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明智君の失態。明智君自らの。
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うーん、どうしようか……。こんなに引っ張って関係なかったなんて言ったら、せっかく取り戻した私の尊敬にひびが入るかもしれない。贅沢は言ってられないな。関係者に話を聞くか警察署に行って証拠物件を見せてもらうまでの短い間だけでもいい。あの二人の尊敬の眼差しを浴びていたいのだ。どうせ事件が解決したら、二人の性格からして、以前に戻るのが目に見えている。だからどんなに長くても一週間だ。ただ、この一週間が私の人生のハイライトかもしれないんだぞ。たまたま目に入ったボールが事件に関係があるないのような些細な事でつまづきたくない。
ボールを前にして私が黙考していると、興味津々の二人がいつの間にか私と横並びになっていた。まずい。素人目にも、このボールが事件と関係ないと分かってしまう。何か策はないのか。あった。処理能力の速い私の脳細胞に感謝だ。
幸いなことに、阿部君は私の左隣り、明智君は右隣りにいたのだ。完全に明智君が阿部君の手を離れている。私は明智君をそっと足で押した。明智君は犬の本能を抑えきれなかった。私が押したのを合図とばかりに、ボールをパクっだ。
「ああー、明智君! なんてことをー!」
明智君は自分が何をしてしまったのかをすぐに理解した。さすが『名犬あけっちー』だな。
申し訳なさそうに、私ではなく阿部君に許しを請うように見ている。さらに震えているようだ。阿部君の恐ろしい折檻が明智君の頭の中に湧いてきている証拠だ。シラフなら阿部君は決して明智君に意味のない虐待をしない。だけどワインを飲んで酔っ払うと、阿部君の辞書から『理不尽』という言葉が無くなるのだ。そして趣味が説教となる。自分の事は棚に上げて、他の人の本当に小さな失敗を責め立て続ける地獄が始まる。
例えこの事件が無事に解決しても、明智君は犠牲になるだろう。阿部君はお祝いとか言ってワインを必ず飲むのだから。それは、私だけでなく明智君も理解しているのだ。何の失敗をしていなくても、むりやり説教をするのに、今回は私に嵌められたとはいえ、このザマだ。今の明智君にはこのボールが事件と関係がないとか、私に押されたとかなんて気にする余裕がない。許せ、明智君。その時は、私もきっと横で同じ目に合っている。私のおかげで事件が解決しただなんて関係がない。この時には、阿部君の頭の中では自分が活躍して解決に導いたことになっているのだから。
こうまでして尊敬が欲しかったのかと思われるかもしれない。欲しかったに決まってるだろ。分かる人には分かる。分からない人には、例え100万文字くらいで説明しても例え何十年かけて訴えても、分からないだろう。
しかし私がこんなにダラダラと世間の人に言い訳をしている間も、阿部君がずっと無言なのが気にかかる。怒り心頭に発するさんを満喫していて、どのような虐待や折檻にするか考えているのだろうか。それとも、うっかり明智君から目を離してしまって反省しているのだろうか。阿部君が反省するわけない。怒りだ。明智君9、私1の。
私が明智君を押したのは気づかれていない。それでもなぜか、阿部君は私に対する怒りがあるのだ。阿部君とはそういう人で、私もそんな不幸な人なのだ。それを分かったうえで、私は事に及んだのだ。私の勇気を見習いたい人は、遠慮せずに見習いたまえ。何があっても自己責任だぞ。私にクレームを入れても相手する暇もない。少しでも阿部君の怒りを鎮めるのと、少しでも明智君に元気になってもらうのと、私に対するとてつもない尊敬を継続するために、軽く演説をしないといけないのだ。
「大丈夫だよ、阿部君。ほんの一つだけ手がかりが無くなったに過ぎない。私にとっては、これしきのハンデはハンデにならないよ。むしろこれで事件を解決する使命感に、拍車がかかったと言ってもいいくらいだ。だから、私たちの大事な仲間の明智君を責めないでくれるかい」
「そうですね。私には、解けない謎なんてないし。なので全然全くこれっぽちも怒ってないですよ。ただ犯人が分かっても肝心の証拠がなくて、疑わしきは罰せずになってしまうかもしれないですね。まあその時は、明智君を私そっくりに改造してから刑務所に送るのも……。ヒヒヒ、ヒヒヒヒヒ……」
「ワ……ン……」
「明智君、心配するな。私が、いや、私たちが力と頭脳を合わせれば、できない事なんてないじゃないか」
「ワッオーン!」
おおー。久しぶりに明智君が私に対して心から愛情を示している。明智君を罠にはめて良かった。
私を悪魔だなんて思わないでほしい。いや、思われてもいいか。明智君と以前のように仲良くなれるのなら、私は悪魔にでも警察の犬にでもなる。あっでも、私と明智君が仲良しのそんな時代があったのかは疑わないでくれるかい。本当にあったんだよ。本物の悪魔と言っても差し支えない、阿部君が来るまでは。悪魔と契約するとか形容することはあるが、私は本当の意味で契約したのだろう。今さら後悔しても遅いし、何もかもが悪かったわけではない。良いこともあったのだ。
あわや命を落としそうになっても、怪盗の初陣は大成功を収めた。別のミッションでは、大金を手にそそくさと退散した阿部君と明智君から大怪盗の私にしかなし得れない事後処理を頼まれ、見事成功した末に分け前をゲットした。さらに何と言っても、阿部君と明智君に借金したとはいえ大豪邸を手に入れた。なんかこんな事を言ってると、本当に悪魔と契約したみたいに聞こえるな。私は、ただ正義の怪盗として頑張っていると、言いたいだけだ。
今は名探偵として頑張る時だったな。この明智君が自らの意思で台無しにしたボールを、私はひとまずポケットにしまい込んだ。この事件でもそうだし、この屋敷に盗みに入るとしても、都合のいいものではないのだから。
明智君は微妙な表情をしている。明智君が疑われないためだと分からないのだろうか。いや、明智君ならそれくらい分かっているはずだ。それよりも、アジトに戻った時に阿部君の前で、このボールを出されないかと心配しているのだろうか。明智君にとっての修羅場になるのは確実だ。それとも全く違って、もう明智君のおもちゃとなってしまったのだから、ただ単にたった今このボールで遊びたいのだろうか。
忙しいので明智君の事を考えて時間を無駄にしていられない。例え仲良しだとしても。
「今ここで、できる事はない。次は家の人に話を聞きに行こう。阿部君も明智君も、この家の人間が犯人だと疑ってるんじゃないか? 少なくとも無関係だとは言えないと。だけど今はそういう素振りを見せないでおくれ。意固地になって話を聞かせてくれなくなるからな。犯人だと確信できて、それでも証拠だけが足りないって時は、カマをかけるのもありだ。自ら墓穴を掘るだろうからな。でも今は警戒させても何も良いことがない。お茶菓子はおろかお茶すらも出てこなくなるぞ。いや、違う違う。ボールという証拠が使えなくなってるんだから、ここからはどんな小さな証拠証言を大事にしたい。分かるな、明智君? だからまずは世間話から始めるんだぞ。今日は世間話だけでも良いっていうくらいの気持ちで。頼むぞ、正直者の阿部君? 嘘をつけなさそうなら、すぐにお口にチャックだ」
あっ、まずい。またもや『お口にチャック』を使ってしまった。この肝心な時に。阿部君にバカにされる。明智君に白い目で見られてしまう。せっかくの尊敬がー。名探偵ひまわりがしゃしゃり出てくるのか。
……。あれ? 何も言ってこないな。勇気を振り絞って、私は阿部君と明智君を見た。なんとも言えない表情だ。私をバカにしたい気持ちがあるが、今はその時ではないと判断したのだな。どうせなら嘘でも尊敬の眼差しを送り続けてくれればいいのに。こいつらのささやかな抵抗だな。それも無言の。
仕方ない。続けるか。
「よーし、第一容疑者に私たちの恐ろしさを見せてやるぞ」
「はい、リーダー!」「ワン、ワンワワンワワワワンワーワンワンワンワッワッンワンワワッワンワンワン……」
「明智君、長いぞ。それに、私は明智君が何を言ってるのか分からない。阿部君、通訳しなくていいからな」
阿部君と明智君の返事を聞く前に、私は一歩踏み出した。背中越しだけど、阿部君が半笑いで明智君をたしなめているのが分かる。明智君は言わずもがなだ。ポケットの中のボールを分かりやすく叩きながら、私は振り返らない。
「ポケットの中にはフフッフーン、フフフ……」とハミングをしただけだ。少なくとも明智君の半笑いは、ひきつり笑いになったようだ。しばらくこのボールは使えるな。これだけは言っておく。私は明智君が大好きだ。
ボールを前にして私が黙考していると、興味津々の二人がいつの間にか私と横並びになっていた。まずい。素人目にも、このボールが事件と関係ないと分かってしまう。何か策はないのか。あった。処理能力の速い私の脳細胞に感謝だ。
幸いなことに、阿部君は私の左隣り、明智君は右隣りにいたのだ。完全に明智君が阿部君の手を離れている。私は明智君をそっと足で押した。明智君は犬の本能を抑えきれなかった。私が押したのを合図とばかりに、ボールをパクっだ。
「ああー、明智君! なんてことをー!」
明智君は自分が何をしてしまったのかをすぐに理解した。さすが『名犬あけっちー』だな。
申し訳なさそうに、私ではなく阿部君に許しを請うように見ている。さらに震えているようだ。阿部君の恐ろしい折檻が明智君の頭の中に湧いてきている証拠だ。シラフなら阿部君は決して明智君に意味のない虐待をしない。だけどワインを飲んで酔っ払うと、阿部君の辞書から『理不尽』という言葉が無くなるのだ。そして趣味が説教となる。自分の事は棚に上げて、他の人の本当に小さな失敗を責め立て続ける地獄が始まる。
例えこの事件が無事に解決しても、明智君は犠牲になるだろう。阿部君はお祝いとか言ってワインを必ず飲むのだから。それは、私だけでなく明智君も理解しているのだ。何の失敗をしていなくても、むりやり説教をするのに、今回は私に嵌められたとはいえ、このザマだ。今の明智君にはこのボールが事件と関係がないとか、私に押されたとかなんて気にする余裕がない。許せ、明智君。その時は、私もきっと横で同じ目に合っている。私のおかげで事件が解決しただなんて関係がない。この時には、阿部君の頭の中では自分が活躍して解決に導いたことになっているのだから。
こうまでして尊敬が欲しかったのかと思われるかもしれない。欲しかったに決まってるだろ。分かる人には分かる。分からない人には、例え100万文字くらいで説明しても例え何十年かけて訴えても、分からないだろう。
しかし私がこんなにダラダラと世間の人に言い訳をしている間も、阿部君がずっと無言なのが気にかかる。怒り心頭に発するさんを満喫していて、どのような虐待や折檻にするか考えているのだろうか。それとも、うっかり明智君から目を離してしまって反省しているのだろうか。阿部君が反省するわけない。怒りだ。明智君9、私1の。
私が明智君を押したのは気づかれていない。それでもなぜか、阿部君は私に対する怒りがあるのだ。阿部君とはそういう人で、私もそんな不幸な人なのだ。それを分かったうえで、私は事に及んだのだ。私の勇気を見習いたい人は、遠慮せずに見習いたまえ。何があっても自己責任だぞ。私にクレームを入れても相手する暇もない。少しでも阿部君の怒りを鎮めるのと、少しでも明智君に元気になってもらうのと、私に対するとてつもない尊敬を継続するために、軽く演説をしないといけないのだ。
「大丈夫だよ、阿部君。ほんの一つだけ手がかりが無くなったに過ぎない。私にとっては、これしきのハンデはハンデにならないよ。むしろこれで事件を解決する使命感に、拍車がかかったと言ってもいいくらいだ。だから、私たちの大事な仲間の明智君を責めないでくれるかい」
「そうですね。私には、解けない謎なんてないし。なので全然全くこれっぽちも怒ってないですよ。ただ犯人が分かっても肝心の証拠がなくて、疑わしきは罰せずになってしまうかもしれないですね。まあその時は、明智君を私そっくりに改造してから刑務所に送るのも……。ヒヒヒ、ヒヒヒヒヒ……」
「ワ……ン……」
「明智君、心配するな。私が、いや、私たちが力と頭脳を合わせれば、できない事なんてないじゃないか」
「ワッオーン!」
おおー。久しぶりに明智君が私に対して心から愛情を示している。明智君を罠にはめて良かった。
私を悪魔だなんて思わないでほしい。いや、思われてもいいか。明智君と以前のように仲良くなれるのなら、私は悪魔にでも警察の犬にでもなる。あっでも、私と明智君が仲良しのそんな時代があったのかは疑わないでくれるかい。本当にあったんだよ。本物の悪魔と言っても差し支えない、阿部君が来るまでは。悪魔と契約するとか形容することはあるが、私は本当の意味で契約したのだろう。今さら後悔しても遅いし、何もかもが悪かったわけではない。良いこともあったのだ。
あわや命を落としそうになっても、怪盗の初陣は大成功を収めた。別のミッションでは、大金を手にそそくさと退散した阿部君と明智君から大怪盗の私にしかなし得れない事後処理を頼まれ、見事成功した末に分け前をゲットした。さらに何と言っても、阿部君と明智君に借金したとはいえ大豪邸を手に入れた。なんかこんな事を言ってると、本当に悪魔と契約したみたいに聞こえるな。私は、ただ正義の怪盗として頑張っていると、言いたいだけだ。
今は名探偵として頑張る時だったな。この明智君が自らの意思で台無しにしたボールを、私はひとまずポケットにしまい込んだ。この事件でもそうだし、この屋敷に盗みに入るとしても、都合のいいものではないのだから。
明智君は微妙な表情をしている。明智君が疑われないためだと分からないのだろうか。いや、明智君ならそれくらい分かっているはずだ。それよりも、アジトに戻った時に阿部君の前で、このボールを出されないかと心配しているのだろうか。明智君にとっての修羅場になるのは確実だ。それとも全く違って、もう明智君のおもちゃとなってしまったのだから、ただ単にたった今このボールで遊びたいのだろうか。
忙しいので明智君の事を考えて時間を無駄にしていられない。例え仲良しだとしても。
「今ここで、できる事はない。次は家の人に話を聞きに行こう。阿部君も明智君も、この家の人間が犯人だと疑ってるんじゃないか? 少なくとも無関係だとは言えないと。だけど今はそういう素振りを見せないでおくれ。意固地になって話を聞かせてくれなくなるからな。犯人だと確信できて、それでも証拠だけが足りないって時は、カマをかけるのもありだ。自ら墓穴を掘るだろうからな。でも今は警戒させても何も良いことがない。お茶菓子はおろかお茶すらも出てこなくなるぞ。いや、違う違う。ボールという証拠が使えなくなってるんだから、ここからはどんな小さな証拠証言を大事にしたい。分かるな、明智君? だからまずは世間話から始めるんだぞ。今日は世間話だけでも良いっていうくらいの気持ちで。頼むぞ、正直者の阿部君? 嘘をつけなさそうなら、すぐにお口にチャックだ」
あっ、まずい。またもや『お口にチャック』を使ってしまった。この肝心な時に。阿部君にバカにされる。明智君に白い目で見られてしまう。せっかくの尊敬がー。名探偵ひまわりがしゃしゃり出てくるのか。
……。あれ? 何も言ってこないな。勇気を振り絞って、私は阿部君と明智君を見た。なんとも言えない表情だ。私をバカにしたい気持ちがあるが、今はその時ではないと判断したのだな。どうせなら嘘でも尊敬の眼差しを送り続けてくれればいいのに。こいつらのささやかな抵抗だな。それも無言の。
仕方ない。続けるか。
「よーし、第一容疑者に私たちの恐ろしさを見せてやるぞ」
「はい、リーダー!」「ワン、ワンワワンワワワワンワーワンワンワンワッワッンワンワワッワンワンワン……」
「明智君、長いぞ。それに、私は明智君が何を言ってるのか分からない。阿部君、通訳しなくていいからな」
阿部君と明智君の返事を聞く前に、私は一歩踏み出した。背中越しだけど、阿部君が半笑いで明智君をたしなめているのが分かる。明智君は言わずもがなだ。ポケットの中のボールを分かりやすく叩きながら、私は振り返らない。
「ポケットの中にはフフッフーン、フフフ……」とハミングをしただけだ。少なくとも明智君の半笑いは、ひきつり笑いになったようだ。しばらくこのボールは使えるな。これだけは言っておく。私は明智君が大好きだ。
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