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第二章
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「起こしましたが? 何度も」
急に怒気を多分に含む声を、シルクが出して、私は「ごめんなさい」と小さく謝る。今まで、あまり気にした事なかったけど、自分の寝起きがこんなに悪いとは、知らなかった。今まで、朝の記憶があまりなかったのは、その為なんだろうか。
「私が代わりに聞いておきました、どこかで、お話しなければとは思っていましたが、しましょうか」
「そうだね、お願いします」
私が、朝起きなかったせいもあるので、ちょっと丁寧な口調で、お願いする。
「はい、まずはこの作戦の工程です」
そういえばさっき、攻撃のタイミングがとか、言ってた気がする。どういう事だろうか。
「予定は三日です」
「昨日、それぐらいじゃないかって、言ってたね」
「はい、影の魔物の事を抜きにして、目的地まで行くと、やはり往復二日なので」
「ふむふむ、一日猶予を持たせたんだね」
「猶予というより、攻撃のタイミングの話になってきます」
気になっていた、攻撃のタイミングというワード。どういう事だろうか。シルクが続ける。
「廃村まで城から行くと、日が沈む頃に着く事になります、つまり、夜に戦いを挑む羽目になります」
夜は視界も悪いし、制限がいろいろかかる。しかも明かりは松明とか、そんな物だけだろう。できれば避けたいと私も思う。
「影の魔物に暗い中で挑むのは、自殺行為です」
「……そうなんだ」
「夜は影の魔物の時間です」
影の名前がつくだけあって、やはり夜は、影の魔物に味方するらしい。少し重苦しい声のトーンで、シルクが続けた。
「なので、廃村の少し手前で夜営して、朝に攻撃をします」
「それで、遅れてしまったら、攻撃のタイミングが遅くなるんだね」
遅くなりすぎてしまえば、攻撃のタイミングが遅くなる。遅れ具合によっては、もう一度、夜営をする事になるだろう。でも、聞いてる限り。
「夜営の回数減らしたいね」
「はい、夜にこの人数で夜営をするのは、正直、危険すぎます」
危険という言葉が、重くのしかかる。安心して眠る事も、難しいかもしれないという事。
「やっと、事の重大さが判ってきましたか」
シルクが私にそんな事を言う。深刻な表情を私はしていたらしい。
「わかってきたよ」
私は気分を変えるために、サンドイッチを頬張る。
「うまっ、これは美味い、これほどとは」
あまりの美味さに私はパクパクと食を進めた。
「深刻な顔をしていたと思ったら」
シルクが呆れるように片手で頭を抱える。
「ご飯は楽しく食べないと」
まぁ、何とかなるでしょ。すでに私の中では、そんな風に片付けられていた。
「ちなみに、次からの食事は保存の効く物なので、こういう物は今回限りですよ」
「なんと!」
冷蔵できるような装備はないから、そうなってしまうのか。私はサンドイッチを、しっかり味わう事にした。
「話を戻します」
急に怒気を多分に含む声を、シルクが出して、私は「ごめんなさい」と小さく謝る。今まで、あまり気にした事なかったけど、自分の寝起きがこんなに悪いとは、知らなかった。今まで、朝の記憶があまりなかったのは、その為なんだろうか。
「私が代わりに聞いておきました、どこかで、お話しなければとは思っていましたが、しましょうか」
「そうだね、お願いします」
私が、朝起きなかったせいもあるので、ちょっと丁寧な口調で、お願いする。
「はい、まずはこの作戦の工程です」
そういえばさっき、攻撃のタイミングがとか、言ってた気がする。どういう事だろうか。
「予定は三日です」
「昨日、それぐらいじゃないかって、言ってたね」
「はい、影の魔物の事を抜きにして、目的地まで行くと、やはり往復二日なので」
「ふむふむ、一日猶予を持たせたんだね」
「猶予というより、攻撃のタイミングの話になってきます」
気になっていた、攻撃のタイミングというワード。どういう事だろうか。シルクが続ける。
「廃村まで城から行くと、日が沈む頃に着く事になります、つまり、夜に戦いを挑む羽目になります」
夜は視界も悪いし、制限がいろいろかかる。しかも明かりは松明とか、そんな物だけだろう。できれば避けたいと私も思う。
「影の魔物に暗い中で挑むのは、自殺行為です」
「……そうなんだ」
「夜は影の魔物の時間です」
影の名前がつくだけあって、やはり夜は、影の魔物に味方するらしい。少し重苦しい声のトーンで、シルクが続けた。
「なので、廃村の少し手前で夜営して、朝に攻撃をします」
「それで、遅れてしまったら、攻撃のタイミングが遅くなるんだね」
遅くなりすぎてしまえば、攻撃のタイミングが遅くなる。遅れ具合によっては、もう一度、夜営をする事になるだろう。でも、聞いてる限り。
「夜営の回数減らしたいね」
「はい、夜にこの人数で夜営をするのは、正直、危険すぎます」
危険という言葉が、重くのしかかる。安心して眠る事も、難しいかもしれないという事。
「やっと、事の重大さが判ってきましたか」
シルクが私にそんな事を言う。深刻な表情を私はしていたらしい。
「わかってきたよ」
私は気分を変えるために、サンドイッチを頬張る。
「うまっ、これは美味い、これほどとは」
あまりの美味さに私はパクパクと食を進めた。
「深刻な顔をしていたと思ったら」
シルクが呆れるように片手で頭を抱える。
「ご飯は楽しく食べないと」
まぁ、何とかなるでしょ。すでに私の中では、そんな風に片付けられていた。
「ちなみに、次からの食事は保存の効く物なので、こういう物は今回限りですよ」
「なんと!」
冷蔵できるような装備はないから、そうなってしまうのか。私はサンドイッチを、しっかり味わう事にした。
「話を戻します」
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