時に厳しく時に優しく~お仕置とご褒美~

一期一会

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自信と弱気

1日の終わり

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部屋を出た後またベッドに乗せられ隣で写真を見始めた薫さんの肩に甘える様に寄りかかった写真を右手に持ち替え頭を撫でてくれた

「手帳型の写真入れには年月日があるが缶の中のは書き込んでいないのか」

質問のような独り言を聞き

「満足のいく写真や気に入った写真だけにしないと西暦月日と場所や時間を書き込み防傷防水シートを貼るのでキリが無いんです防水防傷シートも安いのでは見た目が悪くなったり写真自体が霞んでしまったり光沢感が荒くなったりするので写真に合う防水防傷シートを貼るには厳選しないとフィルム代や他のカメラのネガとか現像代とかの必要な出費が足りなくなるので仕方ないんです」

僕は少し落ち込みながら説明をした自分がどんな表情をしていたのか分からない
薫さんはフッと鼻で笑い

「そんな悲しげな表情をするなら今日から鳴海が必要とする物を全て買い与えれば他の写真にも貼れるだろう?それから写真の現像が出来る人間を住み込みで雇わせれば毎日すぐ現像写真とネガが出来上がる少しでも早く出来上がれば鳴海は喜んでくれるだろ?」

有り難いけど苦労もせず簡単に手に入るのは気が引ける返せるモノすら持ち合わせていない僕には勿体ない好意を無駄にはしたくないが

「有り難いですしかし僕は何も返す事が出来ないので気持ち…」

「何故か遠慮しているが鳴海はもう浦瀬の人間であり俺の嫁だろそれに気持ちだけで満足なんて出来ないだろ有り難いなら甘えてそのまま貰い受けていれば良い」

「ありがとうございます薫さん」

触れるだけの口付けをした途端に触れた唇を舐められ唇を少し開けば歯列を教粘膜を舐められ少し口を空ければ舌が入って来て歯肉を軟口蓋を口底を優しく力強く掻き回し舌を押し返そうとすればする程に絡み付き少し離れ空気を吸い込めば更に激しく濃密な接吻を交わしながら僕はひたすら抱きつき僕の頭を撫でながら背中を抱き締めてくれる閉じたままの目を少し開き薫さんを見れば綺麗な鼻先とキリッとした二重の線に少し膨らみのある涙袋が目尻の方へ伸び睫毛は長すぎず自然と上にカールしている鼻筋が綺麗に通って鼻先は少し高い薫さんに見蕩れて照れて目を閉じ更に深く深く口付けを交し続けどちらのとも分からなくなった唾液を飲み込むリップ音が響き薫さんの唇が離れゆっくりと目を開ける

黒茶色の瞳孔に栗色の虹彩と琥珀色の角膜に潤った目を引き立たせている藍白色の結膜が僕の目を真っ直ぐ見つめてくる
恥ずかしくなり頭を下げると撫でられ抱きついている腕を解けば更に優しくきつく抱きしめてくるという行為だけで恥ずかしく切ない幸せが心を翻弄して何も出来ず

「お風呂に入っていません…それに隣には長澤さんが居ます」

今の雰囲気を完成に崩すしかない程の高揚感に息も絶え絶えだった

「初夜は大事に抱きたいから中途半端な今の状況で抱きはしないから安心していい」

薫さんは優しく僕の頭を撫で手の甲に口付けをしてから僕が薫さんの心音を聞ける体勢にした後はまた写真を見始めた

「気に入っていない写真も全て美しく綺麗だ自分ではそう感じないのか?ほらこれなんか」

出してきたのは夕暮れの白い雲を照らすオレンジや淡くなっていく黄色に混じりピンクや紫そしてこれから暗くなると知らせる様に空はスカイブルーから群青色へと移ろい夜を連れてくるようにミッドナイトブルーと蝋色が混ざり空はまるで戯れている様に道や街道に公園や建物の上を流れているのに反して街は段々と明かりが灯され街灯は道やベンチを公園は中心に向かってぼんやりと明るくなり家々からは暖色や白色の明かりが漏れている風景がまるで夜を歓迎している気がした時に撮ったが連写した中では1番写りが悪くて缶に入れたものだ

「連写した時に1番写りが悪かったので同じ物で写りがいいのは写真ブックに入っています今はアパートにあります」

少し残念だが楽しみが増えたと笑い明日に備えて寝る事になったベッドヘッドの何かに触れると電気が消えてブルーブラックの部屋に飲み物の容器とグラスは小さく気にならない程度に点灯していた

横なる前に飲み物を取りに行っていいか聞いたら薫さんが取りに行き戻って来てらサイドテーブルに置くと3つのグラスに入れて2つのグラスを持ち飲みたい方を取るよう言われたのでハーブティーにしたら薫さんも一緒に飲んでくれた

薫さんは1杯分僕は1杯半程を飲んでから布団に入り枕に頭を預けようとしたら薫さんが腕枕をしてくれたので薫さんの方を向き唇に口付けをして薫さんの服を軽く掴み胸に耳を当ててから

「おやすみなさい」と言うと「おやすみ」と耳に低くはっきりと響いた声に安心して心音を聞きながら目を閉じゆっくりと深い眠りにつき怒涛の1日は幕を閉じた

しかし…またあの事を言えないままだ
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