君に支配されたい

Yuki-Hana

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擬似支配

君を私に教えて(1)

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ガラガラっと教室のドアが荒々しく開かれる。

「あれ、ゆきまだいたのか。」

理人が息を切らしながら教室に入ってくる。

僕はぼんやりとした頭を無理やり現実に引き戻して、無表情を装う。

「まだ眠いのか?」

「いや、それよりどうした。」

「あーあった。スマホ忘れちゃって」

理人は椅子の下に落ちたスマホを拾い上げる。

「画面割れた。」

理人はゆきに向かってスマホの画面を見せる。

「まーいっか、ね、今度遊園地いかね。」

「2人で?え、やだよ。」

ゆきは怪訝な顔を理人に向ける。

「ひでー。いいじゃん。俺ゆきしか友達いねーもん。」

なんだかちょっと昭和のアイドルの様な古くさいウィンクをして、理人はちゃめっけたっぷりだ。

「うそつけ。」

理人は僕の悪態を軽く受け流して、画面の割れたスマホで、テキストを打ち込む。

僕のスマホがメッセージの到着を告げる。

「じゃあ土曜日11時に、海凛公園駅集合な。」

「それって明日か。」

「そうそう。じゃ」

こういう時の理人はよく分からない。

突拍子もなく、自由奔放なあいつのキャラクターという気もするし、それはちょっと違う様にも思える。

「なんか、聡介に似てるんだよな。」

自分が発した言葉に驚く。

人を振り回すところ?
強引なところ?

理人の割れたスマホ画面に写る僕の顔が脳裏にチラつく。

彼らは僕を知っているのかもしれない。

不思議と涙がながれる。

コックリングに締め付けられるペニスが心地よくて、どうしようもなく、こんなことでしか、充足を得られない僕は、もうどこかに消えてしまいたい。

どうしたら僕はジェットコースターに乗って、正常に機能した彼らと同じように笑えるだろう。

僕はただ、いつでも僕をぐちゃぐちゃにして欲しい。

「んっ」

頭の中の「ある一線」が、ぷちんと切れるように、ゆきは達した。

悲しいから人は涙を流すと誰もがいう。そうなら、僕は今きっと悲しいのだろう。
なのになぜ、こんなにも心地良いのだろう。

ゆきの脳内は真っ暗闇に暗転し、その世界には誰もいなかった。






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