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メイユーとチュウ
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廊下を歩きながら外に目を向ける。すでに陽が沈み真っ暗になっている。さっきまで朝だった気がするが、もうこんな時間になっている。こんなに一日が、あっという間に終わる感覚は初めてだ。必死で仕事をこなしていたのが原因だろう。チュウはこれを涼しい顔でやっていたのだ。元々頭はあがらないが、もっと頭があがらなくなりそうだった。
とりあえず今日一日は乗り切ったが、まだ数日は続けなければいけないと思うと、憂鬱になる。それに復帰したチュウに、またすべての負担がかかってしまってはいけない。これを機に、改善しなければならないだろう。
「はぁ……メイユー様は」
メイユーは自室には居なかった。おそらくチュウの所で看病しているのだろう。仕事をこなす事でいっぱいいっぱいで、看病する侍女がいなかったから、メイユーが側についてくれていて助かった。
「失礼します」
チュウの部屋の前で声をかける。中で椅子が動く音が微かにした。やっぱりメイユーはここにいた。
「メイユー様、今日の報告を」
「えぇ、入って」
「失礼します」
中に入ると、寝台の側の椅子に座ったメイユーがかちらに顔を向けていた。
「静かにね……寝てるから」
その言葉に頷いて扉を静かに閉めると、忍び足でメイユーに近づく。少し大袈裟だったのか、メイユーはクスリと笑ってから視線を戻した。
「今日の仕事は終わりました……なんとか」
「……お疲れ様、大変だったみたいね」
大変だった。そして疲れた。猛烈に。
「今日は皆、自分で何とかしなければと考えていたからましだったと思います……でもいつもはチュウさんについ頼ってしまって、こんなに負担をかけていたなんて」
「ふふ、お母さんにはつい頼ってしまうものよ……あっチュウさんにはお母さんって言ったのは秘密ね」
こちらに顔を向け、イタズラっぽく笑って人差し指を口の前に持ってくる。弱っているチュウを前に、ここぞとばかりにそういう事を言う人なのだ。この人は。
「ちなみにこっちも大変だったわ」
さっきまでの笑みから打って変わって、呆れた顔を浮かべてチュウを眺める。
「外が騒がしくてここまで音が聞こえてきてたのだけど、それを聞いてチュウさんが何度仕事に行こうとした事か、結局私がずっとここで見張る羽目になったわ」
言葉とは裏腹に、その横顔は嫌そうな感じはしていなかった。侍女の為にそこまでしてくれるメイユーは、位が高い人特有の威張る感じがしない。性格が悪いのに慕われるのは、そういう所が好感を持てるからだろう。
とりあえず今日一日は乗り切ったが、まだ数日は続けなければいけないと思うと、憂鬱になる。それに復帰したチュウに、またすべての負担がかかってしまってはいけない。これを機に、改善しなければならないだろう。
「はぁ……メイユー様は」
メイユーは自室には居なかった。おそらくチュウの所で看病しているのだろう。仕事をこなす事でいっぱいいっぱいで、看病する侍女がいなかったから、メイユーが側についてくれていて助かった。
「失礼します」
チュウの部屋の前で声をかける。中で椅子が動く音が微かにした。やっぱりメイユーはここにいた。
「メイユー様、今日の報告を」
「えぇ、入って」
「失礼します」
中に入ると、寝台の側の椅子に座ったメイユーがかちらに顔を向けていた。
「静かにね……寝てるから」
その言葉に頷いて扉を静かに閉めると、忍び足でメイユーに近づく。少し大袈裟だったのか、メイユーはクスリと笑ってから視線を戻した。
「今日の仕事は終わりました……なんとか」
「……お疲れ様、大変だったみたいね」
大変だった。そして疲れた。猛烈に。
「今日は皆、自分で何とかしなければと考えていたからましだったと思います……でもいつもはチュウさんについ頼ってしまって、こんなに負担をかけていたなんて」
「ふふ、お母さんにはつい頼ってしまうものよ……あっチュウさんにはお母さんって言ったのは秘密ね」
こちらに顔を向け、イタズラっぽく笑って人差し指を口の前に持ってくる。弱っているチュウを前に、ここぞとばかりにそういう事を言う人なのだ。この人は。
「ちなみにこっちも大変だったわ」
さっきまでの笑みから打って変わって、呆れた顔を浮かべてチュウを眺める。
「外が騒がしくてここまで音が聞こえてきてたのだけど、それを聞いてチュウさんが何度仕事に行こうとした事か、結局私がずっとここで見張る羽目になったわ」
言葉とは裏腹に、その横顔は嫌そうな感じはしていなかった。侍女の為にそこまでしてくれるメイユーは、位が高い人特有の威張る感じがしない。性格が悪いのに慕われるのは、そういう所が好感を持てるからだろう。
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