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5話
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山を下り街道を進むと村がみえてくる。
「あの、リッツさんはどうしてあんな山奥にいたんですか?」
「あー俺? 色々あって国を追い出されちゃって。あっ、別に罪を犯したとかじゃなくてそもそも俺は頼まれてた薬を作っただけで――って悪いものじゃないからね!?」
「ふふふ、大丈夫です。リッツさんはそんなことする人じゃないってわかってますから。それに……動物は人を見抜く力がすごいんです。アンジェロをみればリッツさんが嘘をついてないことくらいわかります」
そういってティーナは村の入り口に一目散に走っていくアンジェロを見つめた。
ありがとうアンジェロ……村についたら腹いっぱい飯を食わせてやるから……。
「あっ、俺一文無しだったんだ」
「? リッツさん、着きましたよ。ここが山と街の中継にある村です」
人が行き交うところをみるとまだ疫病は広がっていないようだな。
眺めているとこちらに気づいたメイドが走り出した。
「お、お嬢様! ご無事で!? お怪我はありませんか!? すぐに医者を――」
「落ち着いてエレナ、私は大丈夫よ。この方が助けてくださったんです」
「そ、そうでしたか。この度はお嬢様を助けていただき本当にありがとうございました。私はメイドをしております、エレナと申します」
「俺はリッツだ。ほかに付き人は? いくらなんでも嫁にだす娘を、メイド一人に任せるというのはないだろう?」
「そ、それは……」
エレナさんはティーナに目線を配るとティーナはそれに気づくも顔を伏せる。
「あー……ごめん! 嫌なら話さなくていい、気になっただけで別に他意はないんだ」
師匠がいないといっつもこうなるんだよなぁ……はぁ、どうしよう……。
そんな静寂を破るように遠くから声が聞こえる。
「病人がでたぞーーー! ついに疫病が村にも……もうおしまいだああああああ!」
「お、お嬢様! 宿へ参りましょう、早く!」
「は、はい! リッツさんも――」
「俺は病人をみてくるよ、案内ありがとな。さぁいくぞアンジェロ!」
「ワフッ!」
俺たちは騒ぎのする場所へ向かうと次第に周囲の声が大きくなる。
「あの、すいません、病人ってどこに運ばれたか知りませんか?」
「あの離れの家だよ。街に荷下ろしにいってて先日帰ってきたらしいんだけど、急に苦しみだしたらしい。医者もお手上げだってさ。街じゃ疫病が流行ってるみたいだし……この国はどうなっちまうのかねぇ……」
村人が指した方向にはポツンと畑に囲まれた一軒家があった。
噂が本当なら街でもらってきた可能性が高いな。
「家の中には俺一人でいく。お前は外で待っててくれ」
「ワフッ」
アンジェロに見送られ家の戸を開けると奥で男性が横になっていた。
呼吸が荒く、肌が変色している……これは……。
「お、お兄ちゃん……誰?」
すぐ横では水の入ったコップを両手で持った少女がいた。
「驚かせてごめんね。僕は君のお父さんを助けにきたんだ」
「おとうさん……なおるの? でも、おいしゃさんはむりだって…………おねがい、おとうさんをたすけてえええぇ~……っ」
少女はコップを持ったまま泣き出す。
「よしよし、もう大丈夫だよ」
少女が落ち着くと俺は鞄から薬の入った瓶を取り出した。
「さ、この薬をお父さんに飲ませてあげよう」
「……うん!」
父親に薬を飲ませると徐々に顔色がよくなり変色した肌も治っていく。
よし、呼吸も安定してるしちゃんと効いてるな。
「――うぅ……あれ、私は……」
「お、おとうさん……? おにいちゃん、おとうさんが起きたよ!」
「ふふふ、そうだね」
「き、君はいったい……?」
「その前にこれも飲んでください。回復薬です」
「あ、あぁ……」
父親は体を起こし薬の入った瓶を受け取ると飲み干した。
「こ、これは……力が……力が湧いてくるぞおおおおおおおおお!」
急に立ち上がった父親は両手を突き上げる。
あれ、ちょっと元気になりすぎじゃない?
「あの、リッツさんはどうしてあんな山奥にいたんですか?」
「あー俺? 色々あって国を追い出されちゃって。あっ、別に罪を犯したとかじゃなくてそもそも俺は頼まれてた薬を作っただけで――って悪いものじゃないからね!?」
「ふふふ、大丈夫です。リッツさんはそんなことする人じゃないってわかってますから。それに……動物は人を見抜く力がすごいんです。アンジェロをみればリッツさんが嘘をついてないことくらいわかります」
そういってティーナは村の入り口に一目散に走っていくアンジェロを見つめた。
ありがとうアンジェロ……村についたら腹いっぱい飯を食わせてやるから……。
「あっ、俺一文無しだったんだ」
「? リッツさん、着きましたよ。ここが山と街の中継にある村です」
人が行き交うところをみるとまだ疫病は広がっていないようだな。
眺めているとこちらに気づいたメイドが走り出した。
「お、お嬢様! ご無事で!? お怪我はありませんか!? すぐに医者を――」
「落ち着いてエレナ、私は大丈夫よ。この方が助けてくださったんです」
「そ、そうでしたか。この度はお嬢様を助けていただき本当にありがとうございました。私はメイドをしております、エレナと申します」
「俺はリッツだ。ほかに付き人は? いくらなんでも嫁にだす娘を、メイド一人に任せるというのはないだろう?」
「そ、それは……」
エレナさんはティーナに目線を配るとティーナはそれに気づくも顔を伏せる。
「あー……ごめん! 嫌なら話さなくていい、気になっただけで別に他意はないんだ」
師匠がいないといっつもこうなるんだよなぁ……はぁ、どうしよう……。
そんな静寂を破るように遠くから声が聞こえる。
「病人がでたぞーーー! ついに疫病が村にも……もうおしまいだああああああ!」
「お、お嬢様! 宿へ参りましょう、早く!」
「は、はい! リッツさんも――」
「俺は病人をみてくるよ、案内ありがとな。さぁいくぞアンジェロ!」
「ワフッ!」
俺たちは騒ぎのする場所へ向かうと次第に周囲の声が大きくなる。
「あの、すいません、病人ってどこに運ばれたか知りませんか?」
「あの離れの家だよ。街に荷下ろしにいってて先日帰ってきたらしいんだけど、急に苦しみだしたらしい。医者もお手上げだってさ。街じゃ疫病が流行ってるみたいだし……この国はどうなっちまうのかねぇ……」
村人が指した方向にはポツンと畑に囲まれた一軒家があった。
噂が本当なら街でもらってきた可能性が高いな。
「家の中には俺一人でいく。お前は外で待っててくれ」
「ワフッ」
アンジェロに見送られ家の戸を開けると奥で男性が横になっていた。
呼吸が荒く、肌が変色している……これは……。
「お、お兄ちゃん……誰?」
すぐ横では水の入ったコップを両手で持った少女がいた。
「驚かせてごめんね。僕は君のお父さんを助けにきたんだ」
「おとうさん……なおるの? でも、おいしゃさんはむりだって…………おねがい、おとうさんをたすけてえええぇ~……っ」
少女はコップを持ったまま泣き出す。
「よしよし、もう大丈夫だよ」
少女が落ち着くと俺は鞄から薬の入った瓶を取り出した。
「さ、この薬をお父さんに飲ませてあげよう」
「……うん!」
父親に薬を飲ませると徐々に顔色がよくなり変色した肌も治っていく。
よし、呼吸も安定してるしちゃんと効いてるな。
「――うぅ……あれ、私は……」
「お、おとうさん……? おにいちゃん、おとうさんが起きたよ!」
「ふふふ、そうだね」
「き、君はいったい……?」
「その前にこれも飲んでください。回復薬です」
「あ、あぁ……」
父親は体を起こし薬の入った瓶を受け取ると飲み干した。
「こ、これは……力が……力が湧いてくるぞおおおおおおおおお!」
急に立ち上がった父親は両手を突き上げる。
あれ、ちょっと元気になりすぎじゃない?
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