ヨシキとゼロ

ミミヨシ

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世界の終わり

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西暦20××年。世界は崩壊していた。15年続いたアンドロイドとの世界大戦によってヨシキのいる町は焼け野原となった。政府はアンドロイドに支配され、人々は政府に屈し恐れ、毎日の生活は苦しかった。
夜、ヨシキは行きつけのバーにいた。親友のゼロもそこにいた。
「マスター、この間は命拾いしたよ。ありがとな」ヨシキはウイスキーを飲みながら言った。
「ああ、危ない所だったな。しかし凶暴化したアンドロイドにはまいるな」マスターはグラスを磨きながら言った。
町では凶暴化したアンドロイドが幅を利かせていた。偶然帰り際に見つけ、アンドロイドたちを退治してくれたのだ。
「でも良かったわね。偶然マスターが見つけてくれなかったら今頃天国よ」オカマのゼロが言った。
「そうだな、ここの近くの公園で良かった。」ヨシキはウイスキーを飲み干し言った。
「それよりあんなとこで何してたんだい?」マスターはヨシキのグラスににウイスキーを注いで言った。
「過去に遡って青年とテレパシーをしてたんだ。こんな世界になったのも全ては発達し過ぎた科学が悪い。それを過去に遡ってどうにか止めてしまえば未来も変わるだろうからな。科学者達は金の為に何でもやってきた。2016年にいる青年『高宮隆』は将来アンドロイド開発で大いに貢献する人物だ。こいつをどうにか出来れば未来は変わる」
ヨシキはウイスキーを飲み終え、席を立った。「それじゃあゼロ、またな。マスター、付けといてくれ」
「はいよ、あんまり無理するなよ」
「ヨシキ、またね。チュッ」ゼロは投げキッスをした。
カラン。ヨシキはドアを開け表へ出た。家に着くとソファに腰掛け険しい顔をした。「アンドロイドめ、王を舐めるなよ。いつか必ず」そう呟くとテレビをつけた。
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