私を愛しすぎた殺人鬼

まぁ

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さきもと

さきもと

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「お世話になりましました。」

退院の手続きを終わらせ、病院をあとにする。
あの日、小山内の運転するタクシーに乗り急な眠気を感じたあとの記憶はなく、ただ目覚めたら運ばれていた病院出来化されたのは、運転手の居眠りでガードレールにぶつかり気を失っていた。と伝えられた。
その後、その運転手と言われる男性とタクシー会社の偉い人が私に謝罪しに来た。
運転手は、乗せた記憶すらないだろうにお気の毒なと思いながらも何も言わず治療費と慰謝料をありがたく受け取った。

家まで遠い病院だったため、電車で帰ろうかと歩いているとプーとクラクションが鳴りそちらを見ると神崎の車。
立ち止まる私の隣に車を止めた神崎に乗れ。と言われ文句も言わず素直に乗車した。

「なんで、ここにいるの。」

「俺の情報網なめんなや。」

「まぁ、ありがと。」

「タバコすうか?」

さっと差し出されたタバコをありがたく頂戴し、火をつける。
ふぅと久しぶりのタバコの煙を吐き出す。

「ねぇ、なんでここまでしてくれるの?」

「惚れとるから。」

「小山内に?」

真剣な顔といか魔顔で話す神崎に、真剣に言葉を返したがおかしくて、ふふ。と笑う

「おまえにや」

「思ってもないことを」

マンションの前につき、車を降りようとした時神崎の手が私の手をつかむ。
その表情は、怒っているような悲しんでいるようなよくわからない表情だ。

「なに?」

「今回の事故も、小山内かんけいしてるんか?」

「そうね。」

「送って行かんかった俺のせいや。すまん。」

「私が勝手にかえったんじゃない。」

しょんぼりとする神成の手を優しく振りほどき、鞄を持つ。

「神成は神成の仕事をして。小山内が私を殺すことはないから。」

黙って見つめる神成に、ありがとう。と伝え車を降りる。
家にもどり、シャワーを浴び髪を乾かしていると携帯が鳴った。
画面には崎本 妻の文字。

「もしもし。」

「金蔵さん。少しお会い出来ますか?」

「今会ったら、捜査してる警察に疑われるかもですよ?しばらく会うのは控えましょう。」

「そうですね...あの。今回はありがとうございます。いろいろと...けどなんで?」

何故、旦那は死んだのか、知りたがるのも無理はない。
しかし、私も安易に人に小山内のことを振りまくつもりもない。




「さぁ、私には神様がついてるんですよ。」
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