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第二章

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「もぉ」
 私は体の熱を排気する様にため息をつく。そういう雰囲気にして勢いでいってやろうと思っていたのに。改めて、少女を見る。髪の色はモスグリーンで瞳も同じ色。あまり見かけない珍しい髪色だった。それ故に高い値段で売られてしまったかもしれない。
「私はセフィア、あなた、名前は?」
「グリネア」
「わかったわ……グリネアは今日から私の国の国民よ、異論は認めないわ、決定事項だから」
 どうするか聞いたりすれば、いらない子とか、グダグダ言いそうな気がして、私は無理やり決めてしまう。今はそれでもいいと思った。これから、自分の価値をしっかり認識していけばいい。
「ところで……国って、本気?」
「えぇ、本気よ、土地はもうあるのよ、ポイズンタイガーがいた土地、わかる?」
 グリネアがハッとした表情を浮かべる。
「でも、毒にまみれて、人が住めるような場所じゃあ」
 私は少し得意になって、これまでの話を簡単に話してやる。ポイズンタイガーと友達になった事、毒は浄化できるけど、土が死んでしまっている事。
「今回ここに来たのは、オオミミズを仲間にして、土を再生してもらう為よ」
「……スゴイ」
 グリネアは素直に感動しているようで、目をキラキラとさせて私を見つめる。
「まだまだ、問題は山積みですが」
 水を差すような言葉を吐くマークに、私は視線を鋭くして、送る。問題なんて解決すればいい。今回のように。
「そういえば、ゴタゴタしてたせいで、オオミミズ達と話できてないわね」
 マークのケガにアルクが踏み込んできたのもあって、かなり込み入っていた。そのまま街へ戻ってきてしまったせいで、何の話も出来ていない。
「オオミミズ達もどうすればいいか、迷っちゃうわよね」
「そうですね……毒の浄化の進み具合にもよりますが」
 マークがあごに手を当てて、考えるしぐさをする。
「イズに聞いてみるわ」
 私の言葉にマークが頷く。私はイズに声をかけた。
(イズ、聞こえる?)
(……あぁ、大丈夫か?)
 心配する様な声でイズが聞いてきた。感情が振れたせいで、少しイズの方に伝わったかもしれない。
(大丈夫よ、ありがとう)
(ならいい、毒の浄化の件だな?)
(そうそう、あんまり時間は経ってないけど、どう?)
(とりあえずの場所は確保できたといえる、まだ、隠し道は作ってないが……明日の昼くらいまでにはできる)
(スゴイわ! さすがイズ、戻ったら褒めてあげる)
(……そうか、作業を再開する、また何かあれば連絡をしてくれ)
(うん……本当にありがとう)
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