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第二章

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 自嘲気味に少し笑うリーヴェの声。そのまま言葉を続けていく。
「でも、完全に勘違いだった、当り前よね、まだ冒険者になって日が浅いのに、ちょっと強いだけのやつらが、魔王に敵う訳もないし、そもそも、少し強いだけのモンスターにさえ勝てなかった」
 リーヴェ少し言葉に詰まる。
「初めての敗北で私達は無様に逃げ帰ってきたのよ……それで、だいたいの人は、身の程を知って、自分達に見合った速度で、歩くようになるものだけど、私達はそうならなかった……より歩くスピードをあげていったわ」
 たぶん、リーヴェ達が英雄の器だったら、それは正しい選択で、そこから目覚しい活躍を見せるだろうけど、きっと悲しい事に凡人だったのだ。私はなんとなく結末は予想出来てしまう。
「それで、私達はドラゴン討伐の依頼を受ける、ランクとしては受けられる範囲だったけど、今思えば、明らかに、実力を超えた相手だったわ……それで」
 リーヴェの言葉はそこで止まった。その続きは、きっと全滅、リーヴェだけがなんとな生き残った、そういう物だろう。たぶんリーヴェは自分を責めた。自分だけが生き残った事、もっと強ければ全員死だけは免れたかもしれない事。それから、仲間を失った辛さを、仲間を作る事で癒そうとしてるんだ。だからパーティーを組むことに異常に執着している。そしてその先の強さも求めてる。
「そうなんだ」
 気の利いた事が出てこない自分はなんて情けないんだろう、そんな事を思う。
「……ごめんね、迷惑かけて」
 私が口ごもってると、リーヴェがふいにそんな事を言った。
「いや、迷惑なんてそんな事……モンスター討伐はちょっと出来ないけど、こういう依頼とか……いや、友達なら全然なれるよ」
 スローライフに友達は大歓迎だ。楽しいスローライフにできる。
「ありがとう」
 リーヴェがこちらを向いて、笑顔でそう言った。
「でも、なんで、そこまでモンスター討伐を避けるのよ? スローライフとか言ってた気がするけど、たまにならいいじゃない」
 たまにならいい、というのも違う気がするけど。これは私の事を話してしまった方が、いいのかもしれない。リーヴェの過去を聞いたのだから、お返しというわけじゃないけど、自分の話もすれば、モンスター討伐は断りやすい。ただなんて言えばいいのか。
「……えっとね」
 私が口ごもっていると、突然、何かが近づいてくる物音が聞こえた。ガサガサと草むらを進んでくるような物音。リーヴェはすぐさま、自分の剣を抜いて構える。素早い動きだ。
「まぁこういう事もあるわよね、森の中なんだし」
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