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第45話 肌を溶かすもの ※
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慣れない口づけであったが、フレイアはロスカからの唇を受け入れた。
森の中から救い出してくれた時と同じように、上唇を食まれる。
だから、彼女も彼の唇を食んでみれた。上手く出来ないけれども、ロスカの唇はずっと魅力的だと思っていたのだ。
互いの唇を啄むような、食むような口づけを繰り返す。だが、穏やかな互いを確かめ合うそれだけではロスカの気持ちは収まらなかった。
「フレイア」
くれびを掴むようにして、更に腰を強く引かれる。
二人の体の間に僅かにあった隙間には何もない。ぴったりと、腰と腰が触れ合っている。
あ、と声を出す間も無く、出せないのだが、ロスカの唇が首筋へと這っていく。彼が手に掛けた後を辿るようにして、唇を落とすのだ。痛みなど既にないのに、ロスカはその箇所を慰めているようだった。
優しい口づけではあったが、不思議とフレイアはもっともっと、とねだりたくなった。
唇が寄せられる度に、腹の底から不思議な感覚が湧き上がるのだ。
けれども、それはロスカも同じだったらしい。
「フレイアの全てが欲しい」
彼女はすっかり彼の欲に当てられてしまった。その言葉を拒む由もなく、フレイアは頷いた。
そして頷くや否や、彼に横抱きにされ寝室に連れて行かれてしまう。
ベッドに置かれたところで、ロスカは上着を寝室の外に投げ捨てた。なぜ、と見つめていたフレイアに彼は答えた。
「人払いだ」
夫婦の事情に敏感な城の人間が察するには十分だという。
これから行う事などわかっているのに、フレイアは途端に恥ずかしくなった。
勿論、恥ずかしさに浸かる間も無く靴を脱がされ、足をベッドの上に乗せられる。
「女の服はややこしいな」
ロスカはドレスの胡桃ボタンを、一つ一つ丁寧に取った。
本当は無理矢理裂きたい所だが、乱暴な真似をする訳にはいかなかった。
彼の優しい介抱で、フレイアはついに薄い肌着一枚になった。体躯が良く、大きな男に覆いかぶさられる。
「怖い思いはさせたくない。・・・嫌だったり、痛かったりしたら、爪を立てて教えてくれ」
そう言って、彼はフレイアの唇を再び奪った。優しく、彼女の恐ろしさを湧き上がらせないように、と。
数度、唇を重ねた後、呼吸をしようと薄く開いた唇にロスカの舌が滑り込んできた。
驚き、胸が少しだけ反る。そんな彼女の気持ちを汲んでか、彼はフレイアの手を握りしめた。
大きな舌が彼女の舌を掬っては、彼に吸われる。ぎゅう、とフレイアの手に力が入った。
これが好きなのだろうか。ロスカは舌を彼女の口腔内で這わせながら考える。
もう一度、舌を吸ってみれば、また、強く手を握られ足の方から布の擦れる音がした。
「これはどうだ」
ロスカは唇を離し、体を起こす。フレイアの片足に手を掛けた。
彼女は慌てて、ワンピースタイプの肌着を押さえる。下着が見えるかも知れなかったからだ。
でも、彼は気にしていない。そのまま、彼女が怪我していた箇所を食むように口付ける。
不快感はないが、ぞわぞわとする感覚にフレイアは襲われた。
唇は徐々に上へと上がり、うち太ももの方へとやって来てしまった。足を閉じようにも閉じれない。
見られまいと押さえていたワンピースはもう腹の上まで上がっている。
鎧戸を閉めていない窓から、月明かりが差し込む。フレイアの肌を艶かしく照らしては、ロスカを唆した。
「嫌なら、髪を引っ張って教えてくれ」
髪を引っ張る?
彼の言わんとすることがフレイアは理解が出来ない。
肌を合わせる時は夫に従うのみ、と教わったのだから、当然だろうと考えた。
でも、下着を脱がされた後に彼女は意味をようやく理解する。
ロスカが彼女の、誰にも見せた事のない場所に舌を這わせたのだ。
ぬるりとした生ぬるい感覚に腰が反った。
そこは舐める場所なのだろうか。わからない。フレイアはロスカのされるがまま、未知の感覚に目を瞑り堪えた。
まだ濡れていない場所を濡らすように、ロスカは大きな舌を這わせる。そして、柔らかな実に吸い付いた。
舌を吸われた時も下腹部が切なくなったが、今回は違う。
もっと、深く、臍の下がぎゅっと強くしまったのだ。フレイアはその感覚に戸惑った。
こんなの知らない、と。
森の中から救い出してくれた時と同じように、上唇を食まれる。
だから、彼女も彼の唇を食んでみれた。上手く出来ないけれども、ロスカの唇はずっと魅力的だと思っていたのだ。
互いの唇を啄むような、食むような口づけを繰り返す。だが、穏やかな互いを確かめ合うそれだけではロスカの気持ちは収まらなかった。
「フレイア」
くれびを掴むようにして、更に腰を強く引かれる。
二人の体の間に僅かにあった隙間には何もない。ぴったりと、腰と腰が触れ合っている。
あ、と声を出す間も無く、出せないのだが、ロスカの唇が首筋へと這っていく。彼が手に掛けた後を辿るようにして、唇を落とすのだ。痛みなど既にないのに、ロスカはその箇所を慰めているようだった。
優しい口づけではあったが、不思議とフレイアはもっともっと、とねだりたくなった。
唇が寄せられる度に、腹の底から不思議な感覚が湧き上がるのだ。
けれども、それはロスカも同じだったらしい。
「フレイアの全てが欲しい」
彼女はすっかり彼の欲に当てられてしまった。その言葉を拒む由もなく、フレイアは頷いた。
そして頷くや否や、彼に横抱きにされ寝室に連れて行かれてしまう。
ベッドに置かれたところで、ロスカは上着を寝室の外に投げ捨てた。なぜ、と見つめていたフレイアに彼は答えた。
「人払いだ」
夫婦の事情に敏感な城の人間が察するには十分だという。
これから行う事などわかっているのに、フレイアは途端に恥ずかしくなった。
勿論、恥ずかしさに浸かる間も無く靴を脱がされ、足をベッドの上に乗せられる。
「女の服はややこしいな」
ロスカはドレスの胡桃ボタンを、一つ一つ丁寧に取った。
本当は無理矢理裂きたい所だが、乱暴な真似をする訳にはいかなかった。
彼の優しい介抱で、フレイアはついに薄い肌着一枚になった。体躯が良く、大きな男に覆いかぶさられる。
「怖い思いはさせたくない。・・・嫌だったり、痛かったりしたら、爪を立てて教えてくれ」
そう言って、彼はフレイアの唇を再び奪った。優しく、彼女の恐ろしさを湧き上がらせないように、と。
数度、唇を重ねた後、呼吸をしようと薄く開いた唇にロスカの舌が滑り込んできた。
驚き、胸が少しだけ反る。そんな彼女の気持ちを汲んでか、彼はフレイアの手を握りしめた。
大きな舌が彼女の舌を掬っては、彼に吸われる。ぎゅう、とフレイアの手に力が入った。
これが好きなのだろうか。ロスカは舌を彼女の口腔内で這わせながら考える。
もう一度、舌を吸ってみれば、また、強く手を握られ足の方から布の擦れる音がした。
「これはどうだ」
ロスカは唇を離し、体を起こす。フレイアの片足に手を掛けた。
彼女は慌てて、ワンピースタイプの肌着を押さえる。下着が見えるかも知れなかったからだ。
でも、彼は気にしていない。そのまま、彼女が怪我していた箇所を食むように口付ける。
不快感はないが、ぞわぞわとする感覚にフレイアは襲われた。
唇は徐々に上へと上がり、うち太ももの方へとやって来てしまった。足を閉じようにも閉じれない。
見られまいと押さえていたワンピースはもう腹の上まで上がっている。
鎧戸を閉めていない窓から、月明かりが差し込む。フレイアの肌を艶かしく照らしては、ロスカを唆した。
「嫌なら、髪を引っ張って教えてくれ」
髪を引っ張る?
彼の言わんとすることがフレイアは理解が出来ない。
肌を合わせる時は夫に従うのみ、と教わったのだから、当然だろうと考えた。
でも、下着を脱がされた後に彼女は意味をようやく理解する。
ロスカが彼女の、誰にも見せた事のない場所に舌を這わせたのだ。
ぬるりとした生ぬるい感覚に腰が反った。
そこは舐める場所なのだろうか。わからない。フレイアはロスカのされるがまま、未知の感覚に目を瞑り堪えた。
まだ濡れていない場所を濡らすように、ロスカは大きな舌を這わせる。そして、柔らかな実に吸い付いた。
舌を吸われた時も下腹部が切なくなったが、今回は違う。
もっと、深く、臍の下がぎゅっと強くしまったのだ。フレイアはその感覚に戸惑った。
こんなの知らない、と。
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