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第二章

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「薬草採取はどうするのよ?」
「あぁ、そうだった」
 薬草集めの最中だった。どうしようか。私は少し考えると、コボルドが立ち上がって、近づいてきていた。もう回復したらしい。
「薬草集めてるの? どういうの?」
 私はふと思う。そういえばモンスターは森の薬草とかよく知ってるかもしれない。
「リーヴェ、さっき見つけた薬草を貸して」
 その言葉に反応したリーヴェが、自分の道具袋に手を突っ込んで、目的の物を探し始める。ややあって、袋から薬草が取り出された。私はその薬草を受け取ると、腰を低くして、コボルドに見せる。
「これなんだけど」
「あぁ、これね、一杯あるよ」
「そうなの?! 全然見つからないけど」
「すぐ取ってこれるよ、どれくらいほしい?」
「いいの? とりあえず十くらい、お願いできる?」
 頷いたコボルドが草むらの中に駆けていく。助かる。これで依頼達成できる。
「なに? どういう状況なのよ? 説明は?」
 混乱した様子でリーヴェがそう言った。とりあえず私は、コボルドが薬草を取ってきてくれるという事を伝えて、それから場所を移して説明すると伝えた。
「分かったわ……薬草探しをしなくていいのは、ありがたいわ」
「明日に持ち越そうか考えてたくらいだしね」
「そうね」
 私とリーヴェは笑い合うと、コボルドが薬草を手に戻ってくる。ほとんど時間が経っていない、本当にどこにでもある薬草らしい。私達には薬草採取の才能がないのだろうか。
「これ」
 コボルドがリーヴェに薬草を手渡す。リーヴェは一瞬たじろいで、私を見た。
「受け取ってあげて」
 私はすぐにそう声をかけると、リーヴェがおずおずと「ありがとう」と言って、薬草を受け取る。てっきり、私に薬草を手渡すかと思ったけど、そうはしなかった。勇気のあるコボルドなのかな。
「じゃあ、場所を移そうか」
 私の言葉にリーヴェは頷いて、街の方に体を向ける。
「あっ待って、大丈夫」
「え?」
 不思議そうな表情を浮かべて、リーヴェが私の方を見た。話すと決めたから、隠す必要もない。私はリーヴェの手を掴んだ。
「私の家に行こう、大丈夫、歩かなくても一瞬だから」
 転移術で家まで移動しよう、とそう思った時に、私はコボルドの事も思い出した。そういえば、この子はスーと引き合わせておいた方が良いのだろうか。もしかしたら、知り合いの可能性もあるけど、知らなかったら、今後いろいろ助け合えるんじゃないか。
「君も一緒に行く?」
 勝手に連れて行くのは違う気がして、私は一応、コボルドに問いかける。コボルドは私の手を掴んだ。
「じゃあ二人とも平常心でお願いね」
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