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第二章
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「デートって」
わざわざ、そういう言い回しをするリーヴェを私は怪訝な顔で見つめる。冗談で言ってるのか、本気なのか、この子の場合分からない。
「まぁいいじゃない、行くの? 行かないの?」
「……いろいろ見て回ろう」
私の言葉にリーヴェが小さくジャンプしたように、髪が揺れた。そして、私の手を掴んで、素早く指同士を絡ませる繋ぎ方をする。私が口を開こうとした瞬間、リーヴェは「行きましょ」と歩き出した。
「まぁいいか」
嫌というわけではない。私は諦めて、身をゆだねる。
「いろいろな物たくさん食べるか、一つの物を食事として、食べるか、どっちがいいかしら」
「いろいろな物かな」
私は即答する。どうせならいろいろ食べたい。
「じゃあそうしましょう」
二人で露店が並ぶ道を進んでいく。沢山あって、迷ってしまう。
「最初のって迷っちゃう」
「サワも同じタイプなんだ、私もよ、最初が重要というか」
「そうそう」
特に面白い事は言っていないはずなのに、私達は笑い合う。不思議と気分がハイになっているような。お祭りみたいな場所だからだろうか。今日がお祭りと言う訳ではなく、毎日やっているだろうから、ここは天国のような場所だな。私はそんな事を思う。
「あれどうかしら?」
リーヴェが立ち止まり、一つの露店を指差す。焼き鳥のように串に肉を刺して焼いている露店の様だ。とてもいい匂いがしている。
「いいね」
「じゃあ、最初はあそこね」
二人でそそくさと露店に近づいて行く。女子二人で最初に選んだ物が肉だなんて、我ながら、女子力の低さに呆れる。ただ、ざっと見た感じ、甘そうな物はあるが、可愛いお菓子や食べ物は売っていない。基本茶色ばっかりだ。
「オジサン、二本ください」
リーヴェがお金を渡しながら、店のおじさんに注文をする。
「ありがとうございます!」
威勢よくオジサンがお礼を言うと、お金を受け取り、交換に商品を二本差し出してきた。私達はそれぞれ受け取る。少し店から離れると、並んで、肉を食べる。
「美味しいわ」
「おいしいね」
何の肉かは知らない。確認はあえてしないでおく。美味しいのだから気にしない。こういうとこで売っているのだから、主に食べられている肉だろう。
「次何がいいかしら」
「食べてる最中に、次の食べ物の話?」
そう言いつつ、私も肉を頬張りながら、次は何を食べるか考えている。人の事言えない。
「そんなに食べれないから、慎重に厳選したいのよ」
女の子らしく、リーヴェは小食らしい。沢山食べれないからこそ、よく考えないといけないのか。
わざわざ、そういう言い回しをするリーヴェを私は怪訝な顔で見つめる。冗談で言ってるのか、本気なのか、この子の場合分からない。
「まぁいいじゃない、行くの? 行かないの?」
「……いろいろ見て回ろう」
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「まぁいいか」
嫌というわけではない。私は諦めて、身をゆだねる。
「いろいろな物たくさん食べるか、一つの物を食事として、食べるか、どっちがいいかしら」
「いろいろな物かな」
私は即答する。どうせならいろいろ食べたい。
「じゃあそうしましょう」
二人で露店が並ぶ道を進んでいく。沢山あって、迷ってしまう。
「最初のって迷っちゃう」
「サワも同じタイプなんだ、私もよ、最初が重要というか」
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特に面白い事は言っていないはずなのに、私達は笑い合う。不思議と気分がハイになっているような。お祭りみたいな場所だからだろうか。今日がお祭りと言う訳ではなく、毎日やっているだろうから、ここは天国のような場所だな。私はそんな事を思う。
「あれどうかしら?」
リーヴェが立ち止まり、一つの露店を指差す。焼き鳥のように串に肉を刺して焼いている露店の様だ。とてもいい匂いがしている。
「いいね」
「じゃあ、最初はあそこね」
二人でそそくさと露店に近づいて行く。女子二人で最初に選んだ物が肉だなんて、我ながら、女子力の低さに呆れる。ただ、ざっと見た感じ、甘そうな物はあるが、可愛いお菓子や食べ物は売っていない。基本茶色ばっかりだ。
「オジサン、二本ください」
リーヴェがお金を渡しながら、店のおじさんに注文をする。
「ありがとうございます!」
威勢よくオジサンがお礼を言うと、お金を受け取り、交換に商品を二本差し出してきた。私達はそれぞれ受け取る。少し店から離れると、並んで、肉を食べる。
「美味しいわ」
「おいしいね」
何の肉かは知らない。確認はあえてしないでおく。美味しいのだから気にしない。こういうとこで売っているのだから、主に食べられている肉だろう。
「次何がいいかしら」
「食べてる最中に、次の食べ物の話?」
そう言いつつ、私も肉を頬張りながら、次は何を食べるか考えている。人の事言えない。
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女の子らしく、リーヴェは小食らしい。沢山食べれないからこそ、よく考えないといけないのか。
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