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デビュー
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2011年1月、俺らMy Taersは全国デビューした。
そう、俺らのデビューしてからの物語だ。
「ゆーたっ!俺ら、やっとデビューだなっ!!」
「いでっ!祐一、いちいち叩いてはしゃぐなよ……」
「いーじゃん、なっ…颯斗?」
「……記者会見前なのに、よくはしゃげるよな…」
「むっ、むう………」
「祐一、はしゃいでいいけどデビュー曲ぐらいはちゃんとしてね?」
「ふざけっと、蹴るからな!!」
「うぅ……」
こうして1人はしゃぐ中、記者会見がスタートした。
『My Tearsの皆さんにデビュー曲「Taers」披露後、記者会見と致します。
それでは、Tearsをどうぞ!』
___________
Tears(歌詞を一部記載)
白と黒の世界 俺らの場所は常に黒の世界
まばゆい白い世界に なかなか行けやしない
何度も何度も涙を流しても
光を一気に掴むより 1つずつゆっくり手にすれば
白の世界にいけるだろう 愛と同じ様な世界に居る
俺らは…
どんなに暴れても 心は白になれず
何度も涙をながしただろうか 何度夢見て
現実(リアル)を恨んだだろうか……
______________
「ふぅー、やっと終わった……」
「葵斗、まだ油断するなよ…会社でるまでが仕事っていうことを!」
「悠太ってさ、時々どや顔しながら先生みたいな事いうよね!」
「当たり前に、葵斗の先生やから言ったんだい!」
「なにそれ…」
くすくす笑う葵斗、それを茶化す悠太の会話を聞きながら楽屋に入った。
まだ、高校生の彼らは華やかな世界に入った訳であり、芸能界の厳しさも分からぬだろう。
半年後に人気が出たとしても……。
「大智っ!皆でデビュー祝いしたいんだけど……?」
と、葵斗がおずおずと聞く。
しかし、大智の答えは………
「どこでするか考えてんの?」
「まだ……です……」
「大智、それなら荻野ブラザーの家ですればいいんじゃね?」
「悠太…葵斗を甘やかしすぎだ…仕方ねぇ、帰りに何か買って帰るか!」
皆は、帰る準備や着替えをしていた…ただし、祐一は1人でキャッキャ騒ぎながらだが。
しかし、葵斗と大智の双子以外はドギマギしているのは確実である。
メンバー同士、いや、男同士の恋愛に困惑しているのは確かである。
「My Tearsのみんな!よく頑張ったね……明後日には、生放送の歌番に出るんだから明日はゆーっくり休むんだよ?」
「「しゃっ、社長っ!!!」」
「あらぁーっ、そんなにびびらなくても……」
くすくす笑っているのは、My Taersのプロデューサーもしてくれている青山社長。
路上ライブをしていたインディーズ時代に、社長の目に入りスカウトされた……という事の始まり。
「急に入って来るからじゃないですか…」
「いいじゃない!まっ、それだけだから…あと葵斗くん、これ、次のスケジュールね!
じゃね……」
「あ、はぁ…」
さっと、スケジュールの書かれた紙を渡して出て行った社長。
「俺、思うんだけど社長、機嫌よすぎじゃない?」
「颯斗も思ったんだ!」
「遥もか!」
メンバー全員、社長の機嫌よさが分からずじまいに終わった。
だけど、これから起こることを全て理解している様な表情だった。
そう、俺らのデビューしてからの物語だ。
「ゆーたっ!俺ら、やっとデビューだなっ!!」
「いでっ!祐一、いちいち叩いてはしゃぐなよ……」
「いーじゃん、なっ…颯斗?」
「……記者会見前なのに、よくはしゃげるよな…」
「むっ、むう………」
「祐一、はしゃいでいいけどデビュー曲ぐらいはちゃんとしてね?」
「ふざけっと、蹴るからな!!」
「うぅ……」
こうして1人はしゃぐ中、記者会見がスタートした。
『My Tearsの皆さんにデビュー曲「Taers」披露後、記者会見と致します。
それでは、Tearsをどうぞ!』
___________
Tears(歌詞を一部記載)
白と黒の世界 俺らの場所は常に黒の世界
まばゆい白い世界に なかなか行けやしない
何度も何度も涙を流しても
光を一気に掴むより 1つずつゆっくり手にすれば
白の世界にいけるだろう 愛と同じ様な世界に居る
俺らは…
どんなに暴れても 心は白になれず
何度も涙をながしただろうか 何度夢見て
現実(リアル)を恨んだだろうか……
______________
「ふぅー、やっと終わった……」
「葵斗、まだ油断するなよ…会社でるまでが仕事っていうことを!」
「悠太ってさ、時々どや顔しながら先生みたいな事いうよね!」
「当たり前に、葵斗の先生やから言ったんだい!」
「なにそれ…」
くすくす笑う葵斗、それを茶化す悠太の会話を聞きながら楽屋に入った。
まだ、高校生の彼らは華やかな世界に入った訳であり、芸能界の厳しさも分からぬだろう。
半年後に人気が出たとしても……。
「大智っ!皆でデビュー祝いしたいんだけど……?」
と、葵斗がおずおずと聞く。
しかし、大智の答えは………
「どこでするか考えてんの?」
「まだ……です……」
「大智、それなら荻野ブラザーの家ですればいいんじゃね?」
「悠太…葵斗を甘やかしすぎだ…仕方ねぇ、帰りに何か買って帰るか!」
皆は、帰る準備や着替えをしていた…ただし、祐一は1人でキャッキャ騒ぎながらだが。
しかし、葵斗と大智の双子以外はドギマギしているのは確実である。
メンバー同士、いや、男同士の恋愛に困惑しているのは確かである。
「My Tearsのみんな!よく頑張ったね……明後日には、生放送の歌番に出るんだから明日はゆーっくり休むんだよ?」
「「しゃっ、社長っ!!!」」
「あらぁーっ、そんなにびびらなくても……」
くすくす笑っているのは、My Taersのプロデューサーもしてくれている青山社長。
路上ライブをしていたインディーズ時代に、社長の目に入りスカウトされた……という事の始まり。
「急に入って来るからじゃないですか…」
「いいじゃない!まっ、それだけだから…あと葵斗くん、これ、次のスケジュールね!
じゃね……」
「あ、はぁ…」
さっと、スケジュールの書かれた紙を渡して出て行った社長。
「俺、思うんだけど社長、機嫌よすぎじゃない?」
「颯斗も思ったんだ!」
「遥もか!」
メンバー全員、社長の機嫌よさが分からずじまいに終わった。
だけど、これから起こることを全て理解している様な表情だった。
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