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後宮案内と宦官の思い
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メイユーを叩き起こして、もといお目覚め頂き、寝間着をはぎ取って、もとい身支度していただいた。そんな大仕事から始まり、メイユーのお世話から、日常的な掃除、その他いろいろな業務をこなしていく。というか後宮に住まう人は、食事するだけで一大事である。毒身役なんてあるくらいだから、仕方がない事かもしれないが。
「……ふぅ」
「疲れましたか?」
昼食を終えてその片づけを終えた辺りで、無自覚にため息をついてしまっていた。それをチュウに問われて初めて気づいた。廊下を歩きながら、前を歩くチュウに向かって声をあげる。
「あっ、申し訳ありません」
チュウはこちらを振り返る事も、せずに返してきた。
「いえ、見るだけと言っておいて、手伝ってもらったのですから謝る必要はありません」
なんとなく、見ているだけでは申し訳なくなって手を出したのだ。食事の後片付け。それぐらいなら、教わるまでもない。
「まだまだ中盤ですから、これぐらいで音を上げている場合ではありませんよ」
立ち止まって振り返ったチュウがそう笑顔を浮かべた。少し圧が強い笑み。頑張るしかない。とりあえず気合を入れ直す。
「……あれ、カイレン様が来た気がします」
足音が聞こえた。たぶんカイレンの足音だと思う。まだ数回しか聞いていないから、自信はないけど。廊下の先の方から聞こえる。チュウが歩みを再開させて、私はそれに続いた。
「カイレン様が? 仕事が少し増えますね」
チュウの言葉にハッとする。確かに何もしない訳にいかない。メイユーの客人という事になるから、もてなしをしなければいけないのだ。余計な仕事を増やしやがって。そんな事を考えているうちに足音が近づいてくる。このまま行けば正面にカイレンが姿を現す形になる。
「……邪魔をしている」
予想通りカイレンは正面に現れた。嫌な顔をしない様に気を付ける。
「メイユー様にご用ですか? 今呼びに行きますから、どうぞ客室の方に」
「いや……その必要はない、新人の教育中だろう? 私の事は気にせず続けてくれ」
チュウの案内を断ると、訳の分からない事をのたまうカイレン。おもてなしする必要が無いのはありがたいが、言葉からしてついて来る気だろうか。
「そう……ですか、では行きましょうか、シャオグー」
「はい」
二人で不思議に思いながら、カイレンの脇をすり抜けて歩みを再開させる。それに対してやっぱりカイレンはついて来るようだった。私達に用があったというより、私達を見に来たという感じだ。
「……ふぅ」
「疲れましたか?」
昼食を終えてその片づけを終えた辺りで、無自覚にため息をついてしまっていた。それをチュウに問われて初めて気づいた。廊下を歩きながら、前を歩くチュウに向かって声をあげる。
「あっ、申し訳ありません」
チュウはこちらを振り返る事も、せずに返してきた。
「いえ、見るだけと言っておいて、手伝ってもらったのですから謝る必要はありません」
なんとなく、見ているだけでは申し訳なくなって手を出したのだ。食事の後片付け。それぐらいなら、教わるまでもない。
「まだまだ中盤ですから、これぐらいで音を上げている場合ではありませんよ」
立ち止まって振り返ったチュウがそう笑顔を浮かべた。少し圧が強い笑み。頑張るしかない。とりあえず気合を入れ直す。
「……あれ、カイレン様が来た気がします」
足音が聞こえた。たぶんカイレンの足音だと思う。まだ数回しか聞いていないから、自信はないけど。廊下の先の方から聞こえる。チュウが歩みを再開させて、私はそれに続いた。
「カイレン様が? 仕事が少し増えますね」
チュウの言葉にハッとする。確かに何もしない訳にいかない。メイユーの客人という事になるから、もてなしをしなければいけないのだ。余計な仕事を増やしやがって。そんな事を考えているうちに足音が近づいてくる。このまま行けば正面にカイレンが姿を現す形になる。
「……邪魔をしている」
予想通りカイレンは正面に現れた。嫌な顔をしない様に気を付ける。
「メイユー様にご用ですか? 今呼びに行きますから、どうぞ客室の方に」
「いや……その必要はない、新人の教育中だろう? 私の事は気にせず続けてくれ」
チュウの案内を断ると、訳の分からない事をのたまうカイレン。おもてなしする必要が無いのはありがたいが、言葉からしてついて来る気だろうか。
「そう……ですか、では行きましょうか、シャオグー」
「はい」
二人で不思議に思いながら、カイレンの脇をすり抜けて歩みを再開させる。それに対してやっぱりカイレンはついて来るようだった。私達に用があったというより、私達を見に来たという感じだ。
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