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No matter what ⑦

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 すき焼きを死ぬほど食べた腹一杯の状態で、尚人と夕食の片付けをする。明日休みの涼は食べるだけ食べて、一夜の情事を探すべくクラブへさっさと出かけていった。

「さすがに余ったな、すき焼き」
「そうだね。かなりの量だったから。明日すき焼き丼にでもする?」
「する」
「そしたら、テーブルのすき焼き鍋持ってきてくれる? 器に移して冷蔵庫入れとくから」
「うん」

 尚人に言われて、ダイニングテーブルへといき、すき焼きの鍋を掴む。と、そのタイミングでテーブルの上に置いてあった尚人の携帯が反応した。どうやらラインが来たらしい。見るつもりはなかったが。ぴょこん、と画面にメッセージの一部が上がってきたので、思わず目に留まった。

『おはよ♥♥』

「…………」

 それは、有栖からのラインだった。いや、別に。有栖のキャラクターならば、ハートが付いていても違和感はないのかもしれない。しかし、たった一言「おはよ」って。普通の友達に朝一(向こうは時差の関係で早朝)で送るだろうか。いや、送るか。

 うだうだとすき焼き鍋を持ったまま考えていると、またピコンとラインの通知音が鳴り、反射的に画面を見る。

『久間くんの夢見たよ♥ 夢の中でも格好良かった~♥♥♥』

「…………」

 2人ともいい大人だし、自分が何か迷惑こうむることもないので、聞かずにそっとしておこうかと思っていたが。ここらではっきりしてくれた方が、逆にあれこれ詮索せずに済むし、気を遣うこともないかもしれない。

「晃良くん? どうしたの? 鍋は?」

 背後から声がして、わわわと驚く。尚人がいつの間にかキッチンから戻ってきていた。振り向くと不思議そうな顔をしてこちらを見ていた。

「なかなか戻ってこないから。鍋持ってどうしたの?」
「いや、ごめん。ちょっと、考え事してた」
「考え事?」
「ん……なあ、尚人」
「え?」
「前から聞こうと思ってたんだけど……」
「うん、なに?」
「あのな、お前とジュンって……」

 どういう関係なの? という言葉は突然鳴り出した尚人の携帯の呼び出し音によって遮られた。
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