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「よく来たな……。待っていたぞ……」
「だ、だれだ!?」
「私の名前は魔王軍四天王の一人、サレルノダス・ダグリアーニだ……。よろしく頼むぞ……」
「お前が魔王軍の四人目の四天王なのか!」
「いかにも……。私が魔王軍幹部の一人である……」
「くそっ……。戦うしかないのか……」
「シンヤ様……」
「大丈夫だよ……。レイナ……」
「シンヤ君……」
「シンヤ……」
「みんなは下がっていて……」
「ふっ……。貴様に勝ち目はない……。大人しく降参しろ……」
「絶対にしない!お前を倒して、この世界を平和にしてみせる!」
「面白い……。ならば、死ぬがいい!」
魔王軍幹部のサレルノダスは魔法を唱え始めた。
「させない!喰らえ!サンドラナロー!」
バルボシクラッブは魔法を唱えると、雷の矢を放った。しかし、サレルノダスは魔法を唱え終えると、右手を前に突き出した。
「ふん!無駄だ!」
サレルノダスが手を振り下ろすと、目の前に大きな魔法陣が現れた。そして、そこから巨大な炎が飛び出し、バルボシクラッブの放った雷の矢を飲み込んだ。
「なんだとっ!?」
「次は私の番だ!」
サレルノダスは再び魔法を唱えた。すると、大きな竜巻が発生して、シンヤ達を襲った。
「くっ……。まずいぞ!この部屋は狭すぎる!」
「逃げ場がありません!」
「やばいぞ!」
「きゃあっ!」
「シンヤ様!」
「みんな!」
5人の体力はみるみると減っていく。
「もうダメです……」
「諦めるな!」
「シンヤ様だけでもお逃げください!」
「いや、俺だけ逃げるなんてできないよ!」
「でもこのままでは全員死んでしまいます……」
「くそぉ……!!」
「死ねぇ!!これで終わりだ!」
サレルノダスはさらに強い風を起こした。
「ぐわぁー!!!」
シンヤ達の体力は限界に達した。そして、そのまま気を失ってしまった……。
「フハハハッ!死んだか……。まあいい……。次の奴らが来るまで待つとするか……」
***
「……ん?ここはどこだ?」
目を覚ましたシンヤが最初に見たものは見慣れない天井だった。
そこにはセリーナの姿があった。
「あれ……?どうしてここに?」
「シンヤさん……。よかった……」
「えっと……。どういう状況?」
シンヤは体を起こして周りを見渡してみた。
そこはどこかの部屋の中のようであった。
「シンヤさん……。あの後、どうなったか覚えていますか……?」
「確か……、魔王軍の幹部と戦っていたような気がするんだけど……」
「そうなんです……。それで、負けてしまったんですよ……」
「負けた……!?」
「はい……。私たちの体力が尽きたところで、強力な攻撃を受けてしまって……」
「そうだったのか……。ところで、他のみんなはどこにいるんだ?」
「それが、私にも分からないのです……」
「そんな……」
「シンヤさんの体は回復させましたけど、まだ意識を取り戻していないと思います……」
「そうなのか……。じゃあ、今のうちにみんなのところに行かないと……」
「いえ……。それは危険です……」
「なんで!?」
「おそらく、他の皆さんはまだ戦っているはずなのです……。そこにシンヤさんが行ったとしても、邪魔になってしまうだけでしょう……」
「そんなことはないと思うよ……」
「いいえ……。それに、ここでじっとしている方が安全ですよ……」
「う~ん……。わかったよ……。じゃあ、俺はみんなを信じることにするよ……」
「その方がいいかもしれませんね……」
「ところで、ここってどこなの?」
「たぶん、魔王城の最上階にある部屋の中だと思われます……」
「えっ!?」
「魔王軍の幹部に見つかってしまったので、急いで逃げたんですけど、なぜか外に出られなくて……」
「そういえば、さっきも外に出られなかったね……」
「おそらく妨害されているんだと思います……」
「妨害って、どんな妨害をされているんだろうね?」
「分かりません……。ただ、魔王軍の四天王が関わっていることは間違いありません……」
「なるほど……。ということは、魔王軍幹部の一人が妨害しているってことだよね……」
「おそらくそうだと思います……」
その時、部屋の中に一人の女性が入ってきた。
「あら……。目が覚めたみたいですね……」
「あなたは誰ですか?」
「私は魔王軍四天王の一人、ヴァギラ・デンコ・モッツァーノよ……」
「魔王軍幹部の一人なのか!?」
「ええ……。よろしく……」
「くそっ……。戦うしかないのか……」
「戦う必要はないわよ……」
「どういうことだよ!?」
「だって、私には勝てないもの……」
「なんだとっ!?」
「だから、降参したほうがいいわよ……」
「ふざけるな!」
「ふぅ……。仕方ないわね……。実力の違いを見せてあげる……」
すると、ヴァギラは魔法を唱え始めた。
「喰らいなさい!サンドラナロー!」
バルボシクラッブは再び雷の矢を放ったが、またもやサレルノダスによって防がれてしまった。そして、サレルノダスは再び魔法を唱えた。
「今度は私の番だ……。死ねぇ!!」
サレルノダスは手を振り下ろした。すると、大きな炎が飛び出して、バルボシクラッブを襲った。
「ぐわぁー!」
「くっ……」
(なんとかしないと……)
シンヤは考え事をしていた。そして、あることを思いつき、行動に移した。
「よし……。これでいこう!」
シンヤは剣を構えながら、前に走り出した。
「なにをする気だ……?」
サレルノダスは不思議そうな顔をした。しかし、すぐにニヤリと笑った。
「バカめ!死にに来たか!」
「違う!」
シンヤは魔法を唱えた。
「火炎弾!」
シンヤの放った火属性の攻撃は、サレルノダスではなく、サレルノダスの周りに現れた竜巻に当たった。そして、そのまま竜巻の中に入っていった。そして、炎が竜巻の中で燃え上がった。そして、竜巻と炎は次第に消えていった。
「なぜだ……?」
「へへん!どうだ!!」
シンヤは得意げな表情をした。
「貴様ぁ……!!一体何者だ!?」
「俺の名前はシンヤ!勇者だ!」
「なに……!?」
「お前らを倒すためにここに来たんだ!」
「くっ……。ならばもう一度、風を起こしてやる……!」
サレルノダスは手を上に上げた。しかし、シンヤはすかさず叫んだ。
「させないぞ!水撃波!」
シンヤは水の玉を飛ばし、それを風の刃で切り裂いた。その衝撃で、辺り一面に水が飛び散り、小さな雨のように降り注いだ。
「くっ……。この程度ではびしょ濡れになるだけだ……。無駄なことをしているのが分からないのか……?」
「そうでもないさ……」
「どういう意味だ?」
「今から分かるさ……。行くぜ!」
「だ、だれだ!?」
「私の名前は魔王軍四天王の一人、サレルノダス・ダグリアーニだ……。よろしく頼むぞ……」
「お前が魔王軍の四人目の四天王なのか!」
「いかにも……。私が魔王軍幹部の一人である……」
「くそっ……。戦うしかないのか……」
「シンヤ様……」
「大丈夫だよ……。レイナ……」
「シンヤ君……」
「シンヤ……」
「みんなは下がっていて……」
「ふっ……。貴様に勝ち目はない……。大人しく降参しろ……」
「絶対にしない!お前を倒して、この世界を平和にしてみせる!」
「面白い……。ならば、死ぬがいい!」
魔王軍幹部のサレルノダスは魔法を唱え始めた。
「させない!喰らえ!サンドラナロー!」
バルボシクラッブは魔法を唱えると、雷の矢を放った。しかし、サレルノダスは魔法を唱え終えると、右手を前に突き出した。
「ふん!無駄だ!」
サレルノダスが手を振り下ろすと、目の前に大きな魔法陣が現れた。そして、そこから巨大な炎が飛び出し、バルボシクラッブの放った雷の矢を飲み込んだ。
「なんだとっ!?」
「次は私の番だ!」
サレルノダスは再び魔法を唱えた。すると、大きな竜巻が発生して、シンヤ達を襲った。
「くっ……。まずいぞ!この部屋は狭すぎる!」
「逃げ場がありません!」
「やばいぞ!」
「きゃあっ!」
「シンヤ様!」
「みんな!」
5人の体力はみるみると減っていく。
「もうダメです……」
「諦めるな!」
「シンヤ様だけでもお逃げください!」
「いや、俺だけ逃げるなんてできないよ!」
「でもこのままでは全員死んでしまいます……」
「くそぉ……!!」
「死ねぇ!!これで終わりだ!」
サレルノダスはさらに強い風を起こした。
「ぐわぁー!!!」
シンヤ達の体力は限界に達した。そして、そのまま気を失ってしまった……。
「フハハハッ!死んだか……。まあいい……。次の奴らが来るまで待つとするか……」
***
「……ん?ここはどこだ?」
目を覚ましたシンヤが最初に見たものは見慣れない天井だった。
そこにはセリーナの姿があった。
「あれ……?どうしてここに?」
「シンヤさん……。よかった……」
「えっと……。どういう状況?」
シンヤは体を起こして周りを見渡してみた。
そこはどこかの部屋の中のようであった。
「シンヤさん……。あの後、どうなったか覚えていますか……?」
「確か……、魔王軍の幹部と戦っていたような気がするんだけど……」
「そうなんです……。それで、負けてしまったんですよ……」
「負けた……!?」
「はい……。私たちの体力が尽きたところで、強力な攻撃を受けてしまって……」
「そうだったのか……。ところで、他のみんなはどこにいるんだ?」
「それが、私にも分からないのです……」
「そんな……」
「シンヤさんの体は回復させましたけど、まだ意識を取り戻していないと思います……」
「そうなのか……。じゃあ、今のうちにみんなのところに行かないと……」
「いえ……。それは危険です……」
「なんで!?」
「おそらく、他の皆さんはまだ戦っているはずなのです……。そこにシンヤさんが行ったとしても、邪魔になってしまうだけでしょう……」
「そんなことはないと思うよ……」
「いいえ……。それに、ここでじっとしている方が安全ですよ……」
「う~ん……。わかったよ……。じゃあ、俺はみんなを信じることにするよ……」
「その方がいいかもしれませんね……」
「ところで、ここってどこなの?」
「たぶん、魔王城の最上階にある部屋の中だと思われます……」
「えっ!?」
「魔王軍の幹部に見つかってしまったので、急いで逃げたんですけど、なぜか外に出られなくて……」
「そういえば、さっきも外に出られなかったね……」
「おそらく妨害されているんだと思います……」
「妨害って、どんな妨害をされているんだろうね?」
「分かりません……。ただ、魔王軍の四天王が関わっていることは間違いありません……」
「なるほど……。ということは、魔王軍幹部の一人が妨害しているってことだよね……」
「おそらくそうだと思います……」
その時、部屋の中に一人の女性が入ってきた。
「あら……。目が覚めたみたいですね……」
「あなたは誰ですか?」
「私は魔王軍四天王の一人、ヴァギラ・デンコ・モッツァーノよ……」
「魔王軍幹部の一人なのか!?」
「ええ……。よろしく……」
「くそっ……。戦うしかないのか……」
「戦う必要はないわよ……」
「どういうことだよ!?」
「だって、私には勝てないもの……」
「なんだとっ!?」
「だから、降参したほうがいいわよ……」
「ふざけるな!」
「ふぅ……。仕方ないわね……。実力の違いを見せてあげる……」
すると、ヴァギラは魔法を唱え始めた。
「喰らいなさい!サンドラナロー!」
バルボシクラッブは再び雷の矢を放ったが、またもやサレルノダスによって防がれてしまった。そして、サレルノダスは再び魔法を唱えた。
「今度は私の番だ……。死ねぇ!!」
サレルノダスは手を振り下ろした。すると、大きな炎が飛び出して、バルボシクラッブを襲った。
「ぐわぁー!」
「くっ……」
(なんとかしないと……)
シンヤは考え事をしていた。そして、あることを思いつき、行動に移した。
「よし……。これでいこう!」
シンヤは剣を構えながら、前に走り出した。
「なにをする気だ……?」
サレルノダスは不思議そうな顔をした。しかし、すぐにニヤリと笑った。
「バカめ!死にに来たか!」
「違う!」
シンヤは魔法を唱えた。
「火炎弾!」
シンヤの放った火属性の攻撃は、サレルノダスではなく、サレルノダスの周りに現れた竜巻に当たった。そして、そのまま竜巻の中に入っていった。そして、炎が竜巻の中で燃え上がった。そして、竜巻と炎は次第に消えていった。
「なぜだ……?」
「へへん!どうだ!!」
シンヤは得意げな表情をした。
「貴様ぁ……!!一体何者だ!?」
「俺の名前はシンヤ!勇者だ!」
「なに……!?」
「お前らを倒すためにここに来たんだ!」
「くっ……。ならばもう一度、風を起こしてやる……!」
サレルノダスは手を上に上げた。しかし、シンヤはすかさず叫んだ。
「させないぞ!水撃波!」
シンヤは水の玉を飛ばし、それを風の刃で切り裂いた。その衝撃で、辺り一面に水が飛び散り、小さな雨のように降り注いだ。
「くっ……。この程度ではびしょ濡れになるだけだ……。無駄なことをしているのが分からないのか……?」
「そうでもないさ……」
「どういう意味だ?」
「今から分かるさ……。行くぜ!」
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