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ハプニング
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生放送1時間前。
1時間前だというのに、珍しく悠太が遅刻している。
それも、連絡もなく遅刻しているのでメンバーは不安が募り、なかなか楽器の練習も手がつかない状態だった。
「悠太、間に合えばいいんだけど……」
「心配しなくても、絶対にくるよ」
遥に、そっと励ます颯斗は誰よりも冷静な彼も不安になっているのだ。
顔に出さないだけで、周りからは冷たいイメージを持たれる。
「颯斗が、一番不安そうな顔してる」
「へっ…?いや…してねぇって」
「冗談だって!」
図星だった颯斗に、クスクス笑いながら遥はドラムに近づき、スティックに触れ座る。
「ん?遥ってドラム出来たっけ??」
「裕太に教えて貰ってるから、ちょっとだけ出来るよ!」
「まじで!?ならさ、裕太が来なかったら変わりにドラム出来るよな?」
「やってみないと分かんないけど……」
「んじゃぁさ、1回見せて」
「うん」
大智の提案に返事をして、叩き始めた。
悠太程ではないが、生放送に出でも問題ないほどだ。
「ど…どうかな?」
「上手いから、心配しなくても大丈夫だよ」
背中をポンッと叩きながら、葵斗は遥に伝えた。
まだ不安そうな顔をしているが、自分がちゃんとしなければと思い、気合いを入れる。
「祐一、悠太に連絡取れた?」
「取れたよ!あと10分で作って」
「よかったぁ…」
30分前に、メンバーが揃うことに安堵した葵斗。
だが、大智と颯斗は和ませようと葵斗をイジりだそうとしていた。
「「大智、颯斗!!」」
「えっ?」
葵斗は後ろを振りかえると、何かを企んでいる顔をした大智と申し訳無くしている颯斗が後ろに立っていた。
「葵斗に悪戯しようとしないの!!!」
「遥、怒んなってば…」
「遥、大智はいつものことだから……」
と、葵斗が言っても遥は大智を睨みつけ祐一は大智と颯斗を交互に睨みつけた。
「ごめん、ちょっと悪戯したくなる顔してたから……」
「颯斗は気にしなくていいよ、大智の企てた計画だろうから」
「ありがとう」
「ちぇっ、和ませるの失敗したし…」
と大智が拗ねているときに、悠太が入ってきた。
「失敗して正解かと思うよ」
「おま………ゆーたぁぁぁぁあ」
「遅れてごめんね」
「ぐふぉっ……」
叫びながら走ってきた大智に、悠太は蹴りを入れた。
寝坊したらしく、急いでいたせいでタクシーに乗るまで電話には気づかなかったらしい。
「心配したんだから!」
「みんな、心配かけてごめんね」
無事に着いた裕太を交え、少しだけ練習したのであった。
1時間前だというのに、珍しく悠太が遅刻している。
それも、連絡もなく遅刻しているのでメンバーは不安が募り、なかなか楽器の練習も手がつかない状態だった。
「悠太、間に合えばいいんだけど……」
「心配しなくても、絶対にくるよ」
遥に、そっと励ます颯斗は誰よりも冷静な彼も不安になっているのだ。
顔に出さないだけで、周りからは冷たいイメージを持たれる。
「颯斗が、一番不安そうな顔してる」
「へっ…?いや…してねぇって」
「冗談だって!」
図星だった颯斗に、クスクス笑いながら遥はドラムに近づき、スティックに触れ座る。
「ん?遥ってドラム出来たっけ??」
「裕太に教えて貰ってるから、ちょっとだけ出来るよ!」
「まじで!?ならさ、裕太が来なかったら変わりにドラム出来るよな?」
「やってみないと分かんないけど……」
「んじゃぁさ、1回見せて」
「うん」
大智の提案に返事をして、叩き始めた。
悠太程ではないが、生放送に出でも問題ないほどだ。
「ど…どうかな?」
「上手いから、心配しなくても大丈夫だよ」
背中をポンッと叩きながら、葵斗は遥に伝えた。
まだ不安そうな顔をしているが、自分がちゃんとしなければと思い、気合いを入れる。
「祐一、悠太に連絡取れた?」
「取れたよ!あと10分で作って」
「よかったぁ…」
30分前に、メンバーが揃うことに安堵した葵斗。
だが、大智と颯斗は和ませようと葵斗をイジりだそうとしていた。
「「大智、颯斗!!」」
「えっ?」
葵斗は後ろを振りかえると、何かを企んでいる顔をした大智と申し訳無くしている颯斗が後ろに立っていた。
「葵斗に悪戯しようとしないの!!!」
「遥、怒んなってば…」
「遥、大智はいつものことだから……」
と、葵斗が言っても遥は大智を睨みつけ祐一は大智と颯斗を交互に睨みつけた。
「ごめん、ちょっと悪戯したくなる顔してたから……」
「颯斗は気にしなくていいよ、大智の企てた計画だろうから」
「ありがとう」
「ちぇっ、和ませるの失敗したし…」
と大智が拗ねているときに、悠太が入ってきた。
「失敗して正解かと思うよ」
「おま………ゆーたぁぁぁぁあ」
「遅れてごめんね」
「ぐふぉっ……」
叫びながら走ってきた大智に、悠太は蹴りを入れた。
寝坊したらしく、急いでいたせいでタクシーに乗るまで電話には気づかなかったらしい。
「心配したんだから!」
「みんな、心配かけてごめんね」
無事に着いた裕太を交え、少しだけ練習したのであった。
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