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交わる
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わざとゆっくりと腰を動かした。その動きに合わせて、和馬の体が波を打つ。
「はっ……あっ……」
夕日の光がリビングへと差し込む中、一糸纏わぬ姿になって体を重ね合う。リビングの大きな窓に両手を付いて尻を突き上げる和馬の姿を後ろから眺めながら、煌生は一定の早さで抽送を維持した。
和馬の向こうには、あの見飽きた山々の風景が広がっていた。時々、傷だらけの和馬の背中に触れてゆっくりと撫でた。
『窓に手ぇ付いて』
『……嫌や』
『見られへんて。ここ、何階やと思うてんねん』
『……なんでこんなんしたいん?』
『……俺が興奮するから』
執拗な愛撫を和馬にした後、そんなやり取りをして和馬が渋々この体勢に入ったのはほんの5分ぐらい前のことだった。まるで陳腐なAVの演出のようだったが、これがなかなか興奮するのだ。明るい部屋で、素っ裸になって、開けた外の世界に丸見えで交わる(見られてはいないと思うが)。まるで本能だけで交尾する動物みたいに。
「あっ……もうっ……あかん……」
「なんで? 気持ちええやろ?」
「んっ……そうやけど……もっと……突いて……」
「え? なんて?」
「もっと……早く……突いて」
その艶のある声に、煌生の興奮は一気に高まり、力任せに腰を突き上げた。
「んあっ……あっ、あっ、あっ」
繋がった部分が擦れ合う音が部屋に響く。奥に突き上げる度に、和馬が擦れた声を上げる。途中からは煌生も何も考えられなくなった。和馬の尻を両手で揉みしだいて、更に奥へと届くように激しく突いた。その動きに合わせて抽送を早めていく。
一瞬、頭の中が真っ白になった、と思った時、煌生の欲が勢いよく和馬の中に吐き出された。和馬の両脚が微かに震えていた。数秒そのままの姿勢で制止した後、ゆっくりと繋がりを絶つ。和馬の孔から白濁の液がとろりと零れた。
「シャワー、行こ」
そう言って、和馬の手を取った。そのまま浴室へと向かう。広めの浴槽に入って、シャワーのお湯を出すと、和馬の体を丁寧に洗ってやった。洗い終えると、和馬が煌生の体を洗い出した。
優しい手つきで泡のついたスポンジを体に這わされる内に、また煌生の中の興奮が戻ってきた。顎を掴んで唇を合わせて、和馬の体をまさぐった。
「んっ……はぁ……」
和馬が喘ぎ始める。その声で煌生の動きは止まらなくなり、そのまま和馬の自身を乱暴に掴むと、扱いた。
「ちょ……からだ……洗われ……へんやん……んっ……」
唇の隙間から必死で訴える和馬が可愛くて、更に力を入れて扱く。
「んっ、んっ、あっ……もっ……」
空いている方の手で和馬の手を取ると、自分の自身へと導いた。和馬が、それに応えて煌生の自身を優しく掴むと前後へと動かし始める。
シャワーの中、舌を激しく絡ませ合いながらお互いの自身を扱いた。くぐもった声で和馬が声を上げる度に、煌生の呼吸も上がっていく。
「んんっ……あっ……あかん……もう……」
苦しげに目を閉じていた和馬が薄らと目を開けた。そっと唇を離して、水分の多い瞳で煌生を見つめる。
「コウ……」
そう口にした瞬間。
「んっ」
「はっ……」
同時に果てた。お互い息を切らして、見つめ合う。煌生はおもむろに和馬を引き寄せると強く抱き締め、耳元で囁いた。
「やっと……呼んでくれたな」
再会して初めて、和馬が煌生の愛称を呼んだ瞬間だった。
「はっ……あっ……」
夕日の光がリビングへと差し込む中、一糸纏わぬ姿になって体を重ね合う。リビングの大きな窓に両手を付いて尻を突き上げる和馬の姿を後ろから眺めながら、煌生は一定の早さで抽送を維持した。
和馬の向こうには、あの見飽きた山々の風景が広がっていた。時々、傷だらけの和馬の背中に触れてゆっくりと撫でた。
『窓に手ぇ付いて』
『……嫌や』
『見られへんて。ここ、何階やと思うてんねん』
『……なんでこんなんしたいん?』
『……俺が興奮するから』
執拗な愛撫を和馬にした後、そんなやり取りをして和馬が渋々この体勢に入ったのはほんの5分ぐらい前のことだった。まるで陳腐なAVの演出のようだったが、これがなかなか興奮するのだ。明るい部屋で、素っ裸になって、開けた外の世界に丸見えで交わる(見られてはいないと思うが)。まるで本能だけで交尾する動物みたいに。
「あっ……もうっ……あかん……」
「なんで? 気持ちええやろ?」
「んっ……そうやけど……もっと……突いて……」
「え? なんて?」
「もっと……早く……突いて」
その艶のある声に、煌生の興奮は一気に高まり、力任せに腰を突き上げた。
「んあっ……あっ、あっ、あっ」
繋がった部分が擦れ合う音が部屋に響く。奥に突き上げる度に、和馬が擦れた声を上げる。途中からは煌生も何も考えられなくなった。和馬の尻を両手で揉みしだいて、更に奥へと届くように激しく突いた。その動きに合わせて抽送を早めていく。
一瞬、頭の中が真っ白になった、と思った時、煌生の欲が勢いよく和馬の中に吐き出された。和馬の両脚が微かに震えていた。数秒そのままの姿勢で制止した後、ゆっくりと繋がりを絶つ。和馬の孔から白濁の液がとろりと零れた。
「シャワー、行こ」
そう言って、和馬の手を取った。そのまま浴室へと向かう。広めの浴槽に入って、シャワーのお湯を出すと、和馬の体を丁寧に洗ってやった。洗い終えると、和馬が煌生の体を洗い出した。
優しい手つきで泡のついたスポンジを体に這わされる内に、また煌生の中の興奮が戻ってきた。顎を掴んで唇を合わせて、和馬の体をまさぐった。
「んっ……はぁ……」
和馬が喘ぎ始める。その声で煌生の動きは止まらなくなり、そのまま和馬の自身を乱暴に掴むと、扱いた。
「ちょ……からだ……洗われ……へんやん……んっ……」
唇の隙間から必死で訴える和馬が可愛くて、更に力を入れて扱く。
「んっ、んっ、あっ……もっ……」
空いている方の手で和馬の手を取ると、自分の自身へと導いた。和馬が、それに応えて煌生の自身を優しく掴むと前後へと動かし始める。
シャワーの中、舌を激しく絡ませ合いながらお互いの自身を扱いた。くぐもった声で和馬が声を上げる度に、煌生の呼吸も上がっていく。
「んんっ……あっ……あかん……もう……」
苦しげに目を閉じていた和馬が薄らと目を開けた。そっと唇を離して、水分の多い瞳で煌生を見つめる。
「コウ……」
そう口にした瞬間。
「んっ」
「はっ……」
同時に果てた。お互い息を切らして、見つめ合う。煌生はおもむろに和馬を引き寄せると強く抱き締め、耳元で囁いた。
「やっと……呼んでくれたな」
再会して初めて、和馬が煌生の愛称を呼んだ瞬間だった。
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