大和日本連合

秋田川幸政

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第壱章 旗の交わり

第肆話 騒動の行方

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『占守島に入島する方はここで一時停止してください』



 なんだあれは。機械が勝手に喋っている!



「市篠田伍長、あれは中に人が入っているのか?」



 すると伍長は誇らしげに説明してくれた。

 伍長曰く、あれは皇国の輸入した最新の機械で蓄音機というものを使って発しているから決して中に人が入っているわけではないそうだ。

 やはり異国は強く発展しているのだな。政府は追いつけ追い越せと言っている理由を改めて感じる。

 どうやら蓄音機は皇国には今は2台しかないようだ。もう片方はどこにあるんだ?



「あゝ、片方ですか。陛下が所有していらっしゃいますよ。活動写真弁士の音声をとって皇族の皆様方とご鑑賞していらっしゃるようです。」



 は~、陛下がご所有しているのか。



 軍属であろう男が道路の脇に出てきた。



「ここから先は特別警戒地区です。入る場合は荷物の確認と通行許可証の提示をお願いします」

「はいはい。どうぞ中へ。私達は一旦外に出ますね。正孔中尉、臨検です。一旦外に出ましょう」



 どうやら臨検のようだ。ここまでして守るだなんて、一体何が占守島で起きているんだ?



 三人係の臨検を傍目に道路の脇にで会話に興じる。



「市篠田伍長、ここでは一体何が本当に起きているんですか。私には本当に皆目検討がつきませんよ」

「まぁまぁ、それはもうちょい進んだら伝えられますから。なにせ、ひと目でわかるんですから。」

「はぁ」



 納得はいかないがもう少しで真相がわかるようだ。私としては早めに知りたいのだかな。



 その後この小さな島(334km2)の中で6回ほど臨検された。しかも最後のなんて身体改めもされた。



「この森を抜けた海岸の奥を見たらわかりますよ」



 しかしこの奥はただの海岸のはず。何かあるって……



 彼は目をこすって何回もそこを見た。なんとそこには巨大な艦船と島があったのだ。

 呆然としてしまう。あれは一体何なんだ。あり得ないほどでかい。あんなのがあったのなら、あれほどまでの警戒もうなずける。
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