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第43話
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そして作戦は途中まで成功して、阿部君をはじめ明智君とトラゾウもご機嫌だったのだ。ただ、私はホテルの選択を間違えてしまったようだ。ここまで快適だと、図々しい阿部君と明智君がもう一泊したいと言うに決まっていたのに。
「というわけで、私のパパの車を特別に貸してあげるので、リーダー、引っ越しよろしくー」「ワワワワー」
トラゾウだけはちょっと申し訳無さそうに私を見つめているが、まさかトラゾウの演技ではないだろうな。いや、だめだ、トラゾウを疑うなんて、私はどうかしているぞ。卑屈になってはだめだ。引っ越しなんて、体を鍛えると思えば一石二鳥じゃないか。一石二鳥と言えば、私の大好きな言葉だ。それでも少しだけ粘ってみるか。
「あっでも、私一人で行って、阿部君パパは車を貸してくれるのかい? 一応、阿部君も来てくれた方が嬉しいな」
「そうですねえ。ああ見えて、あの車を大事にしているようだし。うーん、ちょっと電話で聞いてからで」
おおー、もしかしたら成功か。よし、このまま一緒に行ってついでにさり気なくボロボロのアジトに寄って、部屋の惨状を嘆きつつ恨めしそうに阿部君を見つめれば、自ら手伝いを申し出るぞ。うん、手伝うのが当たり前だな。そして言うまでもなく、阿部君と私がこのホテルを出るのだから、明智君とトラゾウも一緒にチェックアウトしないとな。あとは阿部君パパが車を貸すのを渋りまくり、電話では埒が明かないと判断した阿部君が直接乗り込んで説得するような展開になればいいぞ。阿部君の思考にレンタカーが出てきませんように。
「もしもしパパ? 引っ越しで車がいるから、ちょっと借りるね。うちのリーダーに取りに行かせるから」
うん? なんか阿部君の顔が険しいぞ。良い兆候だな。
「ええー。昨日も運転したし、大丈夫だよ」
阿部君パパは私の運転技術に文句を言ってるのだな。今は我慢してやるか。今だけな。まあ別に阿部君パパが運転してさらに引っ越しも手伝ってくれるのならいいけれど、明智君のドッグフードを運ぶ時も一切手伝わなかったくらいだから、それはまずないだろう。だからせめてゴネるだけゴネて阿部君を手こずらせてくれよ。
「分かったよ。じゃあ……」
おおー、いよいよ一旦帰る気になったようだな。後は、阿部君と明智君の機嫌を損ねない程度に私もゴネて引っ越しを手伝わせてやる。
「じゃあ……新しい車を買ってあげるから。それでいいでしょ?」
なにー! 本気か? どこでどうなったら、そんな風になるんだ? 阿部君、冷静になるんだ。落ち着いて考えろ。おそらく阿部君は私と一緒に車を取りに行ったら、流れで引っ越しを手伝わざるを得なくなるのを分かっているのだろう。もしくは、ただ純粋にこのホテルが気に入り長居したいだけかもしれないが。いやそもそも、新車なんて飛躍しすぎじゃないか。それに、阿部君パパの車を借りるだけならレンタカーと変わらないし。
「リーダーに取りに行かせるから、少しでも感謝してるなら、車を貸すだけじゃなくて引っ越しも手伝ってあげてね」
阿部君、少しは気が利くじゃないか。でも一つ気になる事があるぞ。新車は阿部君が親孝行の一環として買ってあげるのだろうか? 最悪、明智君もお金を出すのかもしれないが、私だけは出さなくてもいいよな。おそらく阿部君と明智君は引っ越しを手伝わない代わりにお金を出して、引っ越しという大変な重労働に携わる私は負担しなくていいようになっているのだろう。うん、きっとそうだ。でもまあ、一応確認だけはしておこう。いや、確認するまでもないか。
分かっているさ。現実逃避は私に似合わない。ささやかな悪あがきだけはしてやるか。
「阿部君、気前がいいねえ。やっぱり前回と前前回にたくさん稼いだからなんでしょ?」
「それもありますけど、こうしないとパパが車を貸してくれなさそうだったので」
「娘だけに、阿部君パパの事はよく分かってるんだね。でも親孝行ができて良かったじゃない。こんな事でもないと、なかなか親孝行ってできないもんだからね」
「そうですかね。じゃあ一応パパに代わって、私から明智君とリーダーにもお礼を言いますね」
想像はしていたから、私はあまり驚きはしないが、明智君が石のように固まったぞ。明智君、まだまだだな。阿部君はこういう人なんだぞ。
「じゃあ私も一応聞くけど、一人いくら負担するんだい?」
「そうですねえー、一人あたり200万円も出せば、そこそこ良い車が買えるでしょ」
うんうん、阿部君と明智君に対する借金4000万円は別として、私にはまだ現金300万円があるし前回の分100万円を足した貯金が少ないながらもあるのだ。十分に払えるぞ。明智君、いつまで固まってるんだ? 明智君には今までに稼いだ600万円以上ものお金があるじゃないか。気を大きく持たないといけないぞ。私のように。
いやー、多額の借金があるって、こんなにも強くなれるのだな。阿部君と明智君に感謝しないと。それに阿部君パパの新車を買うために私もお金を出したんだぞと恩着せがましく言えば、怪盗団二軍の仕事で必要な時は有無を言わさず使えるぞ。ということは怪盗団一軍はお古の車を使うのだろうか。ボロい方が雑に扱えていいかもしれないな。
「阿部君、阿部君パパの古い方の車はどうするんだい? 下取りか何かに出すの? できたら我々怪盗団が必要な時にいつでも使えるように、我々のものにしたいけど、いいかな?」
「そうですね。下取りに出しても大した額にはならないので、そうしましょうか」
「ありがとう。ほらっ、明智君、いつまでも落ち込んでないで、我が家に初めてのマイカーがやって来るのだから喜ぼうよ。一つ私からのアドバイスがあるとすれば、新車を買ってあげたのは私たちなのに、なんで中古車の方が我々のものになるんだなんて考えてはいけないよ。ねえ、阿部君?」
「はい」
そして私は結局一人だけで大変な引っ越しを終わらせた。こんなことなら最初からレンタカーを借りておけば安上がりだったのにと思ってはいけない。これが経験というやつなのだ。経験とはお金では買えないものだ。結果として200万円も使ってしまったなんて考えるのは三流の考え方だ。私は超一流なので、得意技の一つである、やせ我慢を発動した。
引っ越しを無事に終えて車を返しに行くと、笑顔の阿部君パパに車を買いに行くのに誘われた。もちろん私は笑顔で二つ返事だ。私は人間ができているので、引っ越しの手伝いを即答で断られた事や、私が運転して車屋さんまで行く事を全然怒っていない。いやむしろ喜んでいるかもしれない。それは、分かっている人は既に分かっているだろうけど、そうでない人のために説明すると、怪盗団二軍戦がより一層楽しみなものになるのだ。私は陰険ではないからな。阿部君パパが一日でも早く一軍に上がれる手助けをしたいだけだ。
車屋に着くと阿部君パパは既にお目当ての車があったようで、価格なんて見ずなんの迷いもなく好きなだけオプションを付けまくり、見積もりが終わると残念なことに予算を大幅に超えていた。まあでも車のグレードを下げオプションをいっぱい外し最後に泣き落としでたくさん値引いてもらえたなら、ぎりぎり予算内に収まるだろう。何も気に病むことなんてないだろうと、阿部君パパを見ると、……あれ? なんかもう買ったつもりで喜々としている感じだぞ。ああそうか。足りない分は自分で出すのだな。自分でも出費した方が思い入れや愛着が湧くものだからな。そのつもりで大幅に予算をオーバーさせたのか。うんうん。ほんの少しだけ見直してやってもいいぞ。と、私が思ってすぐに阿部君パパは携帯電話を取り出し、おそらく阿部君に電話を掛けた。
「あっ、ひまわり? ちょっとお願いを聞いてくれるよね? 予算をほんの少しだけ超えちゃったから、その分も追加でちょうだいね」
なーにー! き、貴様はどれだけ図々しいんだ。それにまず、目の前にいる私に相談すべきじゃないのか。いやいや、落ち着こう。さすがに阿部君も電話の向こうで切れまくっているはずだ。
「ありがとう。じゃあ、ちょっと代わるね。リーダー、ひまわりが話があると」
これは、電話に出ると終わってしまう。出なくても変わらないとはいえ、何らかの抵抗をしてくれと明智君が訴えているのがはっきり分かるのだ。この阿部君パパの携帯電話に向かってくしゃみをしてやるから、今回はそれで勘弁しておくれ。ごめんよ、明智君。明智君よりも悲惨な人間がここにいると思って溜飲を下げておくれ。私は怪盗で稼いだお金がほとんど全部なくなるのだよ。見積もりは、これ見よがしに端数だけ値引いてくれて、なんと1200万円ちょうどなんだ。車って高いな。
「もしもし、阿部君かい? どうした?」
「言わなくても分かると思いますけど、一人あたり400万円です。明智君は笑顔で進んで払ってくれるので、リーダーも何も考えずイエスと言ってくださいね」
「イエス。ハックション! ガチャ……」
明智君、私を褒めてくれるよね? もちろん拭きもせず、そのまま携帯電話を阿部君パパに返した。
さあ、楽しいフランス旅行に出発だー。
「というわけで、私のパパの車を特別に貸してあげるので、リーダー、引っ越しよろしくー」「ワワワワー」
トラゾウだけはちょっと申し訳無さそうに私を見つめているが、まさかトラゾウの演技ではないだろうな。いや、だめだ、トラゾウを疑うなんて、私はどうかしているぞ。卑屈になってはだめだ。引っ越しなんて、体を鍛えると思えば一石二鳥じゃないか。一石二鳥と言えば、私の大好きな言葉だ。それでも少しだけ粘ってみるか。
「あっでも、私一人で行って、阿部君パパは車を貸してくれるのかい? 一応、阿部君も来てくれた方が嬉しいな」
「そうですねえ。ああ見えて、あの車を大事にしているようだし。うーん、ちょっと電話で聞いてからで」
おおー、もしかしたら成功か。よし、このまま一緒に行ってついでにさり気なくボロボロのアジトに寄って、部屋の惨状を嘆きつつ恨めしそうに阿部君を見つめれば、自ら手伝いを申し出るぞ。うん、手伝うのが当たり前だな。そして言うまでもなく、阿部君と私がこのホテルを出るのだから、明智君とトラゾウも一緒にチェックアウトしないとな。あとは阿部君パパが車を貸すのを渋りまくり、電話では埒が明かないと判断した阿部君が直接乗り込んで説得するような展開になればいいぞ。阿部君の思考にレンタカーが出てきませんように。
「もしもしパパ? 引っ越しで車がいるから、ちょっと借りるね。うちのリーダーに取りに行かせるから」
うん? なんか阿部君の顔が険しいぞ。良い兆候だな。
「ええー。昨日も運転したし、大丈夫だよ」
阿部君パパは私の運転技術に文句を言ってるのだな。今は我慢してやるか。今だけな。まあ別に阿部君パパが運転してさらに引っ越しも手伝ってくれるのならいいけれど、明智君のドッグフードを運ぶ時も一切手伝わなかったくらいだから、それはまずないだろう。だからせめてゴネるだけゴネて阿部君を手こずらせてくれよ。
「分かったよ。じゃあ……」
おおー、いよいよ一旦帰る気になったようだな。後は、阿部君と明智君の機嫌を損ねない程度に私もゴネて引っ越しを手伝わせてやる。
「じゃあ……新しい車を買ってあげるから。それでいいでしょ?」
なにー! 本気か? どこでどうなったら、そんな風になるんだ? 阿部君、冷静になるんだ。落ち着いて考えろ。おそらく阿部君は私と一緒に車を取りに行ったら、流れで引っ越しを手伝わざるを得なくなるのを分かっているのだろう。もしくは、ただ純粋にこのホテルが気に入り長居したいだけかもしれないが。いやそもそも、新車なんて飛躍しすぎじゃないか。それに、阿部君パパの車を借りるだけならレンタカーと変わらないし。
「リーダーに取りに行かせるから、少しでも感謝してるなら、車を貸すだけじゃなくて引っ越しも手伝ってあげてね」
阿部君、少しは気が利くじゃないか。でも一つ気になる事があるぞ。新車は阿部君が親孝行の一環として買ってあげるのだろうか? 最悪、明智君もお金を出すのかもしれないが、私だけは出さなくてもいいよな。おそらく阿部君と明智君は引っ越しを手伝わない代わりにお金を出して、引っ越しという大変な重労働に携わる私は負担しなくていいようになっているのだろう。うん、きっとそうだ。でもまあ、一応確認だけはしておこう。いや、確認するまでもないか。
分かっているさ。現実逃避は私に似合わない。ささやかな悪あがきだけはしてやるか。
「阿部君、気前がいいねえ。やっぱり前回と前前回にたくさん稼いだからなんでしょ?」
「それもありますけど、こうしないとパパが車を貸してくれなさそうだったので」
「娘だけに、阿部君パパの事はよく分かってるんだね。でも親孝行ができて良かったじゃない。こんな事でもないと、なかなか親孝行ってできないもんだからね」
「そうですかね。じゃあ一応パパに代わって、私から明智君とリーダーにもお礼を言いますね」
想像はしていたから、私はあまり驚きはしないが、明智君が石のように固まったぞ。明智君、まだまだだな。阿部君はこういう人なんだぞ。
「じゃあ私も一応聞くけど、一人いくら負担するんだい?」
「そうですねえー、一人あたり200万円も出せば、そこそこ良い車が買えるでしょ」
うんうん、阿部君と明智君に対する借金4000万円は別として、私にはまだ現金300万円があるし前回の分100万円を足した貯金が少ないながらもあるのだ。十分に払えるぞ。明智君、いつまで固まってるんだ? 明智君には今までに稼いだ600万円以上ものお金があるじゃないか。気を大きく持たないといけないぞ。私のように。
いやー、多額の借金があるって、こんなにも強くなれるのだな。阿部君と明智君に感謝しないと。それに阿部君パパの新車を買うために私もお金を出したんだぞと恩着せがましく言えば、怪盗団二軍の仕事で必要な時は有無を言わさず使えるぞ。ということは怪盗団一軍はお古の車を使うのだろうか。ボロい方が雑に扱えていいかもしれないな。
「阿部君、阿部君パパの古い方の車はどうするんだい? 下取りか何かに出すの? できたら我々怪盗団が必要な時にいつでも使えるように、我々のものにしたいけど、いいかな?」
「そうですね。下取りに出しても大した額にはならないので、そうしましょうか」
「ありがとう。ほらっ、明智君、いつまでも落ち込んでないで、我が家に初めてのマイカーがやって来るのだから喜ぼうよ。一つ私からのアドバイスがあるとすれば、新車を買ってあげたのは私たちなのに、なんで中古車の方が我々のものになるんだなんて考えてはいけないよ。ねえ、阿部君?」
「はい」
そして私は結局一人だけで大変な引っ越しを終わらせた。こんなことなら最初からレンタカーを借りておけば安上がりだったのにと思ってはいけない。これが経験というやつなのだ。経験とはお金では買えないものだ。結果として200万円も使ってしまったなんて考えるのは三流の考え方だ。私は超一流なので、得意技の一つである、やせ我慢を発動した。
引っ越しを無事に終えて車を返しに行くと、笑顔の阿部君パパに車を買いに行くのに誘われた。もちろん私は笑顔で二つ返事だ。私は人間ができているので、引っ越しの手伝いを即答で断られた事や、私が運転して車屋さんまで行く事を全然怒っていない。いやむしろ喜んでいるかもしれない。それは、分かっている人は既に分かっているだろうけど、そうでない人のために説明すると、怪盗団二軍戦がより一層楽しみなものになるのだ。私は陰険ではないからな。阿部君パパが一日でも早く一軍に上がれる手助けをしたいだけだ。
車屋に着くと阿部君パパは既にお目当ての車があったようで、価格なんて見ずなんの迷いもなく好きなだけオプションを付けまくり、見積もりが終わると残念なことに予算を大幅に超えていた。まあでも車のグレードを下げオプションをいっぱい外し最後に泣き落としでたくさん値引いてもらえたなら、ぎりぎり予算内に収まるだろう。何も気に病むことなんてないだろうと、阿部君パパを見ると、……あれ? なんかもう買ったつもりで喜々としている感じだぞ。ああそうか。足りない分は自分で出すのだな。自分でも出費した方が思い入れや愛着が湧くものだからな。そのつもりで大幅に予算をオーバーさせたのか。うんうん。ほんの少しだけ見直してやってもいいぞ。と、私が思ってすぐに阿部君パパは携帯電話を取り出し、おそらく阿部君に電話を掛けた。
「あっ、ひまわり? ちょっとお願いを聞いてくれるよね? 予算をほんの少しだけ超えちゃったから、その分も追加でちょうだいね」
なーにー! き、貴様はどれだけ図々しいんだ。それにまず、目の前にいる私に相談すべきじゃないのか。いやいや、落ち着こう。さすがに阿部君も電話の向こうで切れまくっているはずだ。
「ありがとう。じゃあ、ちょっと代わるね。リーダー、ひまわりが話があると」
これは、電話に出ると終わってしまう。出なくても変わらないとはいえ、何らかの抵抗をしてくれと明智君が訴えているのがはっきり分かるのだ。この阿部君パパの携帯電話に向かってくしゃみをしてやるから、今回はそれで勘弁しておくれ。ごめんよ、明智君。明智君よりも悲惨な人間がここにいると思って溜飲を下げておくれ。私は怪盗で稼いだお金がほとんど全部なくなるのだよ。見積もりは、これ見よがしに端数だけ値引いてくれて、なんと1200万円ちょうどなんだ。車って高いな。
「もしもし、阿部君かい? どうした?」
「言わなくても分かると思いますけど、一人あたり400万円です。明智君は笑顔で進んで払ってくれるので、リーダーも何も考えずイエスと言ってくださいね」
「イエス。ハックション! ガチャ……」
明智君、私を褒めてくれるよね? もちろん拭きもせず、そのまま携帯電話を阿部君パパに返した。
さあ、楽しいフランス旅行に出発だー。
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