66 / 239
Going out with you ⑪
しおりを挟む
「で、アキちゃん、何が知りたいの?」
「は?」
「だって、知りたいんだよね? 俺のこと」
なんだ、ちゃんと聞いてたのか。
そう思いながら、晃良はさてどこから始めようかと考える。
「別にこれっていうのがあるわけじゃないけど。施設のときのことは俺が思い出すまで詳しくは教えてくれないだろうから、どっちかって言うと、離れた後のことが知りたい」
「離れた後のこと?」
「そう。お前がアメリカに渡ってからのこと。俺、まだなんにも知らないし、お前のこと。どういう生活をしてて、どういう風に今のこの変態ストーカー黒埼までなったのか」
「………変態ストーカーになったのは生活関係ないし。ていうか、なんで俺も認めてんの、変態ストーカーって」
「でも、周りに凄ぇヤバい変態野郎がいて、影響受けたかもしれねぇじゃん」
「違う。アキちゃんが好き過ぎて、我慢し過ぎた結果だから。どこにいたってこうなった」
「なるほどな……。変態に国柄は関係ないんだな」
「……アキちゃん、そんなことが聞きたかったわけ?」
呆れた顔で黒埼が晃良を見たタイミングで、料理が運ばれてきた。テーブルに置かれたところで、晃良は再び口を開いた。
「そしたら、質問してくから答えてくれる? その方が簡単だろ?」
「いいけど……」
「そしたら……年齢」
「29……ってそれも知らなかったの? アキちゃんと同学年だって」
「警護で見たお前の資料、ほとんど真っ白だったぞ」
「そうだった?」
ここでふと、涼が挙げていた兄弟説は消えたな、と思う。まあ、最初からありえない説だったが。
「じゃあ、次。住所」
「……それ要る?」
「いや、アメリカ広いしさ。せめて州ぐらい教えろよ」
「メリーランド州だけど……」
「メリー? ってどこだったっけ? なんか羊みたいだな」
「……言うと思った。東部の方。ワシントンDCの隣」
「ああ……なんとなくわかった。で、研究してんだよな? 今は」
「まあ……」
「何の?」
「……それ、どっちの聞いてんの?」
「裏のも教えてくれんの?」
「教えたらダメだって言われてるからダメだけど……知りたい?」
「知りたい」
もし、黒埼が本当に国家の秘密兵器に携わる研究をしているのなら、どんなものなのか興味はある。もの凄く強力な化学兵器だったら、それこそ世界の情勢が変わるきっかけになるかもしれないのだから。
「は?」
「だって、知りたいんだよね? 俺のこと」
なんだ、ちゃんと聞いてたのか。
そう思いながら、晃良はさてどこから始めようかと考える。
「別にこれっていうのがあるわけじゃないけど。施設のときのことは俺が思い出すまで詳しくは教えてくれないだろうから、どっちかって言うと、離れた後のことが知りたい」
「離れた後のこと?」
「そう。お前がアメリカに渡ってからのこと。俺、まだなんにも知らないし、お前のこと。どういう生活をしてて、どういう風に今のこの変態ストーカー黒埼までなったのか」
「………変態ストーカーになったのは生活関係ないし。ていうか、なんで俺も認めてんの、変態ストーカーって」
「でも、周りに凄ぇヤバい変態野郎がいて、影響受けたかもしれねぇじゃん」
「違う。アキちゃんが好き過ぎて、我慢し過ぎた結果だから。どこにいたってこうなった」
「なるほどな……。変態に国柄は関係ないんだな」
「……アキちゃん、そんなことが聞きたかったわけ?」
呆れた顔で黒埼が晃良を見たタイミングで、料理が運ばれてきた。テーブルに置かれたところで、晃良は再び口を開いた。
「そしたら、質問してくから答えてくれる? その方が簡単だろ?」
「いいけど……」
「そしたら……年齢」
「29……ってそれも知らなかったの? アキちゃんと同学年だって」
「警護で見たお前の資料、ほとんど真っ白だったぞ」
「そうだった?」
ここでふと、涼が挙げていた兄弟説は消えたな、と思う。まあ、最初からありえない説だったが。
「じゃあ、次。住所」
「……それ要る?」
「いや、アメリカ広いしさ。せめて州ぐらい教えろよ」
「メリーランド州だけど……」
「メリー? ってどこだったっけ? なんか羊みたいだな」
「……言うと思った。東部の方。ワシントンDCの隣」
「ああ……なんとなくわかった。で、研究してんだよな? 今は」
「まあ……」
「何の?」
「……それ、どっちの聞いてんの?」
「裏のも教えてくれんの?」
「教えたらダメだって言われてるからダメだけど……知りたい?」
「知りたい」
もし、黒埼が本当に国家の秘密兵器に携わる研究をしているのなら、どんなものなのか興味はある。もの凄く強力な化学兵器だったら、それこそ世界の情勢が変わるきっかけになるかもしれないのだから。
5
お気に入りに追加
96
あなたにおすすめの小説

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。



【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる