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第一章
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「なっ! そんな! 本当はあるでしょ?! ね?! あるって言って!」
リーヴェの鼻息が荒くなる。私の腕に縋りつくようにして、問いかけてくる。私はやんわりとリーヴェを押し放そうとするが、より強く腕に絡みついてきた。なんかちょっと怖くなってきた。
「冒険者になる気ないから」
私ははっきりと伝える。少し心苦しいが仕方ない。私の言葉でリーヴェは涙目になる。
「誰も私とパーティー組んでくれないのよぉ、お願いよぉ、私と一緒に居てぇ、私を捨てないでぇ」
より一層、リーヴェが私の腕に強く絡みついてくる。これはいかん。この人危ない人だ。私の中で昔の自分が浮かんでくる。あれに近い。自分を振った男を殺しちゃうような、危ないタイプに近い気がする。自分で自分の事を危ないやつと評して、少し自嘲な気分になる。
「性格変わってるし! 私はスローライフしたいの! のんびり過ごしたいの!」
私はリーヴェを無理やり引き離す。そして、すぐさま、その場から足早に離れる。早くあの子から離れよう。なんとなく次の行動が読める。あのタイプはこういう状態になると怒りだす気がする。下手すると後ろから刺される。
「捨てないでぇぇぇ、あぁぁぁぁ」
さすがにちょっと心苦しく思い、振り返ってみると、リーヴェは床に座り込んで、こちらに手を伸ばしている。ギルド中の人がヒソヒソと何かをささやき合っている。ふと聞こえた中に「あぁ、リーヴェのいつものか」という言葉が聞こえてきた。よくやっているらしい。とにかく私はギルド中の視線に耐えられなくなり、前を向いて歩き出す。
「こんなの認めないわ……私達はずっと一緒よ」
「ひぃっ」
後ろから、なぜかはっきりと聞こえたリーヴェの声に、私は小さく悲鳴を上げる。振り向いたらダメな気がする。私は前だけを見て、ギルドの出入口を目指す。後ろから、足音が聞こえてきた。きっとリーヴェが追ってきたのだ。
「怖い怖い怖い!」
足音が妙に恐ろしく感じる。私は歩くのをやめて、走り出した。
「私はこんなにサワを想っているのに、どうしてそんな酷い態度するの?」
「ひぃっ」
真後ろにいるかと思うほど、なぜか声が良く聞こえる。というかDVとかする奴が言うセリフじゃん。私刺されるよ。これ刺されるやつだよ。私はなぜかすごく遠く感じたギルドの出入口から出ると、人ごみに紛れながら、暗隠術で自分を周りに認識出来ないようにした。
「ひっ」
ギルドの出入口から出てきたリーヴェと一瞬、目が合う。何で暗隠術使ってるのに、目が合うんだ。
「あれ、いないわ、でもここの辺りにいる気がするんだけど……サーワー、怒らないから出ておいで―」
はっきりと居場所は分からないらしいが、リーヴェはかなり近くまで来ている。私は声が出てしまわないように自分で自分の口を押さえる。
リーヴェの鼻息が荒くなる。私の腕に縋りつくようにして、問いかけてくる。私はやんわりとリーヴェを押し放そうとするが、より強く腕に絡みついてきた。なんかちょっと怖くなってきた。
「冒険者になる気ないから」
私ははっきりと伝える。少し心苦しいが仕方ない。私の言葉でリーヴェは涙目になる。
「誰も私とパーティー組んでくれないのよぉ、お願いよぉ、私と一緒に居てぇ、私を捨てないでぇ」
より一層、リーヴェが私の腕に強く絡みついてくる。これはいかん。この人危ない人だ。私の中で昔の自分が浮かんでくる。あれに近い。自分を振った男を殺しちゃうような、危ないタイプに近い気がする。自分で自分の事を危ないやつと評して、少し自嘲な気分になる。
「性格変わってるし! 私はスローライフしたいの! のんびり過ごしたいの!」
私はリーヴェを無理やり引き離す。そして、すぐさま、その場から足早に離れる。早くあの子から離れよう。なんとなく次の行動が読める。あのタイプはこういう状態になると怒りだす気がする。下手すると後ろから刺される。
「捨てないでぇぇぇ、あぁぁぁぁ」
さすがにちょっと心苦しく思い、振り返ってみると、リーヴェは床に座り込んで、こちらに手を伸ばしている。ギルド中の人がヒソヒソと何かをささやき合っている。ふと聞こえた中に「あぁ、リーヴェのいつものか」という言葉が聞こえてきた。よくやっているらしい。とにかく私はギルド中の視線に耐えられなくなり、前を向いて歩き出す。
「こんなの認めないわ……私達はずっと一緒よ」
「ひぃっ」
後ろから、なぜかはっきりと聞こえたリーヴェの声に、私は小さく悲鳴を上げる。振り向いたらダメな気がする。私は前だけを見て、ギルドの出入口を目指す。後ろから、足音が聞こえてきた。きっとリーヴェが追ってきたのだ。
「怖い怖い怖い!」
足音が妙に恐ろしく感じる。私は歩くのをやめて、走り出した。
「私はこんなにサワを想っているのに、どうしてそんな酷い態度するの?」
「ひぃっ」
真後ろにいるかと思うほど、なぜか声が良く聞こえる。というかDVとかする奴が言うセリフじゃん。私刺されるよ。これ刺されるやつだよ。私はなぜかすごく遠く感じたギルドの出入口から出ると、人ごみに紛れながら、暗隠術で自分を周りに認識出来ないようにした。
「ひっ」
ギルドの出入口から出てきたリーヴェと一瞬、目が合う。何で暗隠術使ってるのに、目が合うんだ。
「あれ、いないわ、でもここの辺りにいる気がするんだけど……サーワー、怒らないから出ておいで―」
はっきりと居場所は分からないらしいが、リーヴェはかなり近くまで来ている。私は声が出てしまわないように自分で自分の口を押さえる。
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