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警視長による我々の印象
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それにしても、この警察官はどうして私たちが警視長付きの私設捜査官だと分かったのだろうか。『名探偵』と書かれた服を着ているわけでもないし、「名探偵参上」と言った覚えもない。そんなに私からものすごい探偵のオーラが大量に出ていたのだろうか。いくら探偵モードになっているとはいえ、本職の怪盗に戻った時に、名探偵のオーラが取れるのか不安になってきた。
一応聞いておいた方がいいな。と思ったら、阿部君が出しゃばってしまった。この警察官が面と向かって私にオーラがと言うのは照れるだろうから、間に凡人の阿部君を挟めた方がいいのかもな。
「あのー、そんなに私からものすごい探偵のオーラが出てましたか?」
なんて直球の質問をするんだ。それにオーラは阿部君からではなく私から出ているんだから、この警察官だって答え辛くなるじゃないか。日々、国民のために身を粉にしている警察官に気を使わせるんじゃない。明智君も違うと言っているような。まさか明智君までもが、オーラが出ているのは自分だと主張したいのだろうか。
「あっ……いえ……。そういうわけでは……」
ほらー、言わんこっちゃない。
「ワンワンワワン、ワッワッワーンワワンワワンワンワ?」
あっ、明智君、でしゃばるんじゃない。阿部君同様に、顔が真っ赤になるだけだぞ。阿部君以外の人間が、明智君の言いたい事を理解できなくて命拾いしているけどな。幸い、阿部君は通訳できる状況ではないようだ。
「ワンちゃん、大丈夫だよ。気にしないで中に入ってね」
ほら、明智君を探偵とすら認識してないぞ。当たり前だけどな。仕方ない。私が聞いてあげるか。結局は私の出番が回ってくるんだな。どんな小さな出来事も、主役が大トリになるのだ。
「あなたはオーラが見えるのですね?」
さすがに直球はあれなので、ほんの少しだけ回り道をする。なにせ私は奥ゆかしいから。
「いえ。そんなの見えたためしがないですよ。警視長に会った時も、普通のおじさんにしか見えなかったし。あっ、警視長には内緒で」
えっ? そうなのか。嘘をついているようには見えない。
「は、はい。でもそれなら、どうして私たちが警視長付きの私設捜査官だと分かったのですか?」
「ああー。それなら、警視長が言っていた通りの方たちが来られたので」
警察官のこの言葉で阿部君が息を吹き返した。ポジティブなことを期待している顔だ。あ、阿部君は懲りないな。
「ええー! 警視長は何と言ってたんですか?」
「えっ……。それは、ちょっと……」
こらっ、阿部君、ここから先は聞かない方が、我々のためだぞ。世の中には知らない方がいいこともあるのだから。この警察官も警察官だ。嘘でもいいから「今日来るのは2人と1頭の探偵だけと聞いていたので」とかなんとかごまかしておけば、誰も損はしないんだぞ。それを、お前がそんな答え方をすれば、誰だって聞きたくなるじゃないか。
「まあまあ。私は褒められても全然照れないので、遠慮せずに言ってくださいね」
ほらー。阿部君が自分の都合のいいように解釈しているし。うん? 明智君までもがちょっと顔を赤らめているじゃないか。阿部君とは違って、失敗して恥ずかしいではなく褒めちぎられて恥ずかしいが先走っているのだな。まあしかし、明智君は警視長に気に入られているから褒められた可能性がゼロではないか。ただ、私は……。わざわざ聞きたくないぞ。警視長の性格を知っているんだ。
ほらっ、警官、ごまかし通せ。と切望したのもつかの間、この警察官が何か思案しだした。
「えー? うーん。警視長の意図は私の計り知れないところなので、警視長の言ったままを話しますよ」
この警察官、自分に八つ当たりされないために、布石を打ちやがったな。当然か。そしてこいつがこう言っているってことは、普通なら、完全に悪く言われていると気づくところだ。それを証拠に、阿部君の目尻が少し上がったようだ。しかしもうあとには引き返せないし、良い事にせよ悪口にせよ気になって聞かずにはおれないのだろう。
明智君はまだまだ余裕だ。いやむしろ、早く言ってくれって感じだな。尚且、周りを気遣う余裕まで併せ持っている。阿部君に対して同情的にチラ見したし、私の方を意地でも見ないという強い意思を感じられる。それが明智君なりの優しさなのだ。バカにされるのは辛いが、私は同情されるのが嫌いだから。ありがとう、明智君。
私なら大丈夫だよ、明智君。こんな事はいいたくないが、私は慣れている。そして警視長の性格だって知っているつもりだ。そのうえで、私と警視長は馬があっていたんだよ。お互いに言いたい事を言える、気心の知れた仲だったのだから。
ただ、阿部君は警視長と面識があるわけではないし、警視長の性格なんて知るわけがない。なのに、そんな警視長からボロクソに言われたなら、ボロクソに言われたと決まったわけではないが、どうなるのだろう。今日の捜査に影響するのは必至だ。もちろん悪く。下手したら、早退するまである。いや、自分の身の潔白を証明しないといけないので、なんとか捜査は続けるかもしれない。
阿部君がいようがいなかろうが、私の意見を言わせてもらえれば、影響がない……。いや、機嫌の悪い阿部君なら、いない方がいい。確実に私と明智君に八つ当たりをしてストレス解消をするのだから。いや待てよ。今回に限っては、阿部君と私がけなされ、明智君だけが褒められる。なので、八つ当たりはすべて明智君に行く。
うん、大丈夫だ。心の準備はできているし、私には一切の害がない。だから、警官、警視長が言った通りの事を言っておくれ。万が一阿部君が君に襲いかかろうとしたら、私が身を挺して守ってやる。そうしないと阿部君が公務執行妨害で捕まるからな。現行犯で。刑務所に入れられるまではないだろうけど、警察官に対しての心証が悪くなるし、捜査からも強制的に外さざるを得なくなる。その方が捜査はしやすいというのが本当のところだ。だけど、私と明智君が我が家兼アジトに帰った時に、飲んだくれた阿部君から謂れのない説教の雨あられを食らうのが目に見えるのだ。酔っ払った阿部君からの説教に比べたら、シラフの阿部君からの暴力なんて……。
「はい、大丈夫です。心の準備はできてます」「ワンッ! ワワワンワーン!」
阿部君と明智君が返答するまで、まあまあ時間がかかったな。まさか本当に心の準備をするために時間を費やしていたのだろうか。褒められるのが前提の心の準備を。明智君はいいとしても、阿部君が褒められるなんてありえないのに。ポジティブなのもいいが、己を知る努力もしてくれないだろうか。しないな。ここまで来たら、あまりに対極のことを言われて、言葉を理解できないように期待しよう。
阿部君が不機嫌となってもならなくても、捜査自体にはさほど影響がない。私に対する暴言及び暴力が増える程度だ。私は人間ができているから大勢には影響は皆無だ。だけど褒められるのがほぼ確実の明智君は上機嫌となれば、様々な無理難題をきいてくれるだろう。捜査には大きくプラスだ。なんとか私もポジティブ要素を探したぞ。
よし、警官、いつでも来い。
「では。『自己中心的でおっちょこちょいを絵に描いた若い女性と、くたびれたおじさんと、一般的にはバカ面だけど私はかわいい顔をしていると思う食い意地のはった人懐っこい何も悩み事のない人生というか犬生を謳歌しているバカ面のゴールデンレトリバーが……あっ、さっきもバカ面と言ったかな、それも個性なんだけどね。ハハッ。ごめんごめん。僕は犬好きだから、どうしても長くなっちゃって。こういうおかしな三人組が現れたら、捜査に協力してあげてね。必要な事は何でも教えてあげたり、請われればバカげた事でも何でも手伝ってあげて。外見だけで判断して、適当にあしらったらだめだよ。僕に接するのと同じように、いや僕だと思って接してね』と仰ってました。あっそれと、私はこの現場を警備していたから、わざわざ警視長がここまで赴いてきて説明していただいたんです。他の署員は非番の警察官も含め一同警察署に集められて、むりやり捜査本部を作りそこで説明されたそうですよ。なので、ここの管轄の警察官はみんな事情を知っているので、遠慮なくいろいろ聞いてくださいね」
一応聞いておいた方がいいな。と思ったら、阿部君が出しゃばってしまった。この警察官が面と向かって私にオーラがと言うのは照れるだろうから、間に凡人の阿部君を挟めた方がいいのかもな。
「あのー、そんなに私からものすごい探偵のオーラが出てましたか?」
なんて直球の質問をするんだ。それにオーラは阿部君からではなく私から出ているんだから、この警察官だって答え辛くなるじゃないか。日々、国民のために身を粉にしている警察官に気を使わせるんじゃない。明智君も違うと言っているような。まさか明智君までもが、オーラが出ているのは自分だと主張したいのだろうか。
「あっ……いえ……。そういうわけでは……」
ほらー、言わんこっちゃない。
「ワンワンワワン、ワッワッワーンワワンワワンワンワ?」
あっ、明智君、でしゃばるんじゃない。阿部君同様に、顔が真っ赤になるだけだぞ。阿部君以外の人間が、明智君の言いたい事を理解できなくて命拾いしているけどな。幸い、阿部君は通訳できる状況ではないようだ。
「ワンちゃん、大丈夫だよ。気にしないで中に入ってね」
ほら、明智君を探偵とすら認識してないぞ。当たり前だけどな。仕方ない。私が聞いてあげるか。結局は私の出番が回ってくるんだな。どんな小さな出来事も、主役が大トリになるのだ。
「あなたはオーラが見えるのですね?」
さすがに直球はあれなので、ほんの少しだけ回り道をする。なにせ私は奥ゆかしいから。
「いえ。そんなの見えたためしがないですよ。警視長に会った時も、普通のおじさんにしか見えなかったし。あっ、警視長には内緒で」
えっ? そうなのか。嘘をついているようには見えない。
「は、はい。でもそれなら、どうして私たちが警視長付きの私設捜査官だと分かったのですか?」
「ああー。それなら、警視長が言っていた通りの方たちが来られたので」
警察官のこの言葉で阿部君が息を吹き返した。ポジティブなことを期待している顔だ。あ、阿部君は懲りないな。
「ええー! 警視長は何と言ってたんですか?」
「えっ……。それは、ちょっと……」
こらっ、阿部君、ここから先は聞かない方が、我々のためだぞ。世の中には知らない方がいいこともあるのだから。この警察官も警察官だ。嘘でもいいから「今日来るのは2人と1頭の探偵だけと聞いていたので」とかなんとかごまかしておけば、誰も損はしないんだぞ。それを、お前がそんな答え方をすれば、誰だって聞きたくなるじゃないか。
「まあまあ。私は褒められても全然照れないので、遠慮せずに言ってくださいね」
ほらー。阿部君が自分の都合のいいように解釈しているし。うん? 明智君までもがちょっと顔を赤らめているじゃないか。阿部君とは違って、失敗して恥ずかしいではなく褒めちぎられて恥ずかしいが先走っているのだな。まあしかし、明智君は警視長に気に入られているから褒められた可能性がゼロではないか。ただ、私は……。わざわざ聞きたくないぞ。警視長の性格を知っているんだ。
ほらっ、警官、ごまかし通せ。と切望したのもつかの間、この警察官が何か思案しだした。
「えー? うーん。警視長の意図は私の計り知れないところなので、警視長の言ったままを話しますよ」
この警察官、自分に八つ当たりされないために、布石を打ちやがったな。当然か。そしてこいつがこう言っているってことは、普通なら、完全に悪く言われていると気づくところだ。それを証拠に、阿部君の目尻が少し上がったようだ。しかしもうあとには引き返せないし、良い事にせよ悪口にせよ気になって聞かずにはおれないのだろう。
明智君はまだまだ余裕だ。いやむしろ、早く言ってくれって感じだな。尚且、周りを気遣う余裕まで併せ持っている。阿部君に対して同情的にチラ見したし、私の方を意地でも見ないという強い意思を感じられる。それが明智君なりの優しさなのだ。バカにされるのは辛いが、私は同情されるのが嫌いだから。ありがとう、明智君。
私なら大丈夫だよ、明智君。こんな事はいいたくないが、私は慣れている。そして警視長の性格だって知っているつもりだ。そのうえで、私と警視長は馬があっていたんだよ。お互いに言いたい事を言える、気心の知れた仲だったのだから。
ただ、阿部君は警視長と面識があるわけではないし、警視長の性格なんて知るわけがない。なのに、そんな警視長からボロクソに言われたなら、ボロクソに言われたと決まったわけではないが、どうなるのだろう。今日の捜査に影響するのは必至だ。もちろん悪く。下手したら、早退するまである。いや、自分の身の潔白を証明しないといけないので、なんとか捜査は続けるかもしれない。
阿部君がいようがいなかろうが、私の意見を言わせてもらえれば、影響がない……。いや、機嫌の悪い阿部君なら、いない方がいい。確実に私と明智君に八つ当たりをしてストレス解消をするのだから。いや待てよ。今回に限っては、阿部君と私がけなされ、明智君だけが褒められる。なので、八つ当たりはすべて明智君に行く。
うん、大丈夫だ。心の準備はできているし、私には一切の害がない。だから、警官、警視長が言った通りの事を言っておくれ。万が一阿部君が君に襲いかかろうとしたら、私が身を挺して守ってやる。そうしないと阿部君が公務執行妨害で捕まるからな。現行犯で。刑務所に入れられるまではないだろうけど、警察官に対しての心証が悪くなるし、捜査からも強制的に外さざるを得なくなる。その方が捜査はしやすいというのが本当のところだ。だけど、私と明智君が我が家兼アジトに帰った時に、飲んだくれた阿部君から謂れのない説教の雨あられを食らうのが目に見えるのだ。酔っ払った阿部君からの説教に比べたら、シラフの阿部君からの暴力なんて……。
「はい、大丈夫です。心の準備はできてます」「ワンッ! ワワワンワーン!」
阿部君と明智君が返答するまで、まあまあ時間がかかったな。まさか本当に心の準備をするために時間を費やしていたのだろうか。褒められるのが前提の心の準備を。明智君はいいとしても、阿部君が褒められるなんてありえないのに。ポジティブなのもいいが、己を知る努力もしてくれないだろうか。しないな。ここまで来たら、あまりに対極のことを言われて、言葉を理解できないように期待しよう。
阿部君が不機嫌となってもならなくても、捜査自体にはさほど影響がない。私に対する暴言及び暴力が増える程度だ。私は人間ができているから大勢には影響は皆無だ。だけど褒められるのがほぼ確実の明智君は上機嫌となれば、様々な無理難題をきいてくれるだろう。捜査には大きくプラスだ。なんとか私もポジティブ要素を探したぞ。
よし、警官、いつでも来い。
「では。『自己中心的でおっちょこちょいを絵に描いた若い女性と、くたびれたおじさんと、一般的にはバカ面だけど私はかわいい顔をしていると思う食い意地のはった人懐っこい何も悩み事のない人生というか犬生を謳歌しているバカ面のゴールデンレトリバーが……あっ、さっきもバカ面と言ったかな、それも個性なんだけどね。ハハッ。ごめんごめん。僕は犬好きだから、どうしても長くなっちゃって。こういうおかしな三人組が現れたら、捜査に協力してあげてね。必要な事は何でも教えてあげたり、請われればバカげた事でも何でも手伝ってあげて。外見だけで判断して、適当にあしらったらだめだよ。僕に接するのと同じように、いや僕だと思って接してね』と仰ってました。あっそれと、私はこの現場を警備していたから、わざわざ警視長がここまで赴いてきて説明していただいたんです。他の署員は非番の警察官も含め一同警察署に集められて、むりやり捜査本部を作りそこで説明されたそうですよ。なので、ここの管轄の警察官はみんな事情を知っているので、遠慮なくいろいろ聞いてくださいね」
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