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29.物置倉庫、落ちた天才
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●●●
しきりに大粒の雨が地を叩きつける音が辺りを支配する、ひどく寒い日。薄暗く、茜色の光が差し込むせまく埃っぽい場所で意識が覚醒した。
「いたい……」
ぼんやりと思考にもやがかかったまま体を起こそうとお腹に力を入れて、全身がじくじくと鈍い痛みを訴えてきた。その痛みにようやく目を覚す。
僅かに濡れる視界でゆっくりと時間をかけて上体を起こした。凍えてしまうほど寒いのに、体の内側には熱がこもって冷や汗ばかりが頬や背筋に伝っていく。
室内に差し込んでいた燃えるような茜色はいつの間にか、暗闇で踊るろうそくのように小さな気休めの光へと変わっていた。もう、空は夕暮れを呑み込み夜へと姿を変えようとしているらしい。
視線を左右に彷徨わせて、冷たいコンクリートの床を指でなぞる。砂と、ガラス、剥げた塗装に覆われた床。僕の家のお手洗いよりせまい一室には何も置かれておらず、ただただ薄暗い。昔、商店街のあった通りにある空き店舗だろうけど、それを知らせるはずのシャッターも閉まり切っていない。
放課後の訪れを知らせるチャイムを聞き、帰りの挨拶をして。ランドセルとトートバックを持てばいつも通り三年生の教室を後にして稽古へ向かった。
順調に新しい劇の練習が終わり、天気予報が外れたらしく土砂降りの雨の中、折り畳み傘を差しながら帰っていると、同じ劇団の四年生に声をかけられた。振り返って、彼が何人かの中学生か高校生か、学生として相応しくない装いの男たちを引き連れているのを見て咄嗟に走り出そうとした。
けれど、その内の一人に首根っこを掴まれて、傘は落ち、ずぶ濡れになりながら引きずられるようにシャッターが半開きになったこの場所へ押し込まれて。
「っ、あ……」
指先に触れたガラスの破片と、その横に転がったシャツのボタン。よく見れば千切れた黒髪がいくらか服に、床に散らばっている。ただ寒くて、自分の存在を確かめたくて、震える手で抱きしめるように両腕を掴み、身を縮めた。
腹部や足、腕、全身に残った青痣を隠すようにぼろぼろになった濡れた制服を着込んで、砂を払い、じくりと痛んだ首の後ろに眉をひそめる。
ここは、なんだっけ。引っ掻かれたのか、噛まれたのか、傷の種類を思い返して。ふと、たばこの匂いが鼻についた。
「……中高生でたばことか、信じられない」
劇団で僕ばかりが良い役をもらうからと恨み言を溢しながら刻まれていく傷と、それに便乗して愉快そうに増やされる傷に、これもあった。
髪が長ければ、隠せたかもしれないけど。おそらく、二度押し付けられた熱を思い出して体が勝手に震え出す。
「もう、いいや。はやく、帰らないと」
気を抜けばかくりと折れて床にへたり込んでしまいそうな足に力を入れて、遠くに転がった荷物を手繰り寄せる。
四つん這いでシャッターをくぐると、少しでも濡れないようにと体の前で抱えた学校指定のランドセルも、劇団の練習で使うタオルやサポーターを入れた鞄も、白い靴も全てびっしょりと濡らしながら帰路についた。
いつもは二十分ほどの帰り道をおそらく一時間ほどかけて帰ると、家の前に立つ頃にはすっかり空も雲も、闇に塗られていた。
門を開け、庭を通り抜ける。数段の階段を登り、感覚の抜け落ちた指先でインターホンを鳴らした。
家の鍵は持っているけど、勝手に入ると「どうして帰ってきたって教えてくれなかったの」って、お母さんが癇癪を起こしてしまうから。
立ち尽くして、お母さんが扉を開けてくれることを待っていると制服をどれほど汚してしまったかが目に留まった。
お母さんに、怒られるだろうな。でも、もしかしたら今日くらい心配して温かいタオルで包んで、抱き寄せてくれるかもしれない。だって、先週は新しい劇で主役を務めることが決まって喜んでくれた。一昨日だって、いつも通りテストで満点を取れば穏やかな笑顔を浮かべてくれた。
だから——。
「絆⁈ もう、こんな遅くまで何して……」
良かった、今日は遅くなったけど怒ってないときの足音だった。心配そうに垂れた眉を見て、お母さんが僕を見てくれていることに嬉しくなった。少し、目頭が熱くなる。
「お、かあさん……、ただいま、帰りました。僕、あの。制服、汚してごめんなさ——」
「嫌ぁ! どうしてそんな汚らわしい姿で帰ってきたの!」
叫ぶような言葉に、緩みかけた口元が引きつる。内臓が、ぴきりと音を立てて凍ってしまいそうだった。
「ああ、もう! 絆は、私の子は、完璧なはずでしょう⁈ こんな見苦しい恰好しないの! 制服を着崩すなんてありえない! 傷一つない、白い肌じゃないといけないの! どうしてお兄さんみたいにできないの! ……こんなの、絆じゃないわ。絆を返して! 出て行って!」
「え……」
「早く私の前から消えなさい! 偽物! 私の子はあなたじゃない! 偽物はいらないの!」
「おか、さ——」
「ちょっと! 汚いでしょ、触らないで!」
パン、と乾いた音が響いて、戸が閉まった。
視界が、歪む。白い洋風の玄関口で電球色の色がどんどん真っ暗に染まっていく。
泣きそうになるのも、白い扉へ手を伸ばしたくなるのも堪えて、家から背を向けた。
「あっ」
たった数段の、玄関と庭を繋ぐ階段で足を踏み外して、雨の中に転げ込む。
額と肘を擦って、体に打ちつける大粒の雨が鉛玉に思えてきた。
少し進んで庭の茂みに入れば、隣に建つ孤児院と僕の家とを隔てる柵がある。劣化した柵の下にできた子ども一人が通れるか通れないかの小さな穴。いつもそこからやって来る、ぼろぼろの友人。
ここ最近ですっかり気の休まる場所になったそこへ行こうにも、手を伸ばすだけで精一杯。もう、足が綱で縛り付けられたように一歩も動けそうになかった。
●●●
飛んだ意識がぼやぼやと現実と混ざる。無意識に伸ばしていたらしい手は布顛に取られていて、先ほどまでゆるりと首を絞めていた手で頬を撫でられていた。
「えへっ。ねぇ、絆せんぱい。ほんとに、まだ舞台に立つつもりなんですかぁ?」
「僕、は」
物語で見た、愛情を与える母親のような手つきで頬を撫でられて嫌悪感から肌が粟立つのに、思考がどろりと溶けていく。
すぐにでも倒れそうな状態で必死に舞台に立って、得られるものがいらない役者というレッテルなら。もう、いい気がした。つらい思いなどせず、ぼんやりと舞台袖から眩い舞台を見る。桎月の隣に立つ代役は、きっと俺より良い演技をして本物の役を演じてくれる。
「もう、無理。できない、立てないよ。みんなの期待になんか応えられない。迷惑しか、かけられない」
一度口に出してしまえば、だめだった。ぼろぼろと溢れ落ちて、止まらない。
「僕は、完璧なんかじゃない。役に成る前に、俺に求められていることにさえ応えられない。っ、はは、こんなんじゃ、もう桎月の上に立とうだなんて、無理だなあ……」
隣を望むことすらおこがましいところまで、落ちて。見せる顔がない。もう、誰からも見つからない場所に隠れてしまいたかった。
どうして、向けられる期待に応えられないんだろう。あんなに、期待に応えられない人たちを見下して、それで、どうにかやってこられたのに。
「ごめ、なさ——」
懺悔を口にすることが、ただ一つの逃げ道だった。何度目かの薄っぺらい言葉を吐いたとき。
扉を開く音も、足音もなく、間近に第三者の気配が近づいたのを感じた。
「凛ちゃん。こんなところで絆に何してるの?」
○
しきりに大粒の雨が地を叩きつける音が辺りを支配する、ひどく寒い日。薄暗く、茜色の光が差し込むせまく埃っぽい場所で意識が覚醒した。
「いたい……」
ぼんやりと思考にもやがかかったまま体を起こそうとお腹に力を入れて、全身がじくじくと鈍い痛みを訴えてきた。その痛みにようやく目を覚す。
僅かに濡れる視界でゆっくりと時間をかけて上体を起こした。凍えてしまうほど寒いのに、体の内側には熱がこもって冷や汗ばかりが頬や背筋に伝っていく。
室内に差し込んでいた燃えるような茜色はいつの間にか、暗闇で踊るろうそくのように小さな気休めの光へと変わっていた。もう、空は夕暮れを呑み込み夜へと姿を変えようとしているらしい。
視線を左右に彷徨わせて、冷たいコンクリートの床を指でなぞる。砂と、ガラス、剥げた塗装に覆われた床。僕の家のお手洗いよりせまい一室には何も置かれておらず、ただただ薄暗い。昔、商店街のあった通りにある空き店舗だろうけど、それを知らせるはずのシャッターも閉まり切っていない。
放課後の訪れを知らせるチャイムを聞き、帰りの挨拶をして。ランドセルとトートバックを持てばいつも通り三年生の教室を後にして稽古へ向かった。
順調に新しい劇の練習が終わり、天気予報が外れたらしく土砂降りの雨の中、折り畳み傘を差しながら帰っていると、同じ劇団の四年生に声をかけられた。振り返って、彼が何人かの中学生か高校生か、学生として相応しくない装いの男たちを引き連れているのを見て咄嗟に走り出そうとした。
けれど、その内の一人に首根っこを掴まれて、傘は落ち、ずぶ濡れになりながら引きずられるようにシャッターが半開きになったこの場所へ押し込まれて。
「っ、あ……」
指先に触れたガラスの破片と、その横に転がったシャツのボタン。よく見れば千切れた黒髪がいくらか服に、床に散らばっている。ただ寒くて、自分の存在を確かめたくて、震える手で抱きしめるように両腕を掴み、身を縮めた。
腹部や足、腕、全身に残った青痣を隠すようにぼろぼろになった濡れた制服を着込んで、砂を払い、じくりと痛んだ首の後ろに眉をひそめる。
ここは、なんだっけ。引っ掻かれたのか、噛まれたのか、傷の種類を思い返して。ふと、たばこの匂いが鼻についた。
「……中高生でたばことか、信じられない」
劇団で僕ばかりが良い役をもらうからと恨み言を溢しながら刻まれていく傷と、それに便乗して愉快そうに増やされる傷に、これもあった。
髪が長ければ、隠せたかもしれないけど。おそらく、二度押し付けられた熱を思い出して体が勝手に震え出す。
「もう、いいや。はやく、帰らないと」
気を抜けばかくりと折れて床にへたり込んでしまいそうな足に力を入れて、遠くに転がった荷物を手繰り寄せる。
四つん這いでシャッターをくぐると、少しでも濡れないようにと体の前で抱えた学校指定のランドセルも、劇団の練習で使うタオルやサポーターを入れた鞄も、白い靴も全てびっしょりと濡らしながら帰路についた。
いつもは二十分ほどの帰り道をおそらく一時間ほどかけて帰ると、家の前に立つ頃にはすっかり空も雲も、闇に塗られていた。
門を開け、庭を通り抜ける。数段の階段を登り、感覚の抜け落ちた指先でインターホンを鳴らした。
家の鍵は持っているけど、勝手に入ると「どうして帰ってきたって教えてくれなかったの」って、お母さんが癇癪を起こしてしまうから。
立ち尽くして、お母さんが扉を開けてくれることを待っていると制服をどれほど汚してしまったかが目に留まった。
お母さんに、怒られるだろうな。でも、もしかしたら今日くらい心配して温かいタオルで包んで、抱き寄せてくれるかもしれない。だって、先週は新しい劇で主役を務めることが決まって喜んでくれた。一昨日だって、いつも通りテストで満点を取れば穏やかな笑顔を浮かべてくれた。
だから——。
「絆⁈ もう、こんな遅くまで何して……」
良かった、今日は遅くなったけど怒ってないときの足音だった。心配そうに垂れた眉を見て、お母さんが僕を見てくれていることに嬉しくなった。少し、目頭が熱くなる。
「お、かあさん……、ただいま、帰りました。僕、あの。制服、汚してごめんなさ——」
「嫌ぁ! どうしてそんな汚らわしい姿で帰ってきたの!」
叫ぶような言葉に、緩みかけた口元が引きつる。内臓が、ぴきりと音を立てて凍ってしまいそうだった。
「ああ、もう! 絆は、私の子は、完璧なはずでしょう⁈ こんな見苦しい恰好しないの! 制服を着崩すなんてありえない! 傷一つない、白い肌じゃないといけないの! どうしてお兄さんみたいにできないの! ……こんなの、絆じゃないわ。絆を返して! 出て行って!」
「え……」
「早く私の前から消えなさい! 偽物! 私の子はあなたじゃない! 偽物はいらないの!」
「おか、さ——」
「ちょっと! 汚いでしょ、触らないで!」
パン、と乾いた音が響いて、戸が閉まった。
視界が、歪む。白い洋風の玄関口で電球色の色がどんどん真っ暗に染まっていく。
泣きそうになるのも、白い扉へ手を伸ばしたくなるのも堪えて、家から背を向けた。
「あっ」
たった数段の、玄関と庭を繋ぐ階段で足を踏み外して、雨の中に転げ込む。
額と肘を擦って、体に打ちつける大粒の雨が鉛玉に思えてきた。
少し進んで庭の茂みに入れば、隣に建つ孤児院と僕の家とを隔てる柵がある。劣化した柵の下にできた子ども一人が通れるか通れないかの小さな穴。いつもそこからやって来る、ぼろぼろの友人。
ここ最近ですっかり気の休まる場所になったそこへ行こうにも、手を伸ばすだけで精一杯。もう、足が綱で縛り付けられたように一歩も動けそうになかった。
●●●
飛んだ意識がぼやぼやと現実と混ざる。無意識に伸ばしていたらしい手は布顛に取られていて、先ほどまでゆるりと首を絞めていた手で頬を撫でられていた。
「えへっ。ねぇ、絆せんぱい。ほんとに、まだ舞台に立つつもりなんですかぁ?」
「僕、は」
物語で見た、愛情を与える母親のような手つきで頬を撫でられて嫌悪感から肌が粟立つのに、思考がどろりと溶けていく。
すぐにでも倒れそうな状態で必死に舞台に立って、得られるものがいらない役者というレッテルなら。もう、いい気がした。つらい思いなどせず、ぼんやりと舞台袖から眩い舞台を見る。桎月の隣に立つ代役は、きっと俺より良い演技をして本物の役を演じてくれる。
「もう、無理。できない、立てないよ。みんなの期待になんか応えられない。迷惑しか、かけられない」
一度口に出してしまえば、だめだった。ぼろぼろと溢れ落ちて、止まらない。
「僕は、完璧なんかじゃない。役に成る前に、俺に求められていることにさえ応えられない。っ、はは、こんなんじゃ、もう桎月の上に立とうだなんて、無理だなあ……」
隣を望むことすらおこがましいところまで、落ちて。見せる顔がない。もう、誰からも見つからない場所に隠れてしまいたかった。
どうして、向けられる期待に応えられないんだろう。あんなに、期待に応えられない人たちを見下して、それで、どうにかやってこられたのに。
「ごめ、なさ——」
懺悔を口にすることが、ただ一つの逃げ道だった。何度目かの薄っぺらい言葉を吐いたとき。
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「凛ちゃん。こんなところで絆に何してるの?」
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