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東の大陸
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2時になり、ヨシキは205号室を訪ねた。
コンコン。ノックを二回したらドアが開いた。
ガチャ。「中へ」旅人は言って中へ招いた。ヨシキはスッと中へ入って行った。
旅人はテーブルにあるグラスにウイスキーを注いだ。「まあ、呑んでくれ」旅人はグラスをスッとヨシキに差し出した。
ヨシキは一口含み、グラスを置いた。「なかなかいい部屋じゃないか。ベッドも大きい」
「ああ、スウィートだ。俺は商人をやっていてね、金はある」旅人は自分のグラスを呑んだ。
広い部屋に荷物は少なかった。商人を言う割にはこじんまりとしていた。
「さて、聞かせてもらおうか。ロベスの話」
「うん。何から話そうか」旅人は立ち上がった。バッグを漁って一枚の写真を持ってきた。
写真には一人の男が映っていた。初老といったところか。白髪交じりで白衣を着ている。
「この男、科学者なんだが、癖の強いやつでね」旅人はウイスキーを一口含んだ。
「アンドロイド開発に携わってる。アンドロイドの脳が専門だ。なにやらアンドロイドを捕まえては脳をいじって悪さをさせているらしい」
「んー、それじゃわからないな。つまりアンドロイドがこんなに暴れるようになったのはこいつのせいって事か?」
「それはわからない。とにかくロベスで力を持ってる。それだけは確かだ」
「なるほど、興味深い。確かめてみる価値はありそうだ」
「あー、あのゼロって言ったか。あの子と話してみたいな。この情報の代金でいいよ」
「ははは。全然いいが、一癖も二癖もあるぞ」ヨシキは携帯電話でゼロを呼び出した。
数時間後、ゼロのサービス精神で旅人はノックダウンした。
コンコン。ノックを二回したらドアが開いた。
ガチャ。「中へ」旅人は言って中へ招いた。ヨシキはスッと中へ入って行った。
旅人はテーブルにあるグラスにウイスキーを注いだ。「まあ、呑んでくれ」旅人はグラスをスッとヨシキに差し出した。
ヨシキは一口含み、グラスを置いた。「なかなかいい部屋じゃないか。ベッドも大きい」
「ああ、スウィートだ。俺は商人をやっていてね、金はある」旅人は自分のグラスを呑んだ。
広い部屋に荷物は少なかった。商人を言う割にはこじんまりとしていた。
「さて、聞かせてもらおうか。ロベスの話」
「うん。何から話そうか」旅人は立ち上がった。バッグを漁って一枚の写真を持ってきた。
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「なるほど、興味深い。確かめてみる価値はありそうだ」
「あー、あのゼロって言ったか。あの子と話してみたいな。この情報の代金でいいよ」
「ははは。全然いいが、一癖も二癖もあるぞ」ヨシキは携帯電話でゼロを呼び出した。
数時間後、ゼロのサービス精神で旅人はノックダウンした。
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