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第一章 <婚約阻止>
エピローグ <つかの間の休息>
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夜会の次の日、王家から正式に婚約の打診があった。
もちろんネーション公爵家は承諾、正式に婚約が結ばれ、私とアシュガ様は晴れて婚約者同士となった。
夜会が終わってすぐにあった、ローズの16歳の誕生日には、アシュガが隣国の珍しいクッキーと独占欲が見え隠れ……いや、もはや隠れていない、アメシストとラピスラズリの髪飾りが贈られてきた。
そして、何より緊張する両陛下への挨拶を終え、本格的にお妃教育が始まったため、ローズは毎日登城しなければならなかった。
しかし、休憩時間にアシュガと会えるということ、その時に食べるクッキーが絶品だということで、ローズには大して苦になっていない。
……一番楽しい休憩時間だが、実はローズにとって一番大変なのも休憩時間だったのだ。
「ローズ、あ~ん。」
「……アシュガ様、本当に恥ずかしいですっ……!」
そんな会話が毎日のように交わされる庭園。
庭師や庭園をよく通る者達は、『仲睦まじいようでなにより』と安心しているのだが、ローズは堪ったものではなかった。
……でも、このクッキー美味しいのよね。
順調に餌付けされていくローズを、アシュガは満足げに見ている。
☆.。.:*・゜*:.。..。.:+・゜:.。.:*・゜+
「ローズ、これからの話なのだが」
なんだか随分と憔悴している様子のお父様が、部屋に呼び出してきた。
「はい?」
なんの話だろうか。
「ローズは、16歳になったね。魔力も発現したから、ブロッサム学園に通える」
……あぁ。その話か。
「卒業したらすぐに王家へ輿入れになる……あぁ、ローズ、行ってしまうんだね……」
と、泣かれた。
そんなこともありつつも、私はつかの間の休息を楽しんでいる。
学園へ入ったら、戦いが始まるだろう。
断罪……そして処刑は、何が何でも回避する。
アシュガ様との未来を歩む為に――
もちろんネーション公爵家は承諾、正式に婚約が結ばれ、私とアシュガ様は晴れて婚約者同士となった。
夜会が終わってすぐにあった、ローズの16歳の誕生日には、アシュガが隣国の珍しいクッキーと独占欲が見え隠れ……いや、もはや隠れていない、アメシストとラピスラズリの髪飾りが贈られてきた。
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しかし、休憩時間にアシュガと会えるということ、その時に食べるクッキーが絶品だということで、ローズには大して苦になっていない。
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……でも、このクッキー美味しいのよね。
順調に餌付けされていくローズを、アシュガは満足げに見ている。
☆.。.:*・゜*:.。..。.:+・゜:.。.:*・゜+
「ローズ、これからの話なのだが」
なんだか随分と憔悴している様子のお父様が、部屋に呼び出してきた。
「はい?」
なんの話だろうか。
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「卒業したらすぐに王家へ輿入れになる……あぁ、ローズ、行ってしまうんだね……」
と、泣かれた。
そんなこともありつつも、私はつかの間の休息を楽しんでいる。
学園へ入ったら、戦いが始まるだろう。
断罪……そして処刑は、何が何でも回避する。
アシュガ様との未来を歩む為に――
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