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私は頭のてっぺんからやってくる痛みに耐えきれずに、思わず首から手を離し、頭を押さえて転げ回りました。
痛さに少し涙目になりながら私は上を見上げると、マスターが本を持ってこっちを睨んでいました。
「ぐ……おお……あ、相棒、君……なんか……すごい……い、痛みが……」
「黙れ。喋るな息をするな。それどころか、どうしてくれんだ。これ」
見るとほとんどの物が壊されていたり、原型をとどめていなかったりと結構ひどい状態になっていました。
「え? いや、あの、その、えーと……」
「いきなり出てきて物をぶっ壊すわ、殴りかかるわ絞め殺そうとするわ、ホント、何もんなんだお前」
呆れながらマスターが詰め寄る。
「だ、だって――」
ごつん。
「いったぁぁぁぁぁぁ!」
またしても頭に激痛。
「いいわけは聞かねえ。いいか、これだけは肝に命じとけ。――人を殺すな」
私はそれを聞いたとき、疑問に思いました。
何故人を殺してはいけないのだろう。マスターの命を狙った者ならなおさらのはず。
「いいか、まず今の時代では人殺しは犯罪だ。やるな。やろうとするな。その考えを持つな。やるとしても気絶程度。それに、だ」
マスターはそこで一旦区切って息を整えた後。頭を掻きながら言いました。
「後味が悪い。殺した後に食う飯なんてのはことさらだ」
私が呆然としていると、マスターは一旦伸びをした後、持っていた本で肩を軽く叩いた。
またしても本はマスターに向かって何か言って、マスターはそれに対して言い返していた。
――自身の魔術を見た者は殺せ。
魔法に携わる者には必ず、と言っていいほどこの暗黙の了解がある。これは魔術の秘匿性と、その術式の流布を防ぐためでもある。
見られた者がたとえ自分の友人であろうとも、血を分けた家族であっても、自身の恋人であろうとも、自身の魔術を見た者は必ず殺さなくてはならない。
その他にも、他の魔術師にも発動を見られないように、との意味合いも込められている。
自身の術式を見られる、ということはその術式の解除条件も知られてしまう事も考えられるからだ。
それは私たちが、あの魔術師にいつ殺されてもおかしくはない、ということを暗に示していた。
それを……このマスターは「後味が悪い」との理由で、私に殺すことを禁じた。
私の、代々のマスターとは違う、変わった人だった。
代々のマスターは私に様々な事を強いてきた。
盗み、殺し、破壊……とにかく悪と付き、なおかつそれに「極」がついて回った。
いつしか私の髪は、赤くなり、私の眼は赤くなり、
そして手は血がよく映えるように白くなった。
いや、なったのではない。いつのマスターだったか忘れたが、そのようにされたのだ。
――表を歩くな、貴様は一生、太陽には向かえない存在になったのだ。これはその業だ。
あのときのマスターはこう言っていた気がした。
それなのに、このマスターは。
「前もって言わせてもらうが、僕は空気が読めないとか、そういうものではない。先ほどまで魔人君が戦っていた、あの魔導師はどこに行ったのかな?」
不意に、本が言った。
私たちはその言葉にはっとなり、互いに顔を見合わせた。
「そう言えば……先程から姿が見えないですね……マスター」
「そうだな……どこ行ったんだ? あの女?」
……まあいいかと言って腕を伸ばし、マスターは家の中に入っていきました。
「あ、そうだ」
マスターは思い出したように私にいいました。
「壊した物とか、部屋とか、片付けとけよ」
そう言ってマスターはそそくさと、どこかに行ってしまいました。
※
朝。
都会ではスズメはメンドリやにわとりの代わりに朝を告げる鳥として広く知られている……はずだ。
そして本屋家の朝はそのスズメの声によって起こされる。
別段けたたましいとか、そういった物ではなく、ただ、スズメが鳴いていると、俺は「ああ、朝が来たんだな」とことさらに理解する。
しかし。今現在理解できないことが一つ。
……どうして朝っぱらから全裸の少女が俺の隣で寝ているのか。誰か。説明してくれ。
普通だったら、こんな風に落ち着いて物を考えている暇も、見る余裕もないかもしれない。
だが人間、何事も自分の許容限界を過ぎてしまうと落ち着いてもの考えることができるようだ。誰か高名な学者はこれを論文として発表してはどうだろうか。
とりあえず、今俺にできることは一つ。
とりあえず俺は机の上に乗っていたベブズをむんずとつかみ、背表紙を下にし、そのまま。
ごっつん。
思いっきり振り下ろした。
「――いったぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
目の前にいる少女は叩かれた頭頂部を押さえながら起き上がった。
「あ……ああ……朝……から……い……いた……い……」
手元からベブズが呻く声が聞こえる。
「何するんですか何するんですか何するんですか! 人が疲れて眠っていたところにいきなり一撃を入れますか!? 普通!?」
「うっせえ! 何人の部屋及びベッドに侵入して、しかも全裸で寝てやがんだ! 痴女かお前は! ケーサツ呼ぶぞコラァ!」
そう言ったとき少女の顔はみるみるうちに髪と同じくらいにまで赤くなり、シーツで前を隠しながら、
「ちちちちちちちち痴女!? 痴女って今言ったですか!? 女性に向かってそれは言っちゃいけないんですよ!」
「その言葉今時分の自分の格好を見てから言えこのボケナスが! ――ってああっ! もうこんな時間じゃねぇか! くそっ、時間がねぇ! とにかく学校行ってくるから、それまでおとなしく服着て部屋の中で留守番しとけ!」
そう強い口調で言った後、俺は部屋から出て行こうとしたが、服の端を掴まれ、動けなくなった。
振り向くと案の定少女が握っていた。……心配そうに。
「ガッコウ、って何ですか? まさか何か危ない所じゃ……」
「……確かに……いや、危なくない。基本的に危なくない! だからついてくるな! ついてくるんじゃねぇぞ! いいな?」
少女はすこし考えたような仕草を見せた後、
「……マスター、」
「絶 対 に つ い て く る な」
一応こういっておかないとついてきそうで怖かった。
どうやらこの少女、自分を守るために動こうとする節がある。昨日やってきた和服少女を……その、殺そうとしたのも、それが原因かと思う。
昨日のことは夢と思いたかったが、悲しきかな、体に少し残っている疲れが夢ではないことを証明してくれた。
とにかく、軽く肩がぶつかっただけでも俺を守るためにつかみかかりかねない。下手をしたら瀬戸の軽い冗談で(瀬戸が)死にかねない。それはごめんだ。殺しても死ななそうが。
とにかく、一抹の不安を残しながら俺は制服に着替えて学校へ行くことにした。
なったのだが……。
学校の登校中に不安になって鞄の中身を覗いてみたらベブズが入っていた。
「何でてめぇ入ってんだコラ」
「まぁあれだね。僕を所持していた前の相棒君が、物忘れがひどくてね。僕に相棒君の元を離れさせない呪いをかけてるんだ。まぁ、たとえ火の中水の中といえど、僕一冊をおいて外に出かけることはできないという事……って相棒君。何をしているんだ。その青いヒモは止めるいたたたたたた! 食い込んでる! すごく食い込んでる! なんか主に頭と脇と股に食いかかっていたたたたたたたた! 潰れる! 潰れる!」
「お前の頭とか脇ってどこだよ!?」
とにかく学校では絶対に喋るなよ――分かった。支障が無いようにしよう――と俺たちは不可侵(?)条約を交わし、一人重い空気を背負いながら、一人と一冊で学校に行くことになった。
……正直、何も起こらなければ御の字だと思う。
痛さに少し涙目になりながら私は上を見上げると、マスターが本を持ってこっちを睨んでいました。
「ぐ……おお……あ、相棒、君……なんか……すごい……い、痛みが……」
「黙れ。喋るな息をするな。それどころか、どうしてくれんだ。これ」
見るとほとんどの物が壊されていたり、原型をとどめていなかったりと結構ひどい状態になっていました。
「え? いや、あの、その、えーと……」
「いきなり出てきて物をぶっ壊すわ、殴りかかるわ絞め殺そうとするわ、ホント、何もんなんだお前」
呆れながらマスターが詰め寄る。
「だ、だって――」
ごつん。
「いったぁぁぁぁぁぁ!」
またしても頭に激痛。
「いいわけは聞かねえ。いいか、これだけは肝に命じとけ。――人を殺すな」
私はそれを聞いたとき、疑問に思いました。
何故人を殺してはいけないのだろう。マスターの命を狙った者ならなおさらのはず。
「いいか、まず今の時代では人殺しは犯罪だ。やるな。やろうとするな。その考えを持つな。やるとしても気絶程度。それに、だ」
マスターはそこで一旦区切って息を整えた後。頭を掻きながら言いました。
「後味が悪い。殺した後に食う飯なんてのはことさらだ」
私が呆然としていると、マスターは一旦伸びをした後、持っていた本で肩を軽く叩いた。
またしても本はマスターに向かって何か言って、マスターはそれに対して言い返していた。
――自身の魔術を見た者は殺せ。
魔法に携わる者には必ず、と言っていいほどこの暗黙の了解がある。これは魔術の秘匿性と、その術式の流布を防ぐためでもある。
見られた者がたとえ自分の友人であろうとも、血を分けた家族であっても、自身の恋人であろうとも、自身の魔術を見た者は必ず殺さなくてはならない。
その他にも、他の魔術師にも発動を見られないように、との意味合いも込められている。
自身の術式を見られる、ということはその術式の解除条件も知られてしまう事も考えられるからだ。
それは私たちが、あの魔術師にいつ殺されてもおかしくはない、ということを暗に示していた。
それを……このマスターは「後味が悪い」との理由で、私に殺すことを禁じた。
私の、代々のマスターとは違う、変わった人だった。
代々のマスターは私に様々な事を強いてきた。
盗み、殺し、破壊……とにかく悪と付き、なおかつそれに「極」がついて回った。
いつしか私の髪は、赤くなり、私の眼は赤くなり、
そして手は血がよく映えるように白くなった。
いや、なったのではない。いつのマスターだったか忘れたが、そのようにされたのだ。
――表を歩くな、貴様は一生、太陽には向かえない存在になったのだ。これはその業だ。
あのときのマスターはこう言っていた気がした。
それなのに、このマスターは。
「前もって言わせてもらうが、僕は空気が読めないとか、そういうものではない。先ほどまで魔人君が戦っていた、あの魔導師はどこに行ったのかな?」
不意に、本が言った。
私たちはその言葉にはっとなり、互いに顔を見合わせた。
「そう言えば……先程から姿が見えないですね……マスター」
「そうだな……どこ行ったんだ? あの女?」
……まあいいかと言って腕を伸ばし、マスターは家の中に入っていきました。
「あ、そうだ」
マスターは思い出したように私にいいました。
「壊した物とか、部屋とか、片付けとけよ」
そう言ってマスターはそそくさと、どこかに行ってしまいました。
※
朝。
都会ではスズメはメンドリやにわとりの代わりに朝を告げる鳥として広く知られている……はずだ。
そして本屋家の朝はそのスズメの声によって起こされる。
別段けたたましいとか、そういった物ではなく、ただ、スズメが鳴いていると、俺は「ああ、朝が来たんだな」とことさらに理解する。
しかし。今現在理解できないことが一つ。
……どうして朝っぱらから全裸の少女が俺の隣で寝ているのか。誰か。説明してくれ。
普通だったら、こんな風に落ち着いて物を考えている暇も、見る余裕もないかもしれない。
だが人間、何事も自分の許容限界を過ぎてしまうと落ち着いてもの考えることができるようだ。誰か高名な学者はこれを論文として発表してはどうだろうか。
とりあえず、今俺にできることは一つ。
とりあえず俺は机の上に乗っていたベブズをむんずとつかみ、背表紙を下にし、そのまま。
ごっつん。
思いっきり振り下ろした。
「――いったぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
目の前にいる少女は叩かれた頭頂部を押さえながら起き上がった。
「あ……ああ……朝……から……い……いた……い……」
手元からベブズが呻く声が聞こえる。
「何するんですか何するんですか何するんですか! 人が疲れて眠っていたところにいきなり一撃を入れますか!? 普通!?」
「うっせえ! 何人の部屋及びベッドに侵入して、しかも全裸で寝てやがんだ! 痴女かお前は! ケーサツ呼ぶぞコラァ!」
そう言ったとき少女の顔はみるみるうちに髪と同じくらいにまで赤くなり、シーツで前を隠しながら、
「ちちちちちちちち痴女!? 痴女って今言ったですか!? 女性に向かってそれは言っちゃいけないんですよ!」
「その言葉今時分の自分の格好を見てから言えこのボケナスが! ――ってああっ! もうこんな時間じゃねぇか! くそっ、時間がねぇ! とにかく学校行ってくるから、それまでおとなしく服着て部屋の中で留守番しとけ!」
そう強い口調で言った後、俺は部屋から出て行こうとしたが、服の端を掴まれ、動けなくなった。
振り向くと案の定少女が握っていた。……心配そうに。
「ガッコウ、って何ですか? まさか何か危ない所じゃ……」
「……確かに……いや、危なくない。基本的に危なくない! だからついてくるな! ついてくるんじゃねぇぞ! いいな?」
少女はすこし考えたような仕草を見せた後、
「……マスター、」
「絶 対 に つ い て く る な」
一応こういっておかないとついてきそうで怖かった。
どうやらこの少女、自分を守るために動こうとする節がある。昨日やってきた和服少女を……その、殺そうとしたのも、それが原因かと思う。
昨日のことは夢と思いたかったが、悲しきかな、体に少し残っている疲れが夢ではないことを証明してくれた。
とにかく、軽く肩がぶつかっただけでも俺を守るためにつかみかかりかねない。下手をしたら瀬戸の軽い冗談で(瀬戸が)死にかねない。それはごめんだ。殺しても死ななそうが。
とにかく、一抹の不安を残しながら俺は制服に着替えて学校へ行くことにした。
なったのだが……。
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「お前の頭とか脇ってどこだよ!?」
とにかく学校では絶対に喋るなよ――分かった。支障が無いようにしよう――と俺たちは不可侵(?)条約を交わし、一人重い空気を背負いながら、一人と一冊で学校に行くことになった。
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