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saki♡
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「こんばんは」
ある日、たまたま開いたスペースのその声に、裕太は一瞬で引きこまれた。
「今日は、ちょっと暑かったから、コンビニの限定アイス食べちゃいました。ご存じですかね?杏仁ピーチ味」
杏仁ピーチ味なんて、食べたこともないくせに、とけかけのシャーベットが脳内に勝手に浮かんだ。
「甘さ控えめで、でもピーチの味が濃厚で美味しかったです」
爽やかで、甘やかな声。高い空の薄い水色に溶けるような声。
なんだこれ。ずっと聞いていたい。
理想の声だと、直感で思った。
速攻でアカウントをフォローする。
しかし、そのスペースはすぐに終わった。
「じゃ、明日も早いので、今日はもう終わります。また新作デザート食べたらまた開くかも。バイバーイ」
慌てて、スペース内で送れる拍手の絵文字をタップするが、スペースがすぐに終わったので、相手に届いたかはわからなかった。
慌ててアカウント主、「saki♡」のツイートを遡る。今までも、多くスペースを開いているが、録音はない。スペースを開く時間も曜日もバラバラだ。またあの声を聞きたい。裕太の頭は、そのことでいっぱいになった。
ある日、たまたま開いたスペースのその声に、裕太は一瞬で引きこまれた。
「今日は、ちょっと暑かったから、コンビニの限定アイス食べちゃいました。ご存じですかね?杏仁ピーチ味」
杏仁ピーチ味なんて、食べたこともないくせに、とけかけのシャーベットが脳内に勝手に浮かんだ。
「甘さ控えめで、でもピーチの味が濃厚で美味しかったです」
爽やかで、甘やかな声。高い空の薄い水色に溶けるような声。
なんだこれ。ずっと聞いていたい。
理想の声だと、直感で思った。
速攻でアカウントをフォローする。
しかし、そのスペースはすぐに終わった。
「じゃ、明日も早いので、今日はもう終わります。また新作デザート食べたらまた開くかも。バイバーイ」
慌てて、スペース内で送れる拍手の絵文字をタップするが、スペースがすぐに終わったので、相手に届いたかはわからなかった。
慌ててアカウント主、「saki♡」のツイートを遡る。今までも、多くスペースを開いているが、録音はない。スペースを開く時間も曜日もバラバラだ。またあの声を聞きたい。裕太の頭は、そのことでいっぱいになった。
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