異世界に来たからといってヒロインとは限らない

あろまりん

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この世界での私の立場

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「コズエ様、準備はできました?」

「うん、平気!今降ります!」



はい、と扉の向こうからライラの声。
今日は学園入学を前に、街で必要なものを買出しに出かける。

制服はお屋敷にテーラーの方が採寸に来てくれたのだけど、何分急ぎの話になったので取りに行く事に。
ついでに街を見物、学園に通うのに必要な小物類、身の回りのものを買出しに行こうとなったのだ。
時間があれば取り寄せる事もできたらしいけど、私が街に出てみたい!とお願いした。

だって!今までお屋敷と本邸、研究所くらいしか行き来がなかったんだもん!寄り道は許してもらえてなかったし。

今回はターニャとライラが一緒に来てくれるので、普通に街歩きをして散策することも許可が出ました。
誰の許可って?それは…



「いいですかターニャ、ライラ。万が一にもコズエ様に危険な事のないように。くれぐれも気を付けなさい」

「はい、セバスチャンさん」
「かしこまりました、セバスチャンさん」



えー、我が家の優秀な家令、セバスさんです…

最後まで付いていきます、と言っていたのだけど、ゼクスさんのお客様が来るということで断念。
どうも偉い人が来るようで、私がこのお屋敷にいない方がいいかもしれない、という判断で街へお出かけも可能になった様子。
どなたが存じませんがありがとうございます。

私もセバスさんに『気を付けてください、ターニャとライラのどちらかから離れないように』と念を押された。
確かに迷ったりはぐれても帰ってこられるか微妙。

かくしてターニャとライラ、私のお出かけは幕を開けたのである。



********************



王都でも一際賑やかな商業エリア。

石畳も美しい大通り。
緑なす常緑樹が生え、色とりどりの看板や飾り付けをしたお店が立ち並ぶ。大きな専門店が並んでいて、まるで銀座の大通りみたいだ。

とはいえ中央通りの一本中へ入れば、品の良い小さいお店もずらり。
うん、ホントに銀座っぽいわぁ…
ウィンドウショッピングしたいです!

馬車の中からきょろきょろする私を、ターニャが笑う。



「コズエ様ったら、おのぼりさんですよ?」

「いいの!本当におのぼりさんだから!」

「そうですね、コズエ様はこちらに来られるのは初めてでしたね。大通りは貴族が使う大店が多いです。平民の方も来ることはあるようですが、馬車で店の前に乗り付けるのは貴族ですからわかりやすいかと」

「確かにね。そこは想像通りかも」

「平民が多く出入りするお店は、通りが違うんですよ。
そっちは馬車よりも、歩いて回った方がいいですよ?
なんせ道はそこまで大きくないし、店自体も小さいですもん」

「いいな~歩きながらお店見てみたいな~」

「では、先に制服を受け取りましたらそちらへ参りましょうか」

「いいの?ライラ?」



ライラなら『あまりそちらには…』と言いそうだったイメージ。私が疑問に思ったのを見越してか、笑って答える。



「セバスチャンさんより、コズエ様はきっとそうなさるだろうとお話がありましたから。それに学園に通われるといっても、コズエ様は平民生徒としての入学を希望されたと伺っています。
ならば持ち物も平民達が利用する店で揃えた方が違和感はないと思います」

「ですよね、それに貴族のお坊ちゃんお嬢様がお使いになる文具とかは、見た目ですぐわかっちゃうと思います。
コズエ様は平民生徒のクラスに振り分けられると思いますから、変に目立つよりいいですよ!」

「確かに・・・使う方もそんなに値が張ってたら気後れしちゃう」



制服を注文していたお店へ。
ここは大通りでも開けた所にあるから、馬車を付けて降りる。
私の格好は貴族のお嬢様…というより裕福な平民家庭の人が着るようなちょっといい生地のお出かけ着。
元の世界の感覚だと、ちょっといいレストラン行く時のワンピース、に近いかな。お値段20000円くらいのね。

ターニャとライラの2人も同じようなもの。
今回はメイド服じゃなくて、2人が私事で出掛ける時の洋服を来てきてもらった。じゃないと街歩きできないし!

ま、馬車にタロットワークの家紋ついてますけどね。

こちらの仕立て屋さん、学園の制服を一手に引き受けている所。
なので貴族も平民も出入りする。
とはいえ、ここは本店なのでどちらかというと貴族寄り?
支店が別の通りにもあるそうで、平民の人はそちらを利用する事が多いのだとか。
今回は季節外れ、ということでこちらを利用。

制服はブラウスにジャケット、スカートという定番なのだが、ブラウスやタイ、リボンの組み合わせは自由。
一応基本セットはあるけれど、貴族の皆様は個性を出したいとの事でそこは自由にしてあるらしい。
学生の本分を見失わない程度、との注意はあるようだけど。
これがまたスカートの丈もおまかせってんだから…

ミニスカ&ルーズソックスを流行らそうかなんて思ったが、今の私は見た目が15歳だが、中身はれっきとしたアラフォー。
スカート短いと冷える、と思ってしまう…
なので、スカート丈は通常の膝丈。そしてハイソックスにしました。定番よね!

靴下なんかも、白、黒、紺と取り揃えられていたので、一応替えに各色を数点ずつ買わせてもらう。
ちなみに今回の学園生活にかかる諸経費は全てゲオルグさん払いとなっております(エオリアさんからの手紙より)

制服の色は、貴族が白。平民が紺色となっております。
色の他にも少し刺繍が違ったりもする。
見た目で差がつくとわかりやすくて助かる。色んな意味で。
しかし、白の制服って汚れない?気になっちゃう。
貴族の生徒さん達は汚さないように振る舞えるのかな、なんて思うがこの世界には便利な魔法があるのである。

生活魔法の一種なんだけど、清潔クリーン魔法。
その名の通り、これを使うと服の汚れとかキレイになるのよ。
研究所で聞いたんだけど、除菌もしてくれる優れもの。
何この魔法、これがあったら時間かけて掃除とかしなくていい!お風呂掃除とかトイレ掃除も楽になるじゃない!発明した人エラい!
…と感動していたら『そもそも貴族様はメイドにやらせるからそんなに多用してないかも』と…

ならば平民には!と思ったけど、少しの範囲ならともかく家全体となるとかなりの魔力を消費するから頻繁には使わないらしい。
だったら自分で掃除する方が早いとか…力の差によってどのくらいキレイにできるかも違うらしいし、平民だと魔力量少ない人多いからと。がっかり…

私は思いっきり使ってます。
うっかり服にトマトのパスタソース跳ねた時とか。
とっても便利です。染み抜きって面倒だからね。

魔法を学んでから、この生活魔法ってホントに便利だなって思う。科学ではなく魔法が発展してきたこの世界ならではの発想。
さすがにテレビはないんだけど…ね。
だいたいの家電の役割は生活魔法で補えます。

さて、話が飛んだけれど、制服を受け取ったのであとは楽しいお買い物の時間!
さて、楽しむぞー!

意気揚々と大通りの仕立て屋さんを出る。
タロットワークの馬車はどこかに止めたのかな?



「馬車って止めておく所あるの?」

「はい、近くに駐車するスペースがあります。
馬車はダンが見ていてくれるので、コズエ様はお気になさいませんよう」

「ダンも馬車を預けたら時間を潰してくれるって言ってましたから、コズエ様は好きなだけお買い物楽しんでいいんですよ?」

「ターニャ、羽目を外しすぎないように」

「うっ! ・・・とまぁライラの言う通り羽目は外せませんが、今日はコズエ様のお買い物に全面的にお付き合いします!」



そうと決まれば、楽しまねば!
大通りも人が通行するスペースなある。
馬車はひっきりなしに通るけど、歩道が舗装されているから安全だ。ガードレールはないけどね!

キレイな並木道、石畳の道路。
これだけなら外国に旅行に来た気分なんだけどな。
ちらほらと帯剣した人が見えるのが、異世界って感じ。



「ねぇターニャ、ライラ。こちらで珍しいお店ってない?」

「?」
「例えば、何でしょう?」

「冒険者ギルド・・・とか?」

「冒険者ギルドですか?それならもっと王都出入り口の門の近くにありますよ?」

「やっぱりあるんだ」

「冒険者ギルドだけでなく、商人ギルドもありますね。
商人ギルドは貸金などもしています。あそこです」



ライラの指す方を見ると、大きく立派な建物。
外国の市役所みたいだな。出入口に屈強そうな人が警備員として立っているのが見える。

ひと通り見ながら歩き、少し疲れたから通りのカフェに。
ターニャお気に入りのスイーツのお店。
ケーキと紅茶を頂いた。シフォンケーキ美味しいです。



「私これが好きなんですよ~」

「ターニャはメープルが好きなんだ。
ライラはプレーンでいいの?」

「私はあまり色々な味が入っていない方が好きです」



ターニャはこってり甘い物が好き、と。
ライラは好き、というより嗜み程度かな?もしかしたらお酒とかの方が好きだったりしてね。
…そういえばこっちの成人って何歳なんだろう。



「ねえ?成人、って何歳からになるのかしら?」

「そうですねえ、貴族も平民も同じく15歳のはずですよ」
「ターニャの言う通りですね。貴族の子息女なら社交界デビューも15歳からです。婚約などはもっと前から可能ですが、結婚となると成人を迎えてからですね」

「平民もそれは変わらず?」

「はい、そうですよ」



聞いてみると、貴族・平民ともに15歳で成人という事は変わりない。
その歳から結婚もできるし、仕事にも就ける。平民だともっと前から見習いとして働き始める子も少なくないのだとか。

貴族は15歳で社交界デビューが可能。ゲオルグさんが教育とかうるさかったのって、これが原因かな。
お披露目として15歳を迎えたら夜会デビューするようだけど、そこから先は家ごとに違うらしい。同じ歳でもしっかりしてる子もいれば、まだまだ子供な人もいるもんね。

騎士団の入団試験を受けられるのも15歳から。
特例として12歳から訓練に参加できるけど、正式な団員として認められるのは15歳を過ぎてないといけないそうだ。
12歳って言ったら男の子でも体が育ちきってないもんね。15歳でも早い気もするけれど、そこまで育てば後は問題ないという事なんでしょう。
あんまり小さい頃から筋肉鍛えると、それが邪魔して背が伸びなくなるんだよね、確か。昔クラスメイトがそれで悔しがっていたっけ。

学園に入れるのも15歳から、というとやっぱり高校や大学っぽい位置づけよね。義務教育終えての進学って感じ。
…おっと、話が逸れた。



「私はアールグレイのシフォンケーキが好きなんだけどな~」

「えっ!?そんなのありました!?」

「あーいや、『向こう』の話ね。
でも茶葉を細かく刻んで生地に入れればいいから、簡た・・・むぐ 」

「コズエ様、そのお話は帰ってからいたしましょう」



むぐ、というのはライラが私の口にシフォンケーキを突っ込んだから。いいのかマナーとして。
周りの様子からすると、話も聞こえてなかったようだ。
…ライラが私の口に狙い違わずケーキを突っ込んだのも。

帰ってからマートンに焼いてもらおう。そうしよう。



********************



カフェでひと休みしたので、次は通りを奥へ一本入ってみる。
そちらには平民が利用するという通りが。
私達の服装は貴族とまではいかないし、そもそも貴族のお嬢様は徒歩で移動はなさらないそうです。

私が先を歩き、お店のウインドウを覗き。
ターニャとライラは少し後ろを並んで歩いて付いてくる。
私が歩く速度も遅いし、2人は周囲を気にしながら歩いている。



「あ、そこですよコズエ様。文具屋さん」

「じゃ入りましょ。何がいるかな?」

「そうですね~インクやペン、ノート類でしょうか?
後は可愛いポーチやハンカチもオススメです!」



ターニャと話しながら店の中に入ると、文具店と言うよりも雑貨屋さんに近い。
アドバイス通り、インクやペン、ノートなどを選ぶ。
今までのようにボールペンとかサインペンあればいいのになーなんて思いつつ。鉛筆もないよね…



「もっと楽に書けるペンとかあればな・・・」

「コズエ様、もしかしたらお役にたてるかもしれません」

「ん?」



ペンを選びつつ、つい呟けば近くに寄ってきていたライラがこそっと耳打ち。



「確か旦那様がインクを付けなくても書けるペンをお持ちかと」

「え、あるの?そんなの?」

「確か、研究所で開発中の魔術具だったかと。
お屋敷に戻った際に聞いてみてはどうですか?」



一応こちらのペンなども必要になると思いますから、とひと通りお買い上げ。でもいちいちインク付けなくていいなら楽じゃない?研究所で開発って事は魔力使うタイプか。
モニターって事で使わせてくれないかな~?

文具類の買い物を済ませ、別の雑貨屋さんも見よう!と3人で店を出ると、何やら騒がしい。
なんだろう?と騒ぎに目をやると、数件隣の店で揉め事のよう。
店の前にはどでん!と馬車が。



「・・・」

「あーあ、入れそうにありませんねぇ。
あそこの石鹸やハンカチ、すごくオススメなんですよ~?」

「見たところ、貴族の方が出入りしているようですね。
コズエ様、どうしましょうか」



ターニャおすすめならいい店なんだけど。
入ってみたいが揉め事には関わりたくない。
でも次に買いに来れるのはいつかわからないし。
悩む…



「どうしますか?コズエ様」

「行きたいけど、揉め事に関わりたくないな。
でもまたいつ来れるかというと微妙だし、買えるものは今日買っておきたいけど・・・」

「かしこまりました。ターニャ」

「おまかせ下さい!」



え?え?と思っているとターニャが件のお店へと入る。
いいの?あれいいの?も思うけれど、ライラは大丈夫ですとばかりに微笑んでその場を動かない。

待つこと数分。
エラくプリプリしたお嬢様がメイドさんと共に出てきた。
金髪の巻き毛に、フリルたっぷりのドレス。
馬車に乗り込むと、大きな包みを持ってお店から急いで出てきた護衛らしき人が続き、馬車はその場を離れていった。



「帰って・・・いったね?」

「そのようですね。お店に入れそうですよ、コズエ様」



店の入口から手を振るターニャ。
お店に入ると、それは雰囲気のある雑貨屋さん。
優しい色使いの小物がたくさん置いてあるが、かなりの品がなくなっていた。うん、さっきのお嬢様ですね。

それでも自由に物色していれば、ターニャはお店の人にお礼を言われていた。



「先程は助かりました、ターニャ様」

「いいんですよぉ、いつもお世話になってますし!」

「貴族のお嬢様でしたのでこちらも大きく出るわけに行かず・・・タロットワークのお名前を貸して下さらなかったら店のもの全て持っていかれてしまう所でした」

「また何かあったら言ってくださいね!」

「はい、何かお買い上げの際はおまけいたしますので遠慮なくどうぞ」

「えっ?じゃあじゃああれなんですけど・・・」



そんなターニャを見かねてか、ライラの目がスっと細められる。



「申し訳ございませんコズエ様、しばしお側を離れますね」

「アッハイ」



ごめんねターニャ、私には止められないよ…
視界に耳を引っ張られて連れていかれるターニャを見つつ、私は欲しい雑貨を選んでお買い物。
ライラは離れる時にちゃんと私にお財布を渡してくれたので、ちゃんとお支払いできました。

行きの馬車の中で貨幣価値教えてもらっておいてよかった。



*********************



その後、はしたないと言われつつもクレープを立ち食いし、ダンと合流してお屋敷に戻る。

冒険者ギルドを見学には行けなかったけど、今度ダンの冒険者時代のお話を聞かせてくれるらしい。
頼んでギルド見学も連れてってもらえないかな?

それにはセバスさんの説得が必要なんだけどね…。

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