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自信と弱気
新しい家族
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僕は社長の仕事が終わるまでソファーの
ある場所で待つよう言われ社長室の中のもう1つある綺麗な貝殻などが嵌め込まれているローテーブルと白とシルバー色のソファーで景色を眺めていたら長澤さんがハーブティーをローテーブルに置いて隣にはクッキーと1口サイズに切ったパウンドケーキを出してくれたわざわざ切ってくれたのかと嬉しくてお辞儀をした後「ありがとうございます頂きます」と言った
どうぞと言うと何処かへ行ってしまった
本当に面倒みがいい人だと思ったエントランスルームでも忠告されたが僕に対し配慮をしてくれていた気がする
忠告をしてくれた事がまず優しいと感じ
黙って連れて来てもいい様な状態だった
秘書が自ら迎えに来たのも何かのしらの配慮もしてくれといるとそんな気がした
部屋の明かりを少し下げられ見渡すと気づかなった物や風景が浮かび上がり影が出来たことで浮き上がる観葉植物等に心が踊った
明かりが戻り長澤さんがお弁当を持って
ローテブルに置く見た事も食べた事の無い海の幸弁当に目を奪われ食欲が湧く
「いただきます」と言いうなり勢いよく食べ始め途中で「誰も横取りなどしませんから落ち着いて食べて下さい」と言われたが味わいながら次々と食べるのが楽しく美味しく綺麗に平らげた「ご馳走様でした」と言うと長澤さんが1口分の大きさに切り盛ったメロンと爪楊枝を出してきたので頂くと最後は玉露茶まで出してくれた
そして今更ながら気づく私の食の好みを
いつ知ったのか…
長澤さんに聞くと医療コンサルタントの
社員や一緒に仕事をした人達に聞いたり
休みの日は尾行までしていたらしい
そして社長が口を開いた
「終わった帰るぞ」
僕に放たれた言葉だと気づくまで暫くの
間が空き急いで忘れ物がないか確認して
社長の背中を追った
社長用の車庫に行き運転手が後部座席の
ドアを開けた時に社長がそっと先に僕を
乗せ後から隣に社長が座る長澤さんが助手席に座り運転手が乗ると車庫の扉が真ん中から左右に開き車が走り出した時に本当に社長と住むのかと実感したと同時に口をついて出た言葉は
「自宅にある荷物どうしたら…」
社長は僕を見て言ったのは大事にしている物だけ持って要らない家具と服は全て纏めて捨てる様に言われたが服は無いと困ると言うと社長が用意すると言うので
一瞬、戸惑ったが明日に長澤さんと家へ
一緒に家へ行き実用性は無くても大切な物や昔から大事にしている物その他にも
お気に入りの物は持って来いと言われ
「分かりました」と応えた
エンジン音もしない走行音だけが小さく聞こえ誰も喋ったりしないせいか段々と眠気が襲って来た頭を軽く振り手を組んだり足を組んだりしながら何とか寝ない様にしていたが社長が「眠かったら寝てろ」と言い優しく肩を寄せてくれたのが嬉しくて少し甘える様に肩に寄り掛かった
「鳴海…着いたぞ……鳴海…おいっ起きろ…新城」「新城鳴海」
何処からか声がする
肩を揺らされながら目を覚ました自分が
一瞬ここが何処か分からなくなったが隣に居る社長を見てハッとし座席に座り直した時「着いたから下りろ」と言われた
車から降り眼前に広がっている世界観に感動してしばらく動けずにいた見渡せば小さな木々に様々な草木に常緑樹や落葉樹なども植えられ地面は真っ白い石と砂に軽石で作られ池まであり添水がカコン響き渡るり玄関の道には庭を照らすライトと道を照らすライト庭を照らす光は白から徐々に薄いオレンジ色に変わり薄いオレンジ色から徐々に白に戻るこんな綺麗な場所で暮らせるのかと思うと心が踊った
慌て急ぎながら長澤さんが持っている僕の鞄からデジカメとインスタントカメラと縦長で少し大きい手帳型の写真を入れと写真を入れる缶を2つ取り出し何十枚ものデジカメ写真10~20数枚のインスタントカメラの写真が出来上がりインスタント写真の中から気に入った物や満足のいく出来栄えの写真に余白に日付と場所や時間を書きながら喜んで最後の1枚を書き終わり手帳型の写真入れたり缶にしまったり日付無しのは綺麗にまとめ缶にしまい世界観を壊さないように本物の煉瓦を嵌め込み作られた玄関までの道もデジカメとインスタントカメラで撮り同じ様に気に入った写真や満足のいくものには日付や場所と時間を書いて手帳型の写真や缶に閉まって立ち上がり長澤さんの持っている鞄に位置が決めてある通りにしまってバッグルを閉めた時に今更ながら気付き謝るしか無かった
何も考えず眼前に広がっている世界観を無断で写真を撮り続けた挙句15分以上も待たせるなんてやらかしたとしか言い様がない
「申し訳ございません全然起きなずに困らせたというに車を降りたら勝手に写真を撮るなど勝手な…」遮る用意に社長は「気にするな」と言い歩き始めた
見た事のない世界が眼前に広がっている多分鯉もいるだろうなと思いながら世界観を壊さない煉瓦の道を歩き玄関へ
綺麗な赤土色の扉が左右に開き何人もの
使用人が口々に
「お帰りなさいませ旦那様」
と言うが社長は一人だけに挨拶し話す
中央にワイン色のカーペットが
広い床から広い中央階段の上まで
続いている
階段を登れば中央を挟んで左右に階段が
ありその先は何処かに続いている
壁とカーペットが敷かれた階段の間に
柱に見立て大理石で作られた螺旋階段が
左右にある注意深く見なければ
階段がある事に気付かない巧妙に
造られている
天井にはガラスや本物の宝石を使った
透明で大きなシャンデリアが等間隔に
天井一面に飾られキラキラと光り輝き
時折スカイブルーやベビーブルーの様な
色が透き通りながら煌めいていた
壁に沿いにワイン色で縁取られている
左右の天井には縁に明かりを差し込み下側に向けて照らしているあかりの周りの色も縁と同じワイン色をして灯りだけが
白い色を放っていた
見とれていると腕を引き背中を押され
横を見ると社長が厳しい表情をしながら
「おいで」と言い螺旋階段の方へ
左側の螺旋階段に上り左に曲がり進むと
中央階段の左側の階段を登り続く場所の
真下にも廊下が続いておりデザインは
違うが同じ色した扉の部屋が幾つも並び
進むと曲がり角があった
来た方向よりは部屋数が少なく扉の色は
来た方向とは違う色で統一されているが
やはりデザインは1部屋ごとに違う
来た方向と曲がった先を繋ぐ境目の角に
部屋があり社長は境目の角部屋の前で
足を止め鍵を開けようとしている
来た方向とも曲がった先の部屋とは全く違うデザインと扉の色は重厚感があり
独特の雰囲気と何故か落ち着かず心細い
鍵を開け軽く背中を押されながら入り
社長は扉と鍵を閉めた
部屋の中は中世のイギリスを模した家具
壁には幾つもの燭台を引っ掛け均等に
並べられている
燭台のローソクに火を灯していき時々
ローソクを交換しては火を灯していく
棚には何かの道具や本が所狭しと並び
棚の下からはカーペットが照らされて
神秘的な部屋を見渡すと縦長の小窓や
テーブルランプにベットヘッドやベッドサイドにもアンティーク調の明かりつけた
社長は特に喋らず背広とネクタイを外しワイシャツを肘まで捲り
「鳴海も背広を脱いでネクタイは外せ」
言われた通りに従いながらセミダブルサイズのベッドに沢山の本に見蕩れていると
「鳴海こっちへ来い」
何だか硬く怖い声で言われ急に緊張し
怯んで足に力が入らなくなりかけた
小幅で近づき社長の前まで行くと僕の
スラックスからベルトのバッグルを
外されボタンも外されチャックも
降ろされると腕を引かれ社長の膝に
うつ伏せになった時にやっと状況を
理解した
しかしまさか洋画やアニメでしか
見たことがないお仕置を今から自分が
受けるのかと思うと社長の膝に
うつ伏せになっても実感がない
叱られたり怒られ正座をした事はあるが
生まれてから一度も誰かに叩かれたり
小突かれたことがない
お尻を叩かれる相手は社長とはいえ
30歳にもなって2歳年下に尻を叩かれる
恥ずかしさに悶えていた
パスンという音と衝撃にビックリした為痛みはほんの少しだったというのに背を
反らしてしまい更に恥ずかしくなった
しばらくの間はスーツのズボンの上から
パスン パシっ パスっと叩かれていたが
いきなりズボンだけを膝まで下ろされた
ボクサーパンツが露になったが反抗的な
態度と思われる事をしたらさらに余計な
怒りをかってしまう気がしたので耐えた
バチン ペチン パチン ベチン パン
尻の真ん中双丘の右下側 双丘の左側
順にひたすら叩かれ続け遂にボクサー
パンツまで下ろされ恥ずかしさと痛みで
尻を手で隠してしまいすぐに慌てて手を
前に戻した
「すみません」
謝ったがやらかした事は変わる事も
無くなる事もない
「初めてだからあまり厳しくする
気は無かったが反抗した分は罰として
今まで叩いた4ヶ所を各50回ずつ叩く
また隠せば1からやり直すからな」
恐怖で何も言えなかった
「分かったら返事をしなさい」
既にもう十分に痛いが1からやり直し
なんて耐えられない
恐怖で強ばりながらも小さく呻きながら
ひっくり返った声で
「はい…分かりました」と言った
そして始まったのは先程の様に
パンッペチンバチッペンッパチンベチッ
4ヶ所をひたすら叩かれ涙で視界が歪み
首や背中と足に汗が滲む頃には既に
恥ずかしいと思う余裕すらない
「手で隠した罰の50回を始める」
「ッ…はっ…はぃ」
ピリッ ジンジン ヒリヒリして辛すぎと
謝っても許されず耐えられる自信が無い
バチン ベチン パチン ペチン
双丘の右のみをひたす叩らかれ涙が更に
溢れ綺麗なカーペットを今まで以上に
濡らし回数を数える余裕すらない
ただ手を握り尻に持っていかないように
していた
どれ程の時間がたったのか分からないが
いきなり今度は双丘の左を叩き出した
罰の前にも叩かれ続けたが比では無い程
痛みに足先がカーペットの上で滑るが
《手で隠したら絶対1からなんて無理だ耐えられない》と自分に言い聞かせながら
手を重ね軽く引っ掻きながら耐えてた
なんの前触れも無く
バチンッ ベチッ
叩かれ遂に嗚咽混じりの悲鳴が出る
「じゃじょーヒック…ごべんなざい」
「ここは俺と鳴海の家だ
仕事以外は常に名前で呼びなさい」
今そんなこと言われたら甘えたくなる
「ッ…ヒッ…はっい…ヒック…いだいよぉ」
「お仕置と罰を与えているのだから痛くなかったら何の意味もだろ」
「…ック…がおるしゃっんごべんなざい」
「最後まで終えたら話を聞いてやるから今は尻を叩かれて泣き喚いていなさい」
言い終わると同時に下側を叩かれた瞬間
スラックスとボクサーパンツが足首から抜け落ちバッチンと叩かれ反射的に足が尻の方へ跳ねてしまった
何も言われない代わりに厳しく打たれる
バチン バチンっベチンバッチン バシっ
叩かれ手が解けてしまった
「か、おるしゃん…お願いじまずぅ…僕のっ右手を掴んでぐだざい…ひくっ…おじりを触りそうになるからイヤだァ…」
子供のように泣いて甘えてお願いしている
「罰だと言っているだろ甘えは許さんっ」
厳しい声で叱られ更に強く尻を叩かれる
バチン ベチン パンっ ベヂッ
「あぁいだい…やぁ…うぅ…ぎゃっん」
何とか手と指を組み耐える涙だけで無く鼻水までカーペットを濡らし自分の汚い物でカーペットを濡らしてしまった事の
申し訳なさと今日1日の後悔をした
1度出てしまった涙と鼻水は止まらず更にカーペットを汚す自分が情けない
終わりすら見えない不安を感じ薫さんに言われた通りただひらすらにずっと泣き喚く事しか出来なかった
叩いている手が止まったが終わりではないと何となく感じ今日の一日を振り返り反省点を出来るだけ思い出していた
突然今までのがお遊びだったのかと思う程の平手が双丘の右だけを叩き続け何も言わず叩かれ始めた双丘の右が終われば真ん中の同じ所ばかり叩かれ次は双丘の左を叩かれ続けそして最後は下側を叩かれた
「立て」と薫に言われゆっくり立ち上がり痛みで震える尻から膝までに意識を向け何とか踏ん張る
立っているだけで痛いお尻を撫でるのも我慢していると「そこの椅子に膝立ちになさい」と言われ目の前には縦長の窓からは綺麗な月と少し顔を下げれば庭が見えるが涙で歪みしっかりと輪郭が見えないのが悔しく奥歯を噛み締む目には新たな涙が溢れ目を瞑れば涙が頬を伝う
そしてまだ許されず薫さんの表情も分からない不安で今度は先程とは違う涙が零れ落ちた
「暖かいタオルと氷が入った桶に厚めで柔らかいタオルを浸し数枚のタオルをいつもの部屋に持ってこい」
僕に言ったのかと思ったが違ったまだ終わらないお仕置と罰が自分自身を惨めな気持ちさせる許して欲しい…謝りたいのに謝れない
暫くすると部屋に誰かが入ってきた
「最初から厳しくされた様ですね」
この声は長澤さん…見ないでと心の中で何度もお願いした出ていったのか扉が閉まる
「もういいぞこっちに来い」
ゆっくりと椅子から降りて薫さんの元へ
僕の汚い顔を見ても嫌な顔1つもせず温かいタオルで拭い最後にそのまま鼻をかむよう言われ綺麗なタオルを汚す自分を責めながらも薫さんに従っている僕
「そんなに自分を責めるな私が泣かせたのだから」と言ってくれた
次はベッドにうつ伏せになる様に言われ
お尻に心地いい冷たさのタオルを乗せてくれた汗をかいた所は濡らしただけのタオルで拭いてくれた暫くしてからお尻に乗ったタオルを濡らし直してまたお尻に乗せてくれた頭を撫でられ指で︎髪の毛を梳かす様に撫でられながら
今日の反省点を幾つも分かりやすく教えてくれたり注意してくれた
アポを取り先に来ていながら遅れ更には挨拶もせず部屋を見ているだけで薫さんが声をかけなければいつまでも動かなかったであろう事やろくな挨拶も出来ていなかった事やどんな場所でもすぐ自分の世界に入り込み浸り周りが見えなくなる
お仕置前の声よりは優しいが硬い声に低い声で言われ今後はしっかりしようと反省していてもまだ許されていないのが分かる
自分が思っている反省点も話した前までは何も考えず無意識で出来ていた挨拶や自己の紹介や任された仕事でケアレスミスが増えていた事や本社に来て受付嬢に自己紹介すら出来ず言われて気付いての繰り返しだった事やここに着くなりカメラを取り出し受付嬢に許可を得たとはいえ時間を忘れ撮り始め待たせ続けた事も
話した
プレッシャーやストレスに耐えるのに必死になればなるほど空回りしてしまうミスしないよう失敗しないようにすればするほど悪循環になってしまった
それは今の子会社で辛い立場に置いた薫さんが悪いと言われたが納得が出来ず
謝ると困った様にクスッと笑われた
薫さんは表情を変えないと有名だが僕を拾い仕事をくれた時の優しい表情
本当はとても面倒みが良く優しくそれぞれの長所を活かせられるだろうと判断してから勤め先を決めたり要望は出来るだけ通そうとする等を子会社で知っているのはきっと僕くらいだろうと思いに耽っていた時
ドアがノックされ「誰だ」と扉を睨む
「長澤です…何か要る物があれば」
「入れ」と言うと同時に滑らかで薄手の毛布を僕の踝から肩下までかける
「温かいタオル2枚と濡らしただけのタオルを多めに用意し氷水を小さい樽に
それから抹茶ミルク常温と
シトラスミントティー アイス
どちらもいつでもおかわりが出来る様にしておけ」
「かしこまりました 失礼します」
「待て」
「何でしょうか」
「白々しい確かに鳴海を叱ったが私が居ない間は絶対に誰にも触れさせるな長澤お前も私の許可が無く触れる事は許さんぞ出張等で鳴海を1人にさせて私が側に居れない時も髪の毛1本指1本触れせるなこの意味は分かるよな?」
「私ともう1人…」
長澤が話すのを遮り
「話を聞いていなかったのか?」
「鳴海が仕置を受けている事を知っているのは盗み聞きをされていなければ長澤だけだ」
盗み聞きされていた事に気づきながら
何も出来なかった自分を恨みつつ長澤には犯人探しと鳴海を守る様にと話している薫と内容を察した長澤もまた怒りを露にしている。もう鳴海は大事な主人の1人なのだからその鳴海を辱める人間は今まで通りに排除すると誓った
「鳴海様はもう何も心配せずとも生きていけます」
ベッドで横になっている鳴海は跪き片膝を上げ手を胸に置き騎士の様に鳴海に向かい放った言葉
「何があろうと命をかけお守り致します」
長澤の忠誠心は絶対だ
それこそ自分がいつ何処で死んでも大丈夫な様にしてある程だ
屋敷内の人間なら数日もあれば犯人を薫に差し出すのも簡単だろう
跪き忠誠を誓われて怖かった…何時でも命を狙われる場所に居るのか…薫さんは
何時でもどんな場所に居ても命を狙われ
生きているのかと不安になり無意識に薫さんのワイシャツを掴んでいた
「誤解を招く言い方はやめろ私の席を狙っているのがいるだけだろ」
「手段は選ばない者がいる事をお忘れですか?毒味役は居ますが車に細工をされていないか見ているのは私」
長澤さんの目ががキッと薫さんを睨む
「分かってはいるが鳴海の前でましてや
これからの生活の不安を煽る話を」
「承知しておりますが先にお伝えするのも大事な事です」
薫が鳴海の表情を見て優しく微笑み️️話のままであるだけで何かに脅されたり裏の顔がある等は決してないと鳴海の髪を撫でながら話す薫さんに寝たままそっと近づいた
「可愛い鳴海が怖がってしまった責任はどうする?先程まで私が叱り罰した後で
こんな話をされたから怖くて不安らしい
命に変えても守るなら長澤は鳴海の専属
護衛兼執事と教育係兼秘書とする私には別の者を勝手にこちらで選ぶ」
「承知致しましたそれでは飲み物と替えを持って参ります」
鳴海の目を見て優しく微笑み頭を下げ
出ていった
「僕は別に長澤さんが居なくても大丈夫」
「駄目だお前の姓は今日から浦瀬そして俺の大事な嫁なのだから」
「俺は男なのに結婚とか出来るの?」
聞く自分自身が我ながら子供みたいな言い方に自嘲した
「そうする為に今日は社長室で手続きをしていたからな安心して大丈夫だ」
「宝物以外は捨てるのは良いですが薫さんと一緒に行きたかった…」
あの家は借家とはいえ大事にしていた
借家でも自分が持てる最良のカメラや
機材を難なくしまえる場所が沢山あったからだ
「あっ…あの僕の鞄は…」
「ちゃんと長澤に預けてある必要なら
持ってこさせるがどうする?」
「お願いします社長じゃなくて薫さんに
見てもらいたい物があるので」
「それは楽しみだ」と言うと備え付けの
ボタンを押し長澤さんに僕の鞄も持って
来るようにと伝えた
暫くすると3段式カートに飲み物や樽やタオルそして僕の大きめの鞄
「なんかこき使っている様ですみません」
「これも大切な事ですから慣れて下さいと言うしかないです」
ベッドに乗せられた鞄は新品みたく綺麗になっていて傷を逆に模様の様に作り替えられていて嬉しかった僕は今まで新たな傷が付くとその傷をインスタントカメラで撮り場所や日付と撮った時間を余白に書いていた
カバンの傷は目立たなくされたのでは無く模様のみたいにされていた事が堪らなく嬉しくてインスタントカメラを取りだし痛む尻を我慢しながらその場で撮り始め位置を変え角度を変え取り続け納得のいく写真にだけ場所と日付を余白に書いた
「満足したか」と薫さんに言われ「勝手にごめんなさい」と泣きそうになりながら薫さんに謝った
「自分の家で何をしようが勝手だがまだ痛むだろ横になりなさい」
優しい表情と声で言われ鞄を壁側に置いてくれたのが嬉しかった
「ありがとうございます…それと」
尻を庇いながら軽く座り直し鞄から幾つもの手帳型の写真入れや缶を出して薫さんに見て欲しいと頼んだ
「いい子に横になったら見てあげよう」
2つ年下の彼に「いい子」と言われたのが恥ずかしく素直にゆっくり横になった
浦瀬 鳴海(うらせ なるみ)と小さく呟く
妙に照れてくさくて薫さんの背中に顔を隠しながらも薫さんのお嫁になれた事が妙に嬉しくて薫さんと生きていけるのが幸せだと感じた
だが幸せと感じれば感じる程…問題がある事が言いづらいが早く打ち明けないと
ある場所で待つよう言われ社長室の中のもう1つある綺麗な貝殻などが嵌め込まれているローテーブルと白とシルバー色のソファーで景色を眺めていたら長澤さんがハーブティーをローテーブルに置いて隣にはクッキーと1口サイズに切ったパウンドケーキを出してくれたわざわざ切ってくれたのかと嬉しくてお辞儀をした後「ありがとうございます頂きます」と言った
どうぞと言うと何処かへ行ってしまった
本当に面倒みがいい人だと思ったエントランスルームでも忠告されたが僕に対し配慮をしてくれていた気がする
忠告をしてくれた事がまず優しいと感じ
黙って連れて来てもいい様な状態だった
秘書が自ら迎えに来たのも何かのしらの配慮もしてくれといるとそんな気がした
部屋の明かりを少し下げられ見渡すと気づかなった物や風景が浮かび上がり影が出来たことで浮き上がる観葉植物等に心が踊った
明かりが戻り長澤さんがお弁当を持って
ローテブルに置く見た事も食べた事の無い海の幸弁当に目を奪われ食欲が湧く
「いただきます」と言いうなり勢いよく食べ始め途中で「誰も横取りなどしませんから落ち着いて食べて下さい」と言われたが味わいながら次々と食べるのが楽しく美味しく綺麗に平らげた「ご馳走様でした」と言うと長澤さんが1口分の大きさに切り盛ったメロンと爪楊枝を出してきたので頂くと最後は玉露茶まで出してくれた
そして今更ながら気づく私の食の好みを
いつ知ったのか…
長澤さんに聞くと医療コンサルタントの
社員や一緒に仕事をした人達に聞いたり
休みの日は尾行までしていたらしい
そして社長が口を開いた
「終わった帰るぞ」
僕に放たれた言葉だと気づくまで暫くの
間が空き急いで忘れ物がないか確認して
社長の背中を追った
社長用の車庫に行き運転手が後部座席の
ドアを開けた時に社長がそっと先に僕を
乗せ後から隣に社長が座る長澤さんが助手席に座り運転手が乗ると車庫の扉が真ん中から左右に開き車が走り出した時に本当に社長と住むのかと実感したと同時に口をついて出た言葉は
「自宅にある荷物どうしたら…」
社長は僕を見て言ったのは大事にしている物だけ持って要らない家具と服は全て纏めて捨てる様に言われたが服は無いと困ると言うと社長が用意すると言うので
一瞬、戸惑ったが明日に長澤さんと家へ
一緒に家へ行き実用性は無くても大切な物や昔から大事にしている物その他にも
お気に入りの物は持って来いと言われ
「分かりました」と応えた
エンジン音もしない走行音だけが小さく聞こえ誰も喋ったりしないせいか段々と眠気が襲って来た頭を軽く振り手を組んだり足を組んだりしながら何とか寝ない様にしていたが社長が「眠かったら寝てろ」と言い優しく肩を寄せてくれたのが嬉しくて少し甘える様に肩に寄り掛かった
「鳴海…着いたぞ……鳴海…おいっ起きろ…新城」「新城鳴海」
何処からか声がする
肩を揺らされながら目を覚ました自分が
一瞬ここが何処か分からなくなったが隣に居る社長を見てハッとし座席に座り直した時「着いたから下りろ」と言われた
車から降り眼前に広がっている世界観に感動してしばらく動けずにいた見渡せば小さな木々に様々な草木に常緑樹や落葉樹なども植えられ地面は真っ白い石と砂に軽石で作られ池まであり添水がカコン響き渡るり玄関の道には庭を照らすライトと道を照らすライト庭を照らす光は白から徐々に薄いオレンジ色に変わり薄いオレンジ色から徐々に白に戻るこんな綺麗な場所で暮らせるのかと思うと心が踊った
慌て急ぎながら長澤さんが持っている僕の鞄からデジカメとインスタントカメラと縦長で少し大きい手帳型の写真を入れと写真を入れる缶を2つ取り出し何十枚ものデジカメ写真10~20数枚のインスタントカメラの写真が出来上がりインスタント写真の中から気に入った物や満足のいく出来栄えの写真に余白に日付と場所や時間を書きながら喜んで最後の1枚を書き終わり手帳型の写真入れたり缶にしまったり日付無しのは綺麗にまとめ缶にしまい世界観を壊さないように本物の煉瓦を嵌め込み作られた玄関までの道もデジカメとインスタントカメラで撮り同じ様に気に入った写真や満足のいくものには日付や場所と時間を書いて手帳型の写真や缶に閉まって立ち上がり長澤さんの持っている鞄に位置が決めてある通りにしまってバッグルを閉めた時に今更ながら気付き謝るしか無かった
何も考えず眼前に広がっている世界観を無断で写真を撮り続けた挙句15分以上も待たせるなんてやらかしたとしか言い様がない
「申し訳ございません全然起きなずに困らせたというに車を降りたら勝手に写真を撮るなど勝手な…」遮る用意に社長は「気にするな」と言い歩き始めた
見た事のない世界が眼前に広がっている多分鯉もいるだろうなと思いながら世界観を壊さない煉瓦の道を歩き玄関へ
綺麗な赤土色の扉が左右に開き何人もの
使用人が口々に
「お帰りなさいませ旦那様」
と言うが社長は一人だけに挨拶し話す
中央にワイン色のカーペットが
広い床から広い中央階段の上まで
続いている
階段を登れば中央を挟んで左右に階段が
ありその先は何処かに続いている
壁とカーペットが敷かれた階段の間に
柱に見立て大理石で作られた螺旋階段が
左右にある注意深く見なければ
階段がある事に気付かない巧妙に
造られている
天井にはガラスや本物の宝石を使った
透明で大きなシャンデリアが等間隔に
天井一面に飾られキラキラと光り輝き
時折スカイブルーやベビーブルーの様な
色が透き通りながら煌めいていた
壁に沿いにワイン色で縁取られている
左右の天井には縁に明かりを差し込み下側に向けて照らしているあかりの周りの色も縁と同じワイン色をして灯りだけが
白い色を放っていた
見とれていると腕を引き背中を押され
横を見ると社長が厳しい表情をしながら
「おいで」と言い螺旋階段の方へ
左側の螺旋階段に上り左に曲がり進むと
中央階段の左側の階段を登り続く場所の
真下にも廊下が続いておりデザインは
違うが同じ色した扉の部屋が幾つも並び
進むと曲がり角があった
来た方向よりは部屋数が少なく扉の色は
来た方向とは違う色で統一されているが
やはりデザインは1部屋ごとに違う
来た方向と曲がった先を繋ぐ境目の角に
部屋があり社長は境目の角部屋の前で
足を止め鍵を開けようとしている
来た方向とも曲がった先の部屋とは全く違うデザインと扉の色は重厚感があり
独特の雰囲気と何故か落ち着かず心細い
鍵を開け軽く背中を押されながら入り
社長は扉と鍵を閉めた
部屋の中は中世のイギリスを模した家具
壁には幾つもの燭台を引っ掛け均等に
並べられている
燭台のローソクに火を灯していき時々
ローソクを交換しては火を灯していく
棚には何かの道具や本が所狭しと並び
棚の下からはカーペットが照らされて
神秘的な部屋を見渡すと縦長の小窓や
テーブルランプにベットヘッドやベッドサイドにもアンティーク調の明かりつけた
社長は特に喋らず背広とネクタイを外しワイシャツを肘まで捲り
「鳴海も背広を脱いでネクタイは外せ」
言われた通りに従いながらセミダブルサイズのベッドに沢山の本に見蕩れていると
「鳴海こっちへ来い」
何だか硬く怖い声で言われ急に緊張し
怯んで足に力が入らなくなりかけた
小幅で近づき社長の前まで行くと僕の
スラックスからベルトのバッグルを
外されボタンも外されチャックも
降ろされると腕を引かれ社長の膝に
うつ伏せになった時にやっと状況を
理解した
しかしまさか洋画やアニメでしか
見たことがないお仕置を今から自分が
受けるのかと思うと社長の膝に
うつ伏せになっても実感がない
叱られたり怒られ正座をした事はあるが
生まれてから一度も誰かに叩かれたり
小突かれたことがない
お尻を叩かれる相手は社長とはいえ
30歳にもなって2歳年下に尻を叩かれる
恥ずかしさに悶えていた
パスンという音と衝撃にビックリした為痛みはほんの少しだったというのに背を
反らしてしまい更に恥ずかしくなった
しばらくの間はスーツのズボンの上から
パスン パシっ パスっと叩かれていたが
いきなりズボンだけを膝まで下ろされた
ボクサーパンツが露になったが反抗的な
態度と思われる事をしたらさらに余計な
怒りをかってしまう気がしたので耐えた
バチン ペチン パチン ベチン パン
尻の真ん中双丘の右下側 双丘の左側
順にひたすら叩かれ続け遂にボクサー
パンツまで下ろされ恥ずかしさと痛みで
尻を手で隠してしまいすぐに慌てて手を
前に戻した
「すみません」
謝ったがやらかした事は変わる事も
無くなる事もない
「初めてだからあまり厳しくする
気は無かったが反抗した分は罰として
今まで叩いた4ヶ所を各50回ずつ叩く
また隠せば1からやり直すからな」
恐怖で何も言えなかった
「分かったら返事をしなさい」
既にもう十分に痛いが1からやり直し
なんて耐えられない
恐怖で強ばりながらも小さく呻きながら
ひっくり返った声で
「はい…分かりました」と言った
そして始まったのは先程の様に
パンッペチンバチッペンッパチンベチッ
4ヶ所をひたすら叩かれ涙で視界が歪み
首や背中と足に汗が滲む頃には既に
恥ずかしいと思う余裕すらない
「手で隠した罰の50回を始める」
「ッ…はっ…はぃ」
ピリッ ジンジン ヒリヒリして辛すぎと
謝っても許されず耐えられる自信が無い
バチン ベチン パチン ペチン
双丘の右のみをひたす叩らかれ涙が更に
溢れ綺麗なカーペットを今まで以上に
濡らし回数を数える余裕すらない
ただ手を握り尻に持っていかないように
していた
どれ程の時間がたったのか分からないが
いきなり今度は双丘の左を叩き出した
罰の前にも叩かれ続けたが比では無い程
痛みに足先がカーペットの上で滑るが
《手で隠したら絶対1からなんて無理だ耐えられない》と自分に言い聞かせながら
手を重ね軽く引っ掻きながら耐えてた
なんの前触れも無く
バチンッ ベチッ
叩かれ遂に嗚咽混じりの悲鳴が出る
「じゃじょーヒック…ごべんなざい」
「ここは俺と鳴海の家だ
仕事以外は常に名前で呼びなさい」
今そんなこと言われたら甘えたくなる
「ッ…ヒッ…はっい…ヒック…いだいよぉ」
「お仕置と罰を与えているのだから痛くなかったら何の意味もだろ」
「…ック…がおるしゃっんごべんなざい」
「最後まで終えたら話を聞いてやるから今は尻を叩かれて泣き喚いていなさい」
言い終わると同時に下側を叩かれた瞬間
スラックスとボクサーパンツが足首から抜け落ちバッチンと叩かれ反射的に足が尻の方へ跳ねてしまった
何も言われない代わりに厳しく打たれる
バチン バチンっベチンバッチン バシっ
叩かれ手が解けてしまった
「か、おるしゃん…お願いじまずぅ…僕のっ右手を掴んでぐだざい…ひくっ…おじりを触りそうになるからイヤだァ…」
子供のように泣いて甘えてお願いしている
「罰だと言っているだろ甘えは許さんっ」
厳しい声で叱られ更に強く尻を叩かれる
バチン ベチン パンっ ベヂッ
「あぁいだい…やぁ…うぅ…ぎゃっん」
何とか手と指を組み耐える涙だけで無く鼻水までカーペットを濡らし自分の汚い物でカーペットを濡らしてしまった事の
申し訳なさと今日1日の後悔をした
1度出てしまった涙と鼻水は止まらず更にカーペットを汚す自分が情けない
終わりすら見えない不安を感じ薫さんに言われた通りただひらすらにずっと泣き喚く事しか出来なかった
叩いている手が止まったが終わりではないと何となく感じ今日の一日を振り返り反省点を出来るだけ思い出していた
突然今までのがお遊びだったのかと思う程の平手が双丘の右だけを叩き続け何も言わず叩かれ始めた双丘の右が終われば真ん中の同じ所ばかり叩かれ次は双丘の左を叩かれ続けそして最後は下側を叩かれた
「立て」と薫に言われゆっくり立ち上がり痛みで震える尻から膝までに意識を向け何とか踏ん張る
立っているだけで痛いお尻を撫でるのも我慢していると「そこの椅子に膝立ちになさい」と言われ目の前には縦長の窓からは綺麗な月と少し顔を下げれば庭が見えるが涙で歪みしっかりと輪郭が見えないのが悔しく奥歯を噛み締む目には新たな涙が溢れ目を瞑れば涙が頬を伝う
そしてまだ許されず薫さんの表情も分からない不安で今度は先程とは違う涙が零れ落ちた
「暖かいタオルと氷が入った桶に厚めで柔らかいタオルを浸し数枚のタオルをいつもの部屋に持ってこい」
僕に言ったのかと思ったが違ったまだ終わらないお仕置と罰が自分自身を惨めな気持ちさせる許して欲しい…謝りたいのに謝れない
暫くすると部屋に誰かが入ってきた
「最初から厳しくされた様ですね」
この声は長澤さん…見ないでと心の中で何度もお願いした出ていったのか扉が閉まる
「もういいぞこっちに来い」
ゆっくりと椅子から降りて薫さんの元へ
僕の汚い顔を見ても嫌な顔1つもせず温かいタオルで拭い最後にそのまま鼻をかむよう言われ綺麗なタオルを汚す自分を責めながらも薫さんに従っている僕
「そんなに自分を責めるな私が泣かせたのだから」と言ってくれた
次はベッドにうつ伏せになる様に言われ
お尻に心地いい冷たさのタオルを乗せてくれた汗をかいた所は濡らしただけのタオルで拭いてくれた暫くしてからお尻に乗ったタオルを濡らし直してまたお尻に乗せてくれた頭を撫でられ指で︎髪の毛を梳かす様に撫でられながら
今日の反省点を幾つも分かりやすく教えてくれたり注意してくれた
アポを取り先に来ていながら遅れ更には挨拶もせず部屋を見ているだけで薫さんが声をかけなければいつまでも動かなかったであろう事やろくな挨拶も出来ていなかった事やどんな場所でもすぐ自分の世界に入り込み浸り周りが見えなくなる
お仕置前の声よりは優しいが硬い声に低い声で言われ今後はしっかりしようと反省していてもまだ許されていないのが分かる
自分が思っている反省点も話した前までは何も考えず無意識で出来ていた挨拶や自己の紹介や任された仕事でケアレスミスが増えていた事や本社に来て受付嬢に自己紹介すら出来ず言われて気付いての繰り返しだった事やここに着くなりカメラを取り出し受付嬢に許可を得たとはいえ時間を忘れ撮り始め待たせ続けた事も
話した
プレッシャーやストレスに耐えるのに必死になればなるほど空回りしてしまうミスしないよう失敗しないようにすればするほど悪循環になってしまった
それは今の子会社で辛い立場に置いた薫さんが悪いと言われたが納得が出来ず
謝ると困った様にクスッと笑われた
薫さんは表情を変えないと有名だが僕を拾い仕事をくれた時の優しい表情
本当はとても面倒みが良く優しくそれぞれの長所を活かせられるだろうと判断してから勤め先を決めたり要望は出来るだけ通そうとする等を子会社で知っているのはきっと僕くらいだろうと思いに耽っていた時
ドアがノックされ「誰だ」と扉を睨む
「長澤です…何か要る物があれば」
「入れ」と言うと同時に滑らかで薄手の毛布を僕の踝から肩下までかける
「温かいタオル2枚と濡らしただけのタオルを多めに用意し氷水を小さい樽に
それから抹茶ミルク常温と
シトラスミントティー アイス
どちらもいつでもおかわりが出来る様にしておけ」
「かしこまりました 失礼します」
「待て」
「何でしょうか」
「白々しい確かに鳴海を叱ったが私が居ない間は絶対に誰にも触れさせるな長澤お前も私の許可が無く触れる事は許さんぞ出張等で鳴海を1人にさせて私が側に居れない時も髪の毛1本指1本触れせるなこの意味は分かるよな?」
「私ともう1人…」
長澤が話すのを遮り
「話を聞いていなかったのか?」
「鳴海が仕置を受けている事を知っているのは盗み聞きをされていなければ長澤だけだ」
盗み聞きされていた事に気づきながら
何も出来なかった自分を恨みつつ長澤には犯人探しと鳴海を守る様にと話している薫と内容を察した長澤もまた怒りを露にしている。もう鳴海は大事な主人の1人なのだからその鳴海を辱める人間は今まで通りに排除すると誓った
「鳴海様はもう何も心配せずとも生きていけます」
ベッドで横になっている鳴海は跪き片膝を上げ手を胸に置き騎士の様に鳴海に向かい放った言葉
「何があろうと命をかけお守り致します」
長澤の忠誠心は絶対だ
それこそ自分がいつ何処で死んでも大丈夫な様にしてある程だ
屋敷内の人間なら数日もあれば犯人を薫に差し出すのも簡単だろう
跪き忠誠を誓われて怖かった…何時でも命を狙われる場所に居るのか…薫さんは
何時でもどんな場所に居ても命を狙われ
生きているのかと不安になり無意識に薫さんのワイシャツを掴んでいた
「誤解を招く言い方はやめろ私の席を狙っているのがいるだけだろ」
「手段は選ばない者がいる事をお忘れですか?毒味役は居ますが車に細工をされていないか見ているのは私」
長澤さんの目ががキッと薫さんを睨む
「分かってはいるが鳴海の前でましてや
これからの生活の不安を煽る話を」
「承知しておりますが先にお伝えするのも大事な事です」
薫が鳴海の表情を見て優しく微笑み️️話のままであるだけで何かに脅されたり裏の顔がある等は決してないと鳴海の髪を撫でながら話す薫さんに寝たままそっと近づいた
「可愛い鳴海が怖がってしまった責任はどうする?先程まで私が叱り罰した後で
こんな話をされたから怖くて不安らしい
命に変えても守るなら長澤は鳴海の専属
護衛兼執事と教育係兼秘書とする私には別の者を勝手にこちらで選ぶ」
「承知致しましたそれでは飲み物と替えを持って参ります」
鳴海の目を見て優しく微笑み頭を下げ
出ていった
「僕は別に長澤さんが居なくても大丈夫」
「駄目だお前の姓は今日から浦瀬そして俺の大事な嫁なのだから」
「俺は男なのに結婚とか出来るの?」
聞く自分自身が我ながら子供みたいな言い方に自嘲した
「そうする為に今日は社長室で手続きをしていたからな安心して大丈夫だ」
「宝物以外は捨てるのは良いですが薫さんと一緒に行きたかった…」
あの家は借家とはいえ大事にしていた
借家でも自分が持てる最良のカメラや
機材を難なくしまえる場所が沢山あったからだ
「あっ…あの僕の鞄は…」
「ちゃんと長澤に預けてある必要なら
持ってこさせるがどうする?」
「お願いします社長じゃなくて薫さんに
見てもらいたい物があるので」
「それは楽しみだ」と言うと備え付けの
ボタンを押し長澤さんに僕の鞄も持って
来るようにと伝えた
暫くすると3段式カートに飲み物や樽やタオルそして僕の大きめの鞄
「なんかこき使っている様ですみません」
「これも大切な事ですから慣れて下さいと言うしかないです」
ベッドに乗せられた鞄は新品みたく綺麗になっていて傷を逆に模様の様に作り替えられていて嬉しかった僕は今まで新たな傷が付くとその傷をインスタントカメラで撮り場所や日付と撮った時間を余白に書いていた
カバンの傷は目立たなくされたのでは無く模様のみたいにされていた事が堪らなく嬉しくてインスタントカメラを取りだし痛む尻を我慢しながらその場で撮り始め位置を変え角度を変え取り続け納得のいく写真にだけ場所と日付を余白に書いた
「満足したか」と薫さんに言われ「勝手にごめんなさい」と泣きそうになりながら薫さんに謝った
「自分の家で何をしようが勝手だがまだ痛むだろ横になりなさい」
優しい表情と声で言われ鞄を壁側に置いてくれたのが嬉しかった
「ありがとうございます…それと」
尻を庇いながら軽く座り直し鞄から幾つもの手帳型の写真入れや缶を出して薫さんに見て欲しいと頼んだ
「いい子に横になったら見てあげよう」
2つ年下の彼に「いい子」と言われたのが恥ずかしく素直にゆっくり横になった
浦瀬 鳴海(うらせ なるみ)と小さく呟く
妙に照れてくさくて薫さんの背中に顔を隠しながらも薫さんのお嫁になれた事が妙に嬉しくて薫さんと生きていけるのが幸せだと感じた
だが幸せと感じれば感じる程…問題がある事が言いづらいが早く打ち明けないと
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