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第四章
237話 いつかの景色
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「お待たせ致しました」
「すまないな孔明。本当は内地で内政や兵站面でのサポートを任せるつもりだったのだが……」
「いえ、無線が使えない上、予想外の敵軍勢力では私自身も現場を見ない限り正しい判断は難しいでしょう。……それにしてもこれまでとは──」
まるでこちらの強さを測るかのように、魔王軍は次々と新たな兵力を投入してきた。
戦術もこちらの動きに合わせ進化し続け、強固な防御力と圧倒的な攻撃力を誇るトロールを前衛に、リッチやスケルトン弓兵を後衛に、数に優れるアンデット系モンスターや魔獣によって包囲を試みるなど、魔王とやらは相当の戦略家であることが伺える。
そうした攻撃の結果、地理的要因も鑑みて私たちは第三区域を放棄するしかなかった。
せめてもの抵抗として整備済みである第二区域を最大限活用し、防塁などで要塞化、鉄道によって砲弾類の即時補給等によって何とか耐えていた。
「将軍、敵軍の攻撃によって我が部隊の火砲類は全て破壊、あるいは放棄せざるを得ない状況に追い込まれました……。砲撃が効かないのであれば我々にはどうすることもできません!」
「……勝利は最も忍耐強いものにもたらされるのだ。爆弾では撃破できたし、顔面に砲弾が直撃したトロールも無力化できていた。今後は直射すれば或いは……」
第一区域にまで予め退避した本陣での作戦会議は紛糾していた。
しかしナポレオンは決して諦めることなく、最善の作戦をもって孔明到着まで敵軍を押し込み被害を最小限に抑えていた。
「これまでに得た敵軍の情報を整理し、反撃の一手を模索しましょう」
孔明は報告書の束をものすごい早さで目を通しながらそう言う。
「……すまない。魔王領調査はやぶ蛇だった。もっと軍事力と科学力が上がってから手を出せばこんなことには……」
「それは結果論ですよ。こちらから行かなければ、向こうから攻めてきただけでしょう。そうすればこの第二区域すら存在せず、私たちはより苦境に立たされていたかもしれません。──死中求活、これからどうすべきかだけ考えましょう」
「そうだな……」
それから私たちは三日間に渡って綿密な大規模攻勢計画を検討した。
その間にも敵軍の攻撃は続いているが、同時に人類側も本国からさらなる増援を呼び何とか持ち堪えていた。
聖教会の魔導師勢力や協商連合の傭兵部隊、亜人・獣人の国々にも協力を仰ぎ、動員できる全ての人員をかき集めてきた。
大量消費される武器や弾薬類製造のために民需工場も軍需工場に建て替えられ、鉄道も民間使用を禁止し全て軍事作戦に利用する。
人類の持てる力全てをぶつけるのだ。
そして、いよいよ大規模攻勢決行の時を向かえた。
血と硝煙の匂いが漂う戦場。辺りに響き渡るのは兵士の呻き声とそれをかき消すような大砲や爆裂魔法の轟音。
「レ、レオ様! 伝令申し上げます! 魔人と思われる槍を振るう敵が出現! 左翼騎兵部隊壊滅! 既に二個師団を失う大損害とのこと! 至急撤退命令を!」
血と泥にまみれた鎧を纏った伝令が私に告げる。攻勢に使う帝国軍部隊を引き抜いた王国軍は限界を向かえた。
「構うな! 左翼部隊には進軍を停止するように伝えろ! その代わりに一歩も引くな! 死守命令だ! この戦いの敗北は人類の敗北と思え! 逃げることなど敵が許してくれないぞ!」
「崖上からのアンデット系軍馬を用いた騎兵突撃により我が軍は大混乱! 更に敵軍のリッチ部隊は魔法の詠唱時間をカバーするように代わる代わる隊列を組み換え、断続的な攻撃により我々は手も足も出ません! 竜人も次々に撃墜され爆撃支援が不足しています!」
「クソ! これが七面鳥撃ちか……!」
私たちが敵軍の主力を潰さなければ、これ以上の被害を出して戦いを続けることはできない。
人類が魔王という驚異に出会った“五百年前”という数字。エルシャから聞いた、伝説にある「マタサ」と呼ばれる魔人。六つの花弁が描かれた旗印。このような我々の上を行く戦略。
そして何よりその「魔王」という名前。やはり魔王の正体は──。
「皆の者! 持ちこたえろ! 敵の損耗も激しいはずだ! この反攻作戦さえ成功させれば敵は攻め手を失い撤退するしかなくなる!」
私は刀を抜き腕を天高く掲げる。
「全軍突撃ィィィィ!!!」
「ウォォォォォ!!!」
腕を振り下ろすと同時に周辺の部隊から鬨の声が広がる。
砲兵隊の突撃支援射撃と爆撃によって、魔王領の濁った空気に土煙が巻き起こる。そしてそれを切り裂くように、騎兵隊を先頭に突撃を敢行する。
「……『英雄隊』、覚悟は出来ているな?」
そう言い、私は彼らの方を一瞥する。英雄を中心とした帝国の精鋭部隊。これが私たちの最高戦力だ。
そこにいる誰からも、その目には絶望の文字など感じなかった。
「勝てるか勝てないか、やってみなければわからない。俺ァもう、勝敗は考えない。ただ命のある限り戦うだけだ!」
「将帥、勇ならざるは、将なきに同じ。天命は下されました」
「早く命令をくれ。このまま帰国する気にはなれない」
「吾輩の辞書に不可能の文字はない、とでも言っておこうか?」
人類は決して負けない。そう確信した。彼らと共にある限り、万に一つも敗北など存在しない。
「今こそ人類の命運を賭け、雌雄を決する時だ!」
これが最後の戦いになるだろう。私はふぅと息を吐き、意を決した。
「行くぞ! 目指すは敵本隊! 勝利を掴み取れ!!!」
「すまないな孔明。本当は内地で内政や兵站面でのサポートを任せるつもりだったのだが……」
「いえ、無線が使えない上、予想外の敵軍勢力では私自身も現場を見ない限り正しい判断は難しいでしょう。……それにしてもこれまでとは──」
まるでこちらの強さを測るかのように、魔王軍は次々と新たな兵力を投入してきた。
戦術もこちらの動きに合わせ進化し続け、強固な防御力と圧倒的な攻撃力を誇るトロールを前衛に、リッチやスケルトン弓兵を後衛に、数に優れるアンデット系モンスターや魔獣によって包囲を試みるなど、魔王とやらは相当の戦略家であることが伺える。
そうした攻撃の結果、地理的要因も鑑みて私たちは第三区域を放棄するしかなかった。
せめてもの抵抗として整備済みである第二区域を最大限活用し、防塁などで要塞化、鉄道によって砲弾類の即時補給等によって何とか耐えていた。
「将軍、敵軍の攻撃によって我が部隊の火砲類は全て破壊、あるいは放棄せざるを得ない状況に追い込まれました……。砲撃が効かないのであれば我々にはどうすることもできません!」
「……勝利は最も忍耐強いものにもたらされるのだ。爆弾では撃破できたし、顔面に砲弾が直撃したトロールも無力化できていた。今後は直射すれば或いは……」
第一区域にまで予め退避した本陣での作戦会議は紛糾していた。
しかしナポレオンは決して諦めることなく、最善の作戦をもって孔明到着まで敵軍を押し込み被害を最小限に抑えていた。
「これまでに得た敵軍の情報を整理し、反撃の一手を模索しましょう」
孔明は報告書の束をものすごい早さで目を通しながらそう言う。
「……すまない。魔王領調査はやぶ蛇だった。もっと軍事力と科学力が上がってから手を出せばこんなことには……」
「それは結果論ですよ。こちらから行かなければ、向こうから攻めてきただけでしょう。そうすればこの第二区域すら存在せず、私たちはより苦境に立たされていたかもしれません。──死中求活、これからどうすべきかだけ考えましょう」
「そうだな……」
それから私たちは三日間に渡って綿密な大規模攻勢計画を検討した。
その間にも敵軍の攻撃は続いているが、同時に人類側も本国からさらなる増援を呼び何とか持ち堪えていた。
聖教会の魔導師勢力や協商連合の傭兵部隊、亜人・獣人の国々にも協力を仰ぎ、動員できる全ての人員をかき集めてきた。
大量消費される武器や弾薬類製造のために民需工場も軍需工場に建て替えられ、鉄道も民間使用を禁止し全て軍事作戦に利用する。
人類の持てる力全てをぶつけるのだ。
そして、いよいよ大規模攻勢決行の時を向かえた。
血と硝煙の匂いが漂う戦場。辺りに響き渡るのは兵士の呻き声とそれをかき消すような大砲や爆裂魔法の轟音。
「レ、レオ様! 伝令申し上げます! 魔人と思われる槍を振るう敵が出現! 左翼騎兵部隊壊滅! 既に二個師団を失う大損害とのこと! 至急撤退命令を!」
血と泥にまみれた鎧を纏った伝令が私に告げる。攻勢に使う帝国軍部隊を引き抜いた王国軍は限界を向かえた。
「構うな! 左翼部隊には進軍を停止するように伝えろ! その代わりに一歩も引くな! 死守命令だ! この戦いの敗北は人類の敗北と思え! 逃げることなど敵が許してくれないぞ!」
「崖上からのアンデット系軍馬を用いた騎兵突撃により我が軍は大混乱! 更に敵軍のリッチ部隊は魔法の詠唱時間をカバーするように代わる代わる隊列を組み換え、断続的な攻撃により我々は手も足も出ません! 竜人も次々に撃墜され爆撃支援が不足しています!」
「クソ! これが七面鳥撃ちか……!」
私たちが敵軍の主力を潰さなければ、これ以上の被害を出して戦いを続けることはできない。
人類が魔王という驚異に出会った“五百年前”という数字。エルシャから聞いた、伝説にある「マタサ」と呼ばれる魔人。六つの花弁が描かれた旗印。このような我々の上を行く戦略。
そして何よりその「魔王」という名前。やはり魔王の正体は──。
「皆の者! 持ちこたえろ! 敵の損耗も激しいはずだ! この反攻作戦さえ成功させれば敵は攻め手を失い撤退するしかなくなる!」
私は刀を抜き腕を天高く掲げる。
「全軍突撃ィィィィ!!!」
「ウォォォォォ!!!」
腕を振り下ろすと同時に周辺の部隊から鬨の声が広がる。
砲兵隊の突撃支援射撃と爆撃によって、魔王領の濁った空気に土煙が巻き起こる。そしてそれを切り裂くように、騎兵隊を先頭に突撃を敢行する。
「……『英雄隊』、覚悟は出来ているな?」
そう言い、私は彼らの方を一瞥する。英雄を中心とした帝国の精鋭部隊。これが私たちの最高戦力だ。
そこにいる誰からも、その目には絶望の文字など感じなかった。
「勝てるか勝てないか、やってみなければわからない。俺ァもう、勝敗は考えない。ただ命のある限り戦うだけだ!」
「将帥、勇ならざるは、将なきに同じ。天命は下されました」
「早く命令をくれ。このまま帰国する気にはなれない」
「吾輩の辞書に不可能の文字はない、とでも言っておこうか?」
人類は決して負けない。そう確信した。彼らと共にある限り、万に一つも敗北など存在しない。
「今こそ人類の命運を賭け、雌雄を決する時だ!」
これが最後の戦いになるだろう。私はふぅと息を吐き、意を決した。
「行くぞ! 目指すは敵本隊! 勝利を掴み取れ!!!」
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