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あの白球を追いかけろ
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あの野球ボールはどこかから飛んできたのか、それともこの家の人の持ち物なのだろうか。悪徳政治家の家族構成は、私の知っている限り、悪徳政治家夫人とその息子だけだ。私がこの家から首尾よく獲物を盗った時に、息子とも対面した。言うまでもなく、私の顔は上手く隠したが。息子の方は顔を隠す必要がなかったので、私のみたところ40歳くらいだった。ということは、親子でキャッチボールをしたにしても、もう何十年も前のことだ。だけどあの野球ボールの汚れ具合からして、そこまでは古くない。というよりも、新品に近い。
いつの間にか私の視線を追うように、阿部君と明智君も、その野球ボールをガン見している。明智君はあの野球ボールが凶器だろうが何だろうが、持って帰って自分のおもちゃにしようと企んでいるだろう。しかし阿部君は、名探偵の私が注視しているのだから、あの野球ボールが事件と何かしらの関係があると信じているだろう。凶器ではないと信じて疑っていないけど。なぜなら、まがりなりにも阿部君は被害者の誰とも判別のつかない悲惨な顔面を見ている。一つの軟式野球ボールがどこかから飛んできて当たった程度の傷ではなかったはず。被害者の状態を私は見ていないが、阿部君の話を聞いた限りでは、きっとそうだ。
私だって、あの野球ボールが凶器だなんて確信していない。いや、凶器どころか事件に関係あるとも思わない。あの野球ボールを凶器として使うなら、何度も顔にぶつけるか握って殴打するかだ。効率が悪すぎるな。
そうだ、とりあえず最初のきっかけが、あのボールとは考えられないだろうか。軟式野球ボールとはいえ、それなりのスピードで当たったなら、なかなかのダメージがある。気絶するまではなくても、痛くて動けない。そこを素手なり適当な大きさの石なりで百叩きだ。腕力に自信のない人でもとどめを刺せる。阿部君に聞かれたなら、この線で行くか。聞かれたならな。
この推理に現実味を持たせてみよう。被害者と犯人は、ここで立ち話をしていた。すると飛んできたボールが不運なことに被害者を直撃。全然ありえるぞ。
ただ、こんな阿部君が怪盗の偵察のためにひとまず身を隠そうとした場所で、立ち話なんてするだろうか。ありえるじゃないか。二人の関係が良好ではないなら、ここしかないと言っていいほどの絶好の穴場だ。最も考えられるのが、被害者が犯人を脅迫していたということだ。
え? それなら完全に悪徳政治家夫人が犯人じゃないか。もともと悪徳な一家なうえに、夫と息子が様々な罪で逮捕され裁判中なのだ。さほど叩かなくてもホコリが出てくる。取っ掛かりとしては悪くない。でも思い込みは禁物だけどな。あのボールがあそこにあるということは、鑑識の人は事件と関係がないと踏んだのだから。たまたまうっかり屋さんの鑑識さんが派遣されて、灯台下暗しをやってしまったかもしれないが。鑑識さんも人間なのだから、誰も責めるんじゃないぞ。かわいそうだし、何よりも鑑識さんが真顔で、あのボールは事件と全く関係がないと断言したらどうするんだ。私が阿部君と明智君から軽く無視されるだろ。
分かったなら推理を進めるぞ。次にあのボールはどこから来たのかだ。この家の物ではないと、私が論理的な名推理で実証したよな? だから屋敷の高い塀の向こう側から来たとしか考えられない。だけど逮捕されて免職したとはいえ、政治家の家の周囲でボール遊びなんて誰がする? 本当に遊んでいるだけでも、公安が難癖をつけて国家反逆罪とかで逮捕するかもと心配になるのだから。というより悪徳政治家一家が許さないだろう。消費税を上げてやるぞとか言って脅すに決まっている。ということは、まあまあ離れたところから飛んできたのだ。
確かこの近くに野球ができるくらいの広場がある。私ほどでなくても、そこそこの助っ人外国人クラスの草野球青年なら、ここまで届くはず。ただ、どう考えても、あの高い塀が壁となってボールが直撃はしない。直撃はしないが、屋敷まで飛んで跳ね返って当たったことにするか。屋敷のどこかに、ボールが当たった跡があるはずだ。それも、すごく新しい。なかったらなかったでいい。そんなに真剣に探さないでおこう。なかったのではなく、見つけられなかったとしておかないといけない。それでボールがきっかけとなった推理が、あながち間違いではないぞと思わせられるだろう。私の凡庸な部下たちに。
問題はボールそのものに、被害者に当たった痕跡があるかどうかだ。あったなら、話が早いし、私の天下がしばらく続く。しかしないなら、今現在の私の名推理が根底から崩れるだけでなく、阿部君と明智君に対して言い訳まで考えないといけない。まあ、言い訳は得意だから気に病むほどではないがな。犯人が地面やらで擦ってしまったとか言えばいいだろう。それで阿部君と明智君は納得する。
それから、今、私が考えた仮説を披露してあげれば、二人はしばらく私を尊敬し続けてくれるはず。しかし間違った仮説なので、いつかは正直に話さないといけないが。それでも大丈夫だ。捜査とは、こういう可能性のあることを地道に消していくのも大事なのだと言えばいいだけだ。それなりに説得力はあるだろう。間違っても、私の見当違いをいちいちこれでもかとばかりにあげつらわないだろう。少なくとも、私は一つの筋の通った仮説を出したのだから。
意を決した私は、阿部君と明智君の視線を感じながらボールへ一直線に向かった。明智君、ふざけてボール遊びをするんじゃないぞ。被害者なり犯人なりの痕跡が100パーセントないなら、明智君が汚してくれたらどんなにか嬉しいか。だけどまだ可能性がゼロではないのだ。
でもまあ、明智君がボールをぐちゃぐちゃにすれば、明智君をとっちめる最高の理由ができるな。日頃の恨みなんて寝たら忘れるようにしてるが、正直なところそんな簡単に忘れられるものではない。そしてあのボールが凶器だろうが事件のきっかけだろうが、もしくは全く関係なかろうが、私はこの事件を解決する根拠のない自信があるのだ。明智君、ボールで遊びたいなら遊んでもいいぞ。
無言の圧力を加えようと明智君を見たら、阿部君にがっちり押さえられて何か言われている。先手を取られてしまった。この事件を解決したい度で言えば、私や明智君の比なんかではないのだから、阿部君も必死だな。
もし私と阿部君の置かれている立場が逆だったなら、あのボールはしばらく明智君のテリトリーから離れないだろう。そして約束の1週間が過ぎた後に、半笑いしながら阿部君が優しく手渡してくれる。このボールで自分がやりましたと言って自首するように勧めながら。いや、それはないか。明智君が路頭に迷ってしまう。せいぜい2、3日だな。2、3日の間、私があの手この手で明智君からボールを奪い取ろうとするのを、高みの見物だ。
私も普段の腹いせに、あのボールをうっかり明智君の前で落としてやろうかな。だめだ、仕返しが想像すらできない。実を結ばない私怨なんて早く忘れないと。事件に集中集中。
私は、明智君はおろか、おそらく屋敷のどこかから見ている私の中の第一容疑者の悪徳政治家夫人にもじゃまされず、無事にボールにたどり着いた。悪徳政治家夫人は監視カメラでは見ていないだろう。まだダミーだと思わせたいだろうから、スイッチを入れていないはずだ。でもこれで悪徳政治家夫人が犯人でないなら、どうしてダミーだと言ったのだろうか。こういう観点からも、悪徳政治家夫人が犯人だと疑いうる。だけど思い込みは危険だから、すべての証拠が揃うまではあらゆる可能性を視野に入れておこう。
良いのか悪いのか、あらゆる可能性から、まずはこのボールが外される時が来たようだ。このボールが事件に関係あるかないかで言えば、関係ないように見える。ボールの下の草の押しつぶされ具合からして、昨日今日ここに置かれたものではない。それでも草がたまたまそんな風に成長したのだと言われれば、納得するしかないのだろう。ただ、草の状況だけが判断材料ではないのだ。そう、ボールそのものがきれいなのだ。
軟式野球ボールが当たると同時に出血するかと言えば、するかもしれないが、しない時の方が多いだろう。だから赤黒い汚れがなくても、事件と関係がないとまでは言えない。しかし、血までとはいかなくても皮脂くらいは残るだろう。ボールに皮脂が付いているかどうかなんて見ても分からないが、もしかしたらそうかもという面影くらいは分からなくもないだろう。滑り止めをきちんと付けたきれいな手のピッチャーが投げて、汚れ一つないバットで打たれて、ここに来たとしかいいようがない。どう見ても、そんなボールだ。
いつの間にか私の視線を追うように、阿部君と明智君も、その野球ボールをガン見している。明智君はあの野球ボールが凶器だろうが何だろうが、持って帰って自分のおもちゃにしようと企んでいるだろう。しかし阿部君は、名探偵の私が注視しているのだから、あの野球ボールが事件と何かしらの関係があると信じているだろう。凶器ではないと信じて疑っていないけど。なぜなら、まがりなりにも阿部君は被害者の誰とも判別のつかない悲惨な顔面を見ている。一つの軟式野球ボールがどこかから飛んできて当たった程度の傷ではなかったはず。被害者の状態を私は見ていないが、阿部君の話を聞いた限りでは、きっとそうだ。
私だって、あの野球ボールが凶器だなんて確信していない。いや、凶器どころか事件に関係あるとも思わない。あの野球ボールを凶器として使うなら、何度も顔にぶつけるか握って殴打するかだ。効率が悪すぎるな。
そうだ、とりあえず最初のきっかけが、あのボールとは考えられないだろうか。軟式野球ボールとはいえ、それなりのスピードで当たったなら、なかなかのダメージがある。気絶するまではなくても、痛くて動けない。そこを素手なり適当な大きさの石なりで百叩きだ。腕力に自信のない人でもとどめを刺せる。阿部君に聞かれたなら、この線で行くか。聞かれたならな。
この推理に現実味を持たせてみよう。被害者と犯人は、ここで立ち話をしていた。すると飛んできたボールが不運なことに被害者を直撃。全然ありえるぞ。
ただ、こんな阿部君が怪盗の偵察のためにひとまず身を隠そうとした場所で、立ち話なんてするだろうか。ありえるじゃないか。二人の関係が良好ではないなら、ここしかないと言っていいほどの絶好の穴場だ。最も考えられるのが、被害者が犯人を脅迫していたということだ。
え? それなら完全に悪徳政治家夫人が犯人じゃないか。もともと悪徳な一家なうえに、夫と息子が様々な罪で逮捕され裁判中なのだ。さほど叩かなくてもホコリが出てくる。取っ掛かりとしては悪くない。でも思い込みは禁物だけどな。あのボールがあそこにあるということは、鑑識の人は事件と関係がないと踏んだのだから。たまたまうっかり屋さんの鑑識さんが派遣されて、灯台下暗しをやってしまったかもしれないが。鑑識さんも人間なのだから、誰も責めるんじゃないぞ。かわいそうだし、何よりも鑑識さんが真顔で、あのボールは事件と全く関係がないと断言したらどうするんだ。私が阿部君と明智君から軽く無視されるだろ。
分かったなら推理を進めるぞ。次にあのボールはどこから来たのかだ。この家の物ではないと、私が論理的な名推理で実証したよな? だから屋敷の高い塀の向こう側から来たとしか考えられない。だけど逮捕されて免職したとはいえ、政治家の家の周囲でボール遊びなんて誰がする? 本当に遊んでいるだけでも、公安が難癖をつけて国家反逆罪とかで逮捕するかもと心配になるのだから。というより悪徳政治家一家が許さないだろう。消費税を上げてやるぞとか言って脅すに決まっている。ということは、まあまあ離れたところから飛んできたのだ。
確かこの近くに野球ができるくらいの広場がある。私ほどでなくても、そこそこの助っ人外国人クラスの草野球青年なら、ここまで届くはず。ただ、どう考えても、あの高い塀が壁となってボールが直撃はしない。直撃はしないが、屋敷まで飛んで跳ね返って当たったことにするか。屋敷のどこかに、ボールが当たった跡があるはずだ。それも、すごく新しい。なかったらなかったでいい。そんなに真剣に探さないでおこう。なかったのではなく、見つけられなかったとしておかないといけない。それでボールがきっかけとなった推理が、あながち間違いではないぞと思わせられるだろう。私の凡庸な部下たちに。
問題はボールそのものに、被害者に当たった痕跡があるかどうかだ。あったなら、話が早いし、私の天下がしばらく続く。しかしないなら、今現在の私の名推理が根底から崩れるだけでなく、阿部君と明智君に対して言い訳まで考えないといけない。まあ、言い訳は得意だから気に病むほどではないがな。犯人が地面やらで擦ってしまったとか言えばいいだろう。それで阿部君と明智君は納得する。
それから、今、私が考えた仮説を披露してあげれば、二人はしばらく私を尊敬し続けてくれるはず。しかし間違った仮説なので、いつかは正直に話さないといけないが。それでも大丈夫だ。捜査とは、こういう可能性のあることを地道に消していくのも大事なのだと言えばいいだけだ。それなりに説得力はあるだろう。間違っても、私の見当違いをいちいちこれでもかとばかりにあげつらわないだろう。少なくとも、私は一つの筋の通った仮説を出したのだから。
意を決した私は、阿部君と明智君の視線を感じながらボールへ一直線に向かった。明智君、ふざけてボール遊びをするんじゃないぞ。被害者なり犯人なりの痕跡が100パーセントないなら、明智君が汚してくれたらどんなにか嬉しいか。だけどまだ可能性がゼロではないのだ。
でもまあ、明智君がボールをぐちゃぐちゃにすれば、明智君をとっちめる最高の理由ができるな。日頃の恨みなんて寝たら忘れるようにしてるが、正直なところそんな簡単に忘れられるものではない。そしてあのボールが凶器だろうが事件のきっかけだろうが、もしくは全く関係なかろうが、私はこの事件を解決する根拠のない自信があるのだ。明智君、ボールで遊びたいなら遊んでもいいぞ。
無言の圧力を加えようと明智君を見たら、阿部君にがっちり押さえられて何か言われている。先手を取られてしまった。この事件を解決したい度で言えば、私や明智君の比なんかではないのだから、阿部君も必死だな。
もし私と阿部君の置かれている立場が逆だったなら、あのボールはしばらく明智君のテリトリーから離れないだろう。そして約束の1週間が過ぎた後に、半笑いしながら阿部君が優しく手渡してくれる。このボールで自分がやりましたと言って自首するように勧めながら。いや、それはないか。明智君が路頭に迷ってしまう。せいぜい2、3日だな。2、3日の間、私があの手この手で明智君からボールを奪い取ろうとするのを、高みの見物だ。
私も普段の腹いせに、あのボールをうっかり明智君の前で落としてやろうかな。だめだ、仕返しが想像すらできない。実を結ばない私怨なんて早く忘れないと。事件に集中集中。
私は、明智君はおろか、おそらく屋敷のどこかから見ている私の中の第一容疑者の悪徳政治家夫人にもじゃまされず、無事にボールにたどり着いた。悪徳政治家夫人は監視カメラでは見ていないだろう。まだダミーだと思わせたいだろうから、スイッチを入れていないはずだ。でもこれで悪徳政治家夫人が犯人でないなら、どうしてダミーだと言ったのだろうか。こういう観点からも、悪徳政治家夫人が犯人だと疑いうる。だけど思い込みは危険だから、すべての証拠が揃うまではあらゆる可能性を視野に入れておこう。
良いのか悪いのか、あらゆる可能性から、まずはこのボールが外される時が来たようだ。このボールが事件に関係あるかないかで言えば、関係ないように見える。ボールの下の草の押しつぶされ具合からして、昨日今日ここに置かれたものではない。それでも草がたまたまそんな風に成長したのだと言われれば、納得するしかないのだろう。ただ、草の状況だけが判断材料ではないのだ。そう、ボールそのものがきれいなのだ。
軟式野球ボールが当たると同時に出血するかと言えば、するかもしれないが、しない時の方が多いだろう。だから赤黒い汚れがなくても、事件と関係がないとまでは言えない。しかし、血までとはいかなくても皮脂くらいは残るだろう。ボールに皮脂が付いているかどうかなんて見ても分からないが、もしかしたらそうかもという面影くらいは分からなくもないだろう。滑り止めをきちんと付けたきれいな手のピッチャーが投げて、汚れ一つないバットで打たれて、ここに来たとしかいいようがない。どう見ても、そんなボールだ。
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