったが、すぐに普段の表情を取り戻した。
「い、いきなり、なに言い出すんだよ。ちゃんと治療してもらっているんだから、こんな病気くらいすぐに治るからさ!」
「お兄ちゃん、わたし、もう十三歳なんだよ! 自分の体の状態ぐらい自分で分かるよ!」
「だから、何度も言ってるだろう! 確かに入院は延びているけど、先生たちがしっかりとみて――」
「そんなのウソでしょ! だって、ネットで調べれば、わたしの体の状態がどうなのかくらいは、いろいろ出ているんだからね!」
「…………」
「――それにお母さんもお父さんも仕事ばっかりで、お見舞いにも全然来てくれないし……。それって、わたしの治療費を稼ぐためってことでしょ?」
「…………」
妹の追及に言葉を返せないスオウだった。なぜならば、妹が言っていることは、すべて当たっていたから。
「――ねえ、お兄ちゃん。はっきり教えてよ。わたしの病状、良くないってことなんでしょ?」
「――違う! アカネ、そんなことは絶対にないから!」
「違わないでしょ! わたしは自分の体のことを知りたいだけなの! だって、このままじゃ……いつ死ぬかも……分からないまま……なんだから……」
「――アカネ。悪いけど、用事を思い出したから、おれはこれで帰るよ」
妹を説得できるだけの気力が今のスオウにはなかった。このまま精神が高ぶっている妹と話をしていたら、言ってはいけないことをつい言ってしまいそうで怖かったのだ。
スオウはまだ話したそうにしている妹の視線から逃げるようにして病室を出ていった。
おれだって、アカネの気持ちは痛いくらいに分かってるさ。何ヶ月も病室に閉じ込められていれば、不安だけしか生まれないからな。でも、だからといって、おれの口から、余命が一ヶ月もないなんて、絶対に言えるわけがないだろう!
家路への足取りは、昨日以上に重たかった。いったい、いつまでこんな緊張した日々が続くのか。
スオウの精神はすでに限界に近かった。
――――――――――――――――
いつものように妹の待つ病院にやってきたスオウだったが、昨日の妹とのケンカのことを思い出してしまって、ロビーのソファからなかなか離れられずにいた。このまま病室にいっても、昨日の話の繰り返しになりそうな気がする。
「ふー、どうするかな……」
明確な答えが見つかるわけもなく、ただスオウの口からはため息ばかりがこぼれおちる。
「あのー、もしもお時間があるようでしたら、わたくしの話を聞いていただくことは出来ないでしょうか?」
突然、スオウの背後から声がした。それもきわめて丁寧な物言いである。
「あの……ぼくのことをですか?」
相手の口調からてっきり病院関係者だと思い、普段使わない行儀の良い返答をしながらスオウが振り返ると、そこに一人の男の姿があった。
歳は三十代前半で、地味な紺のスーツに銀縁のメガネ。口元に人当たりの良さそうな薄い笑みを浮かべている。どこにでもいそうなサラリーマンといった風情である。少なくとも、病院関係者には見えなかった。また、妹の見舞いに来ている高校生に、わざわざ声をかけてくる用事があるようにも見えなかった。
「えーと、ぼくのことを誰かと勘違いしていませんか?」
「いえ、あなたで合っているはずです」
「そんなこと急に言われても、ぼくはあなたのことを見た覚えがないんですが……」
「こちらの調査が正しければ、たしか余命一ヶ月の妹を持つ高校生というのは、あなただとお聞きしていたのですが――」
不意に男の口元の笑みが深みを増した。人の良さそうな笑みが、今は人を欺くような笑みに変わっている。
「悪いけど、くだらない保険の勧誘だったらお断りだからな!」
「ご心配なく。わたくしは保険の勧誘員ではありませんので」
「だったら、怪しい新興宗教だろう! 人の心の弱みに付け込んで、命を救うインチキな商品を売り付けたり、どうせそんな話なんだろう!」
スオウは男をにらみつけた。妹が長期入院してからというもの、この手の胡散臭い人間に、何度も遭遇してきた。たいていが詐欺師か、金目当てのニセモノ宗教かのどちらかだった。今回もそういった連中だろうと思ったので、ケンカ腰の口調になってしまった。
「いえいえ、本当に怪しい新興宗教なんかではありません。あなたのことをダマすようなこともありません。それに、これからわたくしが話す内容は、決してあなたには悪い話ではないということだけは保障出来ます」
「はあ? そういう意味ありげな話し方じたいが、すでに怪しすぎるんだよ。あんた、頭がおかしいのか? 自分からそんなこと言ってよ。とにかく話はこれで終わりだ。警備員を呼ばれたくなかったら、さっさとこの病院から出て行けよ!」
「あなたがそんな風に怒るのも無理はないことだと思います。わたくしの話のもって行き方に不備があったのかもしれませんね。そこは深く謝罪します。ですが、これだけは言わせて下さい。わたくしがあなたに話したいことというのは、あなたの妹様の命に関わることなのです。それでも話を聞いてもらうことは出来ないでしょうか?」
「――妹の命って……。おい、あんたいったい何者なんだよ……?」
さすがにここにきて、スオウもこの男に対して、なにやら得体の知れない薄気味悪いものを感じ始めていた。
「そうですね。すべてを話すとなると長くなりますので、いったん外に出ましょうか」
男はそれだけ言うと、スオウに背を向けて、病院の正面玄関に向かって歩いていく。必ずスオウが後を追いかけてくると確信している風だった。
「くそっ、なんなんだよ! いいさ。そこまで言うのならば、話に付き合ってやるよ! 今日は気持ちがイラついていたからな、その鬱憤を紛らわすにはちょうどいいぜ」
スオウは結局、この正体不明の男に付いて行くことにした。
『このまま心臓の移植が行われない状態が続きますと、妹さんの体はもって一ヶ月半、いや、病状の進行が予想を早まった場合、一ヶ月ももたない可能性があります。一刻でも早く心臓移植を行わないとならない状況です。それ以外の有効な手立てはありません』
心臓移植以外の治療手段がないということは、以前から聞かされてはいたが、妹の命が一ヶ月ももたないと聞かされたのは今日が初めてだった。心臓移植の希望はすでに病院に伝えてある。しかし、日本国内の心臓移植待ちの患者の数からいって、妹が一ヶ月以内に心臓移植を受けられる可能性は限りなくゼロに近かった。
残す手段は海外での移植手術しかないが、それには億単位の費用が必要となる。高額な妹の治療費を稼ぐ為に、両親は休みも取らずに仕事をしているが、目標額にはまだ遠く及ばない。
この国では、金のない人間は死ねということなのかよ?
怒りにも似た思いが、スオウの心中に生まれてくる。かといって、ごく普通の高校生でしかないスオウが、妹の為に出来ることは限られている。忙しい両親の代わりに、毎日学校帰りに欠かさずに妹の病室に見舞いに来ることしか出来ないのが現状だった。
もっと他におれに出来ることはないのか?
自問自答してみるが、結局いつも答えが見つからないまま、時間だけがむなしく過ぎ去っていく。妹の病気完治の願掛けの為に、有名な神社にもお寺にも行った。お守りだって十個近く購入した。しかし、その効果はまだ現われていない。
妹は神様にも仏様にも見放されたということなのかよ? 妹はまだ中学生になったばかりなのに……。
スオウは重い足取りのまま家路に着いた。仕事に忙しい両親が家に帰ってくるのは、一ヶ月に数度だった。妹はもちろん病室からは出られない。
今日もまた、誰も待つ者がいない家にひとり帰っていく。
――――――――――――――――
翌日、スオウはいつもと同様に、終業時間と同時に学校を出ると、妹の待つ病院に向かった。病床の妹を気づかいながら当たり障りのない世間話をしていると、不意に妹のアカネが泣きそうな表情を浮かべてスオウを見つめてきた。
「お兄ちゃん……わたし……いつまで生きられるの……?」
「ア、アカネ……」
突然のことに、一瞬言葉が詰まったスオウだったが、すぐに普段の表情を取り戻した。
「い、いきなり、なに言い出すんだよ。ちゃんと治療してもらっているんだから、こんな病気くらいすぐに治るからさ!」
「お兄ちゃん、わたし、もう十三歳なんだよ! 自分の体の状態ぐらい自分で分かるよ!」
「だから、何度も言ってるだろう! 確かに入院は延びているけど、先生たちがしっかりとみて――」
「そんなのウソでしょ! だって、ネットで調べれば、わたしの体の状態がどうなのかくらいは、いろいろ出ているんだからね!」
「…………」
「――それにお母さんもお父さんも仕事ばっかりで、お見舞いにも全然来てくれないし……。それって、わたしの治療費を稼ぐためってことでしょ?」
「…………」
妹の追及に言葉を返せないスオウだった。なぜならば、妹が言っていることは、すべて当たっていたから。
「――ねえ、お兄ちゃん。はっきり教えてよ。わたしの病状、良くないってことなんでしょ?」
「――違う! アカネ、そんなことは絶対にないから!」
「違わないでしょ! わたしは自分の体のことを知りたいだけなの! だって、このままじゃ……いつ死ぬかも……分からないまま……なんだから……」
「――アカネ。悪いけど、用事を思い出したから、おれはこれで帰るよ」
妹を説得できるだけの気力が今のスオウにはなかった。このまま精神が高ぶっている妹と話をしていたら、言ってはいけないことをつい言ってしまいそうで怖かったのだ。
スオウはまだ話したそうにしている妹の視線から逃げるようにして病室を出ていった。
おれだって、アカネの気持ちは痛いくらいに分かってるさ。何ヶ月も病室に閉じ込められていれば、不安だけしか生まれないからな。でも、だからといって、おれの口から、余命が一ヶ月もないなんて、絶対に言えるわけがないだろう!
家路への足取りは、昨日以上に重たかった。いったい、いつまでこんな緊張した日々が続くのか。
スオウの精神はすでに限界に近かった。
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いつものように妹の待つ病院にやってきたスオウだったが、昨日の妹とのケンカのことを思い出してしまって、ロビーのソファからなかなか離れられずにいた。このまま病室にいっても、昨日の話の繰り返しになりそうな気がする。
「ふー、どうするかな……」
明確な答えが見つかるわけもなく、ただスオウの口からはため息ばかりがこぼれおちる。
「あのー、もしもお時間があるようでしたら、わたくしの話を聞いていただくことは出来ないでしょうか?」
突然、スオウの背後から声がした。それもきわめて丁寧な物言いである。
「あの……ぼくのことをですか?」
相手の口調からてっきり病院関係者だと思い、普段使わない行儀の良い返答をしながらスオウが振り返ると、そこに一人の男の姿があった。
歳は三十代前半で、地味な紺のスーツに銀縁のメガネ。口元に人当たりの良さそうな薄い笑みを浮かべている。どこにでもいそうなサラリーマンといった風情である。少なくとも、病院関係者には見えなかった。また、妹の見舞いに来ている高校生に、わざわざ声をかけてくる用事があるようにも見えなかった。
「えーと、ぼくのことを誰かと勘違いしていませんか?」
「いえ、あなたで合っているはずです」
「そんなこと急に言われても、ぼくはあなたのことを見た覚えがないんですが……」
「こちらの調査が正しければ、たしか余命一ヶ月の妹を持つ高校生というのは、あなただとお聞きしていたのですが――」
不意に男の口元の笑みが深みを増した。人の良さそうな笑みが、今は人を欺くような笑みに変わっている。
「悪いけど、くだらない保険の勧誘だったらお断りだからな!」
「ご心配なく。わたくしは保険の勧誘員ではありませんので」
「だったら、怪しい新興宗教だろう! 人の心の弱みに付け込んで、命を救うインチキな商品を売り付けたり、どうせそんな話なんだろう!」
スオウは男をにらみつけた。妹が長期入院してからというもの、この手の胡散臭い人間に、何度も遭遇してきた。たいていが詐欺師か、金目当てのニセモノ宗教かのどちらかだった。今回もそういった連中だろうと思ったので、ケンカ腰の口調になってしまった。
「いえいえ、本当に怪しい新興宗教なんかではありません。あなたのことをダマすようなこともありません。それに、これからわたくしが話す内容は、決してあなたには悪い話ではないということだけは保障出来ます」
「はあ? そういう意味ありげな話し方じたいが、すでに怪しすぎるんだよ。あんた、頭がおかしいのか? 自分からそんなこと言ってよ。とにかく話はこれで終わりだ。警備員を呼ばれたくなかったら、さっさとこの病院から出て行けよ!」
「あなたがそんな風に怒るのも無理はないことだと思います。わたくしの話のもって行き方に不備があったのかもしれませんね。そこは深く謝罪します。ですが、これだけは言わせて下さい。わたくしがあなたに話したいことというのは、あなたの妹様の命に関わることなのです。それでも話を聞いてもらうことは出来ないでしょうか?」
「――妹の命って……。おい、あんたいったい何者なんだよ……?」
さすがにここにきて、スオウもこの男に対して、なにやら得体の知れない薄気味悪いものを感じ始めていた。
「そうですね。すべてを話すとなると長くなりますので、いったん外に出ましょうか」
男はそれだけ言うと、スオウに背を向けて、病院の正面玄関に向かって歩いていく。必ずスオウが後を追いかけてくると確信している風だった。
「くそっ、なんなんだよ! いいさ。そこまで言うのならば、話に付き合ってやるよ! 今日は気持ちがイラついていたからな、その鬱憤を紛らわすにはちょうどいいぜ」
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