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エピローグ
02
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「だいぶ近くなった、もうすぐだよ」
「結構遠くまで来たのね」
もう、空の端の方が赤くなり始めている。ゆっくりもしてられない。どこかに場所を確保して、一晩過ごす場所をを作らないと。
「急ごうか」
私達は早足で進む。そうしている内に背が高めの草の群生が見えてきた。モンスターの姿は見えないけど、スーはここにいるはず。
「ここにいるはずだけど」
私の言葉にリーヴェが、思いついたように言う。
「大きいモンスターはいなかったでしょ? 皆この草に隠れられるサイズだったわ」
なるほど、身を隠している訳か。
「よくわかりましたね」
草むらの中からスーの声が聞こえる。その声を皮切りに、草むらから、スーを先頭にモンスターがわらわらと姿を現した。残念ながらモン〇ターボールの手持ちはゼロだ。
「というか、種類増えてない?」
元々、スライム、コボルド、ゴブリンの三種類しかいなかったはずなのに、草むらから出てきたモンスターには、その三種類に加えて、イノシシのようなモンスターもいる。
「はい、ここは穏健派が隠れるのによく使う場所で、たまたま、彼らと出会いました」
「そうなんだ」
どんどん大所帯になっていく。だいたい五十体くらいだったのが、イノシシも合わせて、六十を超えている。私はため息をつきながら、スーを見る。心なしか笑っているような。いや、完全に笑っている。悪役がするような、ニヤリとした笑顔を浮かべている。スーはさっと、呆けていた私に背中を向ける形、モンスターたちに体を向けて、話を始めた。
「みんな聞いてください! 今回、この方が我々穏健派の危機を救ってくださいました! サワ様こそ、我々の王にふさわしいと思いませんか?! 穏健派優王に!」
「はい?」
私は突然の事で、息が抜けたような声しか出なかった。何を言っているの。突然何。このスライムは何を言っているの。私は頭の中が混乱する。
「おぉ! 優王!」
そんな私を置いてきぼりにして、モンスターたちは盛り上がって、そんな声をあげ始めた。優王、優王と讃えるように連呼する。
「優王の誕生だ! 救世主だ!」
誰かの言葉に私はなんとなく理解が追いついてくる。今まさに私は穏健派の前で、穏健派の優王という物に、担ぎ上げられているらしかった。やっとの思いで頭の中を整理して、反論する様に私は声をあげる。私の声はモンスターたちの歓声に、かき消されてしまいそうなぐらい、か細かった。
「ちょっ、スー!」
「何でしょう?」
やっとこちらを振り向いたスーはやっぱり、悪役のようにニヤリとした笑顔を浮かべていた。
「結構遠くまで来たのね」
もう、空の端の方が赤くなり始めている。ゆっくりもしてられない。どこかに場所を確保して、一晩過ごす場所をを作らないと。
「急ごうか」
私達は早足で進む。そうしている内に背が高めの草の群生が見えてきた。モンスターの姿は見えないけど、スーはここにいるはず。
「ここにいるはずだけど」
私の言葉にリーヴェが、思いついたように言う。
「大きいモンスターはいなかったでしょ? 皆この草に隠れられるサイズだったわ」
なるほど、身を隠している訳か。
「よくわかりましたね」
草むらの中からスーの声が聞こえる。その声を皮切りに、草むらから、スーを先頭にモンスターがわらわらと姿を現した。残念ながらモン〇ターボールの手持ちはゼロだ。
「というか、種類増えてない?」
元々、スライム、コボルド、ゴブリンの三種類しかいなかったはずなのに、草むらから出てきたモンスターには、その三種類に加えて、イノシシのようなモンスターもいる。
「はい、ここは穏健派が隠れるのによく使う場所で、たまたま、彼らと出会いました」
「そうなんだ」
どんどん大所帯になっていく。だいたい五十体くらいだったのが、イノシシも合わせて、六十を超えている。私はため息をつきながら、スーを見る。心なしか笑っているような。いや、完全に笑っている。悪役がするような、ニヤリとした笑顔を浮かべている。スーはさっと、呆けていた私に背中を向ける形、モンスターたちに体を向けて、話を始めた。
「みんな聞いてください! 今回、この方が我々穏健派の危機を救ってくださいました! サワ様こそ、我々の王にふさわしいと思いませんか?! 穏健派優王に!」
「はい?」
私は突然の事で、息が抜けたような声しか出なかった。何を言っているの。突然何。このスライムは何を言っているの。私は頭の中が混乱する。
「おぉ! 優王!」
そんな私を置いてきぼりにして、モンスターたちは盛り上がって、そんな声をあげ始めた。優王、優王と讃えるように連呼する。
「優王の誕生だ! 救世主だ!」
誰かの言葉に私はなんとなく理解が追いついてくる。今まさに私は穏健派の前で、穏健派の優王という物に、担ぎ上げられているらしかった。やっとの思いで頭の中を整理して、反論する様に私は声をあげる。私の声はモンスターたちの歓声に、かき消されてしまいそうなぐらい、か細かった。
「ちょっ、スー!」
「何でしょう?」
やっとこちらを振り向いたスーはやっぱり、悪役のようにニヤリとした笑顔を浮かべていた。
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