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第壱章 旗の交わり
第玖話 鎮守府の騒ぎ 序章
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1月1日午後2時、石原は鎮守府へと舞戻った。彼はすぐに電話で中央と連絡をとろうと思っていたのだが、そこには一つの障害物(障○者?)が潜んでいた。帝国陸軍北方方面軍千島防衛連隊占守守備小隊隊長ー齋藤洞参さいとうどうさんーと鎮守府石原提督付海軍大将ー岸信輔きしのぶすけー両名である。
前者は戦友の裏切に憤り、おいていった理由聞こうとし、後者は尊敬する提督が自分をおいていった理由を知ろうとしていた。
両名目的は違えど途中までの行動は同じであった。つまり、協力をするには十分足り得たのである。
「提督、何故小官をおいていったのですか」
「何故俺をおいていった?!」
石原としては直ぐに執務室に向かい、電話を取りたかった。しかし、このような状態に二人はスイッチが入ったら面倒くさく、対処しづらいことが自分にはわかる。
岸海軍大将はある程度簡単に鎮められるが、齋藤小隊長は信念が無駄にしっかりしているからこれまた面倒くさい。
今回の事態は可及的且つ速やかに中央に連絡しなければならないということを石原は理解していた。しかし、目の前の障害は取り除くのがはた面倒くさい。
「まあ、明日には理由を伝えるよ」
『石原は日本人固有スキル 先送り(後回し)を発動させた!!』
石原は先送りを選択した。石原は今回のことを中央に伝えられれば確実に問題が複雑化すると思っている。だからこうしておけば有耶無耶にできると考えたのだ。
「なんかやり込められた気がするが、仕方ない」
「何かをいい考えがあるのですね」
納得はしてくれたが、齋藤小隊長は疑ってきている。困ったものだ。
石原は執務室に電話しに向かった。二人と愉快な仲間があとを勝手についてくる中で。
「ついてくるんじゃないですよ」
前者は戦友の裏切に憤り、おいていった理由聞こうとし、後者は尊敬する提督が自分をおいていった理由を知ろうとしていた。
両名目的は違えど途中までの行動は同じであった。つまり、協力をするには十分足り得たのである。
「提督、何故小官をおいていったのですか」
「何故俺をおいていった?!」
石原としては直ぐに執務室に向かい、電話を取りたかった。しかし、このような状態に二人はスイッチが入ったら面倒くさく、対処しづらいことが自分にはわかる。
岸海軍大将はある程度簡単に鎮められるが、齋藤小隊長は信念が無駄にしっかりしているからこれまた面倒くさい。
今回の事態は可及的且つ速やかに中央に連絡しなければならないということを石原は理解していた。しかし、目の前の障害は取り除くのがはた面倒くさい。
「まあ、明日には理由を伝えるよ」
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