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141話 ニエサイド
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ニエたちの視線の先ではバケモノが二人の人間に圧倒されていた。
「お~今代にもこれほどの強者が残っているとは」
「あなたはいったい何者なんですか」
「古い時代の人間だよ。君よりももっと前のね」
ゴードンはアンジェロと一緒に穢れを振り払うと険しい表情のウムトをみた。
「……その言葉通りに考えるとすればここを作った原初の民、僕らの祖先ということになります。だけどそんなことありえない」
「ありえないか、君がそんなことを言うなんて驚いたな」
「僕だからこそ言える事なんですよ。不死でもないただの人間が遥か昔から生きてきたなど普通は信じられないことですからね」
「まだまだ想像力が足りないな。考えてみたまえ、何も穢れや霊薬だけが人間の生死を左右するわけではないだろう」
「まさか……そういうスキルが存在するとでも……?」
ゴードンはどうだろなといわんばかりに首を傾げる。
世界のどこかでそんなスキルがある可能性もないとは言い切れないだろう。
ウムトはジッとゴードンをみつめた。
「あの~ゴードンさん、一つ聞きたいんですが、未来を変えることはできないんですよね?」
「前にも言った通りだよ。スキルは絶対であり君の『予知夢』は真実、どう足搔こうとそれは避けられない」
「ニエさん、何か視たんですか!?」
ニエはウムトをみると小さく微笑んだ。
「教えてください! いったい誰が――」
「オノレエエェェェ私ガコンナヤツラニイイィィィ……ッ!」
ボロボロになったバケモノが地面に膝をついた。
「これで終わりよ」
「クッ、コウナレバ全員道連レダ……」
バケモノが地面に両手をつくと赤黒い穢れが溢れ出す。
「師匠、この量はまずい、いったんさがりましょう!」
「ハハハハハッ! コレコソ世界ノアルベキ姿――」
バケモノは穢れに飲み込まれていく。
今までと違う雰囲気にリッツたちは下がると、ウムトの横でゴードンは顎をさすった。
「穴を開けたか……そろそろ潮時だな。それじゃあ、あとは頑張ってくれ」
「ゴードンさん!? あいつを止めるためにきたんじゃないんですか!?」
「私は平等に機会を与えただけ、道を決めるのは私じゃなければ君でもない。今代の子だ」
そう言い残すとゴードンは去っていった。
「機会って……そうだ。リッツさん、種を植えてください! 穢れを封じるんです! このままじゃ聖域どころか世界が滅んでしまう!」
「分かってる、だがこれじゃあどこにも……」
リッツが咄嗟に種を植えようとするが次々と穢れが地面から湧き出てくる。
次第に埋め尽くされていく聖域から全員が避難しようと出口を目指していた。
「リッツ様、こちらなら大丈夫です!」
ニエのいる泉の中央にある大木の下だけは微かに綺麗なままの地面が広がる。
リッツは穢れを避け辿り着くとすぐに種を植えた。
「これでよし、あとは成長するまで――って、それまでこれを相手しなきゃいけないのか」
密林のように溢れ出てくる穢れを前にリッツは溜め息をつく。
「リッツ様、一緒に頑張りましょう!」
「……ニエ、ここは危険だ。アンジェロと一緒にみんなのところに戻れ」
「でもっ成長を見届けないと!」
「俺がここに残るよ」
ニエは目を開くがすぐに頷く。
「……わかりました! 先に行って待ってますね!」
アンジェロと共に出口を目指すニエをリッツは見送った。
「お~今代にもこれほどの強者が残っているとは」
「あなたはいったい何者なんですか」
「古い時代の人間だよ。君よりももっと前のね」
ゴードンはアンジェロと一緒に穢れを振り払うと険しい表情のウムトをみた。
「……その言葉通りに考えるとすればここを作った原初の民、僕らの祖先ということになります。だけどそんなことありえない」
「ありえないか、君がそんなことを言うなんて驚いたな」
「僕だからこそ言える事なんですよ。不死でもないただの人間が遥か昔から生きてきたなど普通は信じられないことですからね」
「まだまだ想像力が足りないな。考えてみたまえ、何も穢れや霊薬だけが人間の生死を左右するわけではないだろう」
「まさか……そういうスキルが存在するとでも……?」
ゴードンはどうだろなといわんばかりに首を傾げる。
世界のどこかでそんなスキルがある可能性もないとは言い切れないだろう。
ウムトはジッとゴードンをみつめた。
「あの~ゴードンさん、一つ聞きたいんですが、未来を変えることはできないんですよね?」
「前にも言った通りだよ。スキルは絶対であり君の『予知夢』は真実、どう足搔こうとそれは避けられない」
「ニエさん、何か視たんですか!?」
ニエはウムトをみると小さく微笑んだ。
「教えてください! いったい誰が――」
「オノレエエェェェ私ガコンナヤツラニイイィィィ……ッ!」
ボロボロになったバケモノが地面に膝をついた。
「これで終わりよ」
「クッ、コウナレバ全員道連レダ……」
バケモノが地面に両手をつくと赤黒い穢れが溢れ出す。
「師匠、この量はまずい、いったんさがりましょう!」
「ハハハハハッ! コレコソ世界ノアルベキ姿――」
バケモノは穢れに飲み込まれていく。
今までと違う雰囲気にリッツたちは下がると、ウムトの横でゴードンは顎をさすった。
「穴を開けたか……そろそろ潮時だな。それじゃあ、あとは頑張ってくれ」
「ゴードンさん!? あいつを止めるためにきたんじゃないんですか!?」
「私は平等に機会を与えただけ、道を決めるのは私じゃなければ君でもない。今代の子だ」
そう言い残すとゴードンは去っていった。
「機会って……そうだ。リッツさん、種を植えてください! 穢れを封じるんです! このままじゃ聖域どころか世界が滅んでしまう!」
「分かってる、だがこれじゃあどこにも……」
リッツが咄嗟に種を植えようとするが次々と穢れが地面から湧き出てくる。
次第に埋め尽くされていく聖域から全員が避難しようと出口を目指していた。
「リッツ様、こちらなら大丈夫です!」
ニエのいる泉の中央にある大木の下だけは微かに綺麗なままの地面が広がる。
リッツは穢れを避け辿り着くとすぐに種を植えた。
「これでよし、あとは成長するまで――って、それまでこれを相手しなきゃいけないのか」
密林のように溢れ出てくる穢れを前にリッツは溜め息をつく。
「リッツ様、一緒に頑張りましょう!」
「……ニエ、ここは危険だ。アンジェロと一緒にみんなのところに戻れ」
「でもっ成長を見届けないと!」
「俺がここに残るよ」
ニエは目を開くがすぐに頷く。
「……わかりました! 先に行って待ってますね!」
アンジェロと共に出口を目指すニエをリッツは見送った。
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