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第一話
金縛りとお触り
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安い物を求めて何件も店をはしごしたため、全てを揃えてアパートに戻ったのは夕方近くだった。今夜は簡単にインスタントラーメンで夕飯を済ませる。
テレビまでも前住人が置いていってくれたので、初日から快適に過ごすことができた。まだほとんど私物がない部屋で、風呂に入ってさっぱりした気分でベッドに寝転がってお笑い番組を見る。家族がいない静かな生活は少し違和感があったし寂しくもあったが、先ほど電話をして声を聞いたせいか、そんな気持ちは薄らいでいった。
昼間歩き回った疲れが出たのか、ベッドに横になっていたら急激に眠気が襲ってきた。もうすぐ意識が飛びそうだな、と思ったその時。
あ。
突然、体が動かなくなった。しかし、圭介には慣れっこな現象なので気持ちは落ち着いている。
金縛り久しぶりだな。
そんな風にぼんやりと考えながら、目を瞑ったまま金縛りが解けるのを待った。しかし、一向に解ける気配がなかった。なんか、いつもより長いな、そう思っていると。
は?
誰かが自分の体に触れる感覚がした。前にも体に触ってくる奴らはいたが、大抵は首を絞められたり、手首や足首をぐっと掴まれたり、幽霊らしい恐ろしげな触り方をしてきたが。
なんか……。エロくないか?触り方が。
パジャマ代わりに着た短パンから出た太もも辺りをさわさわと撫で回す手を感じた。手の大きさからすると男のようだが。そんなことを思っていると、その手が短パンをスキップして上に上がってきた。Tシャツの裾からその手が侵入してくる。腹筋と脇腹辺りをまたしてもいやらしくさわさわと撫でた。
その触り方に圭介の体が思わずびくりと反応する。すると、その手はそれで燃えたのかなんなのか、今度は少し激しく撫で回してきた。
おいおいおいおい。
声を出したいのだが、出せない。これもいつものことだった。目を開けてもいいのだが、金縛り中に目を開けると大抵どなたかがいらっしゃるし、金縛りにさせてまで圭介に訴えてくる方々は見た目が美しくない場合も多いので滅多なことでは目を開けないようにしているのだが。
ちょっ、なになに??
その手が、腹筋からゆっくりと上に上がってきて、圭介の胸をまさぐり始めた。もう1本(あるらしい)の手もTシャツに滑り込んできて両手で胸の辺りを触り始めた。
仰向けになった圭介の上に誰かが乗っているのが分かる。まさぐりながら、両手の冷たい指先で圭介の両乳首をそっと触ってきた。
くすぐったいようななんとも言えない変な感触がする。男が乳首なんて触られても何にも感じないと思っていたが。その感触は、正直、不快な感じではなかった。
男の幽霊のくせに。こんな平べったい男の胸の乳首を弄り倒して何が楽しいのだろう。そうは思ったが、苦痛を与えられているわけでもなかったので、気の済むまでやらせようと放っておいた。
テレビまでも前住人が置いていってくれたので、初日から快適に過ごすことができた。まだほとんど私物がない部屋で、風呂に入ってさっぱりした気分でベッドに寝転がってお笑い番組を見る。家族がいない静かな生活は少し違和感があったし寂しくもあったが、先ほど電話をして声を聞いたせいか、そんな気持ちは薄らいでいった。
昼間歩き回った疲れが出たのか、ベッドに横になっていたら急激に眠気が襲ってきた。もうすぐ意識が飛びそうだな、と思ったその時。
あ。
突然、体が動かなくなった。しかし、圭介には慣れっこな現象なので気持ちは落ち着いている。
金縛り久しぶりだな。
そんな風にぼんやりと考えながら、目を瞑ったまま金縛りが解けるのを待った。しかし、一向に解ける気配がなかった。なんか、いつもより長いな、そう思っていると。
は?
誰かが自分の体に触れる感覚がした。前にも体に触ってくる奴らはいたが、大抵は首を絞められたり、手首や足首をぐっと掴まれたり、幽霊らしい恐ろしげな触り方をしてきたが。
なんか……。エロくないか?触り方が。
パジャマ代わりに着た短パンから出た太もも辺りをさわさわと撫で回す手を感じた。手の大きさからすると男のようだが。そんなことを思っていると、その手が短パンをスキップして上に上がってきた。Tシャツの裾からその手が侵入してくる。腹筋と脇腹辺りをまたしてもいやらしくさわさわと撫でた。
その触り方に圭介の体が思わずびくりと反応する。すると、その手はそれで燃えたのかなんなのか、今度は少し激しく撫で回してきた。
おいおいおいおい。
声を出したいのだが、出せない。これもいつものことだった。目を開けてもいいのだが、金縛り中に目を開けると大抵どなたかがいらっしゃるし、金縛りにさせてまで圭介に訴えてくる方々は見た目が美しくない場合も多いので滅多なことでは目を開けないようにしているのだが。
ちょっ、なになに??
その手が、腹筋からゆっくりと上に上がってきて、圭介の胸をまさぐり始めた。もう1本(あるらしい)の手もTシャツに滑り込んできて両手で胸の辺りを触り始めた。
仰向けになった圭介の上に誰かが乗っているのが分かる。まさぐりながら、両手の冷たい指先で圭介の両乳首をそっと触ってきた。
くすぐったいようななんとも言えない変な感触がする。男が乳首なんて触られても何にも感じないと思っていたが。その感触は、正直、不快な感じではなかった。
男の幽霊のくせに。こんな平べったい男の胸の乳首を弄り倒して何が楽しいのだろう。そうは思ったが、苦痛を与えられているわけでもなかったので、気の済むまでやらせようと放っておいた。
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