異世界に来たからといってヒロインとは限らない

あろまりん

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異世界さん、こんにちは

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「頼まないのか?」



いや、そういうことじゃなくてですね



「気にしなくていい、ここは俺が払う」



あ、そうですか?
…じゃなくて!

目の前には学年一、いや学園一とも言われる剣の才能を持つ殿方が無表情とも取れる顔を私に向けている。

ていうかさっきから声を掛けられてる訳だけれども、声のトーンが平坦というか、感情がこもってないと言うか…

チラリ、と彼を見れば急かすでもなく私をじっと見ている。
怒ってんの?それとも温厚なの?全く読めない…しかし男前だなぁ…



「ならば適当に頼むがいいか」

「あっ、いえ、頼みます、頼ませていただきます」



はぁ、どうしてこんな事になっているんだろう。
私はため息をつきながらメニュー表を開いて顔を隠し、誤魔化した。

そして私はこの世界にやって来てから今までの事を少しだけ思い返す。



********************



私の名前は山口 梢やまぐち こずえという。
現在、よくわかりませんが、2次元的な…あのほら、なんていうか、異世界にいます。
…え?意味わからない?でしょうね、それは貴方だけではない。大丈夫、私にも完全に状況が飲み込めていないから。

誰に向かって喋っているんだ?
それはあれよ、イマジナリーフレンドってやつよ。
自分の中で考えをまとめるにはね、こういう頭の中のオトモダチに力を借りるといいんですよきっと。

色々と可能性を考えた結果、いわゆるラノベでいう『異世界転移』という奴だ、という結論に達した。

私も昔、学生だった時はよく読んだものですよ、そういう物語。ぶっちゃけ好きでしたよ。
ほら現実逃避とまでは行かないけど、物語の主人公に共感してドキドキワクワクを味わうお年頃じゃない。
ゲームだって大好きでしたよ。いい大人になっても睡眠時間を削って仕事中にウトウトしながらもクリアまで頑張ったものですよ。
あ、乙女ゲームもやったけど私の好きなのはRPGです。ドラ○エとかF○とかペ○ソナとか。

そういう世界で冒険だー!とか夢で見た事だってありますよ?(きっと一度くらい妄想したことがあるはず)

だけどね?本当に、現実に、自分にそういうのが降りかかってくるなんていったい誰が予想できるのでしょう。

ラノベの世界だと『玄関開けたら違う世界でした』とか、『ドアを潜ったら違う世界』とか、『目の前が光って…』とかパターンは様々。
私の場合は、寝て起きたら、別の世界でした。

とりあえずもう1回寝てみたけどダメでした。
あれ…夢…じゃない…?と思ったら知らない人が部屋に入ってきて。

テンプレであれば、『異世界人という事で利用される、またはひどい目に合う』という不幸展開か『国の伝説通り聖女様が!』という幸運面倒臭い展開の2択。
私の場合はどちらかというと比較的ラッキーな、幸運展開の『大事にされる方』でした。
いきなり『あなたは聖女様です!』とかじゃなくてよかった。そもそも清らかな乙女じゃないし。ゲフンゲフン。

別の部屋に連れていかれ美味しいご飯をご馳走になった挙句、国の偉い人であろうご年配の男性に『ゴメンなんか手違いで召喚しちゃったテヘペロ』的な説明をされ。
怒涛の勢いで謝罪&丁重な扱いを受け『帰る方法を見つけるまでちょっとこの国滞在してみない?』ということになった。

はっ!と我に返った時には既に色んな手続きが終わっていた…のだから、自分でもショックを受けていたのだろう。

私も一応、社会へ出て十ウン年と社会人をしていたわけだし、余程の事がない限り、怪しいインチキ商法にも騙されないであろう、とは思っているのだけど。
『これは夢?夢じゃないの?』と混乱してる時に畳み掛けられると正常な判断なんてできない、ということを実感しました。
しかも丁寧に謝罪され、ここにいる間の生活の補償もしてくれると言うのだから…

『異世界から来た年頃の女の子を1人放り出すのは…』と心配され、最初に謝罪してくれたご年配の男性のお世話になることに。
…ん?年頃の女の子?私アラフォーですけど…?と思い自分の姿を(ようやく)確認すれば、そこにはどう見ても15~6歳の自分がいました。

鏡に映っているのが自分なのか、半信半疑でいると、私の様子を不審に思ったのか、『どうかしましたかな?』と質問された。

私は自分の本来の歳よりも今の姿が若いことを話した。隠す事もできただろうが、私は正直に話す事を選んだ。
鏡越しの私の姿は、高校生くらいの頃の自分と大差なく見える。ただ、髪の毛の色が少しばかり明るい茶色…亜麻色とでもいうのだろうか?明るめのカラー剤を使ったかのようだ。瞳の色は変わりなく黒のため、大きな違和感はない。



「ふむ、なるほど。 ・・・ハッキリとは申せませんが、異世界へ召喚された事が原因でしょうなぁ」



顎髭を扱きながら、男性はそう呟いた。男性の見た目は、ゲーム世界でいうと賢者のような服装をした初老男性。
召喚魔法を使ったのは自分ではないが『異世界から人を招いた』…というアクシデントは長く生きている男性にしても初めての事なのだそうだ。
そこに、何らかの異常事態アクシデントが働いてそうなったのかもしれないという事はあり得る、と。



「いやはや、誠に申し訳ない。ワシの管理下で起きた事とはいえ・・・」

「そこまでして謝らなくてもいいです」



さすがにご年配の方に土下座されるとつらい。しかしスムーズに土下座したなこの人。慣れてないか?
確かに私が被ったデメリットは大きい。ものすごく。
とはいえ、親切にしてもらってるし、今後の待遇もかなり補償されている。その上帰るのに1番力を貸してもらわないといけない人にここまでされるとなんか良心が痛んでしまう。

ん?でも私が面倒に巻き込まれてるのってこの人のせい…

と、なんやかんやあったけれど、私はこの異世界で保護してもらった国のお偉いさんに後見人になってもらって生活を始めた訳で…

今まで自分が生きてきた世界とは違う、この異世界はラノベらしく『剣と魔法』の世界だということ。

異世界から来た私にも『魔法』の素質があるということ。

それを知った私は、高校生くらいに若返ったのをいい事に『学園』へと通わせてもらうことにした。
もしかしたら、『帰還の召喚魔法』を完成させる何かの方法を見つけることができるかもしれないから。

…うん、『魔法』使ってみたいっていう気持ちがあったことは否めない。
折角なんだし、自分の気持ちには正直にならないとね!
そうでも思わないとやっていけないでしょう?



********************


それを見かけたのは本当に偶然だった。
フラグが立った?まあそのフラグは私宛ではないだろう。


「あら、まあ・・・」


つい心の声も出てしまった、中庭の休憩スペース。
そこには、とある事情で噂の人達がいた。

1人はこの国の王族である、第二王子。
『カーク・トウ・アルゼイド』
わかりやすくキラッキラの金髪と紫眼。高身長、イケメン、モテボイス(私基準)の気品溢れる王子様です。もちろん学園内でもファンクラブあります。目下増殖中。

もう1人はこの国の近衛騎士団長の息子。
『オリヴァー・ドラン』
ドラン公爵家の次男。学園一の剣士。
藍色の髪と瞳。涼し気な目元。あまり表情を表に出さない寡黙な騎士さんだ。学園の生徒にして、騎士団にも所属しているらしい。…という周りの噂です。
王子の少し後ろに立ち、まるで護衛みたいだ。

あと1人は平民の女の子。
『アリシア・マール』
なんでもこの世界でも珍しい『聖』属性の魔力を持つのだそうだ。
それだけでなく、『火・水・風・地』の4属性にも適性を持つらしい。魔法の素質はかなり上。こういう素質持ちは貴族に多い。
平民は精々1属性持ちが通常だそうなので、彼女はかなりの有望株と見られていて授業も貴族と同じような特別カリキュラムを組まれているらしい。

その3人が楽しそうにお話中。
3人っていうか、主に王子とアリシアさん。
たまに騎士さんが相槌。

はい、楽しそうに。
『え?これってどこの乙女ゲーム?』と内心呟きました。

私もね、この世界にやってきて数ヶ月しか経っていないし、この学園に入ってまだ1ヶ月程度。新入生の皆さんよりも数ヶ月ほど遅れての入学です。
それでもね、流石に『貴族』と『平民』の格差社会を認めずにはおれない状況を目の当たりにする毎日な訳です。

そう考えると日本って平和よね。
校内カースト、なんて言葉もあるけど、やっぱりこっちの世界の身分制度には負けるわ。

だから、校内とはいえ身分制度トライアングル最上位の『王族』と、底辺を支える『平民』の生徒が楽しくお話…ってのは異様に映る。
私以外の生徒さんもチラチラと視線を向けている。
もう貴族のお嬢様に至っては大変な顔をしていますよ?目からビーム出るんじゃないかしら、そのうち。


「・・・空気読めばいいのにねぇ」


ぽつり、とつい口から思っていた言葉が出た。
何もこんな誰でも出入りする中庭で立ち話などしなくとも。出会いがしらのご挨拶程度ならばまだしも、がっつり楽しそうに話なんて長々としてたら目立って仕方がない。

そう、今のように。

くわばらくわばら、と思いながら私は中庭から逃げ出した。
だって貴族のお嬢様が周りのお友達を引き連れて彼等の所に歩き出したんだもの。
例えこれが乙女ゲーム必須のイベントとはいえ、揉め事に首を突っ込むのはゴメンです。飛び火したら厄介だし。
今日の授業も終わったし、ゆっくりランチしてから図書館で本を借りて家に戻ろうっと。

中庭から遠ざかった私を、呼び止める声が聞こえたのはその後すぐだった。



「─────待ってくれ」



後ろから男性の声が聞こえる。
声を掛けられたような気がするけれど、まさか私じゃないだろうと思いながら、確認の為にちらりと後ろを見た。

振り向いた先、人の波の奥に先ほど中庭にいた騎士さんがいるのがわかった。
だけど、呼び止められる心当たりなんてないし、周りにいる誰かに向けての発言だろうと思って私は足を止めずに歩く事にする。
周りにもたくさん生徒はいるし、貴族の生徒も多い。
どなたか友達でもいたんだろうな、と思っていた。

が、しかし。
ぐい、と肩を引かれて振り返ると、私の目の前にその騎士さんがいた。



「───待ってくれ、と言ったのだが」

「え?  私ですか?」

「君以外にいないだろう」

「いえ人違いです」

「・・・まだ要件も告げていないのだが」

「私に貴族院の生徒さんに呼び止められる心当たりがありませんでしたので」



自分でも驚く程、秒で『人違いです』発言が出た。

彼の言葉を完全否定するようにそう言うと、彼はぴくりと目元を動かす。
どうでもいいが、第一声から彼の表情はまったくの『無』だ。
さらにどうでもいいけれど、ウサギの表情ってあれ『無』よね。可愛いけど。しかもこんな時に思い出す事ではないのだけど。

ふと、私は自分の格好を確認する。
私が着ているのは『平民』が着る学術院の制服だ。
『貴族』が着る貴族院の制服とは色もデザインも違う。

私は学園に入るにあたり、身分格差があるこの世界での面倒事を避けたい一心から、『平民』が入る学術院への入学を希望した。
それというのも、話す言葉や文字の読みについては問題はないが、書く方は流石にスラスラとはいかなかったというのもある。
なんとか学園に入るまでには…と努力したものの、間に合わなかった。

入学して一か月、今では不自由なく書けはするけれど、入学を考えていた当時は無理があった。
学術院でも入学当初は何かと気を使ってもらって、文字の書き取り練習をさせてもらう授業もしていた。

ゼクスさんは『個別指導をするのであれば貴族院へ編入しても何ら問題はないのでは?』と言っていたがそれは違う。
私の育ちはこちらでいう所の平民だ。庶民オブ庶民だ。
そんな人間が大したマナー指導もされないままセレブの中に入ったらどうなるか?
はい、悪目立ちします。それはもう見事なまでに浮くだろう。私はリアル『花より男子』の世界になど行きたくはない。

私が求めるのは、異世界の学園生活なのだ。
ビバ、花の学生時代。
勉強するのが嫌になっていろんなものを放り投げた黒歴史を今こそ払拭するのだ。

学園の教師達も、全員ではないものの私が『異世界から来た』という事を知っている。
公にはしていないけれど、国の中枢にいる少数の人達には周知の事として知らせているそうだ。
…まぁ異世界から来たと言っても、この国にとってはきちんと保護かつ管理下に置いている事でさほど重要視されていない…らしいのだけど。私にとってもそれはありがたい。研究材料だなんて笑顔でお断りしたい。

『管理下』という面については、月に一度程度、国から派遣された役人さんと面談する、という事さえしていればいいらしい。
それだけで生活の補償してくれるってんだから有難い事ではないだろうか。

と、話がズレてしまったけど。
当然私には貴族の生徒の知り合いはいない。平民の生徒ならクラスメイトで友達も数人できた。
しかしこんなスター選手…いやスター生徒に話し掛けられることなんてないのです。

騎士さんはふぅ、と小さなため息をついて話し出す。



「・・・先程、君は空気を読めばいい、と言っていただろう」

「え?」

「そのように言っていたと思うのだが、違っていただろうか」



いや、言いましたけど。
言いましたけど、貴方凄い遠くにいましたよね?聞こえないでしょ?すごい距離あったよ?



「口の動きから何を言っているかはわかる」



えっ、この人すごいじゃない。読唇術ができるの!?
ちょっと待って?彼、幾つなの?クラスの皆からの情報通りなら、16歳のはずでしょ?今年入学のはずだから…
騎士団ってそんな事も教えてるの…?何歳からなの騎士団?それとも騎士団長の家系なら特別なの?



「・・・私は10の時から騎士団に所属している。
他人の口の動きから言葉を読むのも教練の一環で身につけたものだ」

「えっ?」

「気になる、という顔だったから説明した迄だ」



そんなに…顔に出てますか…?私…?



「人の表情を読み取るのは得意なのだ。済まない」

「・・・こういった場(学園内)で他人にするべきじゃないのでは?特にそれが異性相手なら」

「気を付けることとしよう」



私の言葉に素直に彼は小さく頷きを返した。

しかし何だって『空気読め』って呟いた事で追いかけて来たんだろう…?
え、まさかとは思うけど『王族に対する不敬』とかじゃありませんよね?違いますよね?



「今君が思っているだろう事とは違う」

「さっきの私の話って、ちゃんと聞いてました?」

「・・・済まない」

「同じこと3回目はなしですよ」

「君は父と同じことを言う」

「え?」

「3度目はない、と父にも言われる。
2度目までは許すが、同じ事を3度繰り返すのは愚行だと」



うむ、と深く納得したように目を伏せて腕組み。
いや、そんな所で感心されても…



「で、何か御用ですか」

「君の言う『空気を読め』とはいかなるものか、と疑問に思ったので聞きに来たのだが・・・
ここで話すのも失礼だな。 場所を変えよう」

「いやいやいやちょっと」



くい、と私の手首を引いて歩き出す。何スムーズに人の腕掴んでるの? うまいこと手首ホールドしてますね?
手を繋ぐでもなく、腕を鷲掴むでもない高級テクニック!それも騎士団仕込みなのか、オイ!



「あの」

「その通りだ」

「3度目・・・」



もう嫌だ、と思いながらも私はズルズル引きずられて行くのでした…
どこ行くんだろう…お昼まだなんですけど…お腹すいたなぁ…

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