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第二章

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「これって、目的の薬草じゃないかしら?」
 草むらの中から、雑草とは違う葉っぱの物を、リーヴェはちぎって取り上げる。
「あっ、これだね、たぶんだけど」
 私は嬉しくなって、思わず笑顔になる。リーヴェも嬉しそうにしていた。お互いそれに気づいて、二人で顔を見合わせて、また笑う。
「ふふふ、ただ薬草見つけただけなのに、こんなに嬉しい物なのね」
「それなりに時間がかかってるからね」
 実は探し始めて結構時間が経過していた。それでやっと一つ見つけたのだから、嬉しいに決まってる。
「そう思うと辛くなるわ……五つ以上だったわよね」
「そうだね」
「同じ時間かかったら、夜になるわ」
「まぁ頑張ろう、最悪、明日に持ち越しで」
「割に合わないわ」
 リーヴェが文句を言いながら、腰につけた簡易の道具袋に薬草をしまうと、捜索を再開する。私はその姿を少し眺める。今ので打ち解けられたかな。私はそう思うと、リーヴェに声をかけていた。
「ねぇ、昔、何かあった?」
「……どうしたのかしら、急に」
 リーヴェはこちらを見ずに、作業を続けたまま、そう言った。
「なんとなく、そう思ったんだよ」
 人への執着が凄い。強さへの強い憧れ。ただの性格かもしれないけど、年寄りの私から見ると、ただの性格には思えない。何かが心に陰を落としている。そんな気がする。それを取り除くのは無理でも、和らげる事くらいはできるかもしれない。
「手、止まってるわよ」
 私は急いで、作業に戻る。さすがに踏み込むのが早すぎたか。私はちょっと反省する。でも、執着具合を見ると、この早さで踏み込んでも問題無さそうと思ったけど。
「……サワって意外に、よく見てるのね」
「え?」
「私を危ないやつと思って、みんな逃げて行くけど、サワは、違ったでしょ」
「あ、うん」
「私もね、いけないなって思ってるのよ、でもなんか止まらなくて……誰かと一緒に居たくて」
 やっぱり、何かを抱えている。陰を落としている何かがある。私もタイプが違うが経験があるから、よくわかる。
 リーヴェが無言になった。手は止めていない。私も手を止めずに、リーヴェの言葉を待った。
「少し前の話になるわ」
「……うん」
「まだ私が駆け出しの冒険者の頃、あるパーティに所属していたの、みんな経験は同じくらいの、四人パーティー、弱小よ」
 私は、手を止めないように努めながら、リーヴェの話に耳を傾ける。リーヴェもこちらを見ずに、手を止めずに話していたから。
「比較的、最初から強い人間が集まったおかげで、順調に、少し早すぎるくらいに、モンスターを討伐していったわ……魔王でも倒せちゃう気がしてたのよね、その時は」
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