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第三章:スタイズとの出会い
35 僕はスタイズさんと再会の約束をする
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僕は書き上げた手紙を眺めて誤字がないか確認していたけれど、「パートナー」と書いたはずの部分が「従者」に変わっていたので、眉を顰めてしまった。
「『パートナー』は一般人には馴染みのない言葉だからな。『従者』の方が分かりやすいと思い、魔法で修正しておいた」
腕を組み、目を閉じたエイシア様が淡々と説明してくれた。
僕が書いた文字を知らない間に書き換えるなんて、魔法でそんなことも出来るのか……というか、人が書いた手紙を勝手に読むなんて、やっぱり無神経な人だよな……
色々とあったけれど面談は終了ということで、スタイズさんは立ち上がり、部屋の出入り口へと向かおうとした。
彼を見送る為に僕も席を立ったのだけれど、僕はこの部屋から出てはいけないとエイシア様に言われてしまったので、ドアの前で別れの挨拶をすることになったんだ。
「スタイズさん、ありがとう、ございました。手紙のこと、よろしくお願いします」
「ああ、ネスアの町は基地に戻る途中に寄ることができるから、この後手紙を渡しに行って、荷物を移動させる準備を始めるとするよ」
満面の笑みで大きな右手を差し出されたので、僕も右手を出すと、両手で力強く包まれた。
「またすぐ来るからな。それまで元気で、セルテ君」
「はい。スタイズさんも、お元気で」
スタイズさんが部屋を出ていき、部屋には僕とエイシア様だけになった。
エイシア様は静かに腕を組んでソファーに座ったままで、相変わらず部屋には重い空気が漂っている。
僕は元々この部屋には瞬間移動魔法で来たわけだし、部屋から出ることもできないのなら、この後どうしたらいいのか分からない。
とりあえずソファーに戻ることにした。
「あの、エイシア様。ありがとう、ございました」
スタイズさんという良い人と出会うことができたのは、この人のおかげだ。
ちゃんとお礼を言わないと。
僕が深く頭を下げると、エイシア様が溜息をついた。
「魔術士のパートナーの役目は、魔術士を正しく導き、精神的に支えるものだ。必要なものは正義感、責任感、安心感……あの男は泣き虫で甘えたがりのお前にはぴったりだろう? 私は馬鹿とクズとノロマは嫌いだが、基本的に魔術士の味方だからな。私の配慮に心の底から感謝するといい」
泣き虫で甘えたがり……確かにそうなんだろうけど、図星すぎて微妙な気分だ。
とにかく、感謝するように言われたので僕は改めてお礼の言葉を返し、そして気になったことを聞いてみた。
「あの、エイシア様は、どうやってスタイズさんを見つけたのですか? 王国軍の兵士は沢山いると思いますが、全員のことを知っているわけないでしょうし、元々知り合いとかではなさそうですし……」
僕の言葉で、エイシア様は露骨に面倒くさそうな表情をした。
「はぁ? そんなことを知ってどうする。お前に分かる様に説明するのは面倒だ。魔法で見つけた、とだけ言っておこう」
その直後、僕は光に包まれて目の前が真っ白になった。
そして光が収まった時には、僕は白基調のシンプルな部屋の中……医務室のベッドの上に座っていたんだ。
瞬間移動の魔法なんだろうけど、何の説明も無く唐突に別の場所に一瞬で移動するのは、頭が混乱してしまうので正直困る。
今から医務室に戻るぞ、くらいは言ってくれてもいいのに。
「『パートナー』は一般人には馴染みのない言葉だからな。『従者』の方が分かりやすいと思い、魔法で修正しておいた」
腕を組み、目を閉じたエイシア様が淡々と説明してくれた。
僕が書いた文字を知らない間に書き換えるなんて、魔法でそんなことも出来るのか……というか、人が書いた手紙を勝手に読むなんて、やっぱり無神経な人だよな……
色々とあったけれど面談は終了ということで、スタイズさんは立ち上がり、部屋の出入り口へと向かおうとした。
彼を見送る為に僕も席を立ったのだけれど、僕はこの部屋から出てはいけないとエイシア様に言われてしまったので、ドアの前で別れの挨拶をすることになったんだ。
「スタイズさん、ありがとう、ございました。手紙のこと、よろしくお願いします」
「ああ、ネスアの町は基地に戻る途中に寄ることができるから、この後手紙を渡しに行って、荷物を移動させる準備を始めるとするよ」
満面の笑みで大きな右手を差し出されたので、僕も右手を出すと、両手で力強く包まれた。
「またすぐ来るからな。それまで元気で、セルテ君」
「はい。スタイズさんも、お元気で」
スタイズさんが部屋を出ていき、部屋には僕とエイシア様だけになった。
エイシア様は静かに腕を組んでソファーに座ったままで、相変わらず部屋には重い空気が漂っている。
僕は元々この部屋には瞬間移動魔法で来たわけだし、部屋から出ることもできないのなら、この後どうしたらいいのか分からない。
とりあえずソファーに戻ることにした。
「あの、エイシア様。ありがとう、ございました」
スタイズさんという良い人と出会うことができたのは、この人のおかげだ。
ちゃんとお礼を言わないと。
僕が深く頭を下げると、エイシア様が溜息をついた。
「魔術士のパートナーの役目は、魔術士を正しく導き、精神的に支えるものだ。必要なものは正義感、責任感、安心感……あの男は泣き虫で甘えたがりのお前にはぴったりだろう? 私は馬鹿とクズとノロマは嫌いだが、基本的に魔術士の味方だからな。私の配慮に心の底から感謝するといい」
泣き虫で甘えたがり……確かにそうなんだろうけど、図星すぎて微妙な気分だ。
とにかく、感謝するように言われたので僕は改めてお礼の言葉を返し、そして気になったことを聞いてみた。
「あの、エイシア様は、どうやってスタイズさんを見つけたのですか? 王国軍の兵士は沢山いると思いますが、全員のことを知っているわけないでしょうし、元々知り合いとかではなさそうですし……」
僕の言葉で、エイシア様は露骨に面倒くさそうな表情をした。
「はぁ? そんなことを知ってどうする。お前に分かる様に説明するのは面倒だ。魔法で見つけた、とだけ言っておこう」
その直後、僕は光に包まれて目の前が真っ白になった。
そして光が収まった時には、僕は白基調のシンプルな部屋の中……医務室のベッドの上に座っていたんだ。
瞬間移動の魔法なんだろうけど、何の説明も無く唐突に別の場所に一瞬で移動するのは、頭が混乱してしまうので正直困る。
今から医務室に戻るぞ、くらいは言ってくれてもいいのに。
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